日輪纏いしヒーローと二人の元いじめられっ子

「――――なんつーか、現実味のないリストだな」

学校の生徒会室。
優美な黒髪を腰まで伸ばし、女子制服を着た男の娘――愛島ツバキはデイパックから取り出した参加者候補リストを手にして苦笑する。
自分の幼馴染である大空蓮をはじめとする同じ学校の生徒は、ICプレイヤーから説明を受けた際、リストに載っているだろうと予想していた。
これはチーム戦だ。何らかの関連性がある者がいても可笑しくない――というよりも一定の法則に従ってチームを振り分けているのなら、最低一人は知り合いが居て当然だと思う。

問題は他の参加者である。

「この偉人の数々――歴史の教科書か何かかよっ」

戦国時代の織田信長、徳川家康、豊臣秀吉からナチスのアドルフ・ヒトラーやラインハルト・ハイドリヒまで。
リストには様々な偉人の名前が書き連ねられているのだから、これはもう苦笑するしかない。
しかもフランクリン・ルーズベルトに至っては元大統領である。武将やナチスはギリギリ理解出来るとして、大統領まで巻き込もうとしている意味が解らない。

「それにどうして、架空の存在――ヒーローやその関係者が載ってるんだよ。俺様、可笑しすぎて笑っちまうぜ」

リストに載っている名前があまりにも可笑しくて、くははっ!と大袈裟に笑う。
超刃セイバーZなど有名キャラからビリー・ザ・キッド、ツタンカーメンなどマニアックなものから、更には打ち切り作品の主人公、結城陽太まで。
主催者は余程の特撮好きなのか、それとも偶然にも同姓同名の人物が多かったのか。
いや――冷静に考えて後者は有り得ないだろう。色々とおかしいリスト内でも一際目立つ、超刃セイバーZ(城島リョウ)の字がそれを示している。
城島リョウだけなら兎も角として、超刃セイバーZ(城島リョウ)なんてご丁寧に書いている時点で同姓同名の別人という線は消えるハズだ。

「まあでも――俺様的には、なかなか面白いリストだと思うよん。こんな状況じゃなけりゃ、今すぐ会って握手でもしてやりたいモンだが――」

本当にヒーローたちが実在して、会うことが出来るのならその手の番組が大好きなツバキにとっては楽園である。
歴史上の人物やヒーローの名前を大袈裟に笑い飛ばして――大空蓮の名前を再度確認。

「――やっぱりお前が一番気になっちまう辺り、俺様もまだまだってか。なあ蓮、お前ならこんな時、どんな風に動くよ」

果たして彼は本当に参加しているのだろうか?
もしも彼が参加しているなら、どのように行動しているのだろうか?
なんて一瞬だけ疑問が思い浮かんだが――。

「いや――そんなこと考える必要もなかったな。あいつは現代のヒーローだ。たとえ誰が反対しても、嘲笑ってもっ! ―――少なくとも俺様はそう信じてる。
 だから、ま――学校の生徒や俺様の為に、ヒーローらしく世界観測管理システムAKANEと戦うことを選ぶんだろうな」

どうしようもなくバカで、学校でも体育以外の成績が悪くて、だけど誰よりも頼れる幼馴染。
虐められていたツバキを助けて、様々な楽しみを教えてくれた大切な友人。
そしてどんな相手にも果敢に挑み、被害者生徒に手を伸ばす優しい生徒会長。

ツバキが好意を寄せる男、大空蓮はそんな人物だ。

「てことで、俺様が蓮の心配をする必要なんてなっしんっ!
 あいつはあいつのやり方で、俺様は俺様のやり方で――これまでもそうやって、トラブル解決してきたんだ。だから俺はいつも通りお前を信じてやるよ、蓮。
 そんなこんなでツバキちゃんは方針やら覚悟やらなんやら決めたワケなんだけどよ――――そこでコソコソしてるあんたはどうなんだ?」

