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「新説JUN王伝説~序章~」3章 - (2006/11/21 (火) 15:01:51) のソース

「新説JUN王伝説~序章~」第3話<br>
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ジ「なあ、やっぱり恥ずかしいんだが…」<br>
黒『じきに慣れますよ、我が主。』パカラ…パカラ<br>
放課後、下校しようとすると今朝言っていたとおり黒王号が校門で待機していた<br>

始めは拒否したジュンだったが強引に押し切られ今は黒王号にまたがり帰宅している…<br>

子供「ママ~、あれなに~?」<br>
母親「しっ…見ちゃ駄目よ!?」<br>
ジ「うぅ…///」<br>
すれ違う人たちが向ける好奇の視線に耐えながらジュンはようやく我が家についた…だが…<br>

ジ「な…何じゃこりゃ…」<br>
ジュンは驚愕した…何故ならば朝登校する時にはあったはずの隣の家が跡形もなく消え、代わりに一軒家ほどの巨大な馬小屋が建っていたからだ…<br>

ジ「何故……はっ!!」<br>
ジュンは今朝のことを思い出した…それは薔薇水晶が言っていた言葉だった<br>

ジ「…手配はしとくって…こういうことだったのか…」<br>
彼女の家は日本でも有数の資産を誇る名家…きっと何かしらの手段を使ったのだろう…<br>

ジ「はぁ…」<br>
黒『ど…どうなされましたか?我が主…』<br>
ジ「いや…ため息と一緒に魂が出そうになっただけだから気にしないでくれ…」<br>

の「あぁ、ジュンく~んお帰り~♪」<br>
その時家から姉ののりが出てきた<br>
ジ「姉ちゃん!どういうこったこれは!?」<br>
ジュンは目の前の理不尽を指差して言ってみたが<br>
の「あらあら、この子が黒王ちゃんね?話は薔薇水晶ちゃんから聞いてるわ~。私はジュン君の姉ののりよぅ、よろしく♪」<br>

のりはいたって驚いてないようで、むしろ新しい家族に目を輝かせていた…<br>

黒『…我が主?』<br>
ジ「なんだ?」<br>
黒『何故でしょうか…先程から私の本能が“この人間には逆らうな”と警告を発しているのですが…』<br>

ジ「黒王号…お前は正しいよ…」<br>
確かにキレたのりの恐さは弟のジュンが一番知っているがそれを一目で見抜くあたりは流石といったところだ…<br>

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の「あら、忘れてたわ…私これからお買いものに行こうと思ってたんだっけ…」<br>

ジ「何だよ、そんくらいたまには僕が行こうか?」<br>
の「本当に?ジュン君。」<br>
ジ「あぁ、嫌ならいいけど…」<br>
の「うぅん、お姉ちゃん嬉しいわぁ♪じゃあ、メモ渡すから黒王ちゃんと行ってきてね?」<br>

ジ「あぁ………って!何ですと!?」<br>
の「今からだとタイムサービスに間に合わないのよぅ。お願いジュンくぅん…」<br>

ジ「で…でも…なぁ?」チラッ<br>
黒『私は構いませんよ?』<br>
ジ(はぁ…またあんな恥ずかしい思いしなくちゃいけないのか…)<br>

黒『さぁ、我が主、行きますよ?』パカラ…パカラ…<br>

の「行ってらっしゃ~い♪」<br>
姉の声を背中に浴びながらジュンは無言のまま町へ向かった…<br>

ジ「これで最後か…さて、さっさと帰るぞ。」<br>
黒『仰せのままに…』パカラ…パカラ…<br>
ジ「ん?」<br>
黒『どうかされましたか?我が主…』<br>
ジュンは見覚えのある人影が建物の裏に連れて行かれるのを目撃した…<br>

ジ「黒王号…ちょっとここで待ってろ…」<br>
黒『あ…我が主、どちらへ?』<br>
ジュンは黒王号から降りると単身先程の建物の裏へ消えていった…<br>

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雛「うゆ…さっきからごめんなさいって言ってるの…ぐすっ」<br>

不良A「あぁ!?ぶつかってきたのはそっちだろうが。ならしっかり誠意見せろや!!」<br>

雛「ぐす…せーい?」<br>
不良B「そうだねぇ…お嬢ちゃんが僕らにお財布の中身をくれるか…それか今からホテルでも行くか…」<br>

不良C「ははは♪お前マジ鬼畜じゃん?」<br>
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そこには同級生の雛苺が3人の男に囲まれていた<br>
ジ「あいつら…」<br>
雛苺は先程から恐怖で涙を流している…なのに男達はこの小さな少女に対して一切の優しさは持ち合わせていないようだ…<br>

ジ「おい!!お前ら何やってんだ!?」<br>
ジュンは耐えきれず男達に叫んだ<br>
不良C「あん?ンだてめぇ…」<br>
ジ「その娘の友達だ!お前ら寄ってたかって1人の女の子に絡むなんてどういうつもりだ!?」<br>

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不良B「あぁ、悪いのはこの娘だよ。先に俺らにぶつかってきたんだし…だからお仕置き♪」<br>

雛「うゆ…ヒナさっきから謝ってるのにぃ…」<br>
ジ「わかった…それなら僕がその娘の代わりになる…それで勘弁してくれないか?」<br>

雛「ジュン…」<br>
不良A「ひゃははは、聞いたかよ?格好いいナイト様だねぇお嬢ちゃん。」<br>

不良C「ならさ…俺にやらせてくれねぇか?」<br>
不良B「お、今日のことでイラついてんのかい?」<br>
不良C「まぁな…おい小僧!!お前ちょっとサンドバッグになってくれや…もし俺の拳に10発耐えられたらそいつを許してやってもいいぜ?」<br>

