進化する狂信 ◆gsq46R5/OE


  不味い。
  これは、あまりにも不味い。
  ヴァニラ・アイスは血混じりの痰を吐き出して花京院を睥睨しつつ、しかし心は冷静に現状を見つめていた。
  以前の彼ならば、何をおいても殺すべき裏切り者である花京院に激昂し、我を忘れていても不思議ではない状況だ。
  直情的な気性を持つヴァニラへこの期に及んで尚平静さを与えていたのは、皮肉にもあの忌まわしき敗北の記憶だった。
  ヴァニラは一度死んでいる身だ。
  花京院典明よりも数段憎らしい、J・P・ポルナレフというスタンド使いの手によって彼は討たれ、灰と消えた。
  思い出すだけで血管が切れそうになる失態だが、そんな過去の自分を省みることで逸る心をどうにか沈静化させている。

  落ち着け。
  焦らず、客観的に自分の状況を見つめるのだ。
  ――焦りを悟られぬように殺気を放ち続けることは忘れず、ハッタリを効かせつつ。

  ヴァニラ・アイスは考える。

  認めるのは癪だが、花京院のスタンド能力は「クリーム」と相性が悪い。
  暗黒空間からの出現を感知され、先程のように特殊な配備方法を取れば移動経路すら筒抜けになってしまう。
  もしも相手が同じ状況の承太郎やポルナレフならば、十分仕留められる可能性はあった筈だ。
  ……とはいえ、これだけならばまだ厄介でこそあれヴァニラに窮地をもたらす程ではない。
  クリームの能力は強力だ。
  範馬勇次郎という怪物をも葬り去ったように、相手が誰であろうと、当たりさえすればほぼ確実に殺害できる。
  仮に生き延びたとしても、完全に避けられでもしない限りは体に重大な傷を残す羽目になる。
  多少の相性差や策など真正面から踏み潰してしまえるだけの力を、クリームとヴァニラ・アイスは秘めているのだ。

  にも関わらず今、彼が攻めあぐねているのには一つの大きな理由があった。
  それは花京院典明の仲間の存在と、彼の精神力が報告で聞いていた以上に成長を遂げているらしいこと。
  三対一の人数差と、花京院以外の実力を軽視していた自分の迂闊さにヴァニラは苛立ちを禁じ得ない。
  二人共銃を持っており、花京院はスタンド能力による遠距離攻撃をすることが出来る。
  ……今のヴァニラ・アイスは、ただ暗黒空間に逃げ込むという、それだけのことすらままならない窮地にあった。

  もしも「考え無し」に動くならば、ここまで迷う必要はない。
  何故ならヴァニラは人間をやめ、主たるDIOと同じ生命体へと既に一歩を踏み出しているのだから。
  多少の負傷は必要なものと割り切って、無理矢理にでも暗黒空間へ飛び込んでしまえば事足りる話だ。
  どれだけ相性が良かろうが、手数が充実していようが、暗黒空間の中に干渉できる存在はヴァニラ以外にはいない。
  後は傷が癒えるまで暗黒空間に待機するなりして、再び好機を狙えばいいだけのことだ。
  ――ただし、これはあくまでも考え無しに行動した場合の選択肢である。
  ヴァニラ個人としては、この一手は「愚策」だろうと踏んでいた。

  何故か。
  それは、主催者・繭がスタンド能力に制限を課せる力を有していることに気付いたからである。

  言わずもがな、暗黒空間に閉じ籠もったヴァニラ・アイスは無敵だ。
  試すつもりはないが、禁止エリアの存在を度外視した場合、極論この中に閉じ籠もっているだけでも殺し合いに勝てる。
  もしも自分がこのゲームの主催者だったなら。
  それでいて、参加者が持つ固有の力に干渉できる権限を持ち合わせていたとしたなら。
  まず間違いなく、自分はこの「必勝法」に制限を施すに違いない。
  制限時間を設定するなり何なり、いくらでも縛り方は考えつく。

  花京院は間抜けではない。
  DIOを裏切る所業は救い難い阿呆としか言いようがないが、頭脳面のみで見れば優秀なものを持っている。
  きっと自分がそんな手段に打って出れば、花京院もその意図を読み取るだろう。
  そして対策を講じてくる筈だ。彼のスタンドには、それが出来る。
  時間はかかれども、確実にヴァニラ・アイスを殺す手を打ってくる。そうとしか考えられない。
  となると、自動的に残された道は一つに絞られる。
  この包囲を脱しつつ、暗黒空間へ飛び込み、花京院のスタンドでは行き先を察知できない建物の端まで逃げることだ。

  ――だが、どうやって?

