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「第1話「旅立ち」」(2006/06/24 (土) 14:17:41) の最新版変更点
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<p>脳が目覚めてきた。<br>
取り合えず状況把握の為に。<br>
色々と確認をしておこうか。<br>
僕の名前は桜田ジュン。<br>
そして隣で遠くに外れた、東の国の服から、洋服に着替えているのが。<br>
何故か今日の夢から出てきた、蒼星石という女の子だ。<br>
この星は色々と、各国に色々な条約があって。<br>
この星には全部で、…幾つだっけか?まぁいい。<br>
取り合えず、有り得ない量の国々が有る。<br>
各国共通なのは、お金、言語、後は一部を除いて服である。<br>
体の形質は、大抵の人間は共通して同じで、一部の人間は違ったりする。<br>
この子は…何処か違うんだろな…夢から出てきた子何だし。<br>
だからと言って、差別をする輩が居るらしいが。<br>
其れは相手に対する、無粋な行為だし。<br>
相手が友好的な奴かどうか、調べてから罰しても、遅くは無いと思うが…<br>
最近は宗教で成り立つ国や、人が数人しかない国まである。<br>
…そして、俺は今日この国を旅立つ。<br>
何故か?この国に、飽き飽きしたからだ。<br>
この国は唯でさえ、言論の自由がキツイし。<br>
この国の人間は、形式にしか拘らない奴ばっかだ。<br>
正直飽き飽きする、この国から出る人間も多数いて。<br>
国から国を移動しているだけの、相当旅月な奴もいるようだ…<br>
俺も其れに今日から、仲間入りする予定だが…<br>
大体確認事項はそれだけ、国には玄関があって。<br>
其処で入国手続きやら、入国審査、滞在期間やetcを聞かれる。<br>
其れさえ過ぎれば、その国での法を守れば、何をしても大抵はOKである。</p>
<br>
<p>J「質問がある。」</p>
<br>
<p>
ジュンは着替えが終わって、洋服をやや梃子摺りながら、ぎこちなく着た蒼星石に振り向いた。</p>
<br>
<p>蒼「何ですか?主人。」<br>
J「お前は、何処からやってきて、それで主人って何だ?」</p>
<br>
<p>
そうなのだ、蒼星石は夢から出てきてから、ずっと主人と呼んでいるのだ。<br>
大体、アレが夢のような感じがせず、寧ろ異世界な様な気がする。</p>
<br>
<p>
蒼「何言ってるんですか?彼方が呼んだんじゃないんですか?」<br>
J「…は?」</p>
<br>
<p>何を言い出すのだ?この電波少女は。<br>
俺が何時お前を…呼んだんだ?</p>
<br>
<p>
蒼「彼方が心の其処で、一人だと寂しいなって言ったから、僕が呼ばれたんです。」<br>
J「…えーっと?…まぁ、そういう事にして置こう…」</p>
<br>
<p>
やはり…この子には多分、不思議な能力が有るんだろう…<br>
だからこんな電波な、言い廻しになるんだ…</p>
<br>
<p>
蒼「そして、二つ目の質問ですが、私の生みの親が僕を呼んだ人の名前を、そう呼ぶように言ったんです。」<br>
J「…」</p>
<br>
<p>この子の親って…イタイ人何だろうなぁ…<br>
其れじゃなければ、こんなかぁいい我子に、そんな事させないだろうに…</p>
<br>
<p>J「さて…行くか。」<br>
蒼「何処にですか?」<br>
J「旅だよ、之から世界中を旅するんだ。」<br>
蒼「其れは素敵ですね、今から用意しますね?」<br>
J「…んー…ああ。」</p>
<br>
<p>正直之には相当悩んだ。<br>
この子を此処に置いて行くべきか、其れとも連れて行くべきか。<br>
だが呼んどいて、放置も可哀想なので、連れて行くことにした。<br>
…俺ってとことん、駄目男だな…</p>