左手の指を銃のように折り曲げて、大きめの植木鉢へ向ける。
それは一見、何の牽制にもならないただのお遊びのようだが、同時に相手の存在を察知したと伝えるジェスチャーでもあった。
背後から感じる気配については、この部屋についた頃から気付いている。相手から勝手に出てくると踏んでいつでもデイパックの銃を早撃ち出来る準備はしていたのだが――それでも出てこないのだから、こうして合図を送るしかない。
無論、こうしている今も右手はいつでも銃を取り出せるように万全の準備はしてある。これでも警戒心は強い方だ。

「あ――すまねえ、悪気はなかったんだ。ただ何かキミの言ってることが気になって……って、そんなに驚いた顔してどうしたんだ?」
「気配がしたから誰かと思ってみれば――まさかあの結城陽太がお出ましだなんてな。俺様驚いちまって軽くちびりそうだぜ、うひゃひゃっ」
「へ? 俺ってもしかして有名人?」
「序章で打ち切られた伝説の特撮として有名だぜっ、打ち切りマン!」
「ん? 序章で打ち切られたって、なんのことだ?」
「サンライト」
「それは俺が師匠から貰った名前だ。今はまだ変身出来ないけど、いつか変身出来た時はそう名乗れとか――ってそれはいいや。
 そんなことより、いったいなにがどうなってんだ? 伝説の特撮なんて言われても――あっ、一つ心当たりがあったな」
「心当たり?」
「実は俺、一度だけ世界を移動してんだ。いや、本当は移動というか勝手に連れ去られたんだけど――その時に、似たようなことを言ってる人がいたんだ。
 言われた自分でもよくわかんねェけど、俺はヒーロー番組の主役で一部から人気だから是非アイドルになってくれって――たしか名刺にプロデュース仮面とか書いてあったな」
「ハッ、よりによってあの不審者かよっ!
 あいつは何を考えてあんな変態丸出しのカッコしてるのか理解不能だけど、よく不審者だとか変人としてネットに目撃情報のってるよん」

プロデュース仮面――ヒーローとはまた違う、如何にも怪しげな仮面を被ったスーツ姿の男は、ツバキの世界でもある意味では有名人だ。
神出鬼没でその素性すら知られていないが、第一線で活躍している人気アイドルは実は彼がプロデュースしているだとか、彼にプロデュースされたアイドルは必ず成功するだとか――様々な噂が飛び交う謎の人物である。
何故かある日を境に全く姿を見掛けなくなり、一種のネットアイドルと化していた彼を多くの者が捜索しているが――それでも未だに見つかっていない謎の多い存在である。

(陽太はいつの間にか別の世界に連れ去られて、何故かそこにはプロデュース仮面が存在した。
 そしてプロデュース仮面がいた世界――つまり俺様の世界でサンライトが放送していても、陽太が居た世界ではそんな番組は存在しなかった――ねえ)

俄には信じ難い事象だが、こうして自分もいつの間にか見知らぬ場所に連れ去られているのだから、有り得ないと断定することは出来ない。
試しにじっくりと陽太の瞳を覗きこむが――成る程、彼に嘘を吐いている様子ではない。何せ目の前に佇む陽太の瞳は、ツバキの信ずるヒーロー達と何ら変わらないのだ。これはもう、納得するしかないだろう。

「それで世界を移動? 連れ去られた? まーそんな言い方なんてどーでもいいけど、その世界はどうなってた?」
「見たこともねェ施設や建物の中に、俺の知ってる場所が移されたみたいな感じだった。
 いや自分でも何を言ってるのかわかんねェけど、兎に角本当にそういう場所だとしか言い様がねェんだっ!」

「はぁん。そりゃ流石の俺様でもお手上げだぜ。とりあえず病院行ってこいビョーイン」
「なにおう」
「ま――でも参考にはなったよん。なあ、その世界に住んでいたお前の知り合いとかリストに載ってるか?」
「風祭はやて、織田信長、スライムちゃん、プロデュース仮面――ってはやてと信長はともかくスライムちゃんやプロデュース仮面まで巻き込まれてる可能性があるのか!?」
「今更初めてリスト見たのかよっ! 俺様がくる前はナニしてたんだっ!?」
「スタート地点がこの植木鉢だったんだ、仕方ねェだろっ!」
「完全にナメられてんな、打ち切りくん」
「なにおう!」
「はい、本日二回目のなにおういただきましたー。ぱちぱちぱちぱち、はい拍手~」

