「始まりの詩」(2006/03/05 (日) 15:45:02) の最新版変更点
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昔々の大昔のある年の暮れのこと、神様が動物たちにお触れを出したそうな。
「元日の朝、新年の挨拶に出かけて来い。一番早く来た者から十二番目の者までは、
順にそれぞれ一年の間、動物の大将にしてやろう」
動物たちは、それを聞き元日がくるのを待っておった。ところが猫は神様のところにいつ行くのか
忘れてしまったため、ねずみに訊くと、ねずみはわざと一日遅れの日を教え
猫はねずみがいったことを間に受けて、喜んで帰っていった。
さて、元日になると、牛は「おらは歩くのが遅いだで、一足早く出かけるべ」と夜のうちに支度をし、
まだ暗いのに出発した。牛小屋の天井でこれを見ていたねずみは、ぽんっと牛の背中に飛び乗った。
そんなこととは知らず、牛が神様の御殿に近づいてみると、まだ誰も来ていない。
我こそ一番と喜んで待つうちに門が開いた。とたんに牛の背中からねずみが飛び降り、ちょろちょろと
走って一番になってしまった。それで牛は二番、それから虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鳥、犬、猪の
順で着いた。猫は1日遅れでいったものだから番外で仲間に入れなかった。それでねずみを恨んで、
今でもねずみを追い回すのだそうな。
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