陰陽ノ京

陰陽ノ京 (電撃文庫) 陰陽ノ京〈巻の2〉 (電撃文庫) 陰陽ノ京〈巻の3〉 (電撃文庫) 陰陽ノ京〈巻の4〉 (電撃文庫)

感想

 しみじみと良い話でした。『空ノ鐘の響く惑星で』の方が人気が高いみたいですが、私はこの『陰陽ノ京』の方が好きですね。ストーリー的には『空ノ鐘の響く惑星で』の方が面白いけれど。
 文章からただよう平安時代の風情がいいのです。闇より浮かび上がる仄白い手で背筋をなでられたような怖さ、人の心に巣くう闇を描きながら、この作者のそそぐ眼差しは透徹していながら優しい。
 特に四巻の死んでしまっても清良に想いを残す蓮の話が心にしみてじわじわと涙がにじんでしまった。もののあわれを感じる佳品です。
 こんなに良い作品なのに続編を出版するのは難しいのかと残念でなりません。でも『空ノ鐘の響く惑星で』人気がでたから、そちらが完結したら出してもらえるかなぁと望みを捨てずにいようと思います。
  • 陰陽ノ京 1
  • 陰陽ノ京 2
  • 陰陽ノ京 3
  • 陰陽ノ京 4
  • 陰陽ノ京/5 07/04/05読了

著者名

出版社

メディアワークス 電撃文庫

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タグ:

電撃文庫
最終更新:2008年04月03日 22:39