1名無しさん@ピンキー05/02/21 00:01:37 ID:DXuBIyDC

ここは人間の住む世界とはちょっと違う、ケモノ達の住む世界。
周りを見渡せば、そこらじゅうに猫耳・犬耳・狐耳・etc。
一方人間はというと、時々人間界から迷い込んで(落ちて)来る程度で数も少なく、
希少価値も高い事から、貴族の召使いとして重宝がられる事が多かったり少なかったり。

けど、微妙にヒエラルキーの下の方にいるヒトの中にも、例えば猫耳のお姫様に拾われて
『元の世界に帰る方法は知らないにゃ。知っていても絶対帰さないにゃあ……』
なんて言われて押し倒され、エロエロどろどろ、けっこうラブラブ、
時折ハートフルな毎日を過ごすことを強要される者もいるわけで……。

このスレッドは、こんな感じのヒト召使いと、こんな感じのケモノ耳のご主人様との、
あんな毎日やそんな毎日を描いたオリジナルSSを投下するスレです。


このスレッドを御覧のヒト召使い予備軍の皆様、このスレッドはこちらの世界との境界が
薄くなっている場所に立てられていますので、閲覧の際には十二分なご注意を。
ご主人様達の明日の御相手は、もしかすると貴方達なのかもしれませんよ?


過去スレ・関連サイト・保管サイト・これまでの作品リストなどは >>2-5 に。
2名無しさん@ピンキーsage05/02/21 00:02:26 ID:DXuBIyDC

【過去スレ】
猫耳少女と召使いの物語 (03/02/21 〜 03/12/25)
 ttp://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1045/10458/1045800367.html
猫耳少女と召使いの物語2 (03/12/17 〜 04/08/14)
 ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1071622872 (Html化待ち)
猫耳少女と召使いの物語3 (04/08/16 〜 )
 ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1092588111


【SS保管庫・避難所】
エロパロ板SS保管庫 (当スレSSは『オリジナル・シチュエーションの部屋その3』に)
 ttp://sslibrary.gozaru.jp/
猫耳少女と召使いの物語 緊急避難所 (JbbsLivedoor エロパロ板SS投下専用掲示板 内)
 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/2051/1090513959


【関連サイト】
猫耳少女と召使いの物語 まとめwiki (各作の人物紹介・世界観設定その他)
 ttp://nekopri.on.pc1.jp/index.html
猫耳少女と召使いの物語 半公式ファンサイト (世界観まとめサイト)
 ttp://www.geocities.co.jp/Milano-Killer/9811/world.html
3名無しさん@ピンキーsage05/02/21 00:03:39 ID:NtS8U28I

【今までに登場した作品一覧:登場順】

NO: 作品タイトル <作者様名(敬称略) 初出 経過>

01: こっちをむいてよ!! ご主人様 <こちむい 1st-29 全10+1話完結>
02: IBYD <180 2nd-189 連載中>
03: 華蝶楓月 <狐耳の者 2nd-217 連載中>
04: こちむいU あしたあえたら <あしたら(=こちむい) 2nd-465 連載中>
05: 火蓮と悠希 <(´・ω・`)へたれ猫 2nd-492 連載中>
06: 十六夜賛歌 <兎の人 2nd-504 連載中>
07: ソラとケン <◆rzHf2cUsLc 2nd-645 連載中>
08: ご主人様とぼく <65 2nd-738 連載中>
09: 狼耳モノ@辺境(仮題) <狼耳モノ@辺境(仮題) 3rd-79 連載中>
10: Silver Tail Story(仮題) <狼を書く者 ◆WINGTr7hLQ 3rd-103 連載中>
11: 薄御伽草子 <161 3rd-171 連載中>
12: 放浪女王と銀輪の従者 <蛇担当 3rd-262 連載中>
13: 黄金の風 <一等星 3rd-348 連載中>
14: 最高で最低の奴隷 <虎の子 3rd-476 連載中>
15: From A to B... <エビの人……もとい兎の人 3rd-543 全1話完結?>
16: 魚(・ω・)ヒト <魚(・ω・)ヒト 3rd-739 連載中>
17: 狗国見聞録 <692 3rd-754 連載中>
4名無しさん@ピンキーsage05/02/21 00:05:01 ID:NtS8U28I
ここまでテンプレ。第4スレ目、それではどうぞお楽しみを
5『あしたら2』sage05/02/21 00:38:16 ID:LIJPKYqZ
リビングには暑いほどの暖房がかかっている。ユナ様がお湯のいっぱい入った鍋を
持ってくるとぼくはそこから煮沸消毒した手術道具を1個づつ取り出してガーゼで
丁寧に拭いて並べていく・・・。ちなみにユナ様もぼくもタオルでマスク代わりの覆面を
している。
 「あの・・・ユナはあと、何をすればいいですの・・・」
 心なしか顔色の悪いユナ様が心細げにぼくに聞く。ぼくが口を開く前に背後から声・・・
 「・・・どうせユナは何も出来にゃいにゃ、ユナは黙ってリナ様の手でも握ってれば
いいにゃ・・・」
 ご主人様が部屋に入って来ていた・・・手を洗いに行ってから10分ぐらい経って、
やっとやって来たのだ・・・。
 「わかった・・・ですの」
 ユナ様は自身の無力さと悔しさの半ば混じった言葉を口から押し出し、ペタリと
ソファに座る。そして応接テーブルを利用した即席手術台の上のリナ様の手を
しっかりと握る。
 「リナ・・・痛くて泣いたらダメですの・・・」
 と軽口を叩くユナ様の口調は泣き出しそう・・・。そんなユナ様を見てリナ様は
薄っすらと微笑んだ・・・。

 「始めるにゃ・・・」
 大きく頷きなら言うご主人様。どちらかといえば妹達より、自分に頷いた・・・と
言うところ。空気はピリピリと緊張している・・・
 「メス・・・」
 「は、はいっ・・・」
 メスを渡すまえに、手早く手術道具とセットで入っていた茶色の消毒液で切開部を
大きく脱脂綿で消毒する。ちなみにリナ様はあそこの毛があるのかないか位なので
剃網する必要はなかった・・・コホン。
6『あしたら2』sage05/02/21 00:40:38 ID:LIJPKYqZ

 ご主人様はメスを手に取るとブツブツと呟き始めた・・・
 『あわわ・・・緊張のあまり、おかしくなっちゃったのかな・・・』
 と、挙動不審なご主人様を横目で覗きながら心配になるぼく。だいたい本物の
ドクターでも身内の手術はしないものなのだ・・・
 『・・・それなのにぼくは・・・』
 今更ながら、勝手な事を言った自分を責めるぼく。ブツブツと唇を震わせる
ご主人様を覗き込み、正気に戻るように祈るのだが・・・
 「あっ!? 」
 ぼくは小さくマスクの下で悲鳴。ブツブツと呟いた状態のまま、いきなり
ご主人様がリナ様にメスを入れたのだ。その範囲はかなり大きい・・・通常の
盲腸手術の3倍ほど・・・10cmぐらいの切開。傷が大きいほど出血も多く、その分、
早く終わらせなくてはいけないのに・・・。だけど意外な事が起こる。
 『あれ・・・血があまり・・・』
 出血が少ない・・・。それはなんともイヤな匂いが生じてぼくは理解する・・・
 『ジュ・・・』
 小さな音と共に血管が焼ききれる匂い。小さな血管からの出血はほとんどなかった。
 『炎の呪文、唱えながら開腹してるんだ・・・』
 ぼくはドキドキして幼いご主人様を見た。やっぱりご主人様はすごい。ぼくは
手術の成功を確信して、慌てて自分も太目の血管からこぼれる血をカンシで
押さえていく・・・。これぐらいならぼくだってできるけど・・・やっぱり血は怖いし
傷口を見る度に貧血をおこしかけそう・・・

 「にゃふ・・・」
 唇を舌で湿す。手を洗っていた時に湧いてきた不安はメスを握った瞬間にすうっと
消えて行った。後から切り足していくと麻酔無しで耐えるリナの負担が大きくなるので、
始めから大きく切ると決めていた。切開範囲は自称召使いが消毒した部分いっぱいを
使うことにする。
7『あしたら2』sage05/02/21 00:42:42 ID:LIJPKYqZ
 白いリナの下腹部にそっとメスを入れる。イヤな感触・・・
 『皮膚から脂肪層・・・』
 心の中で確認しながらしっかりと確実に切る。背ばっかり高くて、やせっぽちの
リナなのにまっ黄色の脂肪層が厚くちゃんとある・・・なぜかザラザラとしたイメージ・・・
 『そして3層の筋膜にゃ・・・』
 外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋を丁寧に切る。キレイなピンク色。ちなみに筋肉が
赤ければ持久力。白ければ瞬発力というからリナの筋肉は両者を兼ねそえて
いるのではなかろうか・・・自称召使いから筋鈎が素早く、タイミングよく出され、
一層一層創部を広げて行く。それによってマナの作業が滞ることはなかった。
 『ふん・・・ちょっとは使えるかにゃ・・・』
 と、少し余裕が出てきたのか心の中で呟く。
 『さて、腹膜・・・』
 思ったよりピラピラとした感じがする腹膜をピンセットで摘んで押さえながらこれも
切開。何層も切り開くたびに切開部は小さくなっていく・・・

 そして内臓が見えた・・・

 『にゃ!! ・・・こ、これは・・・本と違うにゃ・・・』
 さすがに静脈が図鑑の通りに青色をしているとは思ってはいなかったが、リナの腹腔は
びっしりとごちゃごちゃでよく分からない・・・。赤黒い血管やらヒモが内臓各所に巻きつき、
どこまでが小腸でどこからが大腸なのかさえ不明だ・・・。不意にメスに集中していたマナの
意識が苦しげなリナの荒い呼吸を拾ってしまい、一気に心の余裕を奪っていく・・・
 『どこにゃ・・・!? 』
 こんな所で手を止めてしまったらリナの命に関わる・・・。このまま元通り縫合して
そのまま逃げ出したい気分になる。または泣き叫んでリナに許しを請えば許して
くれるだろうか・・・
 『にゃ、にゃ・・・・・・・・・』
 額の汗が目に伝う・・・その時、横から手が伸び脱脂綿で額を拭われた。酒精綿だったらしく、
おでこがヒヤッと冷たくなる・・・。熱くなった気持ちが不意に冷め、小さく深呼吸・・・
 「ご主人様、これからホンバンですよ、確実にいきましょ!」
 
8『あしたら2』sage05/02/21 00:45:12 ID:LIJPKYqZ
 と、覆面の上からでもわかるほどニッコリと笑う召使い。不意にオロオロした
キモチが吹き飛び『負けるもんか』とファイトが湧いてきた・・・あの巨乳だけが
取り得のミルフィにバカにされたときよりも、爽快で強い力が不思議と体内に
満ちてきた。
 「に、にゃにゃっ・・・関係ないヤツは・・・黙ってるにゃっ!! 」
 メスを置くと、マナは手をリナの腹腔に突っ込んだ。ショックでピクリとリナの体が
反応するが、一回で治まる・・・普通のネコなら泣き叫ぶか、激烈な痛みに気絶
するに違いない・・・リナも今、とうにネコを越えた超人的な意思でこの手術を闘っている。
 「ひっ・・・!? 」
 スプラッターなシーンにユナの押し殺した悲鳴。それでもためらうことなくマナは
腹腔の手をゆっくりと動かす。
 『目で見えないなら触って確かめるまでにゃ・・・』
 腸管を探っていき、リナを苦しめている元凶を何とか見つけ出そうとする。手はたちまち
赤く染まる。不快ではなかった、逆に動脈に近いせいで熱く脈打つその場所はリナの命、
そのものに触れているような気がして涙ぐみたくなるほど・・・

 「痛くないですの?リナは偉いですの・・・」
 悲鳴一つ上げないリナにユナは握った手をさすってやりながら、ショッキングな手術を
目の当たりにし、半分べそをかきつつ言う。
 「思ったより平気だ・・・不思議だ・・・ふふ、偉いと思ったら私のこともちゃんと『姉』と呼べ・・・」
 顔色こそ青いが、しっかりとしゃべるリナ様。ショックの心配はほとんどないだろう。
 「そ、それとこれは別ですの――っ」
 ぐしゅぐしゅと鼻をすすりながらユナ様が微笑んでいる。その時、ご主人様がビクリと
震え、動きが止まった・・・

 「あった・・・にゃ・・・」
 それは結局、切開部の丁度ど真ん中、ただし腸管の真後ろにあった・・・。黄白色の膿が
パンパンに詰まった虫垂・・・。破裂寸前の白い爆弾・・・。
 「ほ、ほっ、縫合・・・して、それから・・・」
 
9『あしたら2』sage05/02/21 00:46:51 ID:LIJPKYqZ
 上ずる声だが全部言い終わる前に針と糸が手渡される。自称召使いを
こ憎たらしく思いつつもがんじがらめに結節部を糸で縛って行く・・・
 「リナ、あと少しにゃ・・・鋏・・・」
 がっちりと固定してから手をのばして言う。手を出すと同時に鋏が載せられる。
ピンセットで保持しつつ、『じょきり』と虫垂を切除・・・リナを苦しめていた元凶を
取り除く・・・膿が出ないよう、切除部をピンセットで摘んだそれをゆっくりと垂直に
持ち上げる。使用済みの避妊具にも似ているが、この時代のマナにはそんなコトを
知る由もない・・・
 後は、縫合するだけ・・・。自分の手際よさに、ほくそえむマナ・・・
 『・・・にゃっふ!やったにゃ・・・このわたしに出来にゃいことなんてないにゃあ・・・あっ・・・』

 それは全くの油断。気の緩みだった・・・
 『にゅる・・・』
 ピンセットから不意に破れかけの虫垂が逃げた・・・。ピンセットが安物なのか不良品
だったのか、力を入れるほど歪むのか、ズルズルと膿だらけの虫垂が保持部から逃げる・・・
 「にっ!? ・・・・・・」
 凍りつくマナ。慌てて握りなおすが、かえってツルリと虫垂は滑っていき・・・。その下は
まさにマナが切開し、創部を広げたままの腹腔内・・・このままこのバイキンのかたまりを
落したらリナの胎内に膿みがばら撒かれ、内臓が次々と感染症を起して腹膜炎で死んで
しまうだろう・・・この場合リナは虫垂炎で死んだのではなく、たんにマナが殺したことになる・・・。
突発的なアクシデントで体がフリーズしてしまうマナ。しかし、無情にもツルリと虫垂は
ピンセットをすり抜けて落下した、それは狙い違わずリナの腹腔の中へと落ちていく・・・
 「にゃあああっ・・・!? 」
 小さく叫んで、なんの解決にもならないと解かっていながら目をギュッと閉じてしまうマナ・・・
10『あしたら2』sage05/02/21 00:49:47 ID:LIJPKYqZ
 『ぺん・・・』
 妙な音がしたので顔色を蒼白にしつつ、薄目をあけるマナ。なにやらキラキラと
した光が目をうった・・・。薄っすらと目を明けたマナが見たものはステンレスの
脳皿に膿を散らせ落ちた虫垂・・・そしてその皿を懸命にカラダを伸ばして持っていたのは・・・
 「ユナ・・・・・・!! 」
 へなへなと崩れ落ちそうになりながらマナは叫ぶ。さっきまでユナのことを
『役立たず』ぐらいに言っていた自分を深く恥じ入る・・・
 「コレでいいですの――っ? 」
 「はい、ナイスキャッチでしたよユナ様・・・」
 と、微笑みつつ、テキパキと切断部の消毒をしている召使い・・・。あらかじめちゃんと
打ち合わせをしていたらしかった・・・。マスクのしたの頬が紅くなるのがわかる・・・
 「マナ姉っ!」
 『ほめて、ほめて』と言わんばかりの生意気盛りのユナに精一杯の見栄を張って
マナは言った。
 「うるさいにゃ・・・ちゃんとお腹を元どおりに塞ぐまでがオペにゃ、ちょっと上手くいった
からって、はしゃいだりしたらダメにゃ!まったく・・・。お前も早く消毒するにゃっ!」
 「はいはい・・・くすっ・・・ご主人様・・・消毒、終わりました・・・」
 「に゙っ・・・にゃふ・・・くっ!? わかったにゃ・・・」
 慌てて緊張するユナだが、召使いは思わせぶりな態度を取ってマナを歯ぎしりさせた・・・。
しかし、もう一度気力を振り絞り針を握って言う。
 「リナ、あと少しの辛抱にゃ」
 「そうですの、ユナもちゃんと活躍したんですから、元気になってお礼をいうですの――っ!! 」
 開腹時とは比べ物にならない速度で、今度は逆に、『腹膜』『筋肉』『皮膚』の順に
手際よく縫い合わせて行く・・・。下腹部に残る10cm程のごっつい手術跡は死ぬまで
残ってしまうだろうが勘弁してもらおう・・・

 「終わった・・・にゃ・・・」
 ご主人様は思わず天を仰ぐ。短いポニーテールがピョコンと跳ねる。失敗はなかったと思う。
そして冷静だった。ぼくなんて何度も血を見て失神しかけていたというのに・・・。その度に
ご主人様はぼくを『じろっ』と睨んで猛然とオペを続けていった・・・。僅かながら血色の戻った
リナ様が言う。
11『あしたら2』sage05/02/21 00:51:46 ID:LIJPKYqZ
 「姉上・・・ありがとう・・・なんかもう、この世に怖いものが無くなったって感じがする・・・
私、一回も泣かなかったよ・・・」
 薄っすらと微笑みさえ浮べてリナ様が言う。同じリナ様なのに今まで全くなかった
自信に満ち溢れた顔になっている・・・きっとこれから厳しい鍛錬と武者修行を繰り返して
大陸無双の勇者になって行くのだろう・・・。ご主人様も頷いて言う。
 「そうにゃ、こんなコト耐えたネコはお前ぐらいのものにゃ、もっと自信をもってもいいにゃあ」
 するとユナ様も『かまって、かまって』と言わんばかりのキラキラとした目で言う。
 「ユ、ユナも将来は人の命を救うお医者さまに・・・いや、血はコワイですの・・・そ、
そうですのっ、お薬屋さんになりますの――っ!! 」
 と、宣言している。今の手術に痛く感激したらしい・・・。命の大事さを知ってしまった
ユナ様は金儲けを考えない、いい薬屋さんになっていくに違いない・・・
 ぼくは感激しつつ三姉妹の様子を頷いて眺めていた。
 「姉上・・・ありがとう・・・」
 そっとご主人様の手をとり、その金色の瞳を見つめるリナ様・・・
 「マナ姉・・・リナを助けてくれてありが・・・クスン・・・とう・・・」
 その手の上に小さな手を重ねるユナ様。
 「・・・リナ、ユナ・・・にゃにゃ・・・」
 パチパチと瞬きをせわしなくしてから、不意にご主人様は金色の瞳を逸らすように言う。
 「そ、そんなコトたいしたことないにゃ。さ、もう寝て体力を回復させるにゃ。ユナも今日は
ココで一緒にいてやるにゃ、わたしはコイツと後片付けするにゃ・・・」
 と、グイグイとぼくの袖を引張ってリビングからご主人様の私室兼、実験室に引張っていく・・・。
 唐突なご主人様の態度にキョトンとしていた二人の妹だが、一応納得して二人、手を
つないで眠りの国へと入って行くのであった・・・

 『バタン』
 ドアを閉めるぼく。振り返るとご主人様は部屋の真ん中でぼくに背を向けるように立っている。
三姉妹に遠慮してさっきは黙っていたけど、ぼくもご主人様を祝福する。
12『あしたら2』sage05/02/21 00:53:19 ID:LIJPKYqZ
 『パチパチパチパチ・・・』
 静かな室内にぼくの拍手だけが響く。まだ訳のわからない実験器具がそろって
ないご主人様の部屋は結構広く見える。
 「ご主人様、見事な手術でしたよ・・・リナ様もユナ様もすっごくご主人様のこと
感謝してました・・・あ、ぼくだってご主人様のこと信じてました・・・え、あの、ご主人様・・・?」
 背中を向けたまま手を握り締めて背を震わせるご主人様。ぼく、ヘンなこと言っちゃったかな・・・
 「ちがうにゃ・・・わたしはすごくにゃいにゃ。何度も分かんなくなって、逃げたくなって・・・
運が良かっただけで、全然感謝される謂れはにゃ・・・ふにっ、に゙ゃ・・・ゔ・・・」
 「ご主人様・・・泣いてるの・・・ぐはっ!! 」
 振り向きざまにいきなり飛びついてきたご主人様。ぼくは胸を強打したあげく、次には
反動でドアに後頭部をぶつけてしまい悶絶する。文句を言おうと下を向くがぼくはフリーズ
してしまう。
 「うっ、うっ・・・ぐしゅ、よかった、よかったにゃ・・・に゙ゃううぅぅ・・・うわあああああ〜ん・・・!! 」
 ぼくのシャツに取りすがってカラダを震わせるご主人様。ふるふると震える猫耳がぼくの
顎をくすぐる。安堵のあまり腰がくだけたのかずるずると座り込もうとするご主人様を
慌てて抱きしめて支えるぼく。
 『・・・ぼく、ご主人様にばかり、大変なこと押し付けて・・・ご主人様のプレッシャーとか
気にもせずに・・・』
 ぼくは反省しながら小さいご主人様をそっと抱きしめ、頭をなでる。耳の大きさは
そんなに10年後と変らないのでネコ耳が相対的に大きく見える・・・
 「ご主人様・・・泣いてるの・・・」
 「ゔにゃ、泣いてにゃいにゃ!! わたしは人生で一度も泣いた事がないクールな
オンナとして売り出すんにゃ!! 」
 と、涙に声を詰まらせつつ、頬を膨らませて見上げた目の周りは腫れぼったく、瞳は
涙で潤んでキラキラと金色に光っていた・・・
 『かわいいな・・・ご主人様・・・』
13『あしたら2』sage05/02/21 00:54:52 ID:LIJPKYqZ
 ぼくはそのまま、この愛らしいご主人様をギュッと固く抱きしめたくなってしまうが
自制する・・・。そんなぼくの微笑を勘違いしたのか、じたばたとぼくの胸元で
抗議するご主人様。
 「お、お前っ、わたしが泣いたって、言いふらす気にゃ!? 」
 「えっ!? そんなコト言いませんよ、誰にも・・・」
 「に゙ゃ・・・・・・」
 疑惑の目。
 「ホントですってば・・・ぼくの目を見てください・・・」
 『キラキラ・・・』
 「にゃ、ミルフィとかにチクッて笑おうとしてる目にゃ・・・」
 「そ、そんなぁ・・・」
 「・・・・・・」
 ショックをうけるぼくをよそに何か考えているご主人様・・・ふいに言う。
 「そ、そうにゃっ・・・わたしの召使いになりたいきゃ?」
 「え、あの・・・も、勿論ですっ!! 」
 叫ぶように言うぼく。
 「じゃあ、今からわたしの召使いにしてやるにゃ!・・・その代わり・・・今のことヒミツにゃ!
もし、言いふらしたら・・・」
 喜びを爆発させようとしたぼくをギロリと睨むご主人様・・・ごくり・・・
 「もし、言いふらしたら、電気をビリビリ体に流したり、食事の時にお皿代わりにしたりして
死ぬほどの恥辱を味あわせてやるにゃ」
 「・・・は、はぁ・・・ははは・・・」
 力なく頷くぼく。ご主人様って・・・
 「わかりました・・・じゃあぼくはいつものようにリビングで・・・」
 「待つにゃっ!! 」
 と退出しようとした時、不意にご主人様がぼくのカラダに手をまわし、押さえながら言った・・・
 「ま、待つにゃ・・・く、口止めしておかないと安心できにゃいにゃ・・・」
 「へ・・・?」
 首をかしげるぼく。
 