  額に汗が浮かぶ。
  屈辱感以上に焦燥が優っている。
  脳裏に蘇るのは、ポルナレフに殺された時のあの感覚だ。
  もう二度とあのような無様を晒すわけにはいかない。
  DIO様以外の全てを殺し、先の失敗を取り返さなければ、最早こんな自分に価値などは一銭たりとも存在しない。
  そんなことだけはあってはならない。
  何とかして、どうにかして、この苦境を跳ね返さなければ。

 「……もういいだろ、花京院くんよ。何か凄え目つきしてっけど、経験上分かるんだよな」

  アフロ頭の青年が、軽薄な笑いを浮かべてひらひらと手を振った。
  それから銃口をヴァニラへと向ける。
  花京院と番傘の少女も何ら驚いた様子は見せていない。
  口には出さねど、想いは同じだったのだ。

 「ハッタリだよ。このオッサンは、もう何の手札も残しちゃいねえのさ!」

  叫ぶと同時に引き金が引かれたが、しかしヴァニラが動く方が早かった。
  掠り傷の軌跡を頬に残しながら、青年へと肉薄すべく突進する。
  最後の時間稼ぎも不能になった以上、後は我武者羅に戦うしかない。
  歯痒さと焦りに心をぐしゃぐしゃにされながら、ヴァニラ・アイスは三人へと向かっていった。


●  ◯


  言うまでもなく、勝負の結果は見え透いている。
  たとえ吸血鬼として強力な肉体を手に入れていようが、彼にとって肉弾戦が不得手な分野であることは変わらない。
  クリームというスタンド能力を持っている限り、本来拳を振るう手間など必要ないものであるからだ。
  対してアフロ頭――ファバロ・レオーネは体こそ人間であるものの、積んできた経験はヴァニラに勝る。
  人の身で悪魔と戦ったことすらある彼に、力だけの化物一体など今更どうして敵になろうか。
  突進をひらりと回避し、再度の銃撃。スタンドで防ぐも、ダメージのフィードバックがヴァニラを襲う。

  尚も追い掛けようとするヴァニラの行く手を阻んだのは、番傘の娘――神楽であった。
  傘からの銃撃を大きく身を撚ることで回避するが、それを読んでいたとばかりに物理的な衝撃がやって来る。
  神楽の振るった番傘の身が、ヴァニラの脇腹に直撃していた。
  その一撃が持つ重みは、とても少女の細身から繰り出されたとは思えないほどで。
  堪らず真横に吹き飛ばされ、受け身を取った矢先に追いついた彼女の蹴りが肉を打つ。
  血反吐を吐いて転がり回る姿の、何と無様なことか。
  憤死しそうなほどの屈辱に打ち震えて、ヴァニラはそれでも生きることに腐心する。
  かつての彼も、DIOへの信心半ばで息絶えることはよしとしなかったろうが、一度死んだことで彼が「生」にかける執念のほどは計り知れないほどの域に達していた。
  この世の何者よりも偉大と崇めた男に仕えながら、無能の謗りを浴びせられるに相応しい無様な末路を遂げたのだ。
  ヴァニラ・アイスほどの男が、そんな顛末を再びなぞるという未来に恐怖しない筈がない。
  そこな半端者ならばまだしも、ことヴァニラ・アイスに限っては。


  しかしどれだけ彼の抱く執念が強かれども、この場におけるヴァニラ・アイスは完全に詰んでいた。


  神楽が主となって攻め立ててくる中で、ファバロと花京院も一瞬たりともヴァニラから注意を逸らしていない。
  もしも暗黒空間に逃れる素振りを見せたなら、あの二人がそれを徹底して妨害する腹積もりなのだろう。
  神楽の力も完全に自分を上回っている。肉弾戦では、まず勝てない。

 (クソッ! こんなことなら、あの支給品を抜いておくべきだったかッ!!)

  ……いや、それでも駄目だ。
  ここまで押されていては、あれ一つでどうにか出来るとは到底思えない。

 (何か……何かないのかッ!? この忌まわしいゴミクソ共をどうにか出来る手はッ!?)