ジ「…本当だな?…よし、わかった。」<br>
雛「ジュン…」<br>
自分を心配そうな目で見上げる雛苺にジュンは小さく微笑んだ<br>

ジ「大丈夫…心配すんなよ……さぁ、いいぜ?」<br>
ジュンは不良に向かい仁王立ちになり歯を食いしばった<br>
不良C「へへ…そんじゃ…いいぃぃぃち!!」ボグウゥ!<br>

男の拳がジュンの腹にめり込む<br>
ジ「ぐうぅっ…」<br>
鈍い痛みが腹部を駆け巡った直後…<br>
不良C「にいいぃぃい!!」ドガァッ!<br>
男の拳が今度はジュンのこめかみに決まった<br>
ジ「ぐ…あ…」<br>
ジュンは一緒頭が真っ白になり倒れそうになったが男の手がしっかりと肩を掴んでそれを許さなかった…<br>

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不良C「さああぁぁん、しいいいいぃ!!ごおおおおおぉ!!!!」<br>

続け様に3発の拳がジュンをとらえた…<br>
ジュン「ぐぅ…ごほっ…っっつぅ…」<br>
だがジュンは倒れなかった…懸命に歯を食いしばっり震える足で大地を捉え守るべき少女の前に立ちはだかっていた<br>

不良A「ヒュウ…なかなかやんじゃん。」<br>
不良B「おいおい、手加減してんじゃねえの~?」<br>
不良C「うるせぇな…これでおしまいだよ!おらぁっ!!」<br>

ジュンに再び男の拳が飛ぶ<br>
不良C「ろおおぉぉくぅ!しいぃぃぃちぃぃ!!はあああああちいぃぃ!!!」ドゴォッ!ガスッ!!メキイィ…<br>

ジ「ぐぅ…がふ…がぁ……くっ…」<br>
不良C(畜生…なんなんだよこいつ!?ちっとも倒れやしねぇぞ…!!)<br>

ジ「はぁ…はぁ…どうした…まだあと2発残ってるぜ?(にやり)」<br>

不良C「!!」<br>
男はすでにボロボロのはずのジュンが見せた不適な笑みに得体のしれない恐怖を感じてた…<br>

不良C「う…うわああああああああああああ!!」<br>
不良A「お…おい!?」<br>
ドガァッ…バキイィ!!ガスッ!!グシャアア!!<br>
不良B「や…やめろって!!死んじまうぞ!?」<br>
不良C「うるさい!うるさいうるさいうるさいうるさいいいぃ!!」ガスッ!ドガァッ…<br>

錯乱した男はジュンに何度も殴りかかった…そしてやがてジュンは動かなくなった…<br>

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雛「もうやめてなの~!ジュンが死んじゃうの~!!」<br>
見ていられなくなった雛苺がジュンに走り寄る<br>
不良C「るせぇ!!どけよチビがあぁ!!」バシィ!<br>
雛「きゃっ…」<br>
だが雛苺の小さな体は男の平手打ちで吹き飛ばされてしまった…<br>

不良A「おいおい…酷ぇなぁ、ボクシングのプロ試験受からなかったからって八つ当たりもいいとこだぜ?」<br>

不良C「うるせぇな…ちっ、まあいい…この気味悪いガキにトドメでも刺しとくか…おらぁっ!!」<br>

男の拳がジュンに向かい再びふり下ろされた…<br>
『バシィ!!』<br>
不良C「な!?」<br>
男の拳を動けないはずだったジュンの掌が遮る…<br>
ジ「…ボクシング…プロ試験だと?…なら貴様はそんな拳を雛苺に向けたっていうのか?」ギリィ…<br>

握られた男の拳が痛みを覚える…<br>
不良C「く…離しやがれ!コイツ!!」バッ<br>
男がジュンから拳を振りほどき離れる<br>
ジ「どうやらお前に明日を生きる資格はなさそうだな…」<br>

そう言うとジュンはゆらりと立ち上がった…そして<br>
ジ「…」スッ<br>
無言のまま着ていた上着を脱いだ<br>
『ズシャァ!!』<br>
不良C「な!?」<br>
脱ぎ捨てられたジュンの上着から鈍い音が響いた…<br>
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『パチン…パチン…』<br>
続いてジュンは上着で隠れていた両腕に装着されていた黒いウェイトバンドを外した…そしてそれらも同様に鈍い音を立ててながら地面に落ちた…<br>

不良B「な…なんなんだよこいつ…」<br>
不良C「うるせぇ!誰だろうが関係ねぇよ!!死ねやこらぁあ!!」<br>

男の全力の右ストレートがジュンに迫る…だが<br>
ジ「…ふっ」ヒュン…<br>
不良C(な!?消えやがった!)<br>
男の視界からジュンが消えた直後…<br>
ジ「覇ッ!!」メキャア…<br>
不良C「がぼっ…」<br>
男の体が宙を舞った…<br>
不良C「ぐあぁ…うげえええぇ…」<br>
男の口から大量の胃液と内容物が吐き出される…<br>
ジュンは男の大振りの拳に合わせギリギリで身体を屈めた…そして男の突きの勢いをカウンターに零距離からの掌底を男の鳩尾に叩き込んだのだ…<br>

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ジ「…立てよ…こんなもんか?」<br>
不良C「ぐぅ…はぁ…はぁ…てめぇ…殺してやる…」<br>
ジュンは男の殺意の籠もった目にまた不適に笑い<br>
ジ「さぁ来いよ…自分より小さな者を痛めつけることしか知らないお前に…僕が本当の強さを教えてやる。」<br>

手招きをしながらそう言った…<br>
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