14『あしたら2』sage05/02/21 00:56:53 ID:LIJPKYqZ
 「だから・・・にゃふ・・・め、召使いとしてのシゴト・・・にゃ・・・」
 顔どころか耳の中まで真っ赤になりながらご主人様はつぶやくように言う。そして、
思い切ったように、ぎゅっと目をつぶってぼくの方に顔を上げる・・・
 「ご主人様・・・」
 目をつぶってはいたが、大きなネコ耳は神経質そうに震えていた。その頬を紅く
染めて軽く唇を突き出すようにして目を閉じている・・・。いくらぼくがニブくてもこれは判る・・・
 「いいんですか・・・」
 ぼくはご主人様のまだ目立たないウエストに手をまわして言う。ご主人様は返事の
代わりにさらにつま先立ちになり背伸びをして・・・
 「ご主人様・・・んっ・・・ちゅっ・・・」
 ぼくは身をかがめるようにして、10年前のご主人様と唇を合わせた・・・その感触は
懐かしい感触・・・。ご主人様の長い睫が震えている・・・。
 日はとうに落ち、部屋の中に明かりは入っているものの、人がいない城の明かりは
通常より弱く、時おり揺らぐ・・・ぼく達は唇を合わせたままゆっくりと移動してベットに二人、
倒れこむ・・・10年後と同じシーツの匂いがした・・・

 薄暗い部屋の中、スチームの音が静かに響く。唇を合わせている間、目を閉じてキスに
慣れたオンナを演じているのだが、不慣れなご主人様は時おり唇を離し、『ハフハフ』と
可愛い息継ぎをしている。そんな初々しいご主人様にぼくはちょっとイタズラ・・・
 『ちゅ・・・ん・・・』
 「・・・・・・!!!!」
 不意にご主人様のシッポとネコ耳がビビビと逆立つ。目を見開くご主人様。ぼくは余裕
たっぷりに言う。
 「どうしました?こんなオトナのキスは不慣れですか?」
 「にゃにゃっ!! そんにゃこと・・・いまこっちからシようと思ってたトコロにゃっ・・・んっ、れちゅ・・・」
15『あしたら2』sage05/02/21 01:00:10 ID:LIJPKYqZ
 強がってぼくの頭を両手で抱くと、自ら舌を挿入してくるご主人様。ぼくは
ご主人様の小さな舌をすくい取り、舌先で舌の裏を刺激したり、深く絡めてから
強く吸いたてたりする。
 「にゃ、ん・・・れちゅ、ちゅく・・・にゃ、んっ、にゃふぅ・・・ちゅく、ちゅ・・・」
 舌から脳に直接伝わる快楽にみるみる体が脱力してくるご主人様・・・ビクビクと
小さな体が熱く震えてる・・・。ご主人様の舌は、慌てて自分の陣地へと退却して
いくが、ぼくの舌は容赦なく追撃していく。
 「ふふ・・・ご主人様の八重歯・・・裏側感じるでしょ?・・・ちゅ、ちゅく・・・ほら、歯茎の
内側とかも結構気持ちいいって言ってましたよね?・・・れるっ・・・ん、ちゅっ・・・」
 「にゃ、ふにゃっ・・・んちゅ、ちゅく・・・はにゃん・・・ん〜・・・んっ、んっ・・・」
 ご主人様の体がビクビク、ふるふると震えてる・・・。まあ、ご主人様のキモチイイ
ところも、隠されたポイントも全部知っているのだか当然か・・・キスだけでイク寸前まで
追い詰められるが、ご主人様は最後の力を振り絞って力の入らない両手を使って
ぼくをなんとか突き放した。
 「・・・に、にゃふ・・・キスはもういいにゃ・・・次は、もっと別の・・・にゃふぅ、はふぅ・・・」
 「・・・かしこまりましたぁ・・・」
 小さく笑ってぼくはご主人様の長袖Tシャツをたくし上げていく・・・。まだ体験した
ことのない強烈なオルガズムの入り口を覗き見て、力の抜けたご主人様は、
なすすべもなくシャツを脱がされていく・・・

 『うにゃっ・・・予定ではわたしのキスにメロメロになったコイツがすでに忠誠を誓っている
ハズにゃのに〜っ・・・このままじゃ・・・』
 ぎゅっと太ももをすり合わせるマナ。その動きで自分の大事な所から『ジュワ・・・』と熱い
蜜がこぼれ落ちそうになったのに気がつき、溢れるほどのその量に自分で愕然とする。
そのとき召使いがシャツをたくし上げた途中でピタッと停止しているのに気がついた・・・
慌てて様子を伺うが、脱がしかけのTシャツに阻まれてその表情は良く判らない・・・。
なぜか泣きたくなるような不安に襲われておずおずと問いかけるマナ・・・
16『あしたら2』sage05/02/21 01:03:03 ID:LIJPKYqZ
 「にゃ・・・わ、わたしの胸・・・小さくてダメにゃのか?・・・みんなミルフィ見たいな
大きなオッパイが好きにゃのか?・・・」
 不意に自分が惨めになってシャツを下ろそうとした時だった・・・。余裕たっぷり
だったハズの召使いがいきなり・・・

 『ふんふ〜ん』とココロの中でハミングしつつシャツを下ろしていくぼく。
 『へへ・・・このまま、ぼくにメロメロにしちゃって、素直で、良い子で、
ムダ遣いしないご主人様に教育しなおしてあげますからね〜』
 コレをきっかけに、ご主人様には『イワシ姫』ではなく、王位継承権上位の立派な
姫様に僕が鍛えなおしてあげるのだ!! と一人時をかけるプロジェクトに
燃えるぼくだった・・・が、ふと視線を落として凍りついた・・・
 『えっと・・・ご主人様の胸の感じるトコロは・・・え・・・こ、これ・・・』
 ブラジャーはしていなかった・・・まだふくらみの目立たないご主人様のバストは
仰向けに寝たせいで、輪をかけて控えめになって見える・・・。なめらかな白い肌は、
幼いせいか、もっちりと熱く、まさに手に吸い付くよう・・・
 『キレイ・・・これが10年後ににはすごく大っきい美乳に・・・』
 うっとりとお腹から手を這わせていくぼく・・・。シャツをたくし上げて・・・なだらかな丘の
先端が見えて・・・。ここでぼくは眉をひそめる・・・
 『あれ・・・ヘンだな・・・ぷっくり膨らんでるけど・・・先っぽ、ポッチリ凹んでる・・・これって・・・
ひょっとして・・・か、か、か、陥没してるのかな?』
 桜色の小さな乳輪があって乳首のあるトコロはポッチリと凹んでいる、まるで桜色の
お餅の一番上にマイナスドライバーでぷちっと『−』の跡をつけたみたいな感じに・・・
 『これは・・・乳首が外に出たいよ〜って、ぼくに訴えかけているような・・・はふ、はあっ、
ふうっ・・・まだ膨らんでないのにフルフル揺れてて・・・はあはあ・・・』
17『あしたら2』sage05/02/21 01:07:07 ID:LIJPKYqZ
 じっと、凝視したままぼくは考える。自分で気がついていないが頭には血が上り、
息が荒くなっている。シャツの向こうでご主人様がなんか小さく言っているけど
気がつかない・・・
 『そ、そうだ・・・乳首・・・ちゃんと吸い出して上げないと・・・うん、や、優しくぼくの
クチで・・・はあ、はあ・・・ご、ご主人様ぁ・・・』
 何度も唾を飲むぼく。ちゃんと今のうちに外に出すクセをつけなくちゃ包茎な乳首に
なっちゃうから・・・と勝手な理論?を自分で作り上げ・・・
 「ぼ、ぼくはもうっ!! ご、ご主人様――っ!!!!」
 ぼくはご主人様の小さな体にのしかかるよう両手を押さえつけ、ガバッと可憐な胸の
先端にむしゃぶりついた。ぼくの先ほどから稼いでいたハズのオトナの余裕は見事に
吹き飛んでいる・・・
 「ふにゃあああっ!乱暴はダメにゃ・・・うにゃああッ、ヘンなコトしちゃだめにゃ!?
にゃっ!? リナっ、ユナ――っ!! 助けてにゃ―――っ!! 」
 声を限りに叫ぶご主人様・・・でもこの壁も扉もご主人様の実験に耐えられるほど
厚いってぼく、知ってるんです・・・。とココロの中で小さく謝罪しつつ、ぼくは欲望のままに
ご主人様のミルクの匂いがしそうなロリロリな乳首を舌でねぶり、唇で吸い立て
犯していく・・・

                (つづく・・・)
18名無しさん@ピンキーsage05/02/21 01:21:51 ID:Y5VcbHzW
>>1
乙!

>>あしたら氏
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!

待ってたかいがありましたよ。(つД`)
超GJ!!!!
19『あしたら』sage05/02/21 01:25:05 ID:LIJPKYqZ
 ココまでです・・・
 どうも久しぶりですみません・・・
 とりあえずエッチの入り口まで行きました。
 次回はマナ編最後まで・・・。

 しかし、ちゃんと早めにうぷしてれば、色んな手術ゲームの発売前に間に合ったのに・・・
ウソ臭い手術描写で申し訳ありませんね。いろいろと不自然な部分もありますので
脳内補完してくださいね。

 それにしても随分職人が増えて、読むのも嬉しい苦労です・・・ヘタすると、このスレ
は2ケタに乗るのではないでしょうか・・・

 ネコの国の設定は職人の方々、気になさらずに上手く消化していただければ幸いです。
また、『ネコの国が金持ち』とか『ネコの国が一番』みたいな設定が多いのは、いずれ北の
イヌの国が怠惰で驕ったネコの国に攻めて来て滅ぶ(?)…と言った話を書きたいからで、
他意はありません。だからイヌの国だけ場所を指定させてもらっている訳です。

 ソラヤの武器の鈎爪は、爪がスティレットに似た極薄の刃で、心臓を刺してもしばらく気が
付かない・・・という利点があるようです。しかし、ソラヤぐらいの達人になると、突くだけでなく
斬る事もできるらしいです・・・というか、達人のクセに、しょっちゅう武器を身から離しているコトの
ツッコミは禁止です・・・
20名無しさん@ピンキーsage05/02/21 02:29:58 ID:X909qBnf
新作キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!!
まった甲斐がありました…
うあ゛ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ

>ネコの国に攻めて来て滅ぶ(?)…と言った話を書きたいから

あぁ…そういった方向へと行くのですか…なんか悲しい話になりそうな予感
がしますが、それでも多分愛のある話を読むことができるのではないかなと期待
したいと思います。
ありがとうございました!
21名無しさん@ピンキーsage05/02/21 11:02:39 ID:r3N6dN1q
神きてたー!
脹らみかけ萌えー!
22名無しさん@ピンキーsage05/02/21 12:14:54 ID:UYmHRnLG

214 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:05/02/18 22:25:31 ID:BHgAhSg9O
>>210コワッ!
後、>>210を聞いて思い出した、友から聞いた話を…

十年ほど前友達のAは、山に登った(どこの山だか忘れたらしい)。
そんな急な斜面じゃ無かったから、Aは親達を置いて走って登っていた。
親と離れすぎたので、待っていると道から外れた所に鳥居が有るのを見つけた。
好奇心から鳥居をくぐろうとした時。
「くぐるな。」
と、女の子でも出せ無いような声で止められた。
周りを見るとすぐそこに狐が一匹いた。
「?」と思った時、狐があの透き通るような声で、
「この先は、人の入る所に非ず。」
と言って鳥居をくぐった瞬間、狐は消えてしまった。
急に怖くなり、親と合流して、さっきの場所を通ると鳥居は無くなっていた。
Aが言うには、「あの先は、狐の国になっているに違いない。何故ならあの狐は、鳥居に入る時二本足で歩いていたからだ。」と、しみじみと語っていた。

ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1107404112/214
23名無しさん@ピンキーsage05/02/21 13:24:06 ID:4+acV1Gi
>>1
乙!!
一週間以内に僕も書き上げて援護に入ります!!


そして……

>>あしたら氏

キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!
メスを魔法で熱しながら切開ってのは正直凄いかと
微妙に過去が捻じ曲げられていっているような気もしますが、これは今後の展開に期待してみます
いつもながら高レベルな作品を有り難うございますです

ロリ……ロリ…… (*´д`) ロリ……ロリ……
24名無しさん@ピンキーsage05/02/21 16:35:46 ID:1llCCICR
あしたら氏やっぱ神ですわ!! SM逆転マジエロス!!
25虎の子sage05/02/21 20:08:35 ID:EuQAaz1n
あしたらさん、最高です。
初々しいマナ、普段があれだからギャップが凄いいいです。
私も完成を急がなければ
26名無しさん@ピンキーsage05/02/21 23:23:54 ID:/D9QKoSw
とまあロリと逆SMと陥没乳首に全員の視線が言っているところで、

>「思ったより平気だ・・・不思議だ・・・ふふ、偉いと思ったら私のこともちゃんと『姉』と呼べ・・・」
>顔色こそ青いが、しっかりとしゃべるリナ様。ショックの心配はほとんどないだろう。
>「そ、それとこれは別ですの――っ」

この頃からオバカなリナさまと素直じゃないユナさまに萌へるのがマニア道(*´∀`)
27名無しさん@ピンキーsage05/02/22 08:16:06 ID:R9ghTUn+
そして俺は・・・マニアでなくていい(愚池克巳づらで)
28名無しさん@ピンキーsage05/02/22 20:10:17 ID:lSfJ9BHB
>>26
よ、よく見れば……
確かに違和感無く読んでいたけど、何となく 『3つ仔のたましい百まで』 な感じがw
猫だから 600 才までか?
29名無しさん@ピンキーsage05/02/23 10:32:40 ID:L0vTMVUg
まだ即死回避できて無いので回避。
30名無しさん@ピンキーsage05/02/23 14:52:03 ID:HgwKCMIZ
これで回避成功か
31名無しさん@ピンキーsage05/02/23 15:13:36 ID:p0+nfoCr
手術シーンで本気で息を飲んで見守ってました。成功バンザイ…!ヽ(*´▽`)ノ
そしてけっきょく理性が負ける「ぼく」に萌えたり。
32名無しさん@ピンキー05/02/24 16:07:15 ID:0kgTZT+/
新人SS職人受付できますか?
作品については今構想中なのですが・・・・・。
33名無しさん@ピンキーsage05/02/24 16:28:02 ID:Mow/GVyC
>>32
全然おっけ〜……っていうか、受付なんか設けてないから適当に書いて投下してくれい
ついでにメル欄に sage と入れてくれるとうれしい
34名無しさん@ピンキーsage05/02/24 21:22:52 ID:zTP+DQkr
来るものは拒まず、去るものは寂しそうな瞳で見つめる。
35名無しさん@ピンキーsage05/02/24 23:51:21 ID:CMa3/Ucq
ちなみに耳っ娘オンリー? 角っ娘とか触角っ娘とかは駄目?
36名無しさん@ピンキーsage05/02/25 01:26:37 ID:94YtZSJS
>>35、+>>32
可。ウシでもエビでもエリマキトカゲでも。人に近い耳ッ子でも獣に近い獣ッ子でも。
ご主人様が男か女かも問われない。新規職人鋭意歓迎中。

ただ、もし注意するとしたなら意外とこのジャンル
・ 【妖怪】人間以外の女の子とのお話【幽霊】 とか、
・ 触手・怪物に犯されるSS とか、
・ 【獣人】亜人の少年少女の絡み【獣化】 とか、
色々類似スレが多く住み分けも為されてて、
このスレに来る職人諸氏はもっか開祖のこちむい作者氏の作り上げた独特の世界観に
惚れ込んで来る人が多いという、つまりはおそらくそんなスレ。

まあようは主従とか異世界とか落ち物とかヒト召使いとかそんな単語が欠片でも入ってりゃ全然OKかと
37名無しさん@ピンキーsage05/02/25 02:28:10 ID:fe846reB
>>35
既に鱗っ娘も、触手っ娘も出てますよ。
38名無しさん@ピンキーsage05/02/25 03:40:06 ID:nMLtfF1+
ちょっとまて。
触覚っ娘はいたが、触手っ娘は未だぞ?

………あ、でも。
触手もちょっといいかも。
39名無しさん@ピンキーsage05/02/25 09:19:42 ID:ejkd//QW
>>38
たこ娘とか?
・・・スキュラに食べられちゃうてのもいいな
40名無しさん@ピンキーsage05/02/25 12:23:45 ID:JTwwQ6G7
男の方がタコなんだろう
4132sage05/02/25 15:25:10 ID:WEvyf+Xj
レス遅れてすいません。
喜んで書かせていただきます。(ただ少し遅くなるかもしれません)

>>35さん
訊きたいことを訊いてくれてありがとうございます。

追伸
百合モノOKですか?(今ならやり直せる段階です)
42名無しさん@ピンキーsage05/02/25 15:34:58 ID:xej62cUw
>>41
過去ログ見なさい。百合作品はとっくに出てます。

っていうか俺的歓迎、是非書いてください m(_ _)m
4332改め宝龍sage05/02/25 18:08:47 ID:0M3VbBFy
≫41さん
それでは遠慮なくどっごんどっごんと逝かしていただきます。(多分きっと)

まずはプロローグから投下します。
本編とかすってる程度のモノなので、
こいつの文書きレベルこの程度か。
くらいの意識で読んでください。
では
つ<微文>ドゾー
44「鏡明 共鳴」プロローグsage05/02/25 18:11:27 ID:0M3VbBFy
『ふぇぇん、えぇぇん、えう、ひっく』
ただ、どこまでも広いそこで、少女が一人泣いていた。

───誰?

『うえ〜ん、ひあ、えぐ‥‥‥ふぇぇ』
少女の周りには無数にきらめく星たちがあるが、どれ一つとして少女を照らす光はない。薄れない闇が少女を笑う。

───ああ、私だ。ちっちゃい頃の。また泣いてる。

『やあぁ‥‥‥やだよぉ』
どの星も遠く、少女が手を伸ばすが、その手は虚しく空をつかむ。

───だめだよ。泣いててもだれも助けてなんかくれないから。だれも、来てくれないから。

『やだ、やだよぉ。‥‥‥こわいよぅ‥‥‥』
少女の瞳からはとめどなく涙が流れる。少女はぬぐおうともせず、泣き続ける。
45「鏡明 共鳴」プロローグsage05/02/25 18:13:42 ID:0M3VbBFy
───だからね、‥‥‥だから‥‥‥‥。

『‥‥‥うぅぅ。‥‥‥ふぇ‥‥‥??』
そこに、ある変化が起きた。

───‥‥‥え?

少女のすぐ横、空間であるはずのそこに波紋が生じた。
『‥‥‥??』

───‥‥‥‥‥。

泣くのを忘れ、少女はきょとんとそれを見つめる。波紋は等間隔に広がり、消えてはまた現れていった。
少女は何を思ったか、そろそろとそれに向かって手を伸ばした。なにかを期待するように。
そして、
───『‥‥‥‥‥あ‥‥』
その波紋から一本の手が伸びてきた。
少女とそう変わらない大きさで、雪を思わせるほどの白い肌をしている。さらに、少女と同じく、何かを求めるように手が開かれている。
46「鏡明 共鳴」プロローグsage05/02/25 18:16:19 ID:0M3VbBFy
おそるおそる、少女がそれに手を伸ばすと、
───『ひゃぁっ!‥‥‥』
たまらず、それは少女の手を掴んできた。
少女は、柔らかく、冷たいその手を感じた。同時に、その手が弱々しくに震えていることに気がついた。
───『‥‥‥‥‥』
少女が、その手を、もう片方の手で優しげに撫でた。さらさら、さらさら、上質の絹のような音を奏でる。
だんだんと、その手の震えは小さくなり、やがて止まった。
少女は、今度はその白い手を両手で包んだ。ひざまずき、それを額に持っていった。
───『‥‥‥あったかい‥‥‥』
目を閉じ、確かにそう言った。
そして、少女の姿はゆっくりと虚ろみ、消えていった。
いつの間にか、泣きやんだ顔はかすかに微笑んでいる。

そして、少女は、
そして、ふたりは、

そして、

47名無しさん@ピンキーsage05/02/25 19:54:49 ID:JTwwQ6G7
本編落とすまでは評価したくない。

ナポレオン文庫よりは上だが
48名無しさん@ピンキーsage05/02/26 10:56:23 ID:R7dV3Zup
>>35ですが。とりあえず漠然としたプロットだけあるんだけど、肝心の耳(or触角)をどうすればいいかが未定orz

ちょこっと設定だけ書くんで、どんな耳がいいかとか、名前は漢字かカタカナかとか、アドバイスもらえれば幸せです。
えーと、こんな感じ↓

・主人公は五歳くらいで、子供の頃にこっちの世界に落ちてきた。
・拾ったのは当時8歳と6歳の姉妹。姉は武芸が得意な堅物で、妹はダンスや歌が大好きな奔放な性格。
・主人公はそんな二人のペット(←召使以下)として飼われる。
・それから8年。姉は騎士団に入隊し、めきめきと頭角を現してゆく。
・妹は冒険好きで家を飛び出して旅に出る。このとき、ペットの主人公も連れてかれる。
・生活能力のない妹に振り回されているうちに剣術とかいろいろと覚えて成長する主人公。
・そして2年。すっかり美少女になった妹は某国の王族の一人と恋に落ち、そのまま玉の輿に。主人公もペットから格上げされて・・・人間扱いされる召使に。
・ところが、その国がかつて主人公がいた国に戦争をおこす。騎士になってた姉はその戦いで敗れて捕虜に。
・軟禁捕虜の姉と、貴婦人の妹と、召使の主人公。
・この時点で力関係は妹>主人公>姉の順なんだけど、相変わらず主人公をペットとしかみなしていない姉と、かつてのトラウマでどうにも頭が上がらない主人公。
・そしてそんな主人公に相変わらず無理難題を押し付ける妹。精神的な上下関係では妹≧姉>>(超えられない壁)>>主人公だったりする。

さて、ここから物語が始まり。
この三人のびみょ〜な関係に加えて、妹のだんな様を加えた四人で物語を進めて行きたいなあ、と。ツンデレ属性付きで。

なんかテンプレみてると、世界設定いろいろあるみたいなんで、それと合う世界があれば教えてほしいなとか思ってます。
49名無しさん@ピンキーsage05/02/26 13:59:55 ID:0vBOHou1
>>48
未登場の種族に「ヒツジ」も「ウシ」も「トリ」も「ネズミ」も「ジャッカル」も「ライオン」もあるので、
そこら辺から自分で選んで一から種族の気風や国風を作ってしまうのが一番てっとり早いかと
その方が自由にやれるし、名前のカタカナ漢字だなんて、そこまでいちいち気にするもんでもなし

ただどうしても既存の種族で〜ともなり、しかも国の攻める攻めない滅ぶ滅ばないが関係するとなると、
他作者諸氏とあんまぶつかんない事を考慮したうえで下記を参考までに。
・ある程度小国群立型(一応まとまってるけど力の強い地方領主や自治都市があるらしい)のトラやヒョウの国
・最近対外姿勢を強めつつあり、山奥の方にいくと中央政権に参加してない少数部族がいるオオカミの国
・ニシキとかマムシとかアナコンダとかでなのか?、群雄割拠の戦国時代状態な砂漠のヘビの国
・エビとかサカナとかイカとかイルカとか、多分そんな感じで種ごとに都市国家作ってる海底国家諸国
・ネコ、キツネ、ウサギは統一された国の中でマターリ
・イヌはきな臭いけど遠い未来でネコの国を滅ぼすほどの大国らしく迂闊に動かすのは危険っぽい
50名無しさん@ピンキーsage05/02/26 14:25:53 ID:R7dV3Zup
>>49
なるほろ。未登場にウシとかライオンがあるのはいいなあ。羊もいいけど。
鳥だと主人公が本当にお荷物になっちゃう・・・けど、夜襲に弱いって部分が魅力かな。夜はいろいろできそう・・・昼になると怖いけど。

飛べない鳥系なんかもいいかな。
やったら足が速くて、蹴りが飛んでくるドードー系。水泳が得意だけど足の遅いアヒル、ペンギン系。
どっちも夜は従順、昼は強気の使い分けができそ。・・・でも嘴っ娘って萎えるかな・・・orz

おっきな貝殻と触角付き、いつも水着の巻貝娘とかはガイシュツ?


