オリロワアース@ ウィキ
http://w.atwiki.jp/origin2015/
オリロワアース@ ウィキ
ja
2019-12-16T21:42:35+09:00
1576500155
-
片桐花子の災難
https://w.atwiki.jp/origin2015/pages/265.html
「はぁ……はぁ……。ちょっと疲れてきたね……」
みなさんどうもこんにちは?こんばんわ?おはようございます?どの挨拶が正解なのかわからないけど、谷山京子です!
ボクは今、さっき立ち去った華ちゃんをスライムちゃんと一緒に追いかけてます!
と言ってもあの子意外と早くて、なかなか追いつけないけどね……。そもそもボクが傷心してちょっと遅かったのもあるけどあまりそこは責めないで(泣)
そりゃボクは男性器が付いてるけど、乙女心くらいあるから……あんなところを見られてどう声を掛けたらいいのかわからないというのが本音です。
でもスライムちゃんは持ち前のポジティブさで「とりあえず追いかけまショウ!」とボクの手を引っ張って走らせました。
だから今こうして華ちゃんを追いかけてるんだけど……本当にどうやって謝ればいいんだろうね!もう絶望しかない気がするんですけど!
「キョーコさんはさっきの人と知り合いなんデスカ?」
一方のスライムちゃんはさすがモンむすなだけあって、全く息切れもせずにそう質問してきた。
知り合いっていうか初恋の人なんですけどー!なんて言えないよね、うん。スライムちゃん罪悪感を覚えちゃうだろうし。
よし、ここは冷静に落ち着こう。華ちゃんにドン引きされたのはすっごく、すっごく!悲しいけどスライムちゃんは何も悪くないからね!
「うん、クラスメイトの子だよ」
「そうなんデスね。でもどうして逃げたんでショウ?」
うーん……。スライムちゃんってすごく純粋みたいで、さっきのボク達の行為が世間的にアレだっていうことを理解してないみたい。
たぶんあの行為もマナを補充して主催に反逆したいっていう純粋な気持ちからなんだろうなぁ……っていうのがわかるからほんとに責めらんない!
つい出来心で華ちゃんで――しちゃったからきっと罰が当たっただけなんだ。スライムちゃんは何も悪くないんだ。
それにしても今後もマナの補充でナニを刺激されるのは困るなぁ。
少しくらいそこらへんの常識を教えたほうがいいのかな? でもボク女子だからそういう話するのちょっと恥ずかしいっ!
いやそりゃ性欲が強いことは認めるよ? でもボクだって女子だからね? 性欲強い女子も普通にいるからね、男子諸君!
……うん、それにしてもこんなところで恥じらってる場合じゃないんだけど。
2019-12-16T21:42:35+09:00
1576500155
-
同盟破棄
https://w.atwiki.jp/origin2015/pages/264.html
「銃を使う気は、なさそうですね」
光一の一挙一動を観察していた真白は、彼が殺し合いの場に向かない人物であることを瞬時に悟った。
軍人空手の型を取りながら、「君を無力化する」と言いのけた光一。それは殺意がないという何よりの証拠だ。
対して自分は生き残る為ならば容赦なく目の前の男を斬り伏せる覚悟がある。これは圧倒的なアドバンテージだと言っても差し支えないだろう。
一つ懸念があるとするならば、先程見せ付けられた不思議な力だ。クレアが連れ去った少女といい、超常的な能力を有する参加者が多いということになる。
しかし真白自体はアースEZの世界でこれまで生き延びてきた実力者とはいえ、ただの無能力者。まともにやり合うにはあまりにも分が悪い。
(ゾンビ能力以外にも何か隠している可能性も考慮するべきでしょうか……?)