<br>
<p>J「さて…用意は良いか?」<br>
蒼「えっと…出来ました。」<br>
J「それじゃぁ!レッツゴー!」</p>
<br>
<p>
・・・正直、蒼星石が持っている物が、リュックサックだけだったのには驚いた。<br>
そのリュックサックは、中に色々入っていて、黒光りする黒い塊もあったが。<br>
其処はあえて、スルーしておく事にした。<br>
之から使う乗り物は、軽トラである。<br>
何故か?荷物が多く入るからだ。<br>
それに結構、低燃費だし。<br>
何て冒険者に付き物な、移動費の愚痴を何処かに垂れ流しながら。<br>
2人分の荷物を、ジュンが持ち上げる。<br>
序に僕の荷物は、鋼鉄で補強された少し大きめの、旅行向けの鞄だ。<br>
この中には、対護身用の武具に、2週間分の乾燥食料。<br>
4週間分の水をタンクで、車に直接仕舞っておいて。<br>
対砂様と擦り傷防止用の、鋼鉄板で色々と補強した軽トラに。<br>
いざ全部を詰め込もうと、外の車に向かっていった。<br>
・・・この軽トラは、違法寸前まで改造を施して有るが。<br>
他の所に向かう車として、いろいろな所から甘んじてもらっている。</p>
<br>
<p>蒼「主人!僕が持ちます!」<br>
J「いやいい、ってか・・・僕は主人じゃなくて、ジュンとでも呼んでくれ。」<br>
蒼「それじゃあ、ジュン君!僕が荷物を・・・」<br>
J「女の子はこう・・・お静かに・・・」<br>
蒼「はぃ・・・」</p>
<br>
<p>
そう言うと、蒼星石は何か出来る事を探しながら、ジュンについて行った。<br>
しかし、何か出来るわけでもなく、軽トラの助士席に乗り込んでいく。</p>
<br>
<p>蒼「・・・」<br>
J「さて、之から何処の街に行くか、蒼星石は分かるか?」<br>
蒼「・・・何処ですか?」</p>
<br>
<p>少し拗ねていたが、好奇心に負けて聞いてきた。<br>
こう言うところを見ると、子供らしくて良い、思わず含み笑いがこぼれた。</p>
<br>
<p>
J「次の国はな・・・世界一民に優しい国、だそうだ。」<br>
蒼「?何ですか?それ。」<br>
J「さぁ?もしかしたら、逃げる準備はして置けよ?」<br>
蒼「?」</p>
<br>
<p>蒼星石はまるで、理解できない様な顔をすると。<br>
ジュンは運転席に乗り、車を出発門に向けていった。<br>
其処には門番が一人、ぽつんと立っていた。</p>
<br>
<p>門「はい、今日出発予定の、桜田さんですね。」<br>
J「はい、そうです。」</p>
<br>
<p>そう言うと、門番は機械的に作業を進めていく。<br>
・・・この人も暇なんだろうな・・・眠そうな顔をしてるし。</p>
<br>
<p>門「・・・出来ました。」</p>
<br>
<p>そう言うと、ジュンに外出・入国許可所を渡した。<br>
そして、軽トラのエンジンをかけ、出発した。<br>
あの家は借家で、あの家にもう僕の物は無い。<br>
之でこの国に、思い残す物も無くなり。<br>
僕たちは一番最初の国、【世界一民に優しい国】に向かった。<br>
道は少し平らな草木の道なので。<br>
車の揺れも少なく、快適に進めていた。</p>
<br>
<p>J「さて・・・道のりはまだまだだな。」<br>
蒼「ジュン君、君が僕のお父様に選ばれたのは、何故なんだい?」<br>
J「・・・思い当たる節が、無いことも無いけど内緒。」<br>
蒼「・・・何か有ったんですか?」<br>
J「・・・ちょっとね。」<br>
蒼「もしかして、犯罪とか・・・」<br>
J「ハハハ・・・其れだったらまだ良かったのか?・・・いや何でもない。」<br>
蒼「・・・」</p>
<br>
<p>
ジュンは乾いた笑いをし、何かを悔やむような顔をした後。<br>
元の顔に戻って、運転を再開した。<br>
後に残ったのは、少しばかり耳障りな軽トラの、エンジン音の唸る音だけだった。</p>