  ヴァニラの首根っこが掴まれ、思い切り投げ飛ばされた。
  浮遊感と共に視界がぐるぐると不快に回転するが、そんなことは彼の目に入ってはいなかった。
  武器はない。正しくは、「ある」が、今この場で通用するたぐいのものではない。
  普通に考えればどうしようもない。
  プライドを捨てて命乞いにでも走ったほうが、まだ生きる望みがあるだろうと思えるほどだ。
  だがそれは、普通に考えれば、の話である。

  ヴァニラは床に臥せることも厭わず、必死にそれを妨害されまいとした。
  神楽の追撃が来るよりも早く、可能な限り全力で、とっておきの奇策を使うべくカードを引き抜く。
  足音が聞こえる。
  迫ってくる音だ。
  猪か何かが走ってくるような激しさを秘めて、悪のスタンド使いに引導を渡す獰猛な兎が走ってくる。
  もう時間はない。
  しかし幸い、ちょうど時を同じくして、ヴァニラ・アイスの準備も整った。
  フルスイングで振るわれた番傘の一撃に対し、ヴァニラは「それ」を思い切り突き出すと――神楽は驚愕した。


  神楽だけではない。
  花京院も、そしてファバロも。
  誰一人、ヴァニラの行動を予測できなかった。
  いや――花京院に限って言えば、「それ」が武器になることを予測できなかった、と言った方が正しいか。
  彼は堪らず声をあげる。

 「貴様、それはッ!」


  ――ヴァニラ・アイスが握っていたのは、人間のものなのか疑わしく思えてくるほどの屈強な「右腕」だった。
  腕輪が付いていることから、元は参加者の体の一部だったことが窺える。
  ヴァニラも体つきは屈強な方であるが、それでもこれほどではない。
  改めて見ると、人間のものとは思えない。
  ヴァニラはこの存在と真っ向から渡り合うような事態を回避できた自身の幸運に感謝せずにはいられなかった。


  範馬勇次郎。
  人は彼をこう呼んだ――「地球最強の生物」と。
  だが、かつての伝説は今や暗黒空間の彼方に消え失せた。
  今、この現世に残っている範馬の伝説はこの右腕だけだ。
  悪魔的とまで称された男の豪腕は死後硬直で鋼のように硬まっていたが、内には未だオーガの細胞が犇めいている。
  持ち主死せども、彼の遺した肉体は不朽。
  現に勇次郎の死から六時間近くが経過した今も、右腕は血色の悪くなる様子すらない。
  ともすれば意志を持って動き出すのではないか――そんな不安を見る者へ抱かせるほど。

  夜兎族の少女が相手の生死を度外視した全力で振るった番傘を、軋みすらせずに受け止められるほどの堅牢さと頑健さを、ヴァニラ・アイスが握った「範馬勇次郎の右腕」は持っていた。
  ヴァニラがこの腕の真価に気付けたのは全くの偶然。
  天啓めいた直感は、死を目前にした生物の本能であったのか。
  それとも――死して尚戦いを渇望するオーガの思念が、「俺を使え」と彼を突き動かしたのか。

  ヴァニラはせめぎ合う番傘を真下から蹴り上げ、神楽のバランスを崩させた。
  そして、勇次郎の右腕を刺突の要領でその腹部に見舞う。
  闘争のみに全力を尽くした怪物(オーガ)の隻腕――軽いはずがない。神楽が地面を転がった。

 「ファバロォォォォ!! 奴を撃てッ!!! 『奴だけの世界』へ逃げ込ませるなァ――ッ!!!!」
 「お、おうよッ!」

  花京院のスタンドと、ファバロの銃撃が同時にヴァニラへ浴びせかけられる。
  神楽も体を起き上がらせ、番傘を持ち上げかけていた。
  だがそれよりも、ヴァニラ・アイスが行動する方が一歩早かった。
  発現させたクリームによって暗黒空間への入口を作り出し、もう片方の手で握った「右腕」を棒術の要領で振り回しつつ、そこへ転がるようにして飛び込んだ。
  背には鋭い痛みを感じるものの、行動へ重篤な支障を来すほどではない。
  ニヤリと笑みを浮かべながら、脇目も振らずにヴァニラ・アイスはステルス状態のまま放送局を駆け抜ける。
  クリームの特性として、移動の際に通った経路は丸分かりとなってしまうが――そこは妥協するより他ない。