再び真白ソードを大振り。
またしても光一はなんとか躱した。とはいえそれが精一杯なのか、それとも本当に無力化しようとしているのか、反撃はしてこない。
本来ならば実力行使で無力化するのが当然であるが、相手は幼い少女。それが原因で光一もイマイチ攻勢に出ることを躊躇して、防戦一方になっている。
2回の攻撃で光一のそういう心情を読み取った真白は、彼のことを甘いと思った。同時に、格好の獲物だとも。
ある程度の実力者なら避けられる前提の動作―――大振りの一筋を光一は見事に躱してのけた。しかしただそれだけ。
どれほどの実力があろうと、その心に他人を殺す覚悟が、殺意がなければ殺し合いでは何の意味もなさない。実力者が自分より弱く、されど殺意が充満している者に呆気なく殺されるなんて、よくあることだ。
「俺の目的は、君を殺すことじゃないからね」
「……甘いですね。ゾンビだからって慢心しているのでしょうか」
再度真白ソードの大振り。
いい加減慣れてきたのか、光一の動作が先までよりもスムーズになっている。
「無理しなくてい―――ぐはっ!?」
光一が言葉を言い終えるより先に、鳩尾に鋭い蹴りが放たれた。
真白はソードがなければ本領発揮出来ないが、だからといって真白ソードに完全依存した戦法は行わない。
時にはこうして肉体を使った攻撃も織り交ぜるし、泥臭い戦い方にも嫌悪感は一切ない。全ては、生き延びるために。
あまりもの激痛に体勢を崩
2019-12-16T21:37:58+09:00
1576499878
-
人でなし達の宴
https://w.atwiki.jp/origin2015/pages/263.html
巴竜人と道神朱雀は他の参加者の捜索を続けていた。
朱雀の他人格を警戒しつつも、先のような惨劇は避けねばならない。
「やっぱりこの首輪がネックになるか…」
竜人は自身の能力を発揮するにおいての枷に対する苛立ちを漏らす。
「すまんね、巴やん。私の知識でもこれの構造は分からへんわ。せめてサンプルでもあればちゃうんやけど…」
「サンプル、か…」
生きている自分達の首輪が外せない以上、それはすなわち死体から得たものを指すという事になる。
考えたくはないが、そうした事をする必要もあるかもしれない、と竜人は考える。
だがそもそも、首輪を解析しようとする行為自体が主催に対する反逆行為とみなされる可能性もある。
首輪を得ようとしたら自分の首輪が爆破されるなんて笑い話にもならない。
ともかく今は不確定要素が多すぎるので、首輪に関しては今は保留にしようと二人は決めた。
◇
「そう警戒しないでくれよ竜人クン、僕は別に君と事を構えるつもりはないんだ」
「悪いがアンタに対していい話は聞いていないんだ。…青竜の事もあるしな」
「あの馬鹿と一緒くたにされちゃうのは心外だなぁ、戦ったってなんにもならない事くらい分かってるつもりだよ」
そう言って朱雀は…正確には朱雀の別人格の一人、"白虎"は竜人に見せるようにして首輪の「G」の文字の部分をトントンと叩いた。
「だってこれ、チーム戦でしょ?青竜は理解してなかっただろうけど、別に僕一人で勝つ必要なんてないさ」
それを聞き、竜人の目つきは険しくなる。
、、、
「冗談だよ、そういうのを止めたいってのが君の願いだろ。敵に回せばどんな痛い目にあうかって分かってるさ、危うく朱雀君も死にかけたしね。おっと、青竜だったか」
と、皮肉っぽく言う白虎に対し、竜人はバツの悪い表情を浮かべた。
「それにこの体質はどうしようもないしね、そういう動きをするには不利すぎるよ。いつ入れ替わるかは僕にだって分からない。朱雀君や玄武は止めるだろうし、青竜は何しでかすか分かったもんじゃない」
「まあな。分かってても慣れないな、その人格変化」
「精々気をつけてくれよ、僕が死ぬって事は朱雀君や玄武まで死ぬって事なんだからさ。そりゃ君だって避けたいだろ?…っと、誰か来たみたいだね」
二人の視界に入っ
2017-05-28T11:57:06+09:00
1495940226
-
桜の意図
https://w.atwiki.jp/origin2015/pages/262.html
魔法少女とヒーロー、どちらが強いかだって?
そりゃあお前、キャラによるだろ。
最弱の魔法少女と最強のヒーロが戦えばヒーローが勝つ。
最強の魔法少女と最弱のヒーローが戦えば魔法少女が勝つ。
最強の魔法少女と最強のヒーローが戦えば……。
ああ、だめだ。どのキャラが最強かだなんて、ファンそれぞれで違うからなあ。
やっぱあれだ、キャラクターで判断しようぜ。
じゃあとりあえず。異端対決ということで。
元ヒーロー、裏切りのクレア。混血の魔法少女、マイルドフラワー。
強いのは、どっち?