ぱちぱちぱち――大袈裟に盛大な拍手で陽太を罵倒する。
学校では猫を被ることもあったが、実際のツバキはそこまで優等生タイプというワケでもない。
というよりも蓮や少年漫画、その他諸々の影響。そしていつまでも蓮に頼りっぱなしになりたくはない、蓮の力になりたいという精神が、元いじめられっ子の彼をこんな性格にしてしまったのだ。

「それで、どうする? 俺様はAKANEとかいうビッチをぶっ潰して帰るけど、なんならここで俺様と殺り合ってもいいんだぜ」

こんこん――Rの文字が刻まれた首輪を叩いてツバキは挑発する。
もっとも答えは解りきっているのだが、ツバキ的にこういう場面は雰囲気が大切なのである。
何よりこの手の挑発は相手の覚悟を試す最高の手段に成り得る。ここで自分の提示したAKANEを斃すという案に乗らないのなら、それまでだ。


「俺も戦う。リストにはいのりやラモサちゃんの名前も載ってたし――何より、他の誰かを殺して自分のチームだけ生き残るなんて、俺の師匠が許さねェ!
 これまでずっと皆を護る為に鍛えてきたんだ。師匠は俺を信じて、弟子にしてくれたんだっ!
 だから俺も、AKANEと戦う。――――無関係の人々を巻き込んで好き勝手しやがって、こんな殺し合い許せねェってんだよ!」

グッと拳を固く握り締めるその姿。
それは正しくヒーローのソレであり、ゆえにツバキは陽太を笑ってやった。

「――――上等だ。くははっ、やっぱりお前は俺様の知ってる陽太だぜ。
 ちなみに俺様の名前は愛島ツバキ。未来のヒーローの嫁候補だけど、ま――気軽にツバキ様やツバキちゃんって呼んでもいいよん」
「ツバキか。俺のコトは――もう知ってるんだよな。一方的に知られてるなんて、何か複雑な気分だぜ」
「おいおい。学園で大人気の男の娘に知られてるんだから、胸を張ってもいいんだぜ?」
「男の娘?」
「おう。俺様はおとこのむすめって書いて男の娘だぜ、おにーさん?」
「そっか。はやてといい自称元男の信長といい、何か俺の周りはそういうのばっかり集まるなぁ。俺はもう慣れてるし、性別とか気にしないから別にいいけどさ」

陽太と同じく異世界に連れ去られた風祭はやてと織田信長。
前者は魔法少女タイプの男の娘で、後者は紛れも無い美少女でありながら織田信長――つまり元は男だったと主張している変わった子だ。
ツバキは舌を出してドヤ顔で男の娘宣言したが、陽太にとって男の娘やTSとは身近な存在であり、然程驚くようなことでもないのである。

「はぁん。ま――とりあえずAKANEをぶっ潰す準備しながら、平行世界について調べるとするか。
 もし本当に平行世界なんてモンが存在して、俺様とお前が違う世界だとするなら――そこに鍵があるのがテンプレってな」
「平行世界について調べるって、どうやって?」
「参加者に聞き回るだとか、施設を見学するだとか――色々あるだろ、頭回せよ打ち切りくん。
 それに道具一つでも、案外そういうヒントは隠れてるかもしれないぜ? だって俺様、こんな銃見たことないモンな。くははっ」

ひゅんひゅんひゅん――器用に人差し指で回している銃を一瞥する。
きっとこれはツバキの住んでいる世界に存在しない銃だろう。説明書に対ヴィラン・怪人用なんて書いてあるようなブツが存在するような世界ではない――ハズだ。

「てことでまずは学校探索でもするか。打ち切りくんも俺様と同じ学生だろ?
 もしかしたらこの学校――俺様かお前の学校の可能性もあるぜ、くははっ」

【D-7/学校/1日目/深夜】

【愛島ツバキ@アースR】
[状態]:健康
[服装]:女子制服
[装備]:日輪照らせし蒼穹の銃(日光の充電50%)@アースH
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考]
基本:AKANEをぶっ潰す。
1:陽太と一緒に学校を探索する。
2:平行世界について調べる。