  兎角今はこの場を離れ、体勢を立て直す必要がある。
  暫く闇雲に移動した後で、ヴァニラ・アイスはやっと暗黒空間から顔を出した。


◯  ●


 「ッ、ファバロ! 何故止める!?」
 「いいから落ち着きな。さっきも言ったろ、此処に居るのは多分アイツ一人じゃねえんだよ」

  ヴァニラを追おうと逸る花京院の肩を掴んだのは、ファバロだった。
  彼の窘める言葉を聞いた花京院は、ハッと自らが冷静さを失っていたことに気付き、唇を噛む。

  ――時は少々前、彼らがヴァニラ・アイスのスタンド能力に対処する為の作戦会議を行っていた頃に遡る。

  ファバロは突入する気満々の花京院達両名にその時も待ったをかけた。
  この放送局から流された「定時でない放送」を聞いていない彼らには知る由もなかった「もう一人の敵」の存在を、ファバロ・レオーネは知っていたからだ。
  ジル・ド・レェ。
  死霊使い。
  善人の顔をして参加者を引き寄せようと目論む危険な男。
  今でこそ奴はまだ此方へ干渉してきていないが、あの「姿の見えないスタンド使い」を追うとなれば鉢合わせになる可能性が格段に上昇する。最悪、件のスタンド使いと協力してくることも考えなくてはならないだろう。
  結構な騒ぎを起こした。
  よもや、あちらがこの戦いを感知していないとは思えない。
  だからファバロは花京院を止めた。
  とはいえ、それは心より彼の身を案じて親切心を働かせたわけではない。

  ファバロ・レオーネもまた、仮面を被っている人物だ。
  積極的に参加者を殺し回ってこそいないが、かと言って正義の心でそれを止めようとしているわけでもない。
  今の彼にある確かな指針といえば、生きる――そのくらいのもの。
  「姿の見えないスタンド使い」は確かに厄介だ。
  排除できることならしておきたいし、ジルについても同じである。
  しかし、それはあくまでもチャンスがあれば狙って行きたい、程度の思いに過ぎない。
  ジル・ド・レェとスタンド使いの双方を相手取らなければならない事態は、無視できない巨大なリスクを伴ってくる。
  当然、両方を倒せれば旨みは大きいが……当然、その為にはより慎重な行動が要求される。
  スタンドという概念に心得のある花京院を先頭とする以上、蛮勇で動かれては堪ったものではない。
  そう思っての制止だった。
  現時点ではファバロも追撃する気でいるが、不利と悟れば彼はすぐにでも踵を返すだろう。
  卑怯者の謗りを受けるのは想像に難くない。
  もっとも、それこそ今更の話だが。

 「……すまない。ありがとう、ファバロ」
 「気にすんなって。それより、そういうわけだからよ。追うってんならもう一度作戦を話し合っておこうや」

  一方の花京院は、ぐっと拳を握り締めていた。
  自分は焦っている。
  自分の不手際で死なせてしまった命のことが、頭から離れない。
  あの「姿の見えないスタンド使い」を殺すことで、その罪が消えるわけでもないというのに。

 「のりピー、アレをやったらどうアルか?」
  さっきのスタンド使い? から逃げてる時にやってた索敵ネ。アレでなら、少しは進みやすくなるはずヨ」
 「成程、そうだな。奴のスタンド能力がある以上、移動しながらは使えそうにないが……
  今の内に建物の中を索敵しておけば、少しは進む上での危険も少なくなるかもしれない」

  法皇の緑を這わせた索敵状態では、「姿の見えないスタンド使い」の襲撃を察知してから反応まで間に合わない。
  それはヴァローナの一件で身を以て理解することになった。
  あの時は花京院が直接狙われたわけでなかったからどうにかなったが、もし最初から自分を殺すつもりだったならと思うと背筋に冷たいものが走る。
  他二人の安全を考慮しても、索敵を発動させながらの移動は不可能と見るのが妥当だ。
  奴の移動路線を事前に察知できる、局へ突入する前まで使っていた紐状の擬似センサー。
  それを張り巡らせつつ、花京院はもう一度唇を噛んだ。