★
服従か、死か。
裏切りか、死か。
8歳の少女に突きつけられた厳しい選択。
マイルドフラワー、高村和花の瞳は絶望で揺らめいた。
「どうした、さっさと選ぶんだ。私はあまり気が長いほうじゃないよ」
両手を広げ、口を三日月に歪めるその女、裏切りのクレアはマイルドフラワーには悪魔にしか見えなかった。
正義の魔法少女はそこに、確かに悪が在ることを認識する。
だから。
「私は、裏ぎ――らない!」
その宣言と共に右手にステッキが現れる。
とほぼ同時にその先端から桃色の極太レーザーが悪へと襲い掛かった。
★
『サクライト』
それはマイルドフラワーが唯一覚えている攻撃魔法にして、日本の魔法少女が放つ呪文の中でも、トップ10に入る火力を誇る魔法である。
高村和花は正義の魔法少女である。
アースMGにおいて、魔法少女は平和を守る守護者としての役割を備えている。
彼女たちは迷子の保護、町内のゴミ拾い、企業のイメージガール、だけでなく。
凶悪な犯罪者の制圧、『魔』の討伐、悪の魔法少女との激闘。
これらも正義の魔法少女、それもベテランならば一通り経験していることである。
それでも魔法少女の死亡率はアースHにおけるヒーローのそれよりずっと少ない。
それはヒーローよりも魔法少女は助け合いに重きをおくこと。
世間が魔法少女に非常に好意的なこと。
この2点が大きい。
ならば、魔法少女から、そして心無い世間の大人達から。
嘲られ、苛められ、排除されたマイルドフラワーがそれでも今まで正義の魔法少女として活動できたのは、この呪文のおかげといっても過言ではないだろう。
★
突如目の前に広がった桜
2017-05-24T17:04:05+09:00
1495613045
-
みつどもえ
https://w.atwiki.jp/origin2015/pages/261.html
全身に揺さぶりを感じて、目を覚ます。
すでに日は昇っていた。
視界に入る少女は確か――柊麗華。
そして、どぎついピンク――ピンク?
「そう睨むな、睨むな。妾の名は卑弥呼。お主……えんま、じゃったか?お主の師匠探しを妾も手伝ってやるぞ」
そう言って、ピンク色の髪の少女は微笑んだ。
「安心せえ。妾はお主らのような可愛い女の子の味方じゃ」
えへへ、と麗華は照れたように頭を掻いた。
エンマはそんな二人を無表情に見つめる。
「協力してくれるの?」
「うむ。妾にどーんと任せい」
薄い胸をどんと叩く。
エンマはこの卑弥呼と名乗る少女をチームにいれたメリット、そしてデメリットを考える。
が、今まで損得についても深く考えなかった少女にとって、これは中々難しい仕事だった。
数秒ほど、眉を歪めて額に手を当てた後、エンマは卑弥呼に結論を言った。
「二人かついで逃げると、両手使えなくて困るから」
そこで一度、言葉を切る。
卑弥呼の目を見つめ、続ける。
「もしもの時は、お前は、追いて逃げるから」
卑弥呼は可笑しそうに笑った。
「かまわんよ、妾はジープを持っとる」
こうして、チームは三人になった。
★
時は数分ほど遡る。
未だ早乙女エンマが眠りについている時。
吸血鬼、柊麗華は昇る太陽の光を体に浴びながら、エンマの寝顔を見つめていた。
(可愛いなあ)
それは肉体の強度的な意味でも、顔かたちのことでも、両方の意味でである。
柊麗華は自分の外見を気に入っている。
気に入ったからこそ、彼は「柊麗華」を皮にして、彼女になったのだ。
しかし、気に入っているといっても、毎日見ていればさすがに飽きる。
この体で小学校に通っている彼女にとって同年代の女子は珍しいものではないが、それでも早乙女エンマは十分に上玉だった。
そして、ジルに追いかけられた恐怖やエンマの持つ暴力に対する畏怖も、数時間経ったことで、収まっている。
(ちょっとならイタズラしても、バレないよね)
思えば、こういう油断や甘さが彼を一度人生からドロップアウトさせた要因なのだが、残念ながらこれは人外になっても治らなかった。
頬に手を触れる。ぷにぷにとして柔らかい。
髪に手を伸ばす。砂で多少汚れているが、それでも口にいれたいほ
2017-05-24T15:57:33+09:00