【結城陽太@アースC】
[状態]:健康
[服装]:制服
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダムアイテム1~3
[思考]
基本:AKANEと戦う。
1:ツバキと一緒に学校を探索する。

【日輪照らせし蒼穹の銃(フィルマメント・ゲヴェーア・ゾンネ)@アースH】
アースHのヒーロー、大空仮面が所持していた対怪人・ヴィラン用の特製銃。
風を弾丸として発射出来る他、太陽の光を充電することでソレを撃ち出すことも可能。
初期の日光充電は50%程度。出力は自分で操作することが出来るが、高出力だとそれに応じて発射までの時間を要する。


                           †

バキリ――何かが壊れる音が響く。
右掌に残ったICプレイヤーの破片を投げ捨て、金髪碧眼の少女が吼えた。

「人間風情がこのライリー様を捕まえて殺し合いしろだなんて、いい度胸じゃねえかクソッタレがッ!」

その瞳に宿されているものは――愛と憎しみ。
相反する二つの感情を有する少女――されど彼女は元♂のオーク最後の生き残りであり。
今では女勇者の肉体を乗っ取ることで、強大な力を得たが――昔は人間に虐げられるだけの弱者であった。
処刑と称して様々な手法で殺されてきた同族の姿も、嫌というほど見てきた。

されど昔の彼は逆らえなかった。
自分が弱いから。弱者だから、逆らえば死んでしまうと理解していた。
そうしているうちに肉親も、友人も、親戚も――――自分以外のオークは総て討伐という名目で聖十字教会を始めとする人間共に惨殺され、自分だけが残ってしまった。

「聖十字教会のビッチ共を参加者候補にしたことだけは評価してやる。
 けどな――アリシアとボーンマンを巻き込んだ時点で、お前もあいつらと同等の屑だ。覚悟は出来てるんだろうなァ、アカネ!」

かつて孤独だった彼は、仲間意識が強い。
どれほど醜い容姿の骨でも、可憐で弱そうなエルフでも――己が理想の為に共に戦う仲間である。
時には酒を飲み交わし、くだらないことで笑い合い――かけがえのない時間を過ごしている、親友である。

「アリシア、ボーンマン――お前らは必ず、俺様が救ってみせる。だからそれまで、ライリー様を待ってやがれ。
 ……二人が弱いなんて言うつもりはねえけど、絶対に無理だけはするんじゃねェぞ。この俺様が護ってやるから、俺様を――ライリー様を信じろ」

この世は弱肉強食で、弱者が虐げられてしまう理不尽な世界だけれど。
それでもアリシアやボーンマンの存在が、ライリーを力強く支えてくれた。
ライリーは強者となり、人間に復讐をすること力を得た。無力な弱者を救う為に、手を差し伸べることが可能になった。

しかし――取り零してきた命も、両手では数え切れない程に多くて。
強者となったのに、それでも処刑を止められなかった時――ライリーは哀しみに耐え切れず、つい涙を流してしまった。
抵抗することもなく死んでいった弱者の死骸を眺めて、醜い顔を歪ませて嘲笑う人間共――それが堪らなく憎かった。

「はっはっは! やはりバケモノには串刺しが似合う」

人間は嘲笑う。
死体は笑わない。一度死んでしまったものは、もう二度と笑えねえ――。
そして俺様も――――笑えねえよ。あまりにもバカバカしくて、呆れて目から変な汁が出ちまう。

「このバケモノが!」

処刑を止めることには間に合わなかったが――それでも仇を取ることは出来る。
バケモノと罵りながらも逃げ惑う人間共。弱者を散々に虐め抜いて、自分は安全圏で助かるとでも思ってたのかよ――気に入らねえ。
こんな奴らのせいで――何も罪のない命が何百、何千、何万も殺されてるっていうのかよ。
ハッ、やっぱこの世界、どうかしてるぜ――!