  若きスタンド使いは、胸中に込み上げる様々な感情に浮かされながら自身のスタンドを建物内へ走らせていく。
  彼らの魔領攻略戦は、これにてようやくスタートラインに立つことが出来たのかもしれない。


【E-1/放送局/一日目・朝】

【花京院典明@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:疲労(大)、脚部へダメージ(小)、腹部にダメージ(中)、自分への怒り、強い焦り
[服装]:学生服
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)、黒カード:不明支給品0~2枚
[思考・行動]
基本方針:繭とDIOを倒すために仲間を集める
   0:建物内を調べる
   1:死をもって償わせてやる
   2:承太郎たちと合流したい。
   3:ホル・ホースと『姿の見えないスタンド使い』、神楽の言う神威には警戒。
   4:スタンドが誰でも見れるようになっている…?
   5:僕が拘束していなければ、彼女は……
[備考]
※DIOの館突入直前からの参戦です。
※繭のことをスタンド使いだと思っています。
※スタンドの可視化に気づきました。これも繭のスタンド能力ではないかと思っています。
※第一回放送を聞き流しました
どの程度情報を得れたかは、後続の書き手さんにお任せします
※『法皇の緑』を用い、局内の索敵を行っています


【神楽@銀魂】
[状態]:腹部にダメージ(小)
[服装]:チャイナ服
[装備]:番傘@銀魂
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)、黒カード:不明支給品0~2枚
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らないアル
   1: 『姿の見えないスタンド使い』を倒すアル
   2:神威を探し出し、なんとしてでも止めるネ。けど、殺さなきゃならないってんなら、私がやるヨ。
   3:銀ちゃん、新八、マヨ、ヅラ、マダオと合流したいヨ
[備考]
※花京院から範馬勇次郎、『姿の見えないスタンド使い』についての情報を得ました。
※第一回放送を聞き流しました
どの程度情報を得れたかは、後続の書き手さんにお任せします


【ファバロ・レオーネ@神撃のバハムート GENESIS】
[状態]:疲労(中)、右頬に痺れ、酔いも覚めた
[服装]:私服の下に黄長瀬紬の装備を仕込んでいる
[装備]:ミシンガン@キルラキル
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(8/10)
    黒カード:黄長瀬紬の装備セット、狸の着ぐるみ@のんのんびより、小型テレビ@現実 グリーンワナ(緑子のカードデッキ)@selector infected WIXOSS、カードキー(詳細不明)ビームサーベル@銀魂
[思考・行動]
基本方針:女、自由、酒ってか? 手の内は明かしたくねえんだよ
   1:『姿の見えないスタンド使い』を追う――が、いざとなれば即撤退する。無駄死には趣味じゃねえ。
   2:チャンスがあればジル・ド・レェを殺す。無理そうなら潔く諦める。
   3:カイザルの奴は放っておいても出会いそうだよなあ。リタにも話聞かねえとだし。
   4:『スタンド』ってなんだ?    
   5:寝たい。
 [備考]
※参戦時期は9話のエンシェントフォレストドラゴンの領域から抜け出た時点かもしれません。
 アーミラの言動が自分の知るものとずれていることに疑問を持っています。
※繭の能力に当たりをつけ、その力で神の鍵をアーミラから奪い取ったのではと推測しています。
 またバハムートを操っている以上、魔の鍵を彼女に渡した存在がいるのではと勘ぐっています。
 バハムートに関しても、夢で見たサイズより小さかったのではと疑問を持っています。
※今のところ、スタンドを召喚魔法の一種だと考えています
※第一回放送を聞き流しました
どの程度情報を得れたかは、後続の書き手さんにお任せします


●  ◯


  暗黒空間を抜け出、適当な部屋に転がり込んだヴァニラ・アイスが行ったのは、自身の支給品の確認だった。
  正確に言えば、「自身の」ではない。
  自身が殺し、奪い取った支給品だ。
  範馬勇次郎。ヴァニラが最初に殺めた地上最強の生物が持っていた道具を検める時が来た。
  花京院の追跡を行っている時は彼を殺してから確認すればいいと思っていたが、今は状況が状況だ。
  スタンド能力に頼りきっているだけでは、再び不覚を取る可能性がある。
  手札は少しでも多く――より確実に奴らを殺すための備えをしておかなければならない。
  黒のカードを振ると、一発目から当たりを引いた。