1495609053
-
悪魔の中身
https://w.atwiki.jp/origin2015/pages/260.html
レイ・ジョーンズは人間の闇を知っている。
「世界崩壊」前の彼は、犯罪者を相手取る仕事をしていた。新人だったが、それでも何度か場数は潜った。だから知っている。良心や倫理観などないかのように振る舞う悪党を知っている。
「世界崩壊」後も彼は極限状態に置かれた人間の醜さを何度も見てきた。それはゾンビとはまた違う醜悪さ。所詮人間も獣に過ぎないと訴えるような、残酷で、冷酷で、恥知らず。
だが、他の世界と比べても遜色なく、あるいはそれ以上に人間の【悪】に触れてきたレイ・ジョーンズでも、彼女、平沢茜は未知だった。
犯罪者、狂人、残虐。
そんな月並みな形容詞では表せないほどの【悪】。
そもそも動機からしてレイには理解ができなかった。
――世界が平凡だったから。
なんだそれは、とレイは思う。
そんなティーンエイジャーが家出をするような理由で、彼女は何人もの人間を殺して、いや、殺し合わせてきた。
その所業、まさしく悪魔(イレギュラー)。
だが、あまりにも理解ができないからこそ、レイはそれ以上、理解することを止めた。
レイの目的は生還である。ならば、ある意味ベテランである茜は重要な要素だ。
生かしておく。それに、外見は妙齢の日本人女性であり、実際に殺人を犯す、または誰かに危害をくわえるところを見たわけではない。
こと、適応力に関しては、レイの右に出る参加者は少ない。レイは心の中から生じる不快感、生理的嫌悪に蓋をして、あくまで善良なアメリカ市民、タフな元SWATとして振る舞うことに決めた。
レイと並んで歩く茜はすっかり登りきった太陽に照らされた海を見ている。
まるで、映画のワンシーンのように、海沿いを歩くレイと茜は、映えていた。
♠
レイ・ジョーンズにとって平沢茜は未知である。
が、彼は未知に慣れている。次々に襲い来る不条理に耐性がある。
ならば、平沢茜はどうなのか。
自分のペースを崩さない彼女は、このバトルロワイアルも既知なのか。
結論から言えば、彼女の心中は決して穏やかではなかった。
まず、彼女の感情を占めるものは怒りだ。
観測者、と茜は自分を評価している。
あるいは読者、もしくは視聴者。
彼女は殺し合いを見ることが好きだ。
もし古代ローマに生まれていれば、コロッセオの常連、
2017-05-24T17:04:42+09:00
1495613082
-
CORE PRIDE
https://w.atwiki.jp/origin2015/pages/259.html
くははっ!やっぱり俺様の考えた通りだったなぁ、俺様の勘はやっぱ他のやつらとはちげぇんだな」
学校の三階職員室。
愛島ツバキは窓際の教員用作業デスクを眺めながら口許を緩ませた。
そしてツバキは普段なら座れない『教頭』というカード立てが置かれているデスクの椅子に腰かけゆったりとしている。
探索を始め、一時間ほどだろうか。
ツバキと陽太が一通りこの学校を回ったが、ツバキにとってこの学校は見覚えがあった。
何故ならばツバキが普段通う高校のそのものなのであるからだ。
ツバキと蓮がいつも居た生徒会室も、学食も、理科室も、教室もそのままの姿でこの殺し合いの会場に姿を現していた。
「…ツバキ、やっぱりこの学校は君の居た学校なのか」
「さぁねっ。AKANEが俺様の世界の学校引っこ抜いてここにドシーンって置いた『学校そのまま』なのか、俺様の世界の学校をそのままコピーして作り上げた『見せかけの学校』なのかまでは分かんねえよ。俺様のはや様エスパーじゃないしさ」
部屋の片隅で資料に目をやりながら、陽太は確認するかのようにツバキに聞いた。
ツバキも返答のようにはっきりとした確証は持てなかったが、そう予想するのは容易かった。
「どっちにしろとんでもない技術と手間がかかってるのに違いはないか」
「んまぁね♪」
「…なんでAKANEたちはここまでしたんだろうな。やる事は単純なのに」
壁に目をやると、おそらく年季からだろう。黒ずんだシミが見受けられる。
