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体は子供、頭脳は(ry 第二話」(2006/06/18 (日) 10:56:52) の最新版変更点

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<p>ジュンの受難 第二話<br> <br> ここは名門と名高い私立薔薇ヶ丘学園。<br> 成績だけではなく、家柄まで重視されるのだ。<br> 当然どこかキラキラした嬢ちゃま坊ちゃまオーラが漂っている。<br> そのなかで、一際異彩のオーラを放っている美少女がいた。<br> (もしも・・・もしもジュンが・・・風邪をこじらせて肺炎にでもなってたら・・・!)<br> 普通に病院にいくだろう。という野暮は言わないでおこう。<br> 彼女・・・そう、真紅は本気で思っているのだ。<br> (ああ、こんなことなら相合傘したときに入れてあげるんだったわ・・・)<br> 相合傘は両方入るからそう呼ばれるのだが。<br> まあ、とにかく真紅は気が気ではなかった。こういうときに限って普段冷たいヤツは優しいものだ。<br> 確かに貧弱そうな外見をしているジュンだけれども、無断欠席なんて滅多にしないはずだ。<br> もうすぐ帰りのSHRも終わる。真紅は先生の話を右から左へと受け流し、委員長の号令とともに教室を出る。<br> <br> <br> 校門まで彼女なりに精一杯走ったのだが、どうも自分は足が遅いらしい。<br> だって水銀橙は明らかに汗ひとつないのに、自分はもうクタクタだ。<br> というか水銀橙は歩いてきたみたいだ。仕方なく彼女の歩調に合わせる。<br> 「真紅ぅ。ジュンのこと心配なのはわかるけどぉ、すこし落ち着いたらどう?」<br> 涼しい顔が呆れた表情を作る。<br> 「あなた、心配じゃないの?」<br> 真紅がすこしムッとした顔で言う。<br> 「心配だから、こうしてお見舞いにいくんでしょぉ」<br> 水銀橙が心底呆れて言う。<br> 「ま、真紅が心配しすぎなんじゃない?」<br> 「蒼星石は落ち着きすぎなんですぅ!もうちょっと心配しやがれですぅ!」<br> 双子が会話に加わった。途中から追いついてきたみたいだ。<br> 「ところで蒼星石、他の子はぁ?」<br> 「雛苺はピアノ。金糸雀はバイオリン。姉妹はちょっとお買い物」<br> 「みんな余裕ありすぎよ!どこから捻り出してるのかしら!もう!」<br> 「そうですぅ!みんなジュンへの愛が足りてないですぅ!」<br> 「だから、みんなちゃんと帰りがけに寄るって。それまで待っててほしいってさ」<br> <br> そして、しばらく他愛の無い話が続き、いよいよジュンの家に着いた。<br> インターホンを押す指にも力が入る。真紅は一呼吸おいて押した。<br> <br> 「んっ・・・?ああ、僕寝ちゃってたか。涎がついてる」<br> 何か音がした気がするけど。そう思ってぼんやり待つと、インターホンの音が鳴る。<br> 時計をチラッと見ると午後4時過ぎ。ああ、帰りがけに寄ってくれたのか。<br> 「ああ・・・大丈夫・・・だよね?」<br> そう祈りながらジュンは玄関のドアを開けた。<br> <br> <br> 「出てこないわ。もう一度押してみましょう」<br> 誰に言うでもなく呟くと、もう一度押す。<br> もう一度インターホンが響くと、鍵を開ける音がする。<br> 真紅は一息ついた。<br> (よかった、とりあえず生きてはいるのね・・・?)<br> しかし、それもつかの間。<br> ドアが開くと、そこには小学生が立っていた。<br> 真紅は思わず目を疑った。<br> 双子はお互いを見てポカンとしていた。<br> 唯一まともな思考回路が働いている水銀橙が尋ねた。<br> 「ねぇボク?ジュン君いますか?」<br> (大方従兄弟か何かでしょう。よく見ないでもジュンに似ているわぁ。)<br> するとその小学生は口を開いてこう言った。<br> 「ああ、僕がジュンだよ。来てくれてありがとう、助かったよ」<br> (お姉さんをからかうとはいい度胸ねぇ。かわいい子。)<br> 「ふふふ。お姉さんはそんなのに騙されないわよぉ。ジュン君は二階?」<br> 「だ・か・ら、僕がジュンなの!小さくなったんだよ!」<br> 「ごめんねぇ。今あなたの相手をしてる暇はないの」<br> そういって無理にちびっ子を押しのけて家へと上がりこむ。後ろから思考停止してた子もついてきている。<br> とりあえず病人なら、二階の寝室だ。<br> そう思って勝手にジュンの部屋に上がりこむものの、居ない。<br> トイレに行っているのかしら?やっぱり居ない。<br> そのあと隈なく家中を探し回っても誰も居ない。<br> 肝心のちびっ子は、諦めた顔をしている。「もう、好きにしてくれ」みたいな。<br> <br> もしかして・・・。万が一の可能性がある。そう思って水銀橙はちびっ子に話しかけてみた。<br> 「ねぇ、ボク。君がもしもジュンだとしたら・・・君のこの前の中間テスト、何点?」<br> 「水銀橙と蒼星石に負けて、5教科482点!総合3位だよ!デートまだしてないだろ?」<br> なんでこいつは私の点数まで知ってるのだろうか。しかも、ジュンが負けたらデートの約束だった。もしかしたら、本当に?<br> 「ねぇ、僕の趣味は?」<br> 蒼星石が我に返ったように聞く。<br> 「園芸。蒼星石は鋏を使うのが上手で、翠星石は如雨露が得意」<br> その後も、いろんな質問が繰り返されたが目の前のちびっ子はいとも簡単に答えてしまう。<br> <br> <br> 「これで証明できた?僕が正真正銘の桜田ジュンだって事」<br> 質問も出尽くしてしまって、全て答えきったちびっ子を最早ジュンと認めるしかないようだ。<br> 「・・・もしかして、本当にジュンですぅ?」<br> 「だからさっきからそう言ってるだろ」<br> そして、真紅と水銀橙がお互いの頬をつねり合い、双子はデコピンをかましあった後に。<br> 「痛い」<br> 見事な四重奏。<br> 「夢・・・じゃないの?」<br> 「夢なら夢であってほしい」<br> そして、沈黙が場を支配した。かに見えた。しかし、予想以上に彼女らは強かった。<br> 「ま、いいわぁ。どうせ、ジュンはジュンでしょう?」<br> 「いや、あの、その」<br> 「ならいいわぁ。これもひとつの愛よぉ。ふふふ。たぁっぷり可愛がってあげるわぁ」<br> そう言うと水銀橙は妖艶な笑みを浮かべ後ろからジュンを抱きかかえて膝の上に乗せた。<br> 「な・何してるんですか?」<br> 思わず敬語で聞き返すジュン。<br> 「うふふ。ジュン可愛い~♪」<br> 急展開に呆気にとられかけたものの、真紅がジュンを前から引っ張り。<br> 翠星石が右から引っ張り。蒼星石が左から引っ張る。<br> 「ぎゃぁぁぁあああ!!!裂ける裂ける裂けるぅぅぅううう!!!」<br> 受難は始まったばかりである。<br></p>

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