・・・いや待て。大事なことを聞き忘れてた。

こ ん な 話 書 い て も イ イ の ?
51名無しさん@ピンキーsage05/02/26 14:59:13 ID:IfTvf02f
>>50
沈黙は金、雄弁は銀とも言います。謙虚や確認は美徳ですが、過ぎたネタばらしは悪徳に
……男(女)なら黙って書く! 書けばみんなついて来ます! 書いた量が書き手の格です!

…とまあ、ともかく来る者は拒まないし、どんな話を書いてもいい
ただし面白かったらたくさん感想レスがついて他の作者氏にも参考にされて、
逆につまんなかったり話が破綻してれば笑顔でスルーされてレスもつかず、
どこのスレでも同じですが、ただそんだけの話
52名無しさん@ピンキーsage05/02/26 19:37:57 ID:H6TcPUD1
>>50
ペッシペッシペッシペッシよぉぉぉぉ〜〜
俺たちは「書いて良い?」何て言葉は(以下略

いやもー全然かまわないんじゃないですか?
猫の国でも「遙か昔」とか「遠い未来」とか「別の大陸」とか
そーゆー反則的な手段があると思いますし。
53名無しさん@ピンキーsage05/02/26 19:45:57 ID:4dNkFaS1
>>52
別の大陸とは、また反則的ですなぁw
ともかく、どの話も世界観共有しているようでしてない部分とか結構ありますから、
地形を変えちゃうような物語じゃ無ければ、問題ないとは思いますけどね

そういえば、猫の国と兎の国は月が2つ、蛇の国は月が1つ……??
54名無しさん@ピンキーsage05/02/26 20:09:27 ID:H6TcPUD1
>>53
あ〜、それはミスです。直しておきま・・・・・・



いや、ネタにすればいいのか。月精霊とか言って(何
55名無しさん@ピンキーsage05/02/26 20:14:53 ID:4dNkFaS1
>>54
あ、何となく面白そうな気が……
ぶっちゃけ、月の数なんて物語り次第でどうとでもなりますか (笑

あ〜と、よく考えたら月が2個なので兎の国は2神教かもしれません
気が変わったらこっちも直しておきますね
56名無しさん@ピンキーsage05/02/26 22:28:17 ID:jMgzXP+J
>>49
実は、ネコとイヌの小競り合いを話に利用しようと、
元の世界で軍人だった少年が、ネコ国の軍隊の人に使われる話を執筆中。

世界が動かないような小競り合いならいいよな・・・多分。
57名無しさん@ピンキーsage05/02/26 22:30:42 ID:4dNkFaS1
>>56
国境付近が不穏な動きなので、ある程度までなら自然に繋がるかもです〜
58名無しさん@ピンキーsage05/02/27 00:27:31 ID:zMb1ohbM
>>48です。とりあえずオリジナルの国を作ってやってみます。
設定としては「内乱状態で分裂していたカモシカの国」です。
だから妹の旦那もカモシカだし、多種族との接点もなしでできると思います。
ただ山岳地帯の国になりそうなんで、山岳にいそうな種族とは設定に共通項持たせとかないとまずいかな。


・・・カモシカ、まだ未出ですよね?
59名無しさん@ピンキーsage05/02/27 00:37:57 ID:dlEFdFln
>>54
自分は公転周期・軌道が違う二つの衛星がある、ぐらいに考えて書いてます。
きっと1個見える日もあれば2個見える日もあるんですよ、コーヤコーヤ星みたいに。
>>49 >>56
世界は動かない代わりに、世界のほとんどが出る、自分が書いてるのはそんな話
都会に憧れて故郷から出てきたけど、都会の現実は厳しくて…な蛇国のジン使いとか、いるよ…
60名無しさん@ピンキーsage05/02/27 12:27:14 ID:u20slm22
>>59
星の自転と月の公転速度が同速度なら無問題ですね。天文学的にそれはありえなくはないらしいですし。
・・・で、コーヤコーヤ星って何でしょう・・・
61名無しさん@ピンキーsage05/02/27 13:27:06 ID:mDlF2u5d
>コーヤコーヤ星
「大長編ドラえもん のび太の宇宙開拓史」の舞台、
59が言ったように月が2つあり以下略
62名無しさん@ピンキーsage05/02/27 17:57:47 ID:tnxRMc3k
懐かしいな
赤い月と青い月が交互に昇って大晦日にだけ二つ一緒に昇る紫の夜が来る、だっけ
子供ながらにそんな異世界に憧れた記憶がある
63草原の潮風sage05/02/27 20:52:02 ID:yCsW1k6q
ザザーン ザザーン ザザーン

なんだろう・・・水の音・・・塩の匂い・・・波?

ザザー  ザッパーン

波だ・・・・・・間違いない・・・。

「ピッ・・・・・・ヴゥゥウン」
目の前の正面・側面モニターに再び灯が燈り、あたりの景色を映し出す。
海岸だ・・・・・・見渡す限りの海岸。柵や火砲もない、普通の平和な海岸だった。

「・・・綺麗だな・・・・・・海か―――――海?」
落ちてきた衝撃で記憶が繋がらないが、俺の意識ははっきりとそれに違和感を訴えていた。
いや、待てよ・・・落ちてきた?どこからだ?

そもそも俺は、雪中行軍訓練の途中だったはず・・・こんな海岸にたどり着く覚えは・・・。
思い出せ、思い出せ、俺。

義務教育を終え高等学校を卒業し俺は18歳の誕生日を迎え、徴兵制度に引っかかって軍の適性検査を受けた。
決まった先は、陸軍の第2機械化部隊。人型の軽戦車を主力とした、機動力が自慢の部隊だった。

そして、見事単座式戦車の操縦員に選ばれ、4ヶ月の訓練期間を終え、冬の強化訓練に参加して・・・
その行軍中の雪崩で俺のいた部隊はバラバラになって・・・・・・そうだ、とにかく山頂の集合ポイントを目指して歩いていたんだ。

「で・・・・・・なんでこんな海岸に・・・」
思ったことを声に出してみる、ついでに顔も抓ってみる。
「ちぇ・・・現実かよ・・・それにしても暑いな・・・暑い?ってことは雪山じゃない・・・」

何はともあれ機体の足は俺の操作に答えてくれない。
ここがどこにせよ、外に出る必要があった。
64草原の潮風sage05/02/27 20:54:53 ID:yCsW1k6q
バクンッ

「痛っ・・・・・・潮風か、しみるな・・・」
ハッチを開けると共に、擦り傷を襲う痛みと鼻が感じる潮の匂い。
防寒具を脱ぎ捨てて、座席に向けて投げ捨てる――気温は、耐Gスーツでも十分なぐらいの暖かさだ。
愛機から完全に体を離し、周りを見渡してみる。
機体の膝から下が斜めに砂浜に埋まっており、脚部につけられたキャタピラは完全に砂を掘っていた。
「こりゃ・・・走れないわけだ・・・・・・と、人?」
操縦席から死角になっていた方角に人が見る――俺は考えるより先に歩き出していた。

「おーい」
「・・・・・・・・・ヒトの男の子?」
「?・・・・・・・・・・・・悪趣味なコスプレ・・・?」
俺の目に映ったのは、タコのぬいぐるみのようなのを頭から被った女の人だった。
「・・・・・・あ・・・くん・・・夢じゃないよね、これ」
「はい?・・・・・・いでででで」
いきなり顔を近づけて来たと思うと、次の瞬間頬を抓られる。
冗談のような姿をしていた彼女に、完全に油断していたのだ。

「夢じゃ・・・ないんだ」
「放せー!手、放してくれ!!」
「あうあう、ご、ごめんなさい」
10秒ぐらい抓られていただろうか・・・ようやく彼女の手が俺の顔から離れる。

「ふう・・・・・・で、質問幾つかいい?」
「良いですけど・・・その前に、私からここでの注意事項言って良い?」
「注意事項?・・・・・・まあ、いいけど」
俺は頷いて、彼女の話を聞くことにした。
65草原の潮風sage05/02/27 20:56:12 ID:yCsW1k6q

「まずね・・・こっちで君に、キホンテキジンケンはないよ」
「はい?」
「君は、私の拾った遺失物扱いになるの。だから・・・警察に捕まっても変に騒がないでそれを主張してね」
「認めたくない内容だな・・・まあ大体飲み込めたけど・・・」

「後ろの機械も、私の拾ったもの扱いで必ず君の元に届けるから・・・・・・抵抗しないでね」
「うん?・・・・・・まさか、麻・・・」

最後の"抵抗"という単語に反応したが、既に遅かった。
針が刺さる痛みと、一瞬遅れて襲ってくる強い眠気。

「ごめん・・・絶対、絶対、君のことは悪いようにしないから・・・」
そういうなら、こんな凶悪な麻酔なんて打たな―――そこまで考えたところで、俺の意識は途切れていった。


何時間経っただろうか、随分寝ていた気もするし、凄く短かった気もする。
意識を取り戻した俺の目に映ったのは、
猫耳と尻尾がついた人間?と、それに向かって必死に何かを話している、さっきの女の子だった。

「だーかーら、これは私のモノなの、みんなにはあげないもん!」
「博士も強情ですね・・・彼・・・いえ、後ろの機械だけでも良いので数日間貸して頂ければ良いと・・・」
「こないだだってそういって、落ち物の本返してくれなかったじゃん!!」
「むう・・・言い返せないわ」
66名無しさん@ピンキーsage05/02/27 20:57:12 ID:yCsW1k6q
どうやら、俺のことを守ってくれている?らしい。
一段落したらしいので、俺は彼女に声をかけてみることにした。

「あのー・・・」
「まだ何か文句があるの!?言いなさいよ!!」
「・・・そっちじゃない、後ろ後ろ」


「へ・・・あ、お、おお、起きてたの!?」
しばらく間が空いてから、彼女は顔を真っ赤にして答える。

「・・・ちょっと前から見てたんだけど、誰も気がついてくれなくてね」
自分の体を包んでいた毛布を畳んで立ち上がり、彼女に向かってそう言って反応を伺う。

「あうあうあうー!?何時から意識あったの?
 ここに運んできて、寝顔に見とれてついついキスしちゃったときから?
 それとも、それとも君の膝を勝手に枕にして転寝してたときから?」

どうやら、俺が寝ていた間に色々とされていたらしい・・・こっちも顔が赤くなる思いだが。

年頃の男の子に何してるんだよ・・・・・・そこの人達が反論できなくなるちょっと前からかな」
「だってだって、一応君は私のモノだし・・・眠かったし」

「なら、話は早い。お前の安全は保障するにゃ、後ろのカッコイイ機械を調べさせるにゃ」
二人でラブコメのごとき会話をしていると、さっきのネコ人間の一人が俺に話し掛けてきた。
67草原の潮風sage05/02/27 20:58:07 ID:yCsW1k6q
「ダメだよ、これも私のものなの!」
「良いじゃないか、調べさせてあげよう」
「だってこれ、私のモノだけど元々君のものなんだよ?良いの?」
彼女の声を遮って、あっさり俺は承諾したが・・・これには策があった。
「ありがとうにゃ、ミーナ博士は強情で困ってたにゃ・・・さて」

「ただし・・・・・・爆発の危険があるから、俺と彼女も立ち会わせること」
「にゃ、にゃに!?・・・・・・そんな恐ろしい機械なら仕方ないにゃ。
 特別に、そこのニンゲンも今後ここへの立ち入りを許可するみゃ」
「ありがとう・・・な?ミーナさんだっけ、これで良いだろ」
「・・・・・・ポカーン う、うん。君って・・・話術得意なんだね」

その後、なにやら書類にサインさせられて、写真をとられて、
彼女と一緒に戦車が運び込まれた建物を出て、彼女の自宅に向かった。

彼女の家につくまで、見るもの全てが新鮮だった。
見慣れた景色に似ているようなまるで違うような不思議な景色と、ネコ耳と尻尾をつけたこの世界の住民達。
そして、どうやら迷い込んでいるのは俺だけではないことを示すかのように、時々見かける"普通の人間"らしき人々。

移動のために乗った路面電車のような乗り物の中で、
ミーナさんは、俺に今後のことを簡単に説明してくれたが、そんな景色がとても神秘的であまり覚えていない。

とりあえず、重要なことだと認識して頭に入れたのは、
・今後、俺はミーナさんの助手として生活を送ることになること
・怖い人達に売り飛ばされる危険があるので、しばらく自分の側を離れないようにということ
・自分のことを今後"博士"と呼ぶこと及び、明日からさっき出てきた建物に出勤すること
といったことだった。

それと、頭に不自然についた着ぐるみのようなタコ頭と触手も・・・
「この八本の触手と真っ赤な頭は、タコ族の証なんだぞ、えっへん」
だそうで、ネコ耳に尻尾のネコ族みたいに、タコ族という種族らしい。
68草原の潮風sage05/02/27 20:59:55 ID:yCsW1k6q
「たっだいまーって、言っても一人暮らしなんだよね・・・まあ、座ってて。ご飯作るから」
「はい・・・って、こりゃ・・・ま、いいか」
彼女の家の中は、これでもかというぐらい散らかっていた。
恐らく、書きかけの原稿用紙を丸めたと思われる紙ゴミがゴミ箱の周りに散乱していて、
ちゃぶ台の上には使った皿やカップが乱雑に置かれたまま、
ソファーには脱ぎ捨てたブラウスやら下着がそのまま引っかかっている。

ブラウス程度ならまだしも、下着が脱ぎ捨ててある所に、男の自分がずかずか入って本当に良いのだろうか。
目のやり場に困って、下を向いたままその場で考えてしまうのだが・・・
それは、部屋の天井を覆い出した黒煙と、ミーナ博士の悲鳴により唐突に中断された。

「えっぐ・・・えっぐ・・・なんで焦げるのー?」
「博士、火強すぎ・・・玉葱を強火は・・・」
「うぐ・・・だったらもっと早く注意してよ・・・キミは私の助手くんなんだぞ」
「俺、まだ博士のことをほとんど知らないので、てっきり大丈夫だと」
「そういえば、そうなんだよね・・・・・・ごめんね、助手くん・・・あ、とうとうケシズミになっちゃったよ」
二人がラブコメを続けている間に、どうやら晩飯の予定だったものは、
完全に取り返しのつかないところにまで、きてしまったらしい。

「うう・・・やっぱりダメダメだな、私は。助手くんは料理できるの?」
「え、俺ですか。野営で基本的な調理は叩き込まれたつもりだけど・・・」
「じゃ、作って・・・」
博士は涙目で俺に訴える・・・が
「材料は、何あります?」
「えーとね・・・・・・野菜はさっきの玉葱で最後だし・・・お魚も焦がしちゃって・・・うーん」
「何も・・・ない?」
「・・・うん、すごーく控えめに、冷静にいうとそうなるね」
どうやら食材がまったくないらしい。
69草原の潮風sage05/02/27 21:01:45 ID:yCsW1k6q
「困ったなぁ・・・・・・ん?まてよ、確か腰のポーチに・・・」
「???・・・お菓子・・・?」
「お菓子に見えますか・・・一応、軍用の携帯食なんだけど」
幸いにも、耐Gスーツのまま行動していたので、非常食が残っていた。
非常食とは言っても、味は妙に安いインスタント食品よりはまともだと思う。
「でも、お菓子の箱みたいに小さいよ、これ」
「あはは・・・まあ、見てて」

そう言って、箱の蓋を開けて中身を取り出す。
中身は、粉末スープと、乾燥したハンバーグ、真空パックにされたパン、それぞれ2食分である。

作り方は説明書に書いてある。
ハンバーグはお湯に浸すだけ、パンは袋から出せば自然に3倍ぐらいに膨らむ、スープは150ccのお湯に溶かす。

そんな簡単な調理法法なので、5分も掛からずに夕飯が出来上がった。
まあ、量と味は多少普通の食事に見劣りするが・・・。

「へえ〜、結構膨らんだね、これ」
「でしょ」
「なんだか、魔法みたい。ううん、魔法よりすごいかも」

そんなこんなで、小さなちゃぶ台で二人で食事をとって、
その後もお茶を飲みながら談笑して、何故か昔々からの友人同士のように話が弾む。
70草原の潮風sage05/02/27 21:02:58 ID:yCsW1k6q
辺りはすっかり暗くなって・・・もう深夜だろうか。
「さってと・・・・・・助手くん、準備良いかな」
「へ・・・準備?何の?」
「あれ、言ってなかったっけ?こっちでキミみたいなヒトは、夜のお供にされるんだよ」
そう言いながら、博士は嬉しそうに触手をうねうねさせている。

「・・・・・・聞いてないよ、というか意思は関係なしですか、そうですか」
聞いてない、いや多分景色を見ていて聞き流してしまったのだろう。
というかそもそも、助手の仕事ってそういうことなのだろうか・・・。

「ごめんね助手くん・・・どうしても嫌なら、今日は我慢するけど・・・」
「いや・・・・・・博士になら、良いか・・・うわっ」
一瞬、事態が飲み込めずにきょとんとするが、俺の上に乗った博士の顔が見えた瞬間に何が起こったかを理解した。
俺の返事が途切れる前に、博士はその触手の何本かを使って、俺をソファーの上に押し倒していた。
71草原の潮風sage05/02/27 21:03:53 ID:yCsW1k6q
「じゃ、いったっだっきまーす♪」
「博士手が早す・・・むぐ」
彼女の行動は強引"過ぎる"がつくほど早く、そのまま甘い会話を楽しむ間もなく唇を奪われる。
この過ぎるぐらいの強引さが、俺の彼女に対する好奇心を煽り、また少々残念であった。

・・・・・・まあ、初めてのキスなんてモノは、寝てる間に奪われてたので、残念がっても仕方ないが。

しばらくして、博士の口が俺の口から離れると、唾液の糸が二人の唇を繋いでいた。
「アハッ・・・助手くんの口の中、さっきのスープの味がする」
「・・・・・・心臓止まるかと思った」
「助手くんってさ・・・ひょっとして、こういうの初めて?」
「・・・・・・・・・」
無言で、俺は頷いた。
言い訳をするとしたら、訓練ばかりで外に遊びに行く時間が自分にはなかった。
同じ隊にはそりゃかわいい娘の一人や二人はいたが、自分に振り向かせる気なんて毛頭なかった。
72草原の潮風sage05/02/27 21:05:41 ID:yCsW1k6q
「そっか・・・それじゃ、私が上で・・・良いよね」
「はい  って、うわああ」
言っている間から、既に俺のズボンとパンツを自由になっている残りの触手で脱がそうとしているのだ。
これではある意味逆レイプ・・・まあ、押し倒されてる時点でそうなんだが、抵抗する気はほとんど湧かなかった。
「はは・・・ちゃんと二人とも脱いでからするべきだったね」
そう言って博士自身も、手を使って自分の服を脱ぎ捨てて・・・一糸纏わぬ姿になった。
「恥ずかしいよ・・・」
怒られるまで、胸は小さいけどすらりと綺麗な彼女の裸体に、俺はじーっと見惚れていた。
「ごめん、つい・・・」

そして―――
「じゃあ・・・乗るよ・・・んんっ・・・」
言うが早いか、博士の体は俺のペニスの上に沈みこんでくる。
「・・・・・・うん・・・・・・助手くん・・・気持ちい?・・・」
「・・・はい、けど、博士こそ・・・痛くない・・・大丈夫ですか?」
彼女は、無理してる―――快楽以前に、それが自分には伝わってきた。
直感的に怖がっている気配が、彼女から感じ取れるのだ。

「助手くんは・・・優しいね・・・こんな乱暴な私に、今日一日・・・優しくしてくれて・・・」
「博士は乱暴なんかじゃ・・・泣いてる?」
「ごめんね、嬉しくて・・・・・・さ、このまま一気にいくよ・・・くううっ」
「・・・く・・・」
何かが弾けるような感触の後、博士は俺を根元まで飲み込んだ。
「はは・・・これで、助手くんと繋がったね・・・」
やっぱりだ――顔には表れてなくても、声でわかる
「・・・博士も、初めてだったんですね」
「・・・ふは・・・そんなことな・・・あんっ」
俺は無意識のうちに上半身を起こし、彼女を抱きしめていた。
73草原の潮風sage05/02/27 21:07:02 ID:yCsW1k6q
「いくら隠そうとしてもわかるよ・・・無理しないでください」
「・・・助手くん・・・本当に優しいね。キミがずっと昔から、私の傍らに居てくれたら良かったのに」
さっきまでの急ぎ足の展開とは対照的に、今度は二人の間に沈黙が流れる。
お互いの体温を感じあう、甘くて暖かい沈黙。
辛い沈黙ではない、ずっとこうしていたい。

「じゃ・・・動くよ、出そうになったら言ってね」
「はい・・・」
「ん・・・ん・・・んんっ・・・ふはぁ・・・んんっ」
博士が、腰を動かしてくれている。
「う・・・博士の中・・・暖かくてとろとろしてて・・・」
「・・・・・・私も・・・気持ち良い・・・中で、助手くんが動いてる」
「今さら思うけど・・・博士となら、この世界でも・・・やってけそうな気がする」
「あふ・・・あらためて、そういわれると・・・んん・・・あ・・・・・・嬉しいな」
初めて会って、初めてこんなことをしているというのに、
長年付き合いのあるような安堵感が、博士からは漂っている。
なんだろう・・・この感覚は。

「ふあ・・・ふああ・・・助手くん、もう・・・」
「博士・・・・・・」
「そのまま・・・中で出して・・・」
「はい・・・博士・・・ぐっ」
「あ・・・」
「こんな出会いでこんなこというの変かもしれないけど・・・博士、愛してます」
「・・・・・・うん、私もだよ」
二人で同時に果てて・・・そのまましばらく抱き合って、キスを交わして。
また動いて・・・。
そんな繰り返しで夜は明けていき・・・朝がきて・・・こっちの世界での一日目は明けた。
74草原の潮風sage05/02/27 21:07:52 ID:yCsW1k6q
その後は、博士を起こして家事をこなす朝。
あの研究所で俺の乗ってきた人型軽戦車の解析を手伝う昼。
二日に1度ぐらいのペースで博士の夜のお供をする夜。
そんな日々が、のんびりと3ヶ月くらい続いた。

正直、俺の乗っていた戦車は訓練用の旧式のものだったので、
あそこまで熱心に皆が研究しているのは驚きの一言だったが、それ以上に驚きの事態が起こることになる。

それは、何時ものようにのんびりした日の夕方だった。
「お帰り、博士」
「助手くん、良いお知らせだよっ」
「へー・・・お給料でも上がりました?」
「異動だよ、異動。戦車の実用研究にOKが出てね、専用の研究室で研究できることになったんだよ。
 私も総責任者になって、お給料あがっちゃった。
 それでねそれでね、キミも階級付きの正規のネコの国の軍人さん」
「それはそれは・・・・・・・・・ん?正規の軍人?