職員の机を見ても、職員の家族の写真や、部活動のスケジュール。添削課題までそのままの姿で置かれてある。
まるである学園のその一瞬を、人間だけ取り除いて切り取ったかのように。
陽太としては疑問だった。
殺し合いをたださせるなら、ここまで本格的に用意する必要はないのではないかと。
ただの道楽目的ではない、何か裏があるのではないかと。
深読みかもしれないが、そう思わざるをえないほどこの学校は不自然だった。
「さぁね~。俺様わかんなぁーい。名探偵でも連れてこいよってなっ」
そんな陽太の疑問を差し置いて、ツバキはへらへらと笑いながらバックから双眼鏡やら、薬品やらなんやらを並べていく。
先程寄った理科室で回収してきたものだろうか。陽太は周囲の敵の有無ばかり気を使っていたのでこういった
2017-05-24T17:08:46+09:00
1495613326
-
D-MODE
https://w.atwiki.jp/origin2015/pages/258.html
「だいたい分かった」
警察署の『応接室』と書いてある個室の中心に黒田翔琉が立っていた。
その近くにはホワイトボードが運び込まれており、黒のマジックで様々な情報や推測が描かれていた。
ホワイトボードは狭すぎて、すぐに埋め尽くしてしまったので、壁にも書いてある。壁でも足りなかったので、床にも書かれていた。
天井は届かなかったので書かれていない。
旗についての情報。
黒田の知っている自分の世界についての情報。
そして、鉄缶に入っていたマスコット――ピンクのカエル「キュウジ」から聞いた、“魔法の国”の情報。
あまりに書きまくられてしまったため、部屋はまるで呪いの言葉がびっしりと書かれているかのようにさえ見える。
「だいたいわかったって……」
「理解した、ということだ。事件の全容の理解は解決への第一歩、すべての探偵が行うべき初期項目。
現状で分かっているなにもかもを洗い出して、未知のピースを推測で埋める、地道だが必要な作業だ、それが今終わった」
「……だ、だからってここまで書き込むことないじゃないか、かけるくん!
床も! 机も! この缶まで! 文字だらけになっちゃって……」
「紙を取りに行くのは面倒だったからだな。俺は基本的に安楽椅子派なんだ」
「ものぐさなのかアクティブなのかはっきりしようよ……」
テーブルの上、缶の中に入っているキュウジは呆れかえる。
その缶にも情報が書き込まれている。
「キュウジ オス 魔法少女のマスコット ショッキングピンク 羽虫が好き 猛禽類が嫌い 特技は大ジャンプ 趣味は歌……」
テーブルにも情報が書き込まれている。
「仮称:魔法の国 の魔法少女と呼ばれる存在を契約によって造り出す、マスコットと呼ばれる存在で……」
もはやキュウジのプライベートな部分は年齢以外すべて洗い出されてしまった。年齢だけは死守した。
そこはやっぱり現実的なところなので夢を与えるマスコットであるキュウジとしても教えては商売あがったりなのだ。
「というかかけるくん、こんなに情報ばっかり書いて、どうしようっていうのさ!」
「情報の大切さが分からないか? では試しにひとつ整理してみようか。
まず――前提条件。俺が見ているこのピンクのカエルが幻覚でないのなら、”世界は複数ある”と
2017-05-24T17:19:20+09:00
1495613960
-
似たもの同士が相性がいいとは限らない
https://w.atwiki.jp/origin2015/pages/257.html
何かを志し、それに向かって努力し、そしてついにそれを成し遂げる。
古今東西あらゆるアースどこにでもありふれるこういう成功物語は、しかし、具体的な例となると極端に少なく、大抵の人間は、妥協し、享受し、静観して、挫折する。
が、この挫折者、転落者は記録や歴史に滅多に残らず、多くは塵となって消えてゆく。
今回は、同じ世界から呼ばれた二人の落伍者の遭遇を紹介しよう。
一人は正義の味方を志し、しかし姉の死をきっかけに堕落し、灰色の生き物になり。
一人は正義の味方を志し、しかし師匠の死をきっかけに転落し、真の正義/悪を殺す悪になり。