  重機関銃。説明によれば、ブローニングM2キャリバーなる名称のものらしい。
  あの範馬勇次郎という怪物がこれを振り回していたらと考えると、さしものヴァニラもゾッとする。

  銃の細かいスペックや逸話などどうでもいい。
  重要なのは、これであの三人を一網打尽に出来るかどうかという話だ。
  冷静に考えて、五分がいいところだと思う。
  花京院は当てることが叶えばまず間違いなく殺せるが、スタンドで防がれれば怪しい。
  ファバロとか呼ばれていたアフロ頭は恐らく手数で圧殺できる。中華風の少女は――分からない。
  あの少女は恐らく、まともな人間ではないだろうとヴァニラは先の邂逅で感じ取っていた。
  そうでなければ、あんな矮躯からあれだけの力が出るとは到底思えない。
  だから結論として、ヴァニラはこれに頼り切るのは危険だと判断した。
  自分自身に支給されたものの中にも武器はあったが――人数差を覆せるような威力を持つものではなかった。
  支給品の力だけで事を楽に運べる、そんな上手い話は今のところ、ヴァニラ・アイスの前には転がっていない。

 「次だ」

  残された二枚の黒カード。
  内の一枚に手を掛けようとした。

 「ッ」

  その時だ。
  彼の耳は、ある物音を捉えた。
  部屋の入口から聞こえたその音は、扉のノブが回る音。

  ――花京院達が、もう追いついてきたというのか?

  そう思って引き出したばかりの重機関銃を扉へ向けたヴァニラだったが、そこから現れた人物は彼の知らない顔だった。
  第一印象を一言で形容するならば、「不気味」。それに尽きる。
  奇妙に離れたぎょろりと大きな目玉に脂ぎった素肌、枯れ木のような肌の色。
  どれを取っても人間らしくない。
  言ってしまえば、一目見ただけで「まともではない」と分かる外見をしていた。
  彼はにたりと微笑んで両手を挙げ、戦意のないことを示す。
  訝しげに眦を顰めるヴァニラへ、インスマス面の男はよく通る声で自己紹介を始めた。

 「お初にお目にかかります。私はジル・ド・レェという者ですが……放送は聞いて頂けましたかな?」
 「……貴様が行ったもの、という意味でも、主催者が行ったもの、という意味でも――否だ」
 「そうでしたか。実は私、この場に参加者の皆々様を集めようと思ったのです。
  しかし全員を私一人で相手取るのは幾ら何でも骨が折れる。そこで遊撃手として人を雇ったのですが……」

  それは貴方に殺されてしまいました。
  ヴァニラの脳裏には、クリームの一撃で仕留めた金髪の女の姿が再生されていた。
  彼に言わせればさして印象にも残らない相手だったため、これまではさして気に留めることもなかったが。

 「先程の戦い、拝見させていただきましたよ。結果は残念でしたが、しかし惜しかったですねえ」
 「……嫌味か? 貴様……」

  挑発しているのかとも思ったが、どうやらそんな幼稚な真似をしに来たわけではないらしい。
  疑心露わに睥睨するヴァニラ・アイス。
  彼を知る者ならば、彼が悠長な対話に応じていることに首を傾げたかもしれない。
  この男は苛烈な殺意と、簡単には沈静化しない灼熱の感情を内に秘めた怪物のような精神構造の持ち主だ。
  会話に応じることもなくジルを葬り、その持ち物を奪うくらいの真似はしても何ら不思議ではない。
  彼がそうせず、魔術師との対話に応じている理由は――ひとえにこの殺人者が放っている「凄み」故だった。
  DIOともまた違った、ベクトルの違う方向での異質性。
  それが彼の手を僅かに鈍らせた。少なくとも、あちらが行動を起こさない限りは様子見をしておこうと思わせるほどに。

 「何が言いたい」
 「単刀直入に言うとですね。貴方には、亡き彼女の代わりになっていただきたいのですよ」
 「貴様に協力しろ……ということか」
 「そうなりますねぇ」

  間抜けが。
  ヴァニラはひどい侮辱を喰らった気分になった。 
  DIO様に絶対の忠誠を誓った自分が、一時とはいえ主の敵と肩を並べて戦う。
  舐めてかかるのも大概にしろという話だ。
  今すぐ暗黒空間へばら撒いて、持てる限りの装備を奪い取ってくれる――沸騰しかけた感情を止めたのは。