えええー・・・!?

 どういうことですか・・・そりゃ、俺もマトモな扱い受けたい言ってましたが」
本気で驚いて、洗濯物を抱えたままその場で立ち尽くしてしまう。
75草原の潮風sage05/02/27 21:09:50 ID:yCsW1k6q
この世界ではヒトは最下層の知的生命体のような扱いだったはずだ。

「教えられるほど知ってるのキミだけだし、自分達でいちいち教員育てるのも面倒だから、
 助手くんを、ネコの国機械化試験部隊の正式な教官に任命するんだってさ」
「なるほど・・・らしい理由ですね」
「でしょ、でしょ。それでね"同名に2週間の士官学校での講習受講を命ずる"だってさ」
「軍の学校か・・・」
「お昼会えないけど・・・良い子で受講してね、助手くん・・・ぐすっ」
博士は目に涙を浮かべて、俺を見つめている。
昼ご飯が一緒に食べれないぐらいで、そこまで泣かなくても・・・。

「俺は良い子にしてるから・・・博士も、良い子にしててくださいね」
「わかってるよぅ・・・絶対、ぜーったいにちゃんと受講して、新しい研究所で私の研究手伝ってね」
「約束するよ、絶対に」
「絶対、絶対だよ」
「うん、絶対絶対・・・」

正規の軍人になるということは、そう遠くない日に戦場に立つかもしれない。
もしかしたら、戦場で命を落とすかもしれない。
けど、仕事中もできる限り、このドジで憎めなくて、ちょっとエッチな博士と一緒にいるには、
軍人になって彼女の部下でもいるのがきっと一番ベターな選択だろう。

何より俺には・・・元々選択の余地なんてないんだよな・・・嬉しいような悲しいような。
76草原の潮風-人物紹介sage05/02/27 21:12:39 ID:yCsW1k6q
【俺(本名不詳)、人♂、18歳】
 身長170前後 体重不詳
見た目は短めの髪に迷彩服の普通の少年。
冷静で堅実な性格なのだが、博士の事となると例外。
博士に対して感じている懐かしさの理由は今のところ不明。

他の人達とはやや因果律が違う世界から落ちてきた所を、
ネコの国の海岸で博士に強引に保護され、現在は助手として彼女に毎晩のようにおいしく食べられている。

【博士(ミーナ)タコ♀、25歳】
身長190前後(タコ部含む) 体重不詳 
見た目は、長い緑色の髪とぐるぐるメガネがトレードマークの知的なお姉さん。
(ただし被り物のようなタコ部分を除けば・・・)
かなりの天然だが研究者としての腕は一流であり、科学の塊であった人型戦車を、
たった3ヶ月の研究で、こちらの世界で運用可能な兵器に作り変えてしまった。
【人型軽戦車(名称未定)】
『俺』が落ちてきたときに乗っていた陸戦兵器で、純白の冬季迷彩が施されている。
頭部は複合式の単眼、手はミトンのような3本指タイプ、脚部にはキャタピラ内蔵。
時速80km程度の走行が可能で、ネコ族のトトロ型の男子と力比べに容易に勝てる程度の馬力がある。

ただし、燃料にネコの国では取れない鉱油を用いていたため、
解析ついでに魔洸エネルギーとそれを用いたモーター駆動に改造され、速度・馬力共に3割近く落ちた。

それでも馬と同等の移動能力と、操縦できれば誰でもトトロ型男子相応の腕力・ある程度の魔法使い相応の火力
を得ることが可能な点は、非常に価値のある存在である。
77名無しさん@ピンキーsage05/02/27 21:19:31 ID:pCm7p7VB
|∀・)b GJ!! ついにタコ来ましたか……
助手くんを触手に絡めてうねうねするのとか、熱烈きぼんしてみます。
78虎の子sage05/02/27 21:39:55 ID:7cTRrqLe
タコさん、来ました。
天然なご主人様と、少ししっかり者の奴隷
私の好みです。
増える新人さん達、私も頑張らなくては
7963sage05/02/27 21:58:59 ID:yCsW1k6q
>>77
入れようと思ったんですが、初めてという流れ上ちょっと無理でした。
多分、次回は触手プレうわやめろなにをするsdhgsんさyghmんstrんsyjms

次は、異動先である国境近くの陸軍基地で、初実戦兼初触手プレイの話を予定中。
80名無しさん@ピンキーsage05/02/27 22:07:43 ID:ryvzd6BA
ま、魔装機神きた・・・・・・。
ぶっちゃけそれは思いつかなんだ・・・・・・。
しかも、タコなのに舞台は猫の国なんだ・・・・・・。

・・・・・・いろいろと続きが気になりますな。GJ!!
81名無しさん@ピンキーsage05/02/28 19:46:04 ID:3mc7mg2r
瓶底メガネ博士ッ子
キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!
もう玉葱焦がして泣くニーナ博士にハァハァですよ
8248sage05/02/28 20:21:52 ID:oQa0BG8G
うわ〜・・・萌え〜・・・>>63氏GJ!

この後に書くのって激しく気が引けるな・・・でも今書かないと忘れられるし・・・
とりあえずカモシカの国で顔見せ的な短編一本書きます。運良く受け入れられれば続くし、受け入れられなければ消します。

《岩と森の国ものがたり(仮》

「この・・・愚か者めがあっ!!」
その言葉が終わるより先に、少女の手に持った枕が少年の顔面に向かって飛んできた。
横に飛びのくようにして、あわててそれをよける。よけたその先に布団が飛んできた。
布団を払いのけるより先に、毛布、目覚まし時計、ぬいぐるみなど、少女の手の届く範囲にあるありとあらゆるものが投げつけられる。
布団やら毛布やらぬいぐるみやらで山のようになった中から、少年が這い出してくる。
這い出してきた少年の目の前に、抜き身の剣が突きつけられていた。
「・・・きさまという男は・・・」
剣をつきつける少女の目が冷たい。
「ペットの分際で・・・」
声も、怒りを隠そうともしていない。
「主人の寝込みを襲うとはどういう了見だっ!!」

「ね、寝込みを襲うって・・・」
あわてて弁解しようとする。
「もう八時になるから起こしにきただけ・・・」
「黙れっ! 八時まで寝てはならんと誰が決めた!」
「・・・だって食事が七時さんじ・・・」
「ならば部屋の外からノックでもして呼べば済む話だろう!」
(・・・十分以上ノックしたのに・・・)
83名無しさん@ピンキーsage05/02/28 20:41:27 ID:oQa0BG8G
「あらあら・・・どうしましたの姉さま」
下の階から、少女とよく似た、しかし少し幼い少女が上ってくる。
「・・・リシェルか。見ての通りだ。この愚か者が、人の寝込みを襲いおったのでちと問い詰めておった」
(だから起こしにきたんだって・・・)
そういいたいが、この二人の前で言い訳するのは正直怖い。
「あらあら・・・夜這いですか」
そういって、リシェルは少し怪訝そうな表情をする。
「夜這い・・・というにはもう日も昇ってますわね。朝這い・・・では変ですし・・・こういう場合なんていうんでしょう・・・」
(そんなことどうでもいいっ! 起こしに行けって言ったのはアンタだ!)
心の中で毒づく。口に出せないのが悲しい。
「うーん・・・こういう場合は・・・ほふく前進・・・」
(それは違うっ!)
自分のおかれている立場をつい忘れて、そう突っ込みそうになる。
「・・・なにか違いますわね・・・うーん・・・もっとそれっぽい言葉・・・陵辱・・・」
(いや、それも違う!)
「レイプ・・・強姦・・・暴行致傷・・・なかなかよい言葉が見つかりませんわ・・・」
(当たり前だっ! ただ起こしに来ただけで何でレイプとか強姦とか・・・)
「うーん・・・18歳金髪美少女を襲う恐怖の暴行魔・・・少し弱いかしら・・・」
(・・・弱いって何がだよ!)
「・・・美少女姉妹を襲う汚れた欲望・極悪非道16歳少年の心の闇・・・」
(姉妹って増やすなよ! いやそれ以前に、極悪非道って何だよ・・・)
リシェルは指を頬に当てて、物思いにふけりながら次々と変な言葉を口にする。
「うーん・・・」
(まだ何か増やす気かよ・・・)
「アンシェル姉さま、何かもっといい言葉ありませんか?」
その言葉に、アンシェルと呼ばれた姉の方がかぶりを振る。
「呼び方などどうでもよい。いまはこの腐れ外道をどうするかだ」
84名無しさん@ピンキーsage05/02/28 20:58:28 ID:oQa0BG8G
「そうですわね・・・」
また考え込むリシェル。その横でアンシェルが言う。
「私としては、火あぶりにしてもあきたらんのだが、まあお前との共有物でもあるし、独断で火あぶりにもできん」
(わざわざ起こしにきて火あぶりにされてたまるか!)
「・・・そうですわね。私としては・・・そこまで目くじら立てなくてもよいと思いますわ」
「そういうがな、リシェル・・・この外道は」
「だって動物ですもの、発情期だってございますわ」
(・・・ちょっと待て!)
少年の思いに関係なく、リシェルは言う。
「うーむ・・・しかしなあ・・・」
「ちゃんとしつけても、動物ですもの。発情期の欲情には勝てませんわ」
(・・・発情期・・・動物・・・)
もう、心の中でさえ反論する気力が失せていた。
「・・・そういうものか。まあ・・・言われてみれば動物なのだな。われわれ人間と似ているから、ついつい同じように考えてしまうが」
「そうですわ、姉さま」
(・・・・・・)
泣きそうな気持ちだった。

少年・・・レーマが、この世界に落ちてきたのは今から10年近く前になる。
まだ幼稚園に通う前だった。友達とかくれんぼしていたときに穴のようなものに落ちて、この世界に来たのだった。
それで、泣きじゃくり、おなかがへって倒れこんでいるところを、まだ子供だったころのリシェルとアンシェルに見つけられたのである。
それ以来、ペットとして飼われている。
ペット・・・つまり、人間ではないということである。
少なくともこの国において、人間とは耳か角か尻尾か・・・とにかく、ホモサピエンスに何かがくっついてる種族のことだった。
彼女たち・・・アンシェルとリシェルの姉妹の例だと、きれいな尻尾と、ちょっと怖い二本の角がある。全身はすらっとしていて、運動神経が高い。
カモシカ族、と言うらしい。
85名無しさん@ピンキーsage05/02/28 21:13:47 ID:oQa0BG8G
彼女たちカモシカ族は、標高が高く、険しい山岳部に国を作って暮らしている。
料理はもっぱら植物主体の精進料理。ただし高山植物や山菜をふんだんに使い、料理の種類は豊富だ。
もっとも、平和というわけではない。
数年前に前国王が崩御した後、王女のエリザベートが跡を継いだが、女性が王位を継ぐことに反発した一部貴族が反発し、前王の弟に当たるシャリアを擁立して内乱を起こした。
その戦禍がいまや国土全体に広がっている。
戦禍の中で、リシェルとアンシェルの家族は一度、離れ離れになっている。そのとき、レーマはリシェルに連れられていた。
離れ離れになった姉妹は、それぞれ別の道を歩み、アンシェルは女王派の騎士になり、リシェルは王弟派貴族の貴公子と結婚した。
その後、アンシェルは戦乱の中で王弟派に囚われたが、たまたま事情を知ったリシェルが、軟禁という名目で救い出した・・・という経緯がある。
そして今、レーマはまた二人のペットということになっている。・・・もっとも、名目上は人間扱いされ、召使いということにランクアップされているはずなのだが、姉妹にはまったくその認識はない。
十年近い歳月が過ぎ、凛々しい・・・というにはまだ心もとないが・・・少年に育っても相変わらず、かわいいペットにすぎないのである。

「さて、そうはいってもしつけは必要だな」
アンシェルが、ようやく剣を収めて言う。
「まあ、それは必要ですわね」
と、リシェル。自分が姉を起こしにレーマを走らせたことなど記憶にないらしい。
「・・・さて、どうするべきか」
「トレーニングにつき合わせてはいかがですか?」
(・・・アレに付き合えって?)
カモシカ族の動きは、人間がついていくにはあまりに素早い。ましてアンシェルは、騎士になっただけあってとてつもない運動神経を持つ。
ぞっとしていると、アンシェルが言った。
「そうだな。このようなことがおきるのも、たるんでいる証拠だ。一度きちんと鍛えなおしたほうがいい」
(・・・勘弁してくれ・・・)
「そうですわね」
リシェルが無邪気に笑って言う。
それで、決まりだった。
86名無しさん@ピンキーsage05/02/28 21:33:32 ID:oQa0BG8G
そして一時間後。
「遅いぞ! しっかりしろ!」
アンシェルの叱咤が飛ぶ。
「・・・・・・」
声が出ない。が、何とかついていく。
標高1500メートルの山岳地帯。空気の薄い上に足場の悪い山の中を、アンシェルは普通に走っていく。
全身バネのような肢体と、ずばぬけた運動神経のたまものだ。・・・が、ヒトのレーマはそうもいかない。
子供のころに比べればマシにはなったが、それでもついていくのがせいいっぱいである。
「普段の鍛錬が足りぬのだ! それだから夜這いなどかけようということになる!」
(だから・・・)
反論する余力もない。息を切らしながら、ひたすらアンシェルの後ろをついていった。

ランニングを終えると、屋敷の中で剣の鍛錬になる。
もっとも、実際に仕合などやっても、レーマではとてもアンシェルの相手にならないため、二人で訓練する場合は、アンシェルがレーマを教えるような形になる。
「もっと速く突けるはずだ! 左腕が遊んでいるから全身の速度が乗らんのだ!」
「切りおろしから振り上げる返しが鈍い!」
「一撃必殺! 最低限の動きで確実に敵をしとめられねば一対多では勝てん!」
叱咤が次から次に飛ぶ。
・・・レーマからみると、アンシェルは天才のようにさえ思えるが、アンシェルの技量でも一度は囚われの身となっているのが現実なのだ。

剣の鍛錬が終わっても、解放されるわけではない。
騎士の教養というものがいろいろとある。
音楽、礼法、軍学・・・などなど。そういうのも、付きっ切りで教え込まれる。
「よいか。騎士のペットというものには、それ相応の教養が必要だ。舞踏会や音楽界についていく事もある。主人とダンスも踊れなかったり、主人の伴奏ができぬようではペット失格だ」
(・・・・・・)
リシェルには旦那がいたから、レーマがそのようなものについて行くことはなかった。が、アンシェルはいまのところ一人身である。
パートナー候補としての徹底したレッスンが夜まで続いた。
87名無しさん@ピンキーsage05/02/28 21:50:20 ID:oQa0BG8G
トレーニングその他が終わったのは、もう9時過ぎのことだった。
ぼろぼろに疲れ果てて戻ると、リシェルの主人であるリュナ卿がいた。
美男子というよりは精悍な顔つきの好漢で、中身もそれに異ならず、身分をかさにかけず、誰とでも・・・妻のペットにさえも対等に口を利く。
さらに剣術に秀で、アンシェルにとっては現在の剣術の師でもある。
レーマにとっては、まさに男の理想像ともいえる存在だった。

「レイマ君、お疲れのようだね」
リュナ卿は、ちゃんと「レイマ」と呼ぶ。
レーマの事をちゃんとなかじょう・れいま・・・中条礼馬という名で発音してくれるのは、彼だけだった。
「あ・・・旦那様」
「大変だろうけど、君はスジがいいみたいだ。アンシェルちゃんに鍛えてもらえれば、いずれはかなりの腕になるよ。・・・もしかすると、初の人間外の騎士になれるかもしれない」
「・・・がんばります」
正直、返事も大変だったが、リュナ卿の前ではそうも言っていられなかった。
「それで・・・だ。実は、今日は会議があってね。」
「会議・・・ですか」
珍しいことではなかった。王弟派でも実力者であるリュナ卿は、会議とか軍議にはいつも呼ばれていた。
「それで、妻の世話をおねがいしたいんだ」
「・・・わかりました」
リュナ卿が「妻の世話」という場合、することはひとつしかない。
夜の相手、である。じっさい、カモシカ族ではそれも立派なペットの役目だった。
まあそうはいっても、普通は他の男に夜の相手を頼むことはない。つまりは、レーマはまだまだ彼には「大人の男」扱いされてないということだった。
「妻がいうには、少しづつだけとそっちも上達してるみたいだ。これからは僕も、会議で夜を空けることが増えるから、すこしづつ鍛えていけばいい」
こんなことを言われる時点で、男としてはまだまだ眼中にないと言われているも同然だった。
88名無しさん@ピンキーsage05/02/28 22:02:58 ID:oQa0BG8G
アンシェルに夜の事情を説明すると、そのままリシェルの部屋に向かう。
・・・実は、まだ夜の鍛錬が待っていたのだが、それをやると正直身が持たなかったので、運がよかったのかもしれない。
リシェルの部屋に着くと、すでにリシェルは寝間着に着替えていた。
「おつかれだったわね」
そういって笑う。
「・・・はい、お疲れでした」
「向こう、お風呂沸いてるから汗ながしてきて。それから・・・ね」
「はい」

風呂で汗を流す。サウナ風呂ではなく、湯を張った湯船である。気持ちよいが、長風呂するわけにもいかない。
リシェルは先に風呂に入って、ずっと待っているのである。
バスローブに着替えると、寝室に戻った。

「・・・姉さまに、ついてけるようになったんだ」
「まだまだですよ」
「でも、子供のときなんて、姉さまどころか私にも追いつけなかったのに」
「・・・そうでしたね。それで、いっつも泣いて」
「いつのまにか、私を追い抜いちゃったよね。・・・いつか、姉さまも追い抜けるんじゃないかしら」
「そう・・・なりたいですね」
「なれるわよ。姉さまも、そう思ってるみたい」
「アンシェル様が?」
「うん。・・・姉さま、素直になれないから。でもレーマのこと、一番買ってるのは姉さまよ」
「・・・・・・」
「なのに、夜這いなんてしちゃだめ。・・・私がいるのに」
そう言って、レーマの鼻の先にちょんと唇を合わせた。
89名無しさん@ピンキーsage05/02/28 22:19:34 ID:oQa0BG8G
「夜這いなんかしてませんよ」
そういいながら、リシェルの寝間着に手をかけ、脱がせる。しなやかな肢体と、小ぶりな乳房があらわになる。
「リシェル様が、起こしに行けっておっしゃったんでしょう」
「・・・そうだったっけ」
「そうです」
そういいながら、乳房をに顔を近づけ、淡い桃色の乳首を舌先でつつく。
ぴくんと、体がしなる。
「んっ・・・」
小ぶりな乳房だが、感覚は良い。そのまま舌で乳輪をなぞるように這わせると、かすかな吐息が漏れる。
そして一度、口を離す。そして、寝間着の帯を解き、それを脱がせる。寝間着の下には、何もつけていない。
色白でしなやかな裸体。子供のころは、山の中を一緒に書けぐった肢体は、今でもしなやかさを失ってはいない。
胸も尻も小ぶりだが、それは無駄な脂肪をつけていないがためであり、全体のバランスは美しいの一語に尽きる。
「いいじゃない、そんなこと」
「よくありません」
そういいながら、リシェルの背に左手を回して支えると、右手で乳房を愛撫する。
「・・・あっ・・・」
「その上、夜這いとかレイプとかおっしゃられて」
右手の動きをすこし激しくする。揉みしだきながら、時折乳首をつまみ、刺激する。
「反省、してください」
「ひゃんっ・・・は、反省って・・・あっ・・・」
あえぎ声を上げて身を反らせるたびに、小さな耳が震える。かわいい二本の角は動かないが、それでも繊細な金色の頭髪が時おり絡みつき、妙になまめかしい。
頬に、軽くキスをする。するとリシェルは、自ら求めるようにレーマの方に顔を向ける。
「どうして、ほしいですか?」
わざとそう口にする。その間も、胸を愛撫する手は止めない。
「・・・きす・・・して・・・」
頬を染め、とろんとした甘い声でそう求める。
90名無しさん@ピンキーsage05/02/28 22:35:36 ID:oQa0BG8G
「はい」
そう言って、鼻の頭にキスをする。駄々っ子のように首を左右に振るリシェル。
「・・・違うよぉ・・・もっと下・・・」
「はい」
こんどは、胸の谷間のちょっとだけ上。
「・・・違うよぉ〜・・・わかってるくせに・・・」
「はい、わかってますよ」
そういって微笑むと、唇を合わせる。
唇を合わせるとすぐに、リシェルから舌を絡めてくる。
「ん・・・ふぅん・・・んん・・・」
熱い息が、顔に当たる。舌をからめながら、右の手の愛撫を少し変える。
乳房を右手の刺激から解放すると、今度は脇腹に手を添え、軽くくすぐる。
「ひゃんっ・・・あ・・・いやっ・・・ひゃは・・・やん・・・」
くすぐられて、思わず笑う。たまらず、手ではねのけようとする。
「・・・リシェル様も、我慢が足りないようですね」
わざとそう言うレーマ。長い付き合いで、言葉責めと焦らしに弱いことはわかっている。
「ちがうよぉ・・・我慢してるもん・・・」
甘えたような声。夜のリシェルは、ずいぶんと甘えん坊になる。
「言いましたね。じゃあ、ちょっとテストしてみますか?」
そう言って、リシェルを寝かせると、両手をベッドの縁に皮ベルトでつなぐ。
・・・リュナ卿なら、こんな小道具や口先三寸を使うまでも内容なのだが、レーマではまだまだその域には達していない。
ばんざいしたような格好のリシェル。その上に馬乗りになって、軽く脇腹をくすぐる。
「ひゃんっ! や・・・やだよっ・・・く・・・くすぐったいよ・・・あ・・・きゃんっ・・・」
くすぐられるたびに、必死に身悶えてその責め苦から逃れようとするリシェル。だが、両手を拘束され、馬乗りになられているためどうにもできない。
「我慢強いんですよね? こんなの、全然平気ですよね?」
そう言って、さらにくすぐる。脇腹だけではなく、時折乳房を愛撫したり、乳首を指で弾いたりする。
そのたびに、しなやかな裸体が大きく跳ね、身悶える。
「や・・・やだっ・・・やだよぉ・・・こんな・・・きゃはっ・・・ひゃああんっ・・・」
全身が、ずいぶん火照り、汗さえかいている。くすぐりに弱いのも、相変わらずらしい。
91名無しさん@ピンキーsage05/02/28 22:54:27 ID:oQa0BG8G
息も絶え絶えになるまでくすぐると、ようやくレーマはくすぐるのをやめた。
「・・・はあっ・・・はあ・・・れーまの・・・いじわるぅ・・・」
荒い息の中で、そう口にするリシェル。恍惚に潤んだ瞳は、すでに半分焦点が合っていない。
「ふふ・・・もうそんなこというんですか? いじわる、やめちゃいましょうか?」
「・・・いじわるぅ・・・」
甘えるような声。
「じゃ、どうしてほしいんですか? 言ってもらえれば、ちゃんとその通りしますよ。・・・ペットですからね」
「・・・あそこ・・・私の・・・大事なところ・・・お願い・・・」
声は、すでに正気を失ったような官能の響きを持っている。
「わかりました」
そう言うと、馬乗りになっていた体を立ち上がらせて、ベッドの下に座った。
そして、いつの間にか濡れきっている下腹部の茂みに口付け、舌を動かす。
「あんっ・・・」
両手は、まだベッドの縁に拘束されている。その上半身が、思わず大きく動き、そして皮ベルトに阻まれた。
リシェルの恥部を責めるのも、もうずいぶんな回数になる。どこをどう責めればよいか、体が覚えていた。
強くすったり、舌で愛撫されたりと、敏感な肉の芽に強い刺激が与えられるたび、自由を奪われた上半身が激しく暴れ、そして皮ベルトにさえぎられてそのままベッドに倒れる。
「やっ・・・! ああっ! ・・・あっ・・・や・・・ふぅん・・・」
言葉らしい言葉は、もう出てこない。
あと少しで限界を迎えるというときに、レーマは舌での愛撫をやめた。
「・・・・・・はあ・・・はあっ・・・」
荒い息をするリシェル。その腕の戒めを解く。
「・・・はあっ・・・はぁ・・・お願い・・・」
目だけをレーマに向けて、懇願する。
「はい、わかりました」
そう言って、すでに硬くなった己の肉棒をレーマはリシェルの中に挿入する。
「んっ・・・んん・・・ん・・・ああっ・・・あん・・・」
ピストン運動は、わざとゆっくりと行う。ペットとご主人様の行為では、主人の余韻のほうが、ペットの欲望よりも大事だった。
「あ・・・ん・・・ああぁぁぁっ!」
ほんの数往復で、リシェルは歓喜の声を上げて果てた。
92名無しさん@ピンキーsage05/02/28 23:05:32 ID:oQa0BG8G
リシェルは果てたが、レーマのほうはというと・・・愛撫ばかりしていて、挿入してもほんの数往復にすぎない。
抜いた肉棒は、愛液まみれになっていたとはいえ、まだ硬くなっていた。
肉棒についた愛液を、リシェルが絹布で拭く。そして、言う。
「ねえ・・・今日のこと、反省・・・してもいい?」
「うん」
「じゃ・・・反省するね」
そういって、肉棒を口にくわえる。そして、舌で刺激を加える。
リシェルも、リュナ卿にいろいろと手ほどきを受けている。16歳の肉体では、それほど長くは耐えられなかった。
声を上げて、果てる。肉棒の先端から溢れた白濁したものを飲み込むと、リシェルは舌なめずりして言う。
「・・・やつぱり、発情期だ」
「・・・そうですよ。悪いですか?」
そういって、リシェルに覆い重なるようにベッドに倒れこむ。
「・・・ううん。だって、ペットだもんね。仕方ないし」
「そうですね。仕方ないですよ」
そう言って、また唇を重ねた。

翌日。
「・・・貴様というやつは」
アンシェルの期限がずいぶんと悪い。
「ずいぶんと余力を残していたようだな」
「・・・いや・・・その・・・」
「言い訳は聞かぬ! 今日のトレーニングは昨日の倍だ!」
(・・・死ねってことか?)
そんなときに、リシェルがやってきた。
「あら、姉さまおはようございます」
(・・・・・・なんでこのタイミングで・・・)
「ああ。昨日はずいぶん激しかったようだが」
その言葉に、にこりと笑う。
「ええ。彼も発情期ですから」
その言葉に、アンシェルの目がさらに怖くなる。
「・・・そうか。・・・レーマ、もはや言い訳は無用だ。朝食が終わればすぐにアップだ、いいな」
(fin)
93名無しさん@ピンキーsage05/02/28 23:10:43 ID:oQa0BG8G
とりあえず、天然悪女の妹とツンデレ要員の姉と、幼馴染の主人公で仕立ててみました。
・・・けど、肝心の角の描写ができなかった・・・orz
カモシカ娘萌えって思ったのは、角と耳と尻尾と、あとしなやかな体なのに。しなやかな体ってのはそこそこ使えた気がするけど。
角がうまく使えなかったのは、書きながらガ○ルマン思い出して欝になったせいかな。
意外と難しい・・・角とエロの組み合わせ。どっちかというとアンシェルの怒ってるときに使ったほうがいいのかな・・・
94名無しさん@ピンキーsage05/02/28 23:15:25 ID:GsNHotyZ
上北━━(━(━(-( ( (゚∀゚) ) )-)━)━) ━━ !!!!!
やっべ。なんかマジ凄い職人さんが来っぽい。

けど、幾つか言わせて貰うと、一度メモ帳なんかに書き溜めたほうが良いと思う。
誤字が幾つかあったし、投下時間の長さもちっとだけ気になった。
そこを直せば、どこに出しても恥ずかしくない文章だと思う。
また書いてほしいっス!!



そういえば……人間以外の動物が、自分らのことを“人間”と称する話ってはじめてかも。
ちょっと新鮮。
95名無しさん@ピンキーsage05/02/28 23:40:02 ID:GsNHotyZ
ところで、

>>48
>なんかテンプレみてると、世界設定いろいろあるみたいなんで

俺は世界観1つ、つまり
 ・全部同じ大陸上
 ・時代設定は多少まちまち
だと思ってたけど、その辺どうなんだろうか

いや、複数あっても問題ないんだけど「私の話は別の場所を……」って作者さんは居るのかと思って
96名無しさん@ピンキーsage05/02/28 23:54:15 ID:oQa0BG8G
>>95
あ、いえ、そういう意味じゃないです。
一つの大陸にいろんな国家があるようなんで、そのいろいろある国家の設定とダブったり矛盾したりしなてかなあ、って意味で書いたんで。
世界設定って書いちゃ駄目でしたね。国家設定とか、種族設定とか書くべきでしたか。
97名無しさん@ピンキーsage05/03/01 01:36:25 ID:p+7OFsQj
読み返したら、ほんと誤字だらけだorz
次からはちゃんとメモ帳使いますorz
98名無しさん@ピンキーsage05/03/01 10:32:13 ID:H1yIYb5m
・・・うわっ。もうまとめサイトにのってる。しかも書く前のズレまくった設定まで・・・
じゃあ、まとめ用にちょっと現時点での設定を変更して書きます。
(人物設定)
主人公:中条礼馬(なかじょう・れいま)。五歳頃にこちらの世界に落ちてくる。そのため、こっちの世界より異世界での経験が長く、まして漢字など知らない。
周囲からは(リュナ除く)「レーマ」と呼ばれている。
現在16歳。身長は165センチ程度、やや細身だがこっちの世界ではずっと山岳地帯で暮らしているため、見た目よりは肉体的には強い。
現在の環境は、アンシェル、リシェル姉妹のペット。名目上は召使なのだが、誰からもそう認識してもらえていない。
いちおう、愛玩動物と呼べる程度の可愛らしい顔立ちは持ち合わせている。
生きていくために、剣の腕も多少はあがったが、リュナはもとより、アンシェルにもとてもかなわないのが実情。

アンシェル:カモシカ族の少女。18歳。長い金髪を持つが、その中に見える二本の角がちょっと怖い。
女王派の騎士だったが、一度囚われの身となり、今は王弟派のリシェルの家で軟禁という名目で一緒に暮らしている。
しかし、軟禁とは名ばかりで実際にはいつも外に出ては鍛錬に余念がない。
真面目な性格で、気が強い。特に恋愛沙汰に関してはきわめて堅物。
他人にはそうでもないが、なぜかレーマに対しては必要以上に厳しく当たる。
レーマを何かと意識しているようだが、リシェルやリュナはわざと気づかぬふりをしている。

リシェル:アンシェルの妹。姉より少し幼く見える17歳。
王弟派の有力者、ルークス家の貴公子、リュナ卿と故意に落ち、そのまま結婚した。
レーマをずっと飼っていて、幼馴染以上ペット以下の微妙な関係が続いている。
天然系だが、それだけに周囲を(特にレーマを)困らせることが多い。が、悪意はなく、無邪気な笑顔がすべてを許す気にさせる。
姉とは対照的な甘えん坊だが、意外としっかりした部分も・・・まあ、なくはない。

リュナ:リシェルの夫、21歳。王弟派の有力者。
剣術に秀でた好漢で、レーマにとっては憧れの存在。
自分の妻の夜の相手をレーマに頼んだり、時々突拍子もないことをする。
99名無しさん@ピンキーsage05/03/01 10:32:46 ID:rTExxyTo
おくればせながらタコさんGJ!
ただ、少し展開早すぎなのが気になったかな、と。

カモシカさんGJ!
誤字をなくすコツは「三日放置したあと読みなおす」です。
両名とも続きを期待してます!
100名無しさん@ピンキーsage05/03/01 10:35:58 ID:H1yIYb5m
まあ、世界設定は>>84-85の間の文を丸写しにすればいいかもと思います。
もし今回のがそれなりに好評で、続編を作ることになればまた設定も増えてくでしょうし。

101名無しさん@ピンキーsage05/03/01 10:38:30 ID:H1yIYb5m
>>99
ありがとうございます。
なるほど、わかりました。次からそうしてみます。

・・・さあて、次はアンシェル×レーマか・・・どうしようこの二人・・・
102名無しさん@ピンキーsage05/03/02 00:24:06 ID:jMXNp+qa
(,,´∀`) シンサク フタツモ キテルヨ

>>だーかーら、これは私のモノなの、みんなにはあげないもん!
(*´∀`) …モエモエ〜

>>「それで、妻の世話をおねがいしたいんだ」
(;´∀`) …ア、アルイミ スゴイ ヒトダナ、オイ
103名無しさん@ピンキーsage05/03/02 01:50:37 ID:dOeE9LlB
>>102
読んでいただいて感謝です。

>(;´∀`) …ア、アルイミ スゴイ ヒトダナ、オイ
彼は・・・まあ、そういう人ですw
妻もろとも、大真面目に変なことを言う人ですので、出てきたら暖かく見てやってくださいw

>>98
こんなところまで誤字ってるよorz
リシェルのキャラ紹介文ところ、「故意に落ち」→「恋に落ち」です。
104名無しさん@ピンキーsage05/03/02 16:39:56 ID:lx+HqjPl
wiki がスクラップ帳になってる気がするw
105名無しさん@ピンキー05/03/02 18:41:21 ID:ItVpweK6
>>104
ほう。新人さんが来たとたんにスクラップ扱いですか。
106名無しさん@ピンキーsage05/03/02 18:45:22 ID:lx+HqjPl
>>105
あ? あれ? おれ単語憶え間違えてた?

『スクラップ帳』って『切抜帳』って意味で合ってるよな?
間違えてたらまじごめん m(_ _;)m
107名無しさん@ピンキーsage05/03/02 20:07:20 ID:fdu/yWWO
>>106
いや、あんたは間違えてない。
多分>>105の勘違いだろう
108名無しさん@ピンキーsage05/03/03 07:44:55 ID:63EpnAea
ん?
命を狙われる王女とその兄姉の話?
109名無しさん@ピンキーsage05/03/03 23:05:26 ID:i3+RH/Rk
岩と森の国ものがたり(2)

 アンシェル・クレファンの一日は、朝食後のランニングから始まる。
子供のころから、野山を駆け回るのが好きだったこともあり、また高山の新鮮な空気が好きなこともあり、この屋敷で妹夫婦とともに暮らすようになってからは、毎日欠かせぬ日課となっている。
 この日も朝食を終え、ペットを連れてランニングに出かけようとするアンシェルは、昨夜から夜通し続いた軍議を終え、ようやく戻ってきたリュナと玄関で顔を合わせた。
「お帰りなさいませ、あなた」
 いつの間にか、妹のリシェルが玄関に出てきていて、彼を出迎えている。
「ああ、ただいま。元気だったか?」
「ええ、とっても」
 そう言って微笑むリシェル。その艶のある笑顔を見たアンシェルは、つい思いっきり傍らのペットを睨みつけてしまう。
「そうか。こっちは……どうにも厄介な話が続いている。少し休んだら、また出かけることになりそうだ」
「それでは……お体にさわります」
心配げなリシェル。そんなリシェルに、リュナは笑顔で答える。
「……ありがとう。でも大丈夫だ。本当に疲れたらそのときは遠慮なく休む」
「……それならばよろしいのですが、でも無理はなさらないでください」
「ありがとう」
「……その、リュナ卿……」
 傍らで夫婦の会話を聞いていたアンシェルが、おずおずと口を挟む。
「やあ、アンシェルちゃん。今からトレーニングかい?」
「あ、はい……」
「そうか。元気で何よりだ。君の元気な姿は僕にも力をくれる。……初めのころは見るのも気の毒なくらいやつれていたからな。……レイマ君のおかげだな」
「……そ、そんなことないですっ! レーマの……」
 なぜか慌てて否定しようとするアンシェル。それを見てリュナが言う。
「いや、やっぱり身近に顔なじみがいるってのは大きいよ。君の場合、妻もそうだけど、やっぱりレーマ君の存在だと思うよ。昔からのペットってのは、時に肉親同様、時にはそれ以上の存在だったりするものさ」
「……そ、そうですね、ペットってのは……」
なぜか、ペットという部分に必要以上に力を入れてアンシェルは答える。その姿に、また意味深な微笑を見せるリュナ。
110名無しさん@ピンキーsage05/03/03 23:07:10 ID:i3+RH/Rk
「まあ、元気になってくれればそれが一番だ。……実は、ちょっとした夢もあってね。いつか、きみとリシェルが、姉妹で僕の妻になってくれたらいいなって」
笑顔で突拍子もないことを口にするリュナ。確かに、このカモシカの国では多妻は認められている。……が、仮にも妻の前で言うことではない。
そのはずなのだが、リシェルはというと……
「そうですわ、お姉さま。私たち昔から一緒だったんですもの、また一緒になりましょうよ」
そう言って、満面の笑顔で夫の提案に賛同する。
「……い、いやしかし……だな……」
 思わず口ごもるアンシェル。そんなアンシェルに、リシェルは屈託ない。
「大丈夫ですよ。リュナは本当にいい人なのですよ」
「……し、しかし……その……」
「大丈夫ですって。三人で仲良く暮らしましょうよ。昔は、ひとつのケーキだって二人で分けたじゃないですか」
「……お菓子と男を一緒にするな」
「よく似たものですわよ。本当に甘くて、とろけるような……」
 そういって、うっとりと頬を染めるリシェル。アンシェルはかすかに首を振り、そしてリュナに言った。
「お気持ちはありがたいのですが……私はまだ、女王派の騎士であることを捨て切れてはいませんので……」
そう答えるアンシェルに、リュナはやはり魅力的な微笑を浮かべて答える。
「ああ、そうか……それも当然だな。義理堅いのも君の魅力だし。……うん、いいさ。この戦争も、いつかきっと終わる。そのときこそ……な。三人で……ごめん、三人と一匹で仲良く暮らせる日が来るさ」
(……一匹……いや、当然か……)
レーマは、複雑な表情でそれを聞いていた。

111名無しさん@ピンキーsage05/03/03 23:08:29 ID:i3+RH/Rk
 全土が戦争状態にあるカモシカの国は、外に出るのも実は気楽なものではない。
 リュナ夫妻の邸宅がある、王弟派の拠点グランダウスや、女王の居城ライファス近辺はまだ平穏だが、それ以外は国土の大半で治安が大きく乱れ、双方の兵士や、戦乱で故郷を追われて野盗と化した者たちで危険な状態にある。
だから、たかがランニングでも剣を腰に下げ、ちょっとした胸当て程度は装備して走ることになる。
標高1500メートルの高地で、そんなものを身につけて走るのだから、もともと山岳生活に適したカモシカ族であるアンシェルはともかく、レーマにとっては大変というしかない。
アンシェルの叱咤を受けながら、本当に何とかついていくのがいつものことだった。
「……少し休むか」
アンシェルがそう言って、近くにあった岩に腰掛ける。もっとも、アンシェル当人はさほど疲れた様子もない。レーマの身を案じてのことに違いなかった。
 しばらくして、追いついてきたレーマが倒れこむようにしてそこに座る。それを見たアンシェルが、厳しい口調で言う。
「……まったく、だらしがない。人生とは日々鍛錬だ。ベッドの上だけが人生ではない」
 昨夜のことが、少しおかんむりらしい。
「……まあ、亀の歩みだが、すこしずつマシになってはいる」
 厳しい言葉の後、なぜか顔を少しそむけて、アンシェルはそう続けた。
 そのそむけた顔が何かを見つけたらしく、アンシェルは唐突に立ち上がった。手が、腰の剣にかかっている。
「……貴様ら。どこの者だ」
 厳しい声を投げかけた先から現れたのは、十人程度の男たちだった。

手に手に武器を持ち、下卑た顔をした者たち。武器や防具のばらつきから、野盗だとは容易に想像がついた。
「こりゃあ、そそる声の姉ちゃんだな」
「ああ、こりゃあ楽しみがいがありそうだ」
 品のない笑い声。アンシェルがきっとにらみつける。
「それ以上近づくな。近づけば容赦はせぬ」
 その声に、また下品な笑顔を浮かべる男たち。
「いいねえ、こういうの。ますますそそらせるぜ」
「まったくだ。こういう女ほど、やりがいがあるってもんよ」
「へっへっへっ……」
 恐れるそぶりもなく近づいてくる。よく見ると、その表情には残酷なものがある。おそらくは、何人も人を殺した経験があるのだろう。
112名無しさん@ピンキーsage05/03/03 23:09:58 ID:i3+RH/Rk
「…………」
 剣に手をかけたまま、なぜか動かないアンシェル。野盗たちは、じりじりと近づいてくる。
「……う……うわあああっ!」
 突然、異変が起きた。
 さっきまで、毅然とした顔でにらみつけていたアンシェルが、突然その場にくず折れるように倒れこみ、頭を抱えて悲鳴を上げた。
「アンシェル様?」
 あわてて声をかけるレーマ。アンシェルはしかし、その場に崩れこんだまま、頭を抱え、震えている。今まで、見たこともないしぐさだった。
 野党たちは、その間も下卑た笑みを浮かべて近づいてくる。レーマは、とっさに動いた。
 一気に駆け出し、間合いをつめる。そのまま、剣を抜きざまに目の前の一人を下から上へと斬り払った。
 油断していた野盗の一人が、血しぶきを上げて倒れる。
 一瞬のことに、何が起きたかまだ事態が飲み込めていない野盗たち。一瞬の空白が、彼らに生まれた。
 一瞬とはいえ、動きの止まった野盗。それは、至近距離の戦闘においては致命的だった。
 動こうとするより早く、次々と喉、目、心臓もしくは腹部を次々と刺され、あるいは斬られ、その場に倒れる。
 アンシェルの訓練が、役に立った。
 動きを止めることなく、目に入る敵の、かならずどこかにある無防備な急所を、ひたすらに斬る。嫌というほど叩き込まれたそれが、この戦いではすべてだった。
 十人を超える数は、一瞬の戦闘ではまったく意味を成さなかった。
 時間にして一分…いや、30秒もかからなかったかもしれない。14人の野盗は全員、その場に倒れていた。
 その場に倒れたとはいえ、与えたのは一撃のみ。大半はまだ息がある。
 ためらわず、レーマはとどめを刺す。首か心臓、どちらかを刺す。
 全員が完全に戦闘能力を失ったのを確認してから、ようやくレーマはアンシェルの元に戻った。

113名無しさん@ピンキーsage05/03/03 23:11:13 ID:i3+RH/Rk
 アンシェルは、岩に座り込んでいた。全身に血しぶきをあびた凄惨なレーマの姿をみて、かすかに笑ったように見えた。
「……こんなものだ」
「え?」
 意味がわからず、問い返すレーマ。アンシェルは、不思議な笑みを浮かべて繰り返した。
「こんなものだ。……いくらお前にえらそうなことを言っても、今の私は……戦えないのだ」
 そう言って、また微笑みを見せる。だがそれは悲しげな微笑だった。

「……」
 どうして、とは聞けなかった。聞いてはいけないような気がした。
 レーマなど相手にならないほどの技量を持つアンシェルが、たかが野盗相手でさえ戦えないというのは、かなりの理由があるということはわかりきっていた。
 沈黙したまま、その場に立ちすくむレーマ。
「……なぜ、とは聞かないのだな」
「……聞いては……いけないような気がして」
 その言葉に、また悲しげな微笑を浮かべるアンシェル。
「そう……だな」
「……」
「私も、できることなら言いたくない。……思い出したくもない」
「……でも、ですか?」
「……そうだ、でも……だ。でも……それでも、お前に言っておきたいのだ」
「……」
 アンシェルは、小さな声で話し始めた。
「私が、騎士になったのは16歳だった。あのころの私は……怖いもの知らずだった」
 なんとなく、想像はつく。当時、アンシェルとリシェルの姉妹が住んでいた近辺には、アンシェルにかなうものは男でさえもいなかった。
 一人前の大人でも、幼いアンシェルと剣を合わせれば、引き分けるのが精一杯だった。
「怖いもの知らずだった私は、この戦争が起こった後、今思うと愚かしいほど……戦い続けた」
「……」
「そして、身の程知らずに戦い続けた挙句、やがて生け捕りになった。深入りしすぎて、敵に取り囲まれたのだ」
 若くして強くなった者にはよくあることだった。若さゆえに自分の力を過信し、深入りして墓穴を掘る。レーマも何度もそんな話は聞いていた。
「……女が、戦場で囚われの身になって、何もなかったと思うか?」
114名無しさん@ピンキーsage05/03/03 23:13:30 ID:i3+RH/Rk
「……」
 何もないはずがなかった。獣性をむき出しに戦う兵士たち。捕らわれの女がどうなるか、レーマにもわかりきっていた。
「……思い出したくもない思い出だ。だが……忘れたくても忘れられない」
 声が、かすかに震えている。
「あの日以来……敵と、向き合うことが……怖くて、たまらないのだ」
 ふと、アンシェルの表情を見る。その目に、涙がうかんでいた。
 アンシェルが顔を上げた。見つめるレーマと、目が合う。
「あの時……私が、誰の名を呼んだかわかるか?」
 レーマを見つめる目から、ひとすじの涙がこぼれる。
「……おまえだ」
 涙をぬぐおうともせず、アンシェルは、レーマの顔を見つめて、はっきりとそう言った。

「私は、何人もの男たちに押さえつけられ、さんざんに弄ばれた。私は泣き叫び、必死にお前の名を呼び続けた」
「……」
「だが……お前は来なかった」
 その頃、レーマはリシェルのお供をしていた。とても行けるはずがなかった。しかしレーマは、何もいえなかった。
「お前がいれば……私はあんな目にはあわなかった。おまえさえいれば……さっきのように、お前は私を助けてくれた!」
(……無理だ……)
 自分の剣の腕はわかっている。今はたまたま、相手が油断していたから勝てただけだった。訓練された兵士相手だと、とても勝てるとは思えなかった。
 だが、今のアンシェルは、とてもそんなことを言える雰囲気ではなかった。
「なぜ来てくれなかった! なぜ私を助けてくれなかった! 私が……あんなにおまえを呼んだのに!」
 そう言いながら、突然泣きじゃくるアンシェル。
(……僕が……でも……無理だ……でも、それでも僕は……だったのか?)
 突然のことに、困惑するレーマ。アンシェルのこんな姿を見るのは初めてだった。
「……お前さえ……お前さえいれば……」
 泣きながら、そう繰り返すアンシェル。
115名無しさん@ピンキーsage05/03/03 23:14:09 ID:i3+RH/Rk
(このままじゃ……どうにもならない)
 突然、レーマはアンシェルを抱きかかえた。
「……れーま?」
 思わず、泣いていた手を離し、レーマを見つめるアンシェル。
「とりあえず……帰ろう。帰って……それから、いろいろと。これからは……僕がいる」
 アンシェルの前で「僕がいる」なんて言葉が出るとは、レーマ自身思ってもいなかった。が、不思議なほど自然にその言葉が出た。
「僕がいる……か」
 アンシェルが、やっと笑顔を見せた。目はまだ泣き腫らしているが、それでも、少しだけ笑顔を見せた。
「弱いくせに」
「そのうち、強くなる」
「……そうだな。この私を守るんだから……強くなってくれなくては困る」
 かすかに、頬を染めてアンシェルが言った。