出発点は近く、身近な死をきっかけに変質し、そして二人は歪んだ道を歩き出す。
その道は、C―7、平原で交わることとなった。
★
歩みは依然、重い。
移動を開始して数分、歪んだ魔法少女、平沢悠との戦いによるダメージは今もなお、いのりの体を蝕んでいた。
それでもいのりが遅くながらも歩みをとめないのが、彼女のプライドとは別に、此処が広い平原だからというのもあるだろう。
ところどころに木陰が出来ているが、ほとんどは足首ほどしかない短い草ばかり。
これでは、すぐに危険な参加者に見つかってしまう。
(なんとか……学校まで……)
そう思い、足に力を込め、一歩ずつ歩く。
あばらが折れ、内臓に傷がついてもここまで動けるのは、彼女がその短い人生のほとんどを修行に費やしたからか。あるいは、性格を豹変させるまでに至った負の心が為すものか。
とにかく、彼女は学校へ向かい、緩慢と前進していた。
が、呼吸をするたびに頭に霞がかかる。それを振り払うようにいのりは首を振る。
負傷はいのりの予想以上に集中力を奪っていた。
――そう、接近する人間に気付かぬほどに。
「ふん、こんなところでお前に会うとはな」
その声に、いのりは慌てて振り向く。灰色の大男。政府直属ヒーロー、早乙女灰色がそこにはいた。
いのりは灰色に向かってナイフを構えた。頭の靄も瞬時に晴れ、全身の倦怠感も一時は忘れる。
敵に遭遇した際の即座の戦闘態勢。これも、いのりの師匠が遺した、死なないための技術だった。
「そう構えるな。首輪の色を見ろ。オレ達は同じ陣営だ」
「確かに同じ陣営。でも、お前は信用できない」
お互い、面識はなかった。ただ、
2015-09-13T21:11:12+09:00
1442146272
-
438年ぶり2回目
https://w.atwiki.jp/origin2015/pages/256.html
ぎゃりぎゃりぎゃりぎゃり
暗闇に久澄アリアの血から生まれた血槍が飛ぶ。
「ひゃっはははははははは!!」
松永久秀はそれを蜘蛛糸で絡め取ると、次いで出現した血槍も天下五剣「大典太光世」で全て斬り落とした。
「どうしたァ? まさかこれっぽちで終わりじゃァねえよなァ?」
久秀の声に応えるように再び血槍が飛ぶ。
「ひゃはははは!そう来なくっちゃなァ!」
松永久秀は再びそれを蜘蛛糸で絡め取ると、次いで出現した血槍も天下五剣「大典太光世」で全て斬り落とした。
「ほら来いよ妖術使い――じゃなくて何とかジョ……水洗便女だったか? ひゃはははは!」
久秀の声に応えるように再び血槍が飛ぶ。
「折角この松永弾正久秀が直々に相手してやってんだァ。喜べよォ便所女」
松永久秀は再びそれを蜘蛛糸で絡め取ると、次いで出現した血槍も天下五剣「大典太光世」で全て斬り落とした。
「てめェの怨みってのはこの程度かァ? 公衆便所さんよォ」
久秀の声に応えるように再び血槍が飛ぶ。
「俺より上だと思い込んでるクソどもをぶっ殺す……その肩慣らしに丁度いいわァ……」
松永久秀は再びそれを蜘蛛糸で絡め取ると、次いで出現した血槍も天下五剣「大典太光世」で全て斬り落とした。
「オラオラ攻撃遅ェぞ!」
久秀の声に応えるように再び血槍が飛ぶ。
「いいねェ憎悪や怨念ってヤツは。何度向けられても飽きねェ」
松永久秀は再びそれを蜘蛛糸で絡め取ると、次いで出現した血槍も天下五剣「大典太光世」で全て斬り落とした。
「オラどうした、こんなんじゃ長慶も殺せねェぞ!」
久秀の声に応えるように再び血槍が飛ぶ。
「遅ェんだよォ鈍ェんだよォ弱ェんだよォ!」
松永久秀は再びそれを蜘蛛糸で絡め取ると、次いで出現した血槍も天下五剣「大典太光世」で全て斬り落とした。
「てめェのチンケな術で三悪様が殺せるかよォ――!ひゃはははははは!!」
久秀の声に応えるように再び血槍が飛ぶ。
「ひゃっははははははははははははははは―――――――!!!!!!」
松永久秀は再びそれを蜘蛛糸で絡め取ると、次いで出現した血槍も天下五剣「大典太光世」で全て斬り落とした。
「ひゃははは――ハァ」
久秀の声に応えるように再び血槍が飛ぶ。
「まだ続くのか」
2015-09-13T21:09:15+09:00
1442146155