孤独なHeaven ◆KKELIaaFJU


 日の光も差さないホテル内。
 その帝王DIOはそのホテルで優雅に休息を取ろうとしていた。

 カツーン、カツーンとホテルの廊下にDIOの足音だけが廊下に響く。

 ホテルの案内図通りに進んでいく。

「ここか……」

 辿り着いたのはシャワールーム。
 一先ず、シャワーで汗を流そうとする。

 着ていた衣服を脱衣場にあった洗濯機にぶち込み。
 適量の洗剤、柔軟剤、その他諸々を入れて、洗濯機のスイッチをDIOは押した。
 洗濯機が音を立てて勢いよく回り始めたのを見て、DIOは関心した。

「ほう、随分と便利な時代になったものだな」

 100年前にはなかった未来の技術。
 DIOが関心するのも全くもって無理はない。
 近くにあった洗濯機の説明書きで理解はした。

 脱衣所を抜け、DIOは浴場に向かう。
 浴場の扉を開け、辺りを見渡す。
 浴槽やシャワーにも特に変わった様子もない。

 蛇口を捻るとシャワーから湯は出る。
 飲めるような代物ではないが湯は出る。
 いいお湯加減である。

「ほう、ちょうどいい湯が出るな」

 傷は既に塞がっている。
 湯が身体に染み、傷が痛むことはない。
 ジョナサンの肉体だったが、今は自分のものである。
 幼少期はボクシング、大学時代ラグビーで鍛えられた肉体はいい身体である。
 それにDIOの持つ妙な色気が加わり、何とも言えないセクシー感が鏡に映る。


 ……ほら、貴重なサービスシーンだぞ?


 ◆ ◆ ◆


「―――14人か」


 DIOが浴場から出て、乾燥機で衣服を乾かしている最中にに第二回放送が流れた。
 第一回放送に比べて呼ばれた人数は減ったが……

「フフフ……フハハハハ!!!!」

 DIOは勝利を確信したように高笑いをする。

「花京院もポルナレフはここで死に『未来』は確実に変わったッ!!
 つまりだ、このDIOがあのような結末を迎えることなどないッ!!!」

 あの時のポルナレフを様子を見た限り、『世界』の能力を知らない様子であった。
 花京院も恐らくは『世界』の能力は知らないであろう。

 例えその二人が他の参加者に自身のことを話していたとしても……
 いや、承太郎を通じて他の参加者が能力を知っていたとしても……
 能力に対処できなければ全く問題はない。
 このことによる戦闘におけるアドバンテージは果てしなく大きい。

「しかし……」

 第一回放送でもそうだったが……
 この放送で呼ばれる死者の名前の順番……決して、名簿の順番ではなさそうだ。

「ランダムか……もしくは死者が出た順番か……」

 確証は持てない。
 だが、そんなことは帝王であるDIOにとっては大したことではなかった。
 残りは自身を含めて39人なっただけなのだから。
 その時である。


「乾いたな」


 丁度、乾燥機が止まった。
 そして、DIOは乾燥機から衣服を取り出す。
 まるで新品のように綺麗になった衣服を颯爽と着こなす。

「行くか」

 浴場からホカホカになったDIOが出てきた。
 まだ日は出ているので外に出ることは文字通り自殺行為。
 ので、しばらくホテル内を散策する。

 ◆ ◆ ◆


「遊戯場か……」


 遊戯場と書かれた部屋があった。
 時間潰しには持ってこいの場所である。
 まず目に入った先にはダーツ台があった。
 しかし、一人ダーツで時間つぶしが出来る時間など限度がある。
 一先ずダーツはスルーする。

 次に目に入ったのは四角いテーブルと何やらそれを取り囲むように座る三つの人形。
 まるで座ってくださいよ言わんばかりに置かれた椅子。
 そして、近くにはそのゲームのルールブックらしきものが置かれていた。
 DIOはそのルールブックを一通り目を通してみる。
 これならば少しは時間が潰せそうだとDIOは思った。


「フン、このDIOにとって人形相手で……



 この遊戯――――『麻雀』においても負けはないッ!」


 ―――麻雀ッ!

 ―――それは中国を起源とし、世界中で親しまれている4人用の牌を使ったテーブルゲームであるッ!

 ―――とある世界の21世紀では麻雀の競技人口は100.000.000人の大台を突破した国民的ゲームであるッ!

 麻雀のルールブックを読み終わったDIOは無造作に床にそれを投げ捨てて全自動卓に座る。
 それと同時に三台の人形が動き始めて、賽が投げられた。

 ルールは一般的な半荘一本勝負。


 ―――そして、DIOのはじめての闘牌は始まった。


 【東一局】

(ふむ、配牌は悪くはない……いや、これが良型というものか!)

 まずまずの配牌。
 ビギナーズラックというものであろうか?
 しかし……

『立直だじぇ!』
(なっ、親のWリーだとォ!?)

 容赦ない麻雀CPUの闘牌がDIOの初麻雀を襲う。

(……くっ、手を崩すことになるが、ここは現物だッ!)
『自摸だじぇ!』
「は?」

 思わず、声に出してしまった。

『Wリー一発三色タンヤオで6000オール』 

 最初に言っておこう、麻雀は■■■■である。
 楽しい時もある。しかし、それ以外の時の方が多々ある。



【色々あって約一時間後の南四局】


(ば…馬鹿なッ! ……こ…このDIOが…………箱点寸前だとぉ~~~~~~ッ!?)