 お姫様だっこというのは、意外と腕力が必要だったりする。山肌を歩きながらのお姫様だっこというのは、意外と疲れた。
 野盗の死体をその場に残したまま、山肌をグランダウスに戻るレーマたち。グランダウスまであと少しというところで、ようやく気分が落ち着いたのか、アンシェルが降ろせと言い出した。
「いくらなんでも……この格好で帰るわけにも行くまい」
 少し赤くなりながらそういうアンシェルに、つい吹き出しそうになるが、必死にこらえる。いくら戦えないなどといっても、相手がレーマとなるとまるで容赦しないのはよくわかっている。
「はい、ご主人様」
 そう言って、アンシェルを下ろす。
「……レーマ。その、何だ……」
「何です?」
「泣いてたと、気づかれたりしないだろうか」
 その言葉に、たまらず吹き出す。
「私は本気で心配しているのだ!」
 ますます顔を赤くしてそういうアンシェル。レーマは必死に笑いをこらえながら、何とか答える。
「大丈夫ですよ。ただ……あんまり赤い顔で帰るのも変ですし、この辺で一休みしますか」
116名無しさん@ピンキーsage05/03/03 23:15:39 ID:i3+RH/Rk
「……あ、赤い顔……そうか……」
 自分の心を意識したのか、そう言ってますます頬を赤らめるアンシェル。考えてみれば、もう十年来の付き合いになるが、こんな顔を見るのは初めてかもしれない。
「とりあえず、ちょっとだけ人気のないところに行きましょう」
 そう言って、レーマはアンシェルをつれて歩きだした。

「……このへん、ですかね」
 そう言ってレーマが足を止めたのは、山腹の洞窟だった。人気がないというよりは、あたりが険しすぎて誰も来ないといったほうがいいような場所だった。
 野盗さえ、こんなところにはこないという場所で、少し前にレーマが足を踏み外して崖から転げ落ちたとき、偶然見つけた場所だった。
「……こんなところがあったとはな」
「少なくとも、人はきませんよ」
「……そのようだな」
 そう言って、腰を下ろすアンシェル。その横に、レーマも座った。
「……なあ、レーマ」
「何です?」
「朝、リュナ卿が言っていたが……本当に、お前がいなかったらと思うと……ぞっとする」
「いるじゃないですか、ちゃんと」
「もしもの話をしている」
「もしもなんて、無意味な話ですよ。だって僕はいるんですから。わざわざ悪いほうに考えるのは……疲れてる証拠です」
「……お前、いつから私に口答えできるようになった」
「ついさっきから、ですよ。強くならなきゃって、そう決めたときから」
「……強くなるのはいい。だが、私にまで強くなるな」
「……なんですか、それは」
「……お前が、私より強くなったら……私は、いったいどうなる」
「……」
「今の私は、何もできない名前だけの騎士にすぎない。自分でわかっている。だからこそ……」
117名無しさん@ピンキーsage05/03/03 23:16:25 ID:i3+RH/Rk
 すべてを言うより早く、レーマがアンシェルをその場に押し倒していた。
「……な、何を……」
 戸惑ったような表情のアンシェル。
「いいじゃないですか、弱くっても」
「よくない! 私は……」
「私は、何ですか?」
「私は……わたしは……」
「何ですか?」
「……わたしは……」
 その先の言葉が、出てこなかった。困惑するアンシェルに、レーマが言った。
「これから、見つけていきましょうよ。今はとりあえず、そんなもの捨てちゃいませんか。悪い思い出と一緒に、騎士とか、強い自分とか、変なプライドとか」
「……簡単に、捨てられると思うか」
「僕が、お手伝いしますよ」
 そう言って、レーマはアンシェルに唇を重ねた。

「ん……」
 アンシェルの口から、甘美な声が漏れる。舌を絡めると、すぐに反応して来た。
 アンシェルの手が、レーマの首と腰に絡みつき、強く抱いてくる。レーマも、アンシェルの首に手を回し、力強く抱いた。
 あの日、王弟派兵士に輪姦されて以来、アンシェルは男というものに体を委ねたことは一度もない。だから、リシェルの相手を何度も務めている分だけ、レーマのほうが経験はあった。
 唇を重ね、舌を絡め、強く抱くだけで、アンシェルは陶酔している。その手を少々苦労しながら引き離すと、レーマはアンシェルの服をゆっくりと脱がしていった。
 アンシェルは、抵抗しようともせず、されるがままになっている。ブラウスを脱がせ、スカートを脱がせ、そして下着もゆっくりと脱がせた。
 全裸のアンシェルは、妹同様のしなやかな体つきをしていたが、トレーニングしているせいか、全身が引き締まり、そして少しだけ妹より胸が小さかった。
 長い金髪が、小さな乳房にかかる。いつもは、少しだけ怖く見える、金髪のあいまに見える二本の角。しかしそれさえも、少しだけ震えているように見える。
118名無しさん@ピンキーsage05/03/03 23:18:23 ID:i3+RH/Rk
 洞窟の床には、さらさらとした砂がある。昔は水が流れていた名残らしい。その上に裸のアンシェルを寝かせると、レーマは自分も服を脱いだ。
 少しだけアンシェルより背は小さいが、意外と筋肉のついた体をしている。服を折りたたんで傍らに置くと、アンシェルの上に乗った。
「……少し前なら、こんなことをされたら、たちまち蹴っていたのだが」
「そうですね」
 苦笑するレーマ。夜這いと勘違いされて、布団と毛布で生き埋めにされたことさえある。
「なぜだか、体が動かん。……全身の力が抜けたようだ」
「リラックスした、ってことでしょう」
「……そういうものなのか」
 仰向けになったまま、そうつぶやくアンシェル。小ぶりな乳房を愛撫されると、かすかなあえぎ声を上げた。
「あ……」
 左右の手のひらで、触れるか触れないかというやわらかい力で円を描くように愛撫する。
愛撫しながら、時折指先で乳首に触れる。妹と同じ、きれいな桃色の乳首は、触れられるたびに少しづつ堅くなり、そしてそれに合わせて、アンシェルの体がかすかに身悶える。
「ん……」
 必死に、声をこらえている。が、愛撫するたびに肌が紅潮し、火照ってきているのがわかる。
 乳首が固くなったのを十分確認すると、手のひらでの愛撫をやめ、両手を背中に回して、少しだけ体を浮かせて右の乳首をかるく吸った。
「んあっ!」
 たまらず、声を上げるアンシェル。が、また頑なに口を閉じて声が漏れるのをこらえようとする。
「んんっ……ん……」
 閉じられた口から、それでもこらえきれないように時折漏れる甘い声。強く閉じられた目には、涙がかすかに浮かんでいる。
 舌で、乳首を転がす。固くなった乳首を舌が責めるたびに、唇から甘美な喘ぎが否応なく漏れる。
「んっ……んくっ……く……」
 快感に必死に耐え、それでも耐え切れなくなって漏れる声。それは、なんともいえない色気を帯びている。
119名無しさん@ピンキーsage05/03/03 23:19:28 ID:i3+RH/Rk
 突然、レーマは舌を離した。そして、耳元に口を近づけて、言った。
「無理しなくてもいいんですよ」
「……」
 頑なに口を閉ざすアンシェル。レーマは少しだけ笑うと、下腹部へと指を伸ばした。
乱暴な陵辱しか記憶にない秘部に指を這わせると、アンシェルの体が固く緊張するのがわかった。
できるだけやわらかく、やさしくと言い聞かせながら愛撫する。仰向けになり、その上にアンシェルを乗せるように抱く。そして左手で秘部を、右手で乳房を愛撫する。
「あっ……」
 たまらず、声が漏れた。耳元で、さらにレーマがささやく。
「やさしく、してあげますよ。ひどい目にあったことなんて、忘れるくらい」
 その言葉に偽りはなかった。できるだけ優しく、肌に触れるか触れないかというくらいの力で愛撫する。
 急ごうとはしなかった。時間をかけて、ゆっくりと体に刻み込まれた恐怖と苦痛を癒していくのが最善だと思っていた。

 どれほどの時間が立っただろう。
 アンシェルの肌はすっかり紅潮し、秘部も濡れていた。口からは、荒い息とあえぎ声が絶えず漏れている。
 それでも、レーマは愛撫を続けていた。
 やがて、アンシェルが荒い息の中で言った。
「……れーま……」
「なんですか?」
「そろそろ……いいだろう?」
「いいだろう、って?」
「……わたしに、言わせるな。いいだろうといえば、いいだろうということだ」
「……はいはい」
「はいは一回」
「はい」
 くすりと笑って、アンシェルを下ろす。改めて正面から見ると、アンシェルは全身に汗をかき、顔は恍惚の色を浮かべていた。
はじめてみたアンシェルの陶酔の表情は、姉妹だけあってリシェルと似ていた。
120名無しさん@ピンキーsage05/03/03 23:20:48 ID:i3+RH/Rk
「いいんですか?」
挿入の前に、一応は聞く。
「……ああ」
「じゃあ、痛かったら言ってくださいね」
 そう言って、ゆっくりと挿入する。
「ん……」
 喘ぎが漏れる。声に苦痛がないのを確認しながら、ゆっくりと挿入する。
 アンシェルのそれは、少しリシェルよりは窮屈だった。その分だけ、アンシェルの方が敏感だった。
  最初のうちこそ耐えていたが、レーマがゆっくりとピストン運動を始めると、たちまち耐え切れずなくなり、襲い来る快楽に我を忘れて大声を上げて身悶えた。
「ああっ! あんっ、やっ、ひああぁんっ、ああっ!」
 屋敷でなくてよかったと思わせるほどだった。これが屋敷の中だったら、周囲の人は寝れたものではないだろうと思った。
 が、レーマのほうも大変なのは大変だった。
 アンシェルのそこが窮屈な上、我を忘れて身悶え、暴れる分、レーマの肉棒に加わる刺激も相当なものだったのだ。
 リードしているつもりのレーマだったが、果てるのはアンシェルとほぼ同時だった。

「……」
 荒い息を吐くアンシェル。その横で、少々無理をしながらも立ち、服を着るレーマ。一応、意地だった。
 いくらなんでも、ほとんど性体験のないアンシェル相手に腰が抜けて立てないのでは男として格好にならない。
 何とか服を着ると、その場にどっと座り込んだ。
「……優しいな」
 全裸のアンシェルが、レーマを潤んだ瞳で見つめながら言った。
「……男に抱かれるとは、こういうものなのだな。いや……」
 すこし、目をそらしてつぶやくように言う。
「好きな男に抱かれるとは、こういうことだといった方がいいか」
「好き……なんですか?」
 思わず、そう口にしてしまう。言った後で、しまったと思ったが遅い。
「こ、言葉の綾だ!」
 大声で、怒鳴るようにそう言うアンシェル。そしてやにわに立ち上がり、服を着ようとした。
121名無しさん@ピンキーsage05/03/03 23:22:43 ID:i3+RH/Rk
 が、腰から崩れるようにその場に座り込む。
「……無理しなくていいですよ」
 そう言って、優しい笑顔を見せる。
「……む、無理など……」
 していない、という言葉が続かない。
「まだ日は高いんですし、ゆっくりしていきましょう。お弁当だってあるんだし」
「……それも……そうだな」
「なんでしたら、今からもう一回くらい」
「……お前は、いつからそんなに意地が悪くなった」
「冗談ですよ」
「……たちの悪い冗談だ」
 そう言って、困ったように笑うアンシェルの目は、やっと昔のような、吹っ切れたような目をしていた。

一時間後。
 二人は、ようやくグランダウスに戻ってきた。
「いいか、ひとつだけ言っておくことがある」
「何ですか?」
「世間体というものがある。さっきのことは忘れろ。私たちはなにもなかった。これまでと、同じように暮らす。わかったな」
「はい」
「……だが、あの場所はよい。時折は、行くことにしよう」
 いろんな意味で同感だった。
 どう考えても、屋敷内でアンシェルと体を重ねるのは周囲に迷惑をかける上に、何より恥ずかしい。
 しかし、時折はリハビリをしないと、アンシェルの心の傷はいえない。その双方を解決するには、あの洞窟はまさに適切な場所だと思った。
 が……
(元気になったらなったで、また尻にしかれるのかなあ……)
 少しだけ、レーマには不安も残っていた。
(Fin)
122名無しさん@ピンキーsage05/03/03 23:27:31 ID:i3+RH/Rk
・・・ツンデレって、こうも難しいものだったとは…orz
読み返したら「なんだこれは」の連発……SS暦浅いけど、送信してから凹んだのは結構久々のような。
ある意味、かなりお約束全開なツンデレをめざしたつもりだったんですが……いや、言い訳はしません。ごめんなさい。

・・・て、いうか・・・

カモシカの角はいったいいつになったらエロに役立てられるんだ俺?
123名無しさん@ピンキーsage05/03/03 23:58:16 ID:i3+RH/Rk
>>122
・・・いや、ちょっとまて・・・ツンデレじゃねえぞこれ。

ど う 見 て も ま だ デ レ に な っ て ね え orz
124名無しさん@ピンキーsage05/03/04 02:51:40 ID:XVfRYFVD
ご馳走様でした。

なんか悩んでるみたいですけど、
「ツンデレ」ってことを必要以上に意識しすぎる事はしなくていいんじゃないでしょうか。
125scorpionfishsage05/03/04 03:14:06 ID:MKtx7q79
 暗い、底。
 白い砂地に、淡く落ちる泡の影。
 薄墨色の周囲に中央はレンズのように白く輝き。
 青い世界に微かな揺らぎを与える。
 溺れゆく泡。
 墜ちる影に、ゆらりと優雅な長いヒレを持った魚影が近づく。
 次の瞬間、砂地に沈むはずだった影は海流に余波を残して消えていた。

 幾重にも歪む遥か彼方の水面。踊る白い光。
 だが、それもここまでは届かない。
 目を覚まして、白い腕を伸ばすと、視界の片隅でさざめくように朱の長いヒレが揺れた。
「誰?」
 そう発して呼吸が出来ているのに気付く。
 泡は口から吐き出される事なく、髪もふわふわと浮いていなかった。
「落ちもののくせに元気だねえ」
 くすくすと低い艶っぽい声が嗤う。
 動かない体で首だけを向けると、鮮やかな赤黄色の肢体が目に入った。
 背の高い人だった。
 肌は白く、目は蒼い。唇はつややかで、やや口は大きめだった。
 深紅の髪は固めてあるらしくつんつんに立っていて、それが背中まで続いていた。手
 首の辺りには同じような色合いのヒレのような飾りをつけていて、身に纏った赤黄色のマーメイドラインドレスを引き立てていた。
 ホルターネックの胸元は豊かに膨らんでいる割には、下半身がややスリムな気がしたけど。
 きれいな、人だった。
 足はドレスに隠れて見えない。
126scorpionfishsage05/03/04 03:14:54 ID:MKtx7q79
 何故だか体がしびれていて、動かすのがつらかった。
 唇を舐めて、だらしなくその人を見つめていると、また、その人が笑った。
「拾う時に少々トゲがかすめてしまったようだねえ……」
 ここは、どこだろう。
 あたしは、なんでこんなところにいるんだろう。
 上に見えるのは底が透明な水槽だろうか。
 それにしては、どこにも照り返しがない。
 ああ、そういえば、床が白っぽい淡緑色に光っている。
 何の光だろ。
「ここに来たらもう帰れないんだよ。わかっているのかい?落ちものっ娘」
 落ちもの……?
 体の感覚がようやく戻ってくる。
 服が張り付いて冷たい。
 ローファーを履いてたはずなのに感覚がない。
 ハイソックスもほぼ脱げかかかっている。
 な…んで?
 なんで、あたし、濡れてるの?
 ここは、どこ?
「こんな妙な海藻を足に巻き付けて。ひれにひっかかるじゃないかね」
 濡れたハイソックスが、ひっぱられて脱がされる。
 何、で?
 この人、傍に立ってるだけなのに。
 立って…。
 立って?
 う、浮いてる?
 違う、浮いてるんじゃない。スカートのひらひらした裾に見えたのは、あでやかなヒレだった。
 足であるはずのそこは、優雅に揺れるヒレに囲まれて見えないだけ。
 するどいトゲが、ヒレから伸びていた。
 それがあたしの靴下を脱がした。
 それを理解して、もう一度視線を戻して、見上げてみる。
 やはり水底に沈んでいるような光のゆらめきを放つ天蓋だった。
127scorpionfishsage05/03/04 03:15:55 ID:MKtx7q79
 ……天蓋じゃない。
 数メートル上はほんとに、水なのだ。
 あたしは、料理を運んでくる銀の盆にかぶさってる蓋のような僅かな空間に、そこだけ空気がある空間に、閉じこめられているのだった。
「落ちものって意味、ようやく理解した?」
 顔を覗き込まれ、視界のほとんどを赤黄色のヒレが埋める。
 整った顔立ちに浮かぶ感情は、意地悪な好奇心。
 あたしの上に寝そべるように空中に浮かぶその人は、優雅で、残酷に微笑んだ。
 
 その空間のどこかで、こぽこぽという音がしていた。
 それ以外はまったくの静寂。衣擦れの音さえしない。それもそのはず、相手はほとんど衣装を身に纏っていない。
 髪に見えた部分はほとんどヒレで、つんつんして見えたのはトゲだった。手首の飾りもヒレ。
 ホルターネックのドレスも、よくみると膝下で足ヒレに覆いかぶさるように終わっていた。
「落ちものは拾い主のもの。つまり落ちものっ娘は、このファルムのもの。妙な海藻っきれもね」
 ファルムと名乗ったその人がつまみあげていたのは、あたしの紺のハイソックス。
「…靴下」
 あたしは抗議を込めて、かすれた声で呟いた。
「……なんだい?いきなり口をきいたと思ったら。醜く乾いた唇を永遠に塞いでやろうか?」
 確かに喉は渇いていた。
 なんだか口の中がしょっぱい。
128scorpionfishsage05/03/04 03:17:22 ID:MKtx7q79
 それでも相手を睨んだあたしの態度に、美しい赤黄色のヒレとトゲを身に纏うその人は、大仰に顔をしかめて見せた。
「……いやだねえ。この肢体に巻き付いた他の海藻も剥いでしまおうか?」
「やっ」
 思わず身を縮めて丸くなる。ファルムが指差していたのは、あたしの制服だった。
 横向きにはなれたが、未だ体は微かにしびれていた。それになんだか体が重い。起き上がるまでには至らない。
「落ちものは、纏う色彩が少ないから、陸の奴等のように服に凝るというけどねえ」
 爪のように指の上に手首のヒレから持ってこられた赤いトゲが、あたしのヘソ辺りに伸びて、セーラー服の裾をめくる。
 キャミソールも一緒に引き上げられてすっかり冷えた青白い肌があらわになる。
 不思議とその方が肌が温かく感じられた。
 そういえば、くしゃみも何もしていない。
 けっこう、ここはあったかいらしい。
「この下の腰ヒレに見えるものは……どれ、ああ、ここでひっかけてあるのだねえ」
「ちょっ、やめ」
 手で押さえようとしたが遅かった。ファスナーの方が上になっていたため、容赦なく紺プリーツスカートのファスナーが降ろされ、ショーツが見えた。うう。今日は白だ。絶対透けてるう。
 だんだん体の自由は利くようになったのに、体が持ち上がらない。
 ここは…。
 もしかして、水圧?
 瞬きして辺りをきょろきょろと見回すあたしに、頭上から声がかかる。
「この腰ヒレもとりはずしできるのかい。ふふ……落ちものは面白いねえ」
 その声と同時に腰の下に何かが潜り込んだ。
129scorpionfishsage05/03/04 03:19:01 ID:MKtx7q79
 足?
 ちがう、ヒレ…ひゃっ!
 体が突然持ち上げられたように空に浮く。
 ふわふわとプリーツスカートが水に舞って、そのまま容赦なく相手のトゲによって脱がされた。胸を腕を交差させて押さえる。ちょうど水中に立っているようにあたしは浮かび上がっていた。
 相手と視線が合う。
「なんだか……ヒレもないつるつるの脚っていうのも、そそるねえ……」
 目つきが、さっきまでのいたぶりや好奇心とは違っていた。
 そう、例えるなら欲情。
 欲情?
「その白い布っキレの下に透けてるのはなんだい?髪と同じ色だねえ……」
 いたずらをしかけるようにトゲではない指が、あたしの股間に触れた。
「え?あっ」
 あたしは慣れない感覚に戸惑いながらも泳いで逃れようとするが、すでに腰に手を回され、ファルムは背後にまわっていた。
 透けてる、あそこって……その、下の毛のことだよね?
「んっ」
 なんだかぬるぬるしてるものを塗り付けられているような感じ。
 そして、体の力が別の意味で抜ける。
 こすりつけ、すりあげ、かすめるように優しく股間を撫で、いじくる指の動きに、だんだん相手に身を任せるように寄りかかってしまう。
「……いいこだね。そのままいいこでいればトゲもささるまいさ」
 腰に回っていた腕がそのまま腹をはい上がり、セーラー服をめくりあげる。キャミも一緒に巻き上げられて、お気に入りの白いブラがあらわになる。
「ヒトの胸飾りはおもしろいねえ」
 愉しそうな声とともにぶらがそのまま上にずらされ、胸があらわになった。
 あたしは恥ずかしくて目を閉じる。
 いつのまにか股間の指の他に、お尻の方にも圧迫感を感じるようになっていた。なんだか、硬くて熱っぽい。こんなヒレ、あったかな……。どうでもいいやあ……。なんか気持ちいいんだもん。
130scorpionfishsage05/03/04 03:19:51 ID:MKtx7q79
 と、その時、股間の指がショーツの下に潜り込んで直接皮膚に触れた。同時に耳にねっとりとした感触。
 あたしは後ろから抱きしめられ、ファルムの腕の中で股間をいじられ、胸の先を指で転がされ、耳をしゃぶられ、ぴくぴくと水揚げされた魚の様に跳ねていた。
 あたしの中から滲み出てくるさらさらとした水をすくい上げ、周りに塗り付けるようにファルムの指が動く。先程まで背中に感じていた豊かな胸の圧迫が少し減り、そのかわりにお尻の割れ目に棒のようなものが押し付けられ徐々に、こすりつけるように出し入れされた。
「あっ、あ………やっ、なんかあたるう」
 そういいながらもあたしは脚を閉じ、股間に▽の隙間があくだけになる。そこを気持ちイイものがこすりあう。
「そうかい?」
 指がするりとショーツから抜け、ショーツの上からクリをいじりはじめる。それと同時に熱くて硬いものが股間にしきりとこすりつけられ、行き来した。
 あたしは自分で指を噛み、こらえていたが、自然と声が漏れる。
「はあっ、……なんか、きもちいよお……」
 ファルムの全身がぞくっと震えた。
 ショーツの股間に当たる部分をいきなりずらし、あっついものが、あそこの入り口に触れた。
 押し込むように入ってきて、あたしは、痛みに大きく体を反り返らせた。
「やっ、いたっ、いたいっ、やめてよおっ」
 両腕はいつの間にかファルムにしっかりと握られ逃げられない。
 あたしは前のめりに崩れ落ちて、ファルムの加重とともに、膝が砂にのめりこんだ。
 焼けつくような痛みがお腹の入り口に拡がる。
 苦しんで悶えるあたしに、ファルムが他のとは違う色のトゲを刺した。
「……これで、すこしは苦しくなくなるよ」
 ちくっとしたのもつかのま、なんだかほんのり体が熱くなった。
131scorpionfishsage05/03/04 03:20:52 ID:MKtx7q79
 焼けつく痛みが、少し、退いて。
 あたしは吐息をついた。
 体の力が、緩む。
 そこを、一気に貫かれた。
 脳天にかちっとフラッシュがほとばしる。
「あっ、あぁ……はあっ………」
 熱い塊がお腹の中をかき混ぜるように押し入ってくる。
 両腕を後ろから掴まれ、腰は深々と相手の太股の上に密着している。
「……おや、最初から全部飲み込むとは、貪欲な落ちものだねえ」
 妙に冷静な艶やかな声が、耳元で囁かれた。
 あたしは自分の痴態に、かあっと頬を赤くする。
「けれども、この感触……イソギンチャクよりねっとりと締め付ける。なかなかの掘り出し物だね」
 ぐちゅぐちゅと腰から音が漏れる。
 ファルムが動く度にあたしの喉から、信じられないような甘い嬌声が上がる。
 太股を粘液が伝っていく。
 もう、ファルムもあたしもぐちょぐちょで腰が繋がってしまったように溶けている。
 きもち、いい……、きもちいいよお…。
「どうだい?落ちものもイイものだろう?」
「はあっ、なんか、きもちいいのお……もっとしてえ」
「ほんとに貪欲な小娘だね」
 舌なめずりが聞こえる。
 そして再度耳をねぶられた瞬間、あたしは身を反り返らせてイってしまった。
 軽い脱力感の後に、ぱんぱんとお尻に打ち付けるファルムの腰の音を聞いてしまう。
 それを自覚するとまた感覚が蘇ってきた。
「ふぁっ、もぉ、もぉ、らめっ、らめらよお……」
132scorpionfishsage05/03/04 03:22:05 ID:MKtx7q79
 懇願すると、少し湿り気を帯びた声が返ってきた。
「じゃあ、出してくださいってお願いするんだよ?」
「んっ、ふぁ、らぁしてぇ、くらひゃい……」
 我慢できなくて、おねだりの言葉がろれつの回らない唇からついて出る。
「よくできました…っ」
 深くえぐりこむようにさし貫いた熱い塊が、びくっ、と震え、どくどくと震えながらゆっくりと引き抜かれた。
 あたしはその感覚にも再度いってしまい、戒めを解かれた両腕とともに砂の上に倒れ込む。
 ショーツはどろどろのぐしょぐしょで、中からあふれ出るものでおもらししてるように熱かった。

 中、出し、されちゃった………。

 それが、あたしの反転する前の最後の意識だった。


133scorpionfishsage05/03/04 03:23:10 ID:MKtx7q79
「おや……起きたかい」
 目が覚めたのは、珊瑚に囲まれた豪華な天蓋つきの寝台の上だった。
 あたしは気怠い体をシーツに放り出したまま、薄目を開けて自分の髪を撫でる相手を見た。
 上半身裸で、下半身はあたしにもかかっているシーツの下に消えている。トゲは見当たらず、あたしに触れる面はヒトと同じような白い肌とやわらかく漂う赤黄色のヒレだけだ。
 さっきのファルムによく似ていたけど、全く胸が無かった。
 兄妹かなんかかな……。
 う………あたしのえちいとこ、見てたのかなあ…。
 ほんのり頬が染まったのか、その人は機嫌よさそうに笑った。
「おや、……精を交わしたのを思いだしたのかい?」
 つるりと何も身に付けてない尻をなでられ、あたしはびくっと海老ぞりになった。
 え?ショーツは?
「あれは洗濯に回したよ。……あんな匂いの染みついたものをいつまでも履かせておくわけにもいかないからね」
 ……あの。あなたは……?
「まだわからないって顔しているね。じゃあこれじゃどうだい?」
 その人が指を鳴らす。
 その途端、その人の胸が思いっきり膨らんだ。
 その姿……っ!
 たわわな爆乳を妖艶に押さえながら、ファルムが嗤った。
「浮き袋の擬態程度で驚くとは、落ちものの小娘には知恵がないねえ……」
 そりゃ驚くって。
 尻をなでられる度に先程の余韻に身をよじるあたしを眺めながら、ファルムは呟いた。
「このファルムの精をたっぷりやったんだ。名はシロにしようかね」
 え、そんなあたしにはちゃんとした……ちゃんと、し、た?
 固まったあたしを見て、ファルムが溜め息をつく。
「……この海の底に来る前にかなりの距離を空中から落下したようだからね。記憶が飛んでもしかたないねぇ」
 枕元のサイドボードに用意してあった飲み物を与えられ、喉の渇きをいやす。
 その間も落ち着かせるように再度頭を撫でられ、あたしは、なんだか涙腺が熱くなるのを感じた。
 あたし、落ちもの……なんだ……。
134scorpionfishsage05/03/04 03:23:58 ID:MKtx7q79
「……困ったね。ヒトはなんで涙ってやつが出るのかね。そんなに泣くと、もう一度鳴かせるよ?」
 あたしは飲み終わると器を返して、寝台に倒れ込んだ。
 頬を何かが伝った。
「泣いてっ、泣いてないもん……」
 ファルムは拭いはしなかった。
 その代わり、低く脅しめいたからかいの口調で告げた。
「…そんなに鳴かせて欲しいかい?」
「…もう腰がたたないもん」
 あたしは呟くとシーツにくるまって丸まる。
「やわな小娘だね」
「しらない」
 相手の胸に頭を押し付けて、あたしは再度呟いた。
「知らないもん……」
 ファルムはそれ以上何も言わず、あたしはまた眠りについた。
135scorpionfishsage05/03/04 03:24:57 ID:MKtx7q79
以上。
136名無しさん@ピンキーsage05/03/04 12:12:52 ID:XGn6TEfM
>>123
確かにツンデレじゃない……。けど (・∀・)イイネ!!
時よりかよわさを見せるアンシェル様にもえもえです〜

>>135
scorpionfish …… フサカサゴか〜
…… カサゴ + トゲ = ってことは毒!?
にげてシロ!! シロにげて〜!!


御二方とも大いに GJ !!
137名無しさん@ピンキーsage05/03/04 12:33:25 ID:gxw57/ae
新作ラッシュキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

>>109
アンシェルたんハァハァ やっぱり強気っ子や良し。

>>135
オニカサゴとはまた通なw でもあれの棘に刺されると確かに痺れるんだよね、毒で
でもビリビリ半分麻痺しながら行為に挑むというのもそれはそれでデカダンか
138名無しさん@ピンキーsage05/03/04 13:12:05 ID:z1xV93WJ
何だかんだ言ってカサゴになついてるシロたん萌えー(*´Д`)
むしろ漏れが飼いた(ry
139名無しさん@ピンキーsage05/03/04 14:43:21 ID:VwA7lbHr
カモシカは毎年角が生え変わる。

男女共に生えたばかりの角が性感帯だというのはどうだ!?(どうしろと)
140名無しさん@ピンキーsage05/03/04 16:59:00 ID:kUizm1bN
鹿は角が生え変わるけれど、
カモシカは角は生え変わらなかったはず。
「シカ」とつくけれど鹿よりも牛とかヤギとかに近い動物だから。
141兎の人sage05/03/04 18:52:38 ID:XGn6TEfM
避難所のほうに書き込めないのでこっちにゴメンナサイ m(_ _)m

>狼を書く者 (J1TyunpQ) 様

狼の国は幾つかの部族に分かれているとのことでしたので、
その中の1つと兎の国の仲が悪いということにしました

悪くなった原因はそちらに任せますが、大体 10 年 〜 20 年周期でドンパチやってます
そろそろなんか動き出しそうです

避難所 145, 152, 164-168 あたりも参考によろしくお願いいたします
ちなみに、兎の国は狼の国の北上にあわせて北に追いやられた、という設定もあったり
142139sage05/03/04 21:00:56 ID:wdvjP/d5
>>140
そーなのか、知らなかった。

>>109
アンシェル様かわいいよ
かわいいよアンシェル様

>>125
ビジュアル系バンドのヴォーカルなイメージですな。耽美耽美。>ファルム氏

ところで、記憶がないのに「落ち物」ってすぐ理解できるのか?
・・・・・・はっ!これが次回への伏線になっているんですねっ!!
143草原の潮風-第2話sage05/03/04 23:44:13 ID:ZuSfoUY4
「ミーンミーンミーン  ジージージー」
蝉の泣き声と共に、木々の青い匂いが鼻を刺激する。

「見て、お姉ちゃん、おっきい機械」
「わー・・・なんだろこれ、兵隊さんが着てる服と同じマークついてる」

近くの子供達だろうか、棚田の縁からこっちを見ているらしい。

ザザアー ザザアー

木々が、風に揺れて、また清清しい香りを運んでくる。

「博士、暑くないですか?」
操縦席から身を乗り出し、機体の腕にちょこんと乗っている女性に声をかける。

「ううん、風が気持ち良い・・・・すごく、すごーく涼しいよ」
俺が博士と慕うその女性。そして俺は彼女の忠実な助手だ。

「でも、どうせなら・・・・・・飛びたかったなぁ・・・」
「無茶言わないで下さい、こんな重い機体を長時間飛ばすなんて・・・いくら俺の世界でも無理」
「えーだって、マソウキシンっていう落ち物の漫画では、こういうロボットの一部は空飛んでたよ?」
「漫画は漫画、現実は現実・・・こいつだって、初期の鋼鉄装甲のに比べれば随分軽いんですよ」
初期の人型戦車はほとんど鋼鉄製で非常重く、沼地や砂地などはとても歩けなかった。
それが、十年そこそこの製鉄技術の向上で製造できるようになった、軽量・高硬度のハイテン鋼のおかげで、重量は半分近くまで落ちた。

「ふーん、これでも軽い方なんだ。・・・いつかは・・・いつかは私の研究成果で飛ばしてみたいな」
向こうの世界では、後数十年は掛かると言われていた事だが、
博士の才能とこっちの世界の技術なら本当に、たかだか数年で出来てしまいそうな気がしてくる。
それほどまでに、彼女の研究者としての技術や勘は高かったし、こっちの技術は不思議なものだった。
144草原の潮風-第2話sage05/03/04 23:46:25 ID:ZuSfoUY4

3日前に、やっと士官学校での短期講習が終わった。
多分、あの2週間は一生俺の記憶の中で尾を引くだろう・・・そう思うぐらい、過酷な講習だった。
最も普通の士官候補生が1年かけてやる内容を、たった2週間で身に付けろというのだから、仕方ないといえばそれまでである。

そして、俺と博士は荷物をまとめて、一通り研究が済んだ俺の人型戦車に乗って王都を出発した。
最初は道も石畳で舗装されていたし、順調だと思っていた。

そう、最初だけは――――簡単に説明すると、二人とも見たことがない新任地へのナビゲートを博士に任せたのが間違いだった。

もう迷子になって3日目で、猶予は後2日半。
ようやく俺が割り出せた現在地は・・・いや、これ以上は言うまい。
とにかくこの速度を維持できて、後は俺が地図を見ていれば2日後には目的地の計算だ。

「ぐうううう〜」
麦藁帽子にワンピース姿の博士のお腹がかわいらしく鳴る。

「はう・・・お腹すいたなぁ・・・助手くん、休憩場所まだなの?」
「そうですねぇ・・・・・・もうちょっとで旅人の休憩地点になってる泉が見えるはずなので、
 そこでお昼ご飯にしましょうか」
そういって、アクセルを目いっぱい踏み込み、のぼりかけの丘の頂上を越え、反対側にある泉を目指す。

今日は、宿屋を出るときにサンドイッチを作って、魔法瓶にアイスティーを入れておいた。
なので昼食の準備といっても、ビニールシートを地面に広げて、その上にそれらが入ったバスケットを置くだけだ。
145草原の潮風-第2話sage05/03/04 23:47:12 ID:ZuSfoUY4
「はい、博士の分」
そういって、サンドイッチを取り出し博士に渡して、俺も自分の分を頬張る。
「むぐむぐ・・・相変わらず、私と違って料理上手だね」
博士の誉め言葉を聞きながら、
ゆで卵とハムの味、そして時々口の中に広がるパセリの清清しい香りを堪能する。

思えば、小さい頃はこのパセリの苦味が苦手だったものだ。
それが5、6年ぐらいの間にこうも感じ方が変わるのだから、人間の味覚とは不思議なものである。
そういえば、その頃は、玉子サンドに入ったパセリを全部取り除こうと躍起になった俺を、
誰かが叱ってくれた記憶があるが、落下の後遺症なのかどうにもだったか思い出せない、多分母か姉だろう。

そして俺は、アイスティーに果物ナイフで切ったレモンを絞って、一気に飲み干す。
博士は、隣で珈琲用のミルクを入れてミルクティーを楽しんでいる。

健全で幸せな一時。夜の刺激的で背徳的な幸せも嫌いじゃないが、これもこれで好きだ。

「さてと・・・助手くん、荷物と戦車見ててね」
「ん?博士は・・・どこか行くんですか?」
「水が恋しくてさ・・・ちょっと、浅いところで水遊びしてくるね」
「ふわぁーい」
そういえば、博士はタコ族のはずだ。
・・・今思えば、何故わざわざ陸上のねこ族の国で働いていたのだろうか。
世界にある国々の話は、士官学校での講習で一通り習ったので、魚の国があるのを俺は覚えていた。

「キャハハハ・・・やっぱり水は冷たくて良いなあ〜」
博士、楽しそう・・・あ・・・一瞬たくし上げたスカートの間から下着が。
いかんいかん、鼻血でも出して貧血なったら、博士は誰が守るんだ・・・・・・落ち着け、落ち着け。
まあ・・・・・・戻ってきたら、ネコの国にいる理由を聞くだけ聞いてみるか。

そう心に決め、俺は博士が座っていた、ちょうど木陰になる場所で、木に持たれ掛かって昼寝を始めた。
座って寝ていれば眠りが浅いので、何かあってもすぐに目が覚める―――これは、向こうの世界で覚えた知識だ。
146草原の潮風-第2話sage05/03/04 23:49:58 ID:ZuSfoUY4
木々がざわめいて、噴水の飛沫が涼しげであるのが見える。
公園のベンチだと俺の意識は言っていた。どこの公園?などという疑問は微塵も沸かない。
不意に、隣の恐らく年上であろう、女性に話し掛けられる。
「ねえ・・・ねえったら。明日も来てくれるよね」
誰かは分からない、が博士と似たような空気を纏っている人だというのはわかる。
そしてこの糞暑い時に長袖の服を着て、さらにカーディガンを羽織っていて、
壊れてしまいそうなぐらいほっそりして病的なぐらい透き通るような白い肌。

明らかに、夢の中で俺に話し掛けているその娘は普通じゃない。
!?――――夢!?


「・・・くん、助手くん、おきて、起きてったら」
「・・・・・・・・・」
博士の声?・・・・・・反応したいが、目の焦点が中々合わない。
「起きないと・・・・・・こうだぞっ」
チュッ
「・・・・・・は・・・博士ぇ」
「まったく、もうお日様傾いちゃったよ・・・泣いてるの助手くんってば」
「・・・え?泣いて・・・・・・あ、本当だ、涙が・・・」
「怖い夢でもみたの?」
背筋に冷たいものが走る―――漠然と残る、見ていた夢の恐怖。
「・・・・・・夢ぐらいで、泣くはずが・・・」
「声・・・震えてるよ?」

「おかしい・・・感情がうまくコントロールできない・・・・・・」
意識を集中することで、強引に声の震えを止めるが・・・博士の顔が蒼白になっているのに気がつく。
「博士も、顔真っ青ですよ」
「そ、それはキミが魘されてるから・・・でも、もう魘されてないから、私も大丈夫」
段々、博士の顔に赤味が戻っていくのがわかる。
余程心配されていたのか、それとも別の何かがあるのか。
147草原の潮風-第2話sage05/03/04 23:52:36 ID:ZuSfoUY4
とりあえず、時刻はもう5時近かった。
これ以上のんびりしていると、夜間も休まずに移動したり昼食の休憩を削ることになるので、とにかく先を急ぐ。

「さ、乗ってください」
「うん・・・・・・けど、今度は助手くんの上が良いな・・・」
「??・・・・・・え?」
「だからね・・・寝るときみたいに、こうやって・・・」
博士は俺の膝の間に座って、ハッチを閉じる。
元々一人乗りしか想定していない操縦席はかなり窮屈なのだが、
お互いの身の安全のため、寝るときはこんな格好で毛布を被って寝ていた。
勿論、道に迷っているここニ、三日の間だけであるが。

「やっぱり、操縦の邪魔かな?」
「そ、そんなことない・・・です」
「この座り方ね・・・・・・助手くんの温かみが伝わってきて・・・好きなんだ」
俺も、この座り方でいる方が安心できた。
さっき感じた嫌な悪寒が、博士の臭いの中にいるうちに、段々と消えていく。

「それにさ・・・クシュ・・・水遊びで、随分手足冷えちゃったし」
「そういえば、博士の故郷って魚の国ですよね?」
博士の手を、自分の手で握って温めながら、問いかけてみる。
148草原の潮風-第2話sage05/03/04 23:53:54 ID:ZuSfoUY4
「・・・・・・・・・・・・うーん、ちょっと違う。」
意外な返事だった。
「生まれたのは魚の国だけど、ネコの国育ちなんだよ。両親がネコの国の大学で先生してたから」
「それで博士もずっとネコの国に?」
「うん、なんかね・・・魚の国に行ってもね、
タコ族って多いわけじゃないから、どうしても故郷って感じがしないんだ」
なるほどどうやら、彼女の両親も彼女のように才能に恵まれていたらしい。
そして博士は話し続ける。

「周りがみんな、自分とは違うのがちょっと気になってたけど・・・
段々一人でいるのにも慣れたし、キミみたいに私を毛嫌いしない友達も少しだけどいたし」
「博士・・・孤独だったんですねぇ」

「ポツ・・・・・・ポツッ・・・・・・ザアァァァァ・・・ザザザー」

「あ、雨だ」
「遠くで・・・雷も鳴ってる。木陰で止めて、そこで夜を明かしましょうか」
「時間・・・大丈夫なの?」
「ずっと緩い下りだったから、随分距離稼げてる。ちょっと早く寝るぐらい全然大丈夫ですよ」

本当は、ここで休めば時間的にはギリギリなのだが・・・
博士は寝ていても俺が起きていれば、早く出発することもできる。
149草原の潮風-第2話sage05/03/04 23:55:05 ID:ZuSfoUY4
「じゃ、しよっか・・・・・・今日も私が上で良いよね?」
「こ、ここでやるんですか・・・」
そういって、博士は体の向きを180度変えて、俺と向かい合う位置関係になる。

「だって〜、三日もしてないんだよ?あれだけいっつもしてたのに・・・」
触手を伸ばして、俺のズボンのチャックを下げる。
「あ、ちょ、ちょっと・・・いきなり・・・う・・・」
博士の触手が俺のものを掴んで、撫でまわしている
「暴れると、シート汚れちゃうよ?」
「・・・う゛・・・」
どうやら、俺は博士に従うしかなさそうだ。
「・・・・・・ひもひいい?(気持ちいい?)」
「うん・・・・・・」
博士の触手が全体を撫で、舌が先のほうを刺激して・・・すぐに起ってしまう。

「・・・・・もう良いよね・・・んしょ」
そういって、博士は下着を脱いで何時ものように俺に乗っかって来て・・・あれ・・・?


「・・・れ・・・・・・博士?」
「・・・・・・さないから、どっかにフラフラ行っちゃったら、許さないから」
博士は、腕を俺の背中に回して必死に抱きしめてくれている。
「・・・・・・?」
「昼寝してたときの助手くん、どっかに行っちゃいそうだった・・・」
「あ、あれか・・・」
昼間の夢を思い出す、今思い出しても少々怖い夢だ。
結局あれは俺の過去なのか、ただの夢なのか・・・それすらもはっきりしない。

「うん・・・・・・絶対、絶対一緒だからね。助手くんは私のもの・・・」
「うーん・・・・・・」
「ダメだよ、ダメだよ、ずっと私の側にいて」
150草原の潮風-第2話sage05/03/04 23:56:09 ID:ZuSfoUY4

少しの間、雨の音だけが空間を支配し・・・返事をする代わりに、涙目の博士を強く抱き返した。
「・・・・・・やっぱり助手くんは私の助手くんだね」
「そんなに焦らなくても、俺はいなくなったりしませんよ」
博士の耳元で囁き、耳を軽く甘噛みする。
「だって・・・だってだってだってだって・・・あん、そこは・・・」
「今の俺には、博士しかいませんから・・・」
博士と唇を重ねて・・・舌を入れる
「ん・・・・・・んん・・・・・・ぷはっ・・・・・・じゃ、乗るよ・・・」
「はい・・・博士って、本当に騎乗位とか好きですね」
「・・・恥ずかしいこと言わないでよ・・・助手くんだって好きなくせに・・・」
顔をいつもにも増して真っ赤にして、俺に跨る博士。
「うーん・・・俺は、立ちバックとかも好きですが・・・」
「・・・・・・あ、あれ恥ずかしかったんだからね・・・よりによって、士官学校のトイレでなんて・・・」
「本当にあれは・・・緊張感ありましたね」
「ふああ、ちょっと・・・いきなり動いちゃ・・・あん・・・とにかく、もうあれは・・・やらないよ」

博士の爪が背中に刺さる。
爪だけではない、触手の何本かも折れの背中に痕をつけて――博士の喘ぎ声しか聞こえなくなって・・・。
そのまま、暖かい重みが全て俺に圧し掛かって来て・・・。


気がついたら博士は腕の中で寝息を立てていた。
時計は・・・もう5時だ、そろそろ出発だ。
151草原の潮風-第2話sage05/03/04 23:57:41 ID:ZuSfoUY4
雨は、何時の間にかやんで、雨上がり特有の澄んだ瑞々しい空気があたりを包む。
腕部の対戦車砲の砲身を包んでいる天露が、雫となって水溜まりに波紋を描く。
走りながら、地図を再度確認する・・・・・・太陽の方角も、周りの地形もほぼ地図通り、問題なさそうだ。

走り出して約3時間。
「む〜・・・・・・こころこら〜?」
焦点の定まらない目でこっちを見てボケーっとする博士。
「博士、寝癖凄・・・」
「あ、助手くん・・・・・・おはよ・・・」
「おは・・・むぐ・・・」
おはようのキスのつもりなのか、
そのまま俺の口の中に舌を入れてきて、少し舌を動かすとそのまま目を閉じてしまう。
「・・・・・・博士?」
「・・・すーぴー・・・」
「ちょっと、前見えな・・・    げ、牛の群れぃ!?」

左右の操縦桿を思い切り手前に退いて、戦車特有のバックを用いたブレーキをかける。
機体が前後に揺さぶられ、舗装もされていない土が剥き出しの道を掘ったまま50cm後退した辺りで機体は止まった。

「「ブモモー!?」」

放牧されていたらしい牛たちが一目散に散っていく。
一応、道路を掘った以外は被害はないが・・・・・・農家のおじさん、おばさん方がこっちを不思議そうに見ている。
先を急いだ方が良さそうだ・・・。

「・・・・・・・・・ボケー・・・」
「博士・・・怪我ないですか?」
「・・・・・・おやふみ・・・」
一瞬目を覚ましたかと思うと、博士はまた寝てしまうのだが・・・
152草原の潮風-第2話sage05/03/04 23:59:46 ID:ZuSfoUY4
「ぐ・・・胸が・・・・・・」
座りなおした博士の胸がちょうど俺に当たって、
しかもちょっと計器類を見ようとすると、博士の胸の谷間が見える・・・。
これでは、操縦にまったく集中できない。
木の根やら穴ぼこが多い道だけに、揺れるたびに博士の胸の柔らかい感覚が伝わってくる。

「本当・・・博士は・・・・・・罪な人だ」
時間に遅れるだろうが、博士と一緒なら、まあ遅刻して小言を貰っても良いかと思ってしまう・・・。

そろそろ、今日も暑くなってきたが、昨日よりは随分過ごしやすそうだ。
153草原の潮風-第2話sage05/03/05 00:07:08 ID:xhZeUgw8
世界観・人物追加兼補足
【俺(助手くん)】
落下時の後遺症がまだ残っているらしい。

【博士(ミーナ)】
魚の国出身・猫の国育ちと判明。
助手くんが士官学校で地獄の短期講習中に、士官学校のトイレでしちゃったらしい。

【人型戦車】
戦車らしくエンジンは2基積んでる模様。
腕に大仰な対戦車砲が装備されている。

【夢の中に出てきた女性】
割と、二人にとって重要な人物かもしれない・・・が、今現在はほとんど謎の人物。


【俺の夢に出てきた女性】
不明。
154153sage05/03/05 00:08:54 ID:xhZeUgw8
最後二行、気にしないで下さい。
投稿前の最後の書き直し中に編集ミスりました。
155名無しさん@ピンキーsage05/03/05 00:09:13 ID:hcBTYVW6
終わりかな?では、

リアルタイムキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!


あーホントカアエエなあ(;´Д`)ハァハァ
15663sage05/03/05 00:30:06 ID:xhZeUgw8
平たく言うと、2話というより1.5話です。
2話に入る前ので1話分の容量になってしまいました。

戦車の急停車はこち亀等参照。未舗装の田舎道にはかなり悪そうです。
最終的に人型戦車は、人型戦闘機に昇格できるかは考えてません。
157名無しさん@ピンキーsage05/03/05 01:26:22 ID:Br3w6GEn
今週はまた随分と豊作な……おじさんびっくりしちゃったよ
>タコ
風景描写うまいなー… なんか「ほのぼのエッチ」という単語を思い浮かべてしまった
こういうどっかアフォなご主人様+しっかり召使いの関係はハァハァですよ
>カモシカ
カモシカ意外ナワバリ争すごいのね…。草食で大人しそうなイメージあるだけにビックリ
そしてアンシェル様はいい、アンシェル様はGOOD
>カサゴ
こういうカマっぽいと見せかけて男気のある野朗は好きだなぁ、すごくすごく。
変な意味じゃなく人間的な色気があって。
158名無しさん@ピンキーsage05/03/05 12:50:50 ID:msbzd5EM
>「うーん・・・俺は、立ちバックとかも好きですが・・・」
>「・・・・・・あ、あれ恥ずかしかったんだからね・・・よりによって、士官学校のトイレでなんて・・・」
>「本当にあれは・・・緊張感ありましたね」

ワロモエタ。何をしてる何をしている何をしているw
159名無しさん@ピンキーsage05/03/05 18:00:08 ID:L8CrLcm+
士官学校のトイレでの話が激しく読みてえw
160カモシカ担当sage05/03/05 19:20:36 ID:yHnd9Faf
遅ればせながらGJです。
あ〜、ミーナタン可愛いなぁほんとに。
すごい萌えるけど…なんだか悔しいw
自分もレベル上げて、うちのカモシカ姉妹ももっと萌え度上げたい…がんばるぞ。
161カモシカ担当sage05/03/06 06:40:45 ID:G7GiWGH7
>>157
>カモシカ意外ナワバリ争すごいのね…。草食で大人しそうなイメージあるだけにビックリ

まあ、裏ではレアメタルの採掘権とかをめぐって別の先進種族が糸を引いてたりしてるって事情もあります。
軍事転用すれば強力な力になりそうだけど放射・拡散が激しくて実用化されていない新規エネルギーがあるって設定です。
それを一点に収縮・集中させて実用化できるようにするのに、そのレアメタル…が必要だというわけです。
裏で糸引いてるのがどこの種族にするかは未定ですが…って、たぶん犬か猫になりそうですけど。
で、リュナが昼夜を問わずいろいろと駆け回ってるのは、その辺の事情もあったりして。
断っちゃえばそのまま攻めてこられるかもしんないし、攻めてこられたらとても太刀打ちできないし。
向こうは山岳地帯に兵を送るなんて面倒くさいからカモシカの中だけで勝手に戦ってもらって美味しいところだけもってこうと。
でも、その手の話を持ちかけられて採掘権を渡しただけですんだためしがないのは地球でもどこでも同じなわけで。
カモシカの国が植民地化されたり、山が鉱毒で汚染させられちゃたまったもんじゃない。
欲とか誇りとか、いろんな人のいろんな思惑の中で、リュナは駆けずり回ってるわけです。
……その中で妻帯者なのに平気でキメラっ娘(カモシカ角+猫しっぽ+こうもり羽根)とえちぃなことしてますけど。

まあ、そんな国家の事情に関係してくるのはリュナくらいなもので、メインのレーマ&アンシェル&リシェルの三人はというと・・・
戦火の中でも仲良くらぶらぶ、ときどき喧嘩の日々を送ってますし、SSもそんな話が中心になっていきます。
……そもそも自分、あんまりシリアスな話書けないですしorz
162名無しさん@ピンキーsage05/03/06 13:52:32 ID:EIjSuVNg
>>153
GJ!! きょにう立ちバック(;´Д`)ハァハァ
163名無しさん@ピンキーsage05/03/06 23:26:40 ID:tzoJCfTW
>>162
だがそこで俺はあえて冒頭のにゃんこの子供達に萌えたと語ろう。
にゃんこ萌え。うむ。
1643-844sage05/03/08 03:53:53 ID:8r4OckoJ
どうも、遅くなりまして。

>>136
>>137
はい、カサゴです。
というか、よくカサゴだと…っ。
毒魚が描きたくなったので。
>>138
懐いているのかは、一発書きなので謎です。
>>139
単発のつもりでしたが…。
伏線を張ってしまっているのならば考えねばならないですね。
>>157
男気ですか。そういって戴けると幸いです。

感想ありがとうございました。
165森と岩の国物語3・前編sage05/03/08 17:30:02 ID:Qa7smFMS
 カモシカ族と落ち物のあいだでは、たとえ性交を行ったとしても子は生まれない。
 ……いちおう、そういうことになっている。
 確かに、性交では子は生まれない。
 だが、体外受精で、かついくつかの条件を満たし、そして最後に特殊な放射線を与えることで、双方の遺伝子を引き継いだ「かけあわせ」が誕生することは一部では知られている。
 そして、かけあわせる種族ごとに微妙な差異はあるが、似たような条件をクリアさせることで「かけあわせ」が誕生する種族は何種類かいる。
 そしてさらに「かけあわせ」同士を同様に掛け合わせることで、さらなる複雑な「かけあわせ」が可能となる。
 三種族以上の特徴をかね持ち、かつ短所は各種族の長所で相殺する合成人。それをヒポグリフ種と呼ぶ。
 最低でも三世代を必要とする、なんとも気の長い……それ以上に非人道的な人体実験の歴史が、この国の裏には存在する。
 何百年前からその実験が繰り返されているのか、よくはわからない。
 ただ、地球で例えれば中世レベルの知識しかないカモシカ族の知識では到底作りえないほどの複雑な配合・合成システムである。
 他の先進種族からの闇での援助・協力があったことは想像に難くはない。

「難しいわね……」
 広げられた一枚の紙をじっとみつめながら、そう呟く女性。
 カモシカ族特有の角はあるが、カモシカ族ではない。背中にはコウモリのような羽根、そして長くしなやかな尾がある。ヒポグリフである。
「どっちに転んでも、最終的にはこっちが大損害をこうむるような気がするわ」
「たぶん、その勘は間違っていないだろう」
 と、リュナが答える。屋敷での快活な笑顔とは異なり、暗く沈んだ表情をしている。
「我々は危険な恩を売られている。しかもそれを、危険とも気づかずに喜んで買っている層が我々の上層部だ」
「私たちが勝つと、彼らはその恩を最大限に利用して、鉱山の採掘権を手に入れにかかるはず。そして、それだけではすまない……」
「ああ。どうせなら、採掘権なんかよりこの国の支配権をごっそり手に入れたほうが便利だ。そして……それを行うに十分な力を、彼らは持っている」
166名無しさん@ピンキーsage05/03/08 17:30:47 ID:Qa7smFMS
「だからと言って、私たちが敗れ、女王派が勝ったとしたら……彼らは、本格的に軍事侵攻をかけてこないともいえないわ」
「この国は山岳地だ。征服するメリットは薄い上に遠征費も馬鹿にはならない。攻める価値がない……それが、この国が生き延びてきた唯一の理由といってもいい。
 だが……遠征費の負担を補って余りある魅力があれば、話は別だ」
「それが、アンセニウム……ね」
 そういって、ヒポグリフの女性はため息をついた。
 少し前に、遥かかなたの国で軍事転用可能な新エネルギーの存在が確認された。
 発見当初は拡散が激しく、とても制御不能と思われたエネルギーだったが、ある鉱物で作られたケーブルを通すと拡散せずに十分なエネルギー量のまま伝導するとわかった。
 そのケーブルを作る鉱物こそが、アンセニウムである。
 希少金属のアンセニウムだが、それがカモシカの国の山岳地帯に大量にあるということが、一人の旅の科学者によって確認され、彼の祖国に伝えられた。
 そのため、鉱山の採掘許可がその国の強大な武力を盾に何度も行われたが、亡き前国王は民間信仰を理由に決して首を縦に振らなかった。
 その後、王は謎の死をとげ、そしてその直後に随分と手回しのいい内乱が起こっている。
 ……まるで、何者かが操っているかのように。

「とりあえず、女王派との裏パイプはまだ、つないでおいたほうがいいでしょうね」
「……そうだな。我々も、黒幕がある程度表立った動きをしてくれないと動けない。だが表立った動きをしてきた頃にはこちらはすでにタイトロープだ。
綱渡りでこの国の命運を支えることになる」
「……大変ね」
「お互い様だ」
「じゃあ、大変な者同士、少し向こうで休まない?」
「……一応、これでも妻帯者なんだが」
「……いいじゃない。リシェルちゃんと私だって、知らない仲じゃないわ」
「……それもそうか。だが、体力を必要以上に浪費しては身が持たない。一度だけにしよう」
「それでいいわ」
167名無しさん@ピンキーsage05/03/08 17:32:10 ID:Qa7smFMS
 翌日。
 リュナの屋敷では、いつものような光景が繰り広げられている。
 台所ではリシェルが召使の少女たちと一緒に料理の下ごしらえに余念がない。
「うーん……スパイスが少し効きすぎちゃったみたいね。ジャガイモとトウモロコシの量を少し増やして、あとスープを少し薄めればいい感じになるはずよ」
 中庭では、アンシェルがレーマに剣の稽古をつけている。
「レーマ。技術や読みも確かに大切だが、それも基礎となる肉体の力があって初めて使い物になる。下半身の力はついてきている。後は上半身の力だ」
 そんな中、リュナとヒポグリフの女性は屋敷に戻ってきた。
「……ここは、いつきても幸せな光景ね」
「ああ。ここに戻ってくるといつもほっとする。そして、ここを守るためなら何でもできるって気になる」
「それが、あなたの動く力なのね」
「そうだな」
 そんな二人の姿を目ざとく見つけたのはアンシェルだった。
「あ、リュナ卿。それに……」
 傍らの女性を見る。アンシェルはまだ彼女を知らない。
「ああ、アンシェルちゃんは彼女とは初対面だったか。彼女は……」
「はじめまして。フィリーヌって呼んでくださいね」
「あ、はじめまして、フィリーヌさん……」
 少しぎこちない動作で挨拶を返すアンシェル。年上の大人びた美女に、少し戸惑っているらしい。 
「ふふ。この羽根、もしかして気になる?」
「は、羽根? あ、そ、そういえばっ……」
 初めてその羽根に気がついたらしい。それだけ、フィリーヌの美貌と雰囲気に飲まれていた。
「あら。ごめんなさい、変なこと言っちゃって。でもね、これ、本物なのよ。ついでに、この尻尾も」
「……」
 驚いた表情で少し固まっているアンシェル。そんな彼女に、リュナが言う。
「彼女……フィルは、ヒポグリフって言ってね、カモシカとコウモリと……いろいろな種族の遺伝子を掛け合わせた種族なんだ」
「ひ、ひぽぐりふ……」
 よくわからないまま、反芻するアンシェル。
168名無しさん@ピンキーsage05/03/08 17:33:38 ID:Qa7smFMS
「ま、難しい話になるからその辺は後でゆっくりとベッドの上で」
 そういって、リュナはこの屋敷でいつも見せる、やさしげな微笑を見せる。
「り、リュナ卿っ……」
 顔を真っ赤にして、口をぱくぱくさせるアンシェル。その表情を見て、リュナが追い討ちをかける。
「それとも、君の夜のお相手はレイマ君の方がいい?」
「れ、レーマっ? よ、夜の……って、その、それは、あのっ……」
 ますます顔を赤らめて、早口になるアンシェル。それをみて、くすりと笑うアンシェル。
「ふふ。かわいい子。いっそ、私が相手してもいいかな」
「れ、れーまと、あなたがっっっ! そ、それはその、あのっ……」
 何かを勘違いしてさらに慌てふためくアンシェル。とうとう、こらえきれずにリュナが吹き出した。
「冗談だよ、アンシェルちゃん。君の困った顔を見るのが楽しくて、つい、ね」
「……冗談でも……困りますっ」
 少しふくれたような仕草をするアンシェル。
 色恋の話を振られると、時折、へんに幼い仕草を見せるが、それが年頃の容姿とのギャップで意外とかわいらしい。
「でも……レーマ君ってのは、誰?」
 フィリーヌが、リュナに問う。
「ああ、彼さ。アンシェルちゃんとリシェルの昔からのペットなんだけど、まあ二人にとっては、普通のカモシカの男なんかよりずっといい仲だよ」
 そういって、中庭でまだ素振りを繰り返している少年を指差す。
「へぇ……でも、そんな感じね、さっきの感じだと」
「幼馴染以上、人間未満。変な言葉だけどね」
「……でも、あんまり仲がよすぎると……見つからないように、気をつけないとね」
 少し暗い表情で、フィリーヌが呟く
「え?」
 思わず問い返したアンシェルに、フィリーヌは意味深な微笑を浮かべて言った。
「カモシカ族とヒトが、あんまり仲がよすぎたら、わる〜い人さらいに狙われることもあるのよ」
「……」
 アンシェルには、正直ピンとこなかった。が、なんとなくフィリーヌ自身の境遇と関係あるのだろうとは思った。
169名無しさん@ピンキーsage05/03/08 17:35:18 ID:Qa7smFMS
 素振りを続けるレーマ。しばらくするとアンシェルが戻ってきた。
「手を抜くなっ! 一撃一撃、戦場で戦っていると思って振れ!」
 腕を腰に当てて、そう叱咤する。
 何故だか、ずいぷんと機嫌が悪い。そのせいか、角がすこしだけ怖くみえる。
「はいっ!」
 まるで体育会のような声で返事して、素振りを続ける。
「いいかっ、間違っても女になど気を取られるな! おまえの主人はこの私だ!」
(……女?)
 なんだかよくわからない叱咤が続く。とりあえず、気が落ち着くまで素振りを続けるしかないようだった。

 日が傾きかけている。
「ぜい……ぜい……」
 いったい、どれだけの回数の素振りを繰り返しただろうか。さすがに疲れ果てて、その場に倒れこんだ。
「……よし、まあこれでいいだろう。だが、限界を超えなくてはより強くはなれん。少しづつでも回数を増やしてゆけ」
「……は、はい……」
 荒い息の下で、何とか返事をする。
「……」
 しばらく、その表情を見つめていたアンシェル。しばらくして、その隣に腰を下ろした。
「すぐには立てそうにないな」
「……い、いや……このくらいっ……」
 無理に立とうとするが、体が言うことをきかない。
「無理をするな。休めといっているのだ」
 そういって、レーマのそばに近づく。近くで見ると、汗が湯気になっている。
 かつて、自分が騎士を目指していた頃、同じことをしてきただけに、その努力とつらさはよくわかる。まして、レーマはカモシカ族ではないのだ。
「あまり、こういうのは得意ではないのだが……レーマ、少しだけ体を起こせ」
 レーマが、よくわからないまま命令に従う。体を起こすのもつらいが、無理に起こした。
 すこし、アンシェルが体を近づけたように思った。
「……よし、そのままゆっくりと体を寝かせろ。ゆっくりとだぞ」
 かすかに恥じらうような表情でそう言うアンシェル。
 わけがわからないまま、言うとおりにゆっくりと頭を下ろす。中庭の芝生の感触が……伝わる前に、なにやら柔らかいものの感触が頭に伝わった。
「……!?」
 驚くような表情のレーマ。それが、膝まくらだと理解するのに、数秒かかった。
170名無しさん@ピンキーsage05/03/08 17:41:11 ID:Qa7smFMS
「主人に膝まくらさせるペットなど、おまえくらいのものだ」
 照れたようにそういうアンシェル。真上から見つめる表情は、少し恥ずかしそうに微笑んでいる。
「……すみません」
「謝るな。私にそうしたいと思わせたのはお前の努力だ」
「……強くなるため、ですから」
「ああ。……わたしを、守るためにな」
「はい」
「本当に、強くなってくれないと困る」
 アンシェルの表情が、照れたようなものから、少し毅然としたものに変わった。
「……わかっています」
 レーマも、少しまじめな顔で答える。
「さっき、美しい女性が来たが……その人に言われたのだ。私達の仲がよすぎると、誰かにさらわれることもあると」
「……」
「あの人は、カモシカの角にコウモリの羽を持っていた。彼女がどうして、そんな姿になったのかはわからないが、きっと……彼女自身の経験が、そういわせたのだと思う。だが……」
 アンシェルの表情が、一瞬だけ泣きそう担っているのが見えた。
「だが…・・・私は、絶対に……お前と離れたくない。仲も悪くなりたくない。そんなこと……絶対に嫌だ」
「……」
「……だから、お前は強くなれ。私を……いや、私たちを守り抜け」
「はい」
「私たちとは、おまえ自身も含めてだぞ」
「……はい」
「わかったら、ゆっくり休め」
「……ゆ、ゆっくり、といっても……」
 太股の柔らかな感じが気になって、なかなか休めない。
「無理にでも休め。私は……お前の寝顔を見たいのだ」
 アンシェルが、また頬を染めて、そして呟くようにそう言った。

(後編に続く)
171名無しさん@ピンキーsage05/03/08 17:55:35 ID:Qa7smFMS
ごめんなさい、肝心のエロ編……失礼、後編はすこし後になります。
膝まくら書きたいなあ、裏設定書きたいなあ、妖艶な美女書きたいなあ、で時間無視して先走ったらタイムアップ……orz
とりあえず、新キャラのフィリーヌですけど、妖艶系のキメラっ娘……という予定どおりに後編に進むかどうか。
何せ、今までが・・・その、最初の設定と文章化された後のギャップが…

リシェル:ちょっと意地悪なわがままお嬢様→超天然キャラ
アンシェル:身分とか形式にうるさいお嬢様→気が強くて素直になれない年上の幼なじみ

と、二人ともがらっとイメージ変わっちゃいましたし。
とりあえず、下にwiki向けにキャラ紹介(現在の予定)入れときます。

フィリーヌ:ヒポグリフと呼ばれる合成人。22歳。カモシカの角とコウモリの羽根と、ネコ科と見られる尻尾がある。
南米風民族衣装を着こなし、身軽な動きは純粋なカモシカ族と遜色ない。
リュナの知り合いで、彼の数少ない理解者の一人。
カモシカの国の外を旅した経験があり、銃火器などを使いこなす。
外見と言動は妖艶な美女に見えるが、性格は……
172139sage05/03/08 21:04:00 ID:am2YiUi4
ラブラブですなあ、アンシェル様。素敵且つ危険な身分違いの恋ですなあ。

銃火器・遺伝子改造・・・・・・テックレベル高めですな。というか、他の国の技術流入か。
じつはかなり未来の時代の話なのかもしれませんな。>森と岩の国物語

>>164
これはこれは、ご丁寧な挨拶ありがとうございます。お人柄が偲ばれます。
伏線云々についてはふと思いついた口から出任せだったのですが・・・・・・(汗
書いて頂けるとあれば期待してお待ちしております!

さて、私もちゃんと続きをやらねば・・・・・・。
173名無しさん@ピンキーsage05/03/08 23:58:01 ID:HqAP08tT
ヒポグリフキタ・・・う、グ、グリフォン×馬ではないのか・・・
でもキメラッ子萌え!! GJ!!
174名無しさん@ピンキーsage05/03/09 01:39:46 ID:DRkFmy2s
GJ。アンシェル様もいいけど個人的にリュナ氏も好きだ。このズレ具合が堪らない。
闇の援助してる国は……ネコとイヌではイヌの方の可能性が増えるかも。


で。
たぶん木曜の夜に、txt形式でですけどかなり大量に落とします
これはもったいつけでなく、本当に非常識なくらい一遍に大量にドカッといくので
他の職人氏が大勢いる以上、被らないよう一応前もって。
175カモシカ担当sage05/03/09 02:16:25 ID:32QVWJ7O
早速のレス、大感謝です。何とか今夜中に後編を書き上げたいと思っていますが・・・

>>172
>ラブラブですなあ、アンシェル様。素敵且つ危険な身分違いの恋ですなあ。
ありがとうございます。そう言っていただけるとうれしいです。
いつか、「年下の男の子」から「恋愛対象」に昇華しはじめた、13〜14才ころの話でも、回想で入れようかな、とか考えてたりしてます。
>じつはかなり未来の時代の話なのかもしれませんな。
時代設定は、他の職人様の作品と読み合わせて決めていこうかとおもってます。
とりあえず、カモシカの国のイメージとしてはスペインに滅ぼされる前の南米山岳諸国みたいな感じです。

>>173
>う、グ、グリフォン×馬ではないのか・・・
ごめんなさい。なんか、ただキメラっ娘て書くと安直かなあ、とか余計なこと考えてヒポグリフと名乗らせちゃいました。
いまのところ