「ああそうだ。俺様は――――ライリー様はテメェらの勝手で生み出された化け物だッ!
 バケモノだって罵るなら勝手にしやがれ。でもなァ――俺様にとってはお前ら人間こそがバケモノだぜ。
 こいつは難病で苦しんでる奴らの為に、薬草を届けにきたってのに――それを勝手にバケモノ呼ばわりして処刑だなんて、全く笑えねえ話だよなァ!」

だから俺様は、この醜い劣等共を真っ二つに斬り裂いた。
こいつらみたく悪趣味な処刑をしてもいいが――そんなモンは俺様の魂を穢すだけで、何の得にもなりゃしねえ。
俺様にはアリシアやボーンマンがいるんだ。こいつらのような劣等に成り下がってたまるかっ!
血に塗れた俺様に石ころを投げるクソガキやバケモノだとか、狂人って喚き散らす奴らもいるけど――勝手にしろ。やれやれ、別に無差別的に襲ってるワケじゃねえのに、自分勝手な奴らだぜ。

それにしても、俺様が直々に処刑されたヤツの仇をとってやったってのに――。

「どうしてまだ流れてやがるんだよ、クソが」

一度流れ出した雨は、最悪なことに止む気配がない。
ああ――鬱陶しい。俺様は人間共を殺してスカッとするべき場面だってのに、どうして洪水なんだよ、おかしいだろっ!

「ありがとう、ライリー様」

俺を迎えに来たアリシアが、帰り道でいきなり頭を下げやがった。

「ハッ、何もありがたくないだろうがよ。結局のところ、俺様はあいつを……!」
「あの子は死んじゃったけど――でも、心は救われたと思うんだ。だって、自分が死んだ時に誰も涙を流してくれなかったら、すごく悲しいでしょ?」

涙を流す――だと?

「いやいや! 俺様は泣いてなんてねえから、勘違いスンナ!」
「おやおや、私が死んだ時に号泣して下さったライリー様が怒ってますね。
 あれだけ骨がバラバラになっても平気といったのに、あんなに大泣きしてるライリー様を見て、私は――」「うわバカ、いきなり変なコト言うのやめろバカ!」

ボーンマンのヤツ、あれは内緒って言ったのに……!

「ライリー様。涙を流すことって、そんなに悪いことじゃないよ。
 ボクはボーンマンみたいに死ぬ死ぬ詐欺が出来ないけど――やっぱり死ぬ時は、ライリー様に泣いてほしいもん。――って、ちょっとわがままか……にゃ?」

びよーん、びよーん。
相変わらずアリシアの頬はよく伸びやがる。

「ハッ、くだらねぇ……」
「ふぇ!? ライリー様、ボクが死んでも泣いてくれ――」
「お前たちはこのライリー様が生きてる限り、死なせてやるかよ。だから俺様を泣かせたいなら、もっと違う方法で泣かせてみやがれっ!」
「う――うん! ボク、ライリー様の為ならなんでもするから、絶対にがんばるよ!」
「あーあ、またアリシアが惚れ直しちまったか? まったく俺様って罪な美少女だぜっ」
「ほ――掘れてなんてないよ!? ほんとだよ!?」


――俺様はあの時、たしかに言ったよな、アリシア。ボーンマン。
だから今は――あの時の言葉を思い出して、俺様を信じてくれ。
弱者だった頃は親族も友人も全員殺されちまったけど――今度こそ絶対に護ってみせる。あいつらだけは、失ってたまるかよッ!

【H-2/森/1日目/深夜】

【ライリー@アースF】
[状態]:健康
[服装]:勇者服
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考]
基本:アリシアとボーンマンを探し、護る
1:AKANEと聖十字教会を殺す
2:上記以外であれば自分から襲うつもりはないが、襲ってくるなら容赦しない


そうして同時刻、二人の元いじめられっ子は行動を開始した。
一人は幼馴染は生き残ると信じ、殺し合いを打破する為に。
一人は今度こそ奪われるだけの弱者ではなく、他者に手を伸ばせる強者として仲間を護り抜く為に――。

022.世界の座標軸からみえるのは 投下順で読む 024.安土シンデレラ城現る
022.世界の座標軸からみえるのは 時系列順で読む 024.安土シンデレラ城現る
GAME START 愛島ツバキ 046.CORE PRIDE
GAME START 結城陽太 046.CORE PRIDE
GAME START ライリー 040.欝くしき人々のうた

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最終更新:2017年05月24日 17:12