ETO★KURA

始まりの詩

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匿名ユーザー

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昔々の大昔のある年の暮れのこと、神様が動物たちにお触れを出したそうな。

 「元日の朝、新年の挨拶に出かけて来い。一番早く来た者から十二番目の者までは、

 順にそれぞれ一年の間、動物の大将にしてやろう」


 動物たちは、それを聞き元日がくるのを待っておった。ところが猫は神様のところにいつ行くのか
 
 忘れてしまったため、ねずみに訊くと、ねずみはわざと一日遅れの日を教え

 猫はねずみがいったことを間に受けて、喜んで帰っていった。

 
 さて、元日になると、牛は「おらは歩くのが遅いだで、一足早く出かけるべ」と夜のうちに支度をし、
 
 まだ暗いのに出発した。牛小屋の天井でこれを見ていたねずみは、ぽんっと牛の背中に飛び乗った。

 そんなこととは知らず、牛が神様の御殿に近づいてみると、まだ誰も来ていない。


 我こそ一番と喜んで待つうちに門が開いた。とたんに牛の背中からねずみが飛び降り、ちょろちょろと
 
 走って一番になってしまった。それで牛は二番、それから虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鳥、犬、猪の
 
 順で着いた。猫は1日遅れでいったものだから番外で仲間に入れなかった。それでねずみを恨んで、

 今でもねずみを追い回すのだそうな。
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