 ボロボロだった。
 DIOは自分の親のオーラスまでようやく辿り着いた。
 DIOが立直をしても簡単に躱される。
 放銃はないものの、他家の自摸和了で点棒はどんどん減っていく。
 CPUは超デジタル麻雀で手堅い時もあれば……。
 まるで一巡先が読めているかのような打ち方する。
 ここまでDIOが飛ばないのが逆に不自然であるが……。

 だが、それが逆にDIOの逆鱗に触れたッ!

(く…屈辱だ、このDIOが、ここまで一度も和了できないなんて……ッ!)

 このままだとゴミ手で早和了で半荘が終わる。
 無論、DIOはこのままぶっちぎりで最下位である。
 そんなことをこの男のプライドが許すであろうか?

 否、そんなことをDIOが許すはずはない!

(仕掛けるならば、ここだッ!!)

 ドラ表示牌は『中』。
 手牌にはドラの『白』が暗刻で来ている。
 まだ運は残っている。


「槓ッ!」


 上家の捨て牌の『白』を鳴く、自身の親の連荘は考えない。
 この局で全員を飛ばして勝利する。DIOにはその事しか眼中になかった。

 ドラである『白』を大明槓するこれでドラ4.
 槓ドラで『中』でDIOの持つドラは8になった。

「もいっこ槓ッ!」

 さらに手持ちの『白(?)』を暗槓する。
 次なる槓ドラは『中』でドラがさらに増える。


「もいっこ槓ッ!」


 再び手持ちの『白(??)』を暗槓する。
 次なる槓ドラはまた『中』でドラがさらに増える。


「駄目押しで槓ッ!」


 三度手持ちの『白(???)』を暗槓する。
 次なる槓ドラはまたまた『中』でDIOの手役はドラの爆弾と化すッ!


「嶺上……自摸ッ!!」



 そのDIOの手牌はまさに異様であったッ!

 全て『白』のみで構成されたその手ッ!

 この真っ黒な邪悪の化身のこの男に全く以て似合わない手であるッ!

「字一色三暗刻四槓子嶺上開花ドラ72で……140符105飜……
 貴様ら全員箱点だぁ~~~~~~~~ッ!!」

 その手で飛ばない他家など存在しないッ!
 DIOは自分以外の三家を同時に飛ばしたのだッ!
 嶺上開花の責任払い? そんなルールは一般的な半荘には適用されない。

 あまりの想定外の事態にCPUは完全にショートして動かなくなってしまった。

「フハハハハハハ! やはり、最後に勝つのはこのDIOだッ!!
 無論、この殺し合いもそうだッ!!」

 一人だけの遊技場で一人高笑いする。
 そのまま、日が当たらない部屋に戻る。


 帝王は未だに―――己の自信は揺らぐことはないと信じて疑わない。


 さて、ここでDIOが最後の局にやった行為について解説しよう!

 所謂『イカサマ』であるが、それをこの男でしか出来ない方法でやってのけたのだ!

 まずは『世界』で時を止めてドラ表示牌の『中』の横の牌。
 つまり、槓によって表示される新たなドラを手持ちの暗刻にあった『中』とすり替えていたのだ。
 それと同時にその入れ替えた牌の表面を『世界』の指先で削り取り『白』を作ったのだッ!
 そして、予め自分の牌の表面をも『白』に作り替えていたのだッ!
 極稀にあるのだ、牌に不良品が混じっていることが!
 そう、DIOは己の力のみでその状況を作り出したのだッ!!
 つまり、DIOは『轟盲牌』という方法を知って知らずか使ったのだッ!
 『バレなきゃイカサマじゃない』
 どこかの誰かさんの言っていたが、その通りであるッ!!



 こうして帝王DIOは麻雀に勝利した。




【B-7/ホテル内地下遊技場/一日目・日中】
【DIO@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:健康、麻雀に勝ってテンションが高い
[服装]:いつもの帝王の格好
[装備]:サバイバルナイフ@Fate/Zero
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(9/10)
[思考・行動]
基本方針:主催者を殺す。そのために手っ取り早く他参加者を始末する。
0:空条承太郎、恐るるに足らず!
1:夕刻までホテルで体を休める。その後、DIOの館でセイバーと合流。
2:ヴァニラ・アイスと連絡を取りたい。
3:銀髪の侍(銀時)、長髪の侍(桂)、格闘家の娘コロナ、三つ編みの男(神威)は絶対に殺す。優先順位は銀時=コロナ=桂>神威。
4:先ほどのホル・ホースの様子、少しおかしかったが……?
5:衛宮切嗣を警戒。
6:言峰綺礼への興味。
7:承太郎を殺して血を吸いたい。
8:一条蛍なる女に警戒。セイバーやヴァニラ・アイスと合流した時にはその旨も一応伝えてやるか。
[備考]
※参戦時期は、少なくとも花京院の肉の芽が取り除かれた後のようです。
※時止めはいつもより疲労が増加しています。一呼吸だけではなく、数呼吸間隔を開けなければ時止め出来ません。
※車の運転を覚えました。
※時間停止中に肉の芽は使えません。無理に使おうとすれば時間停止が解けます。
※セイバーとの同盟は生存者が残り十名を切るまで続けるつもりです。
※ホル・ホース(ラヴァレイ)の様子がおかしかったことには気付いていますが、偽物という確信はありません。
※ラヴァレイから嘘の情報を教えられました。内容を要約すると以下の通りです。
 ・『ホル・ホース』は犬吠埼樹、志村新八の二名を殺害した
 ・その後、対主催の集団に潜伏しているところを一条蛍に襲撃され、集団は散開。
 ・蛍から逃れる最中で地下通路を発見した。
※麻雀のルールを覚えました。


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134:無辜の怪物 DIO 162:悪意の種、密やかに割れて