  自分の信心を「地獄でやっていろ」と一蹴しこの身体を灰に変えた、瞼の裏に焼き付いて離れない宿敵の面影だった。

 (いや……落ち着け。落ち着くのだ……)

  砕けんばかりに奥歯を噛み締め、沸き上がる殺意をクールダウンさせる。
  あのお方が敗れる筈はないが、自分には失敗の前科がある。
  今度は期待を裏切るような真似をするわけにはいかない。
  そんな事態になれば、その時自分はきっと発狂してしまうに違いない。
  今は落ち着け。冷静に状況を見つめろ。
  認めたくはないが、花京院典明とその連れ二人はヴァニラだけでは聊か手に余る相手だ。
  それは先の戦いを思い返せばたやすく分かることで。

 (この男には利用価値がある……花京院やあの娘を殺す上で、『手駒』として使うことが出来るッ)

  だからヴァニラ・アイスは断腸の思いで、ジルの提案を受け入れることにした。

 「……いいだろう。貴様の提案に乗ってやる」
 「これは頼もしい。いいでしょう、これより我らは一蓮托生の同胞」
 「やめろ。反吐が出る」

  しかし勘違いするなよ。
  燃え盛る屈辱の炎で身を焼きながら、ヴァニラは心中に誓う。
  花京院とその仲間達を殺し、DIO様へ仇なした報いを受けさせたなら。
  その次はジル・ド・レェ――自分の『汚点』であるこの男を清算する。

  死を通じて学習し、より凶悪に成長していく狂信者――その殺戮はまだ始まったばかり。


【キャスター@Fate/Zero】
[状態]:健康、魔力300%チャージ
[装備]:リタの魔導書@神撃のバハムート GENESIS、神代小蒔、南ことり、満艦飾マコのゾンビ
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)
     黒カード:生命繊維の糸束@キルラキル、遠見の水晶球@Fate/Zero
[思考・行動]
基本方針:ジャンヌ・ダルクと再会する。
1:ヴァニラと共闘する
2:放送局で宝具を持つ参加者とジャンヌを待ち受ける
[備考]
※参戦時期はアインツベルン城でセイバー、ランサーと戦った後。
※ジャック・ハンマーをバーサーカーかあるいは他のサーヴァントかと疑っています。
※神代小蒔、南ことり、満艦飾マコの遺体をゾンビ化しました。


【ヴァニラ・アイス@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:ダメージ(大) 、疲労(大)、背中に銃創複数(回復中)
[服装]:普段通り
[装備]:範馬勇次郎の右腕(腕輪付き)、ブローニングM2キャリバー(650/650)@現実
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)、黒カード:双眼鏡@現実 不明支給品0~2(確認済、二個中一個は武器)、範馬勇次郎の不明支給品0~2枚(未確認)
[思考・行動]
基本方針:DIO様以外の参加者を皆殺しにする
   1:ジル・ド・レェと共闘し、花京院一行を抹殺する
   2:血を吸って回復したい
   3:承太郎とポルナレフも見つけ次第排除。特にポルナレフは絶対に逃さない
   4:花京院達を殺した後に、ジルも殺す
[備考]
※死亡後からの参戦です
※腕輪を暗黒空間に飲み込めないことに気付きました
※スタンドに制限がかけられていることに気付きました
※第一回放送を聞き流しました
 どの程度情報を得れたかは、後続の書き手さんにお任せします


支給品説明
【ブローニングM2キャリバー@現実】
範馬勇次郎に支給。
ジョン・ブローニングが第一次世界大戦末期に開発した重機関銃。
M2がアメリカ軍に制式採用されたのは1933年であるが、信頼性や完成度の高さから現在でも世界各国で生産と配備が継続されている。


時系列順で読む


投下順で読む


110:前哨戦 花京院典明 133:色即絶空空即絶色-Dead end Strayed-(前編)
110:前哨戦 神楽 133:色即絶空空即絶色-Dead end Strayed-(前編)
110:前哨戦 ファバロ・レオーネ 133:色即絶空空即絶色-Dead end Strayed-(前編)
110:前哨戦 ヴァニラ・アイス 133:色即絶空空即絶色-Dead end Strayed-(前編)
110:前哨戦 キャスター 133:色即絶空空即絶色-Dead end Strayed-(前編)