中国宋代の短編時代小説。端正で巧いです。
私のお気に入りは、「芙蓉怨」。宋の初代皇帝である鷹揚な兄と有能だけど蔭のある謀略家の弟の組み合わせが面白いんですよねー。兄弟そろって同じ女性を好きになってしまって。しかも、その女性が滅ぼした国の王の夫人なの。どういう結末になるか。それは冒頭からいきなり見せるあたり、鮮やかな手並み。「白夫人」も面白かった。男性に騙されていると知りつつ、騙されてあげるという愛のありかたもあるんですね。最後は恐いはずなのに清々しいものさえ感じました。
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最終更新:2008年04月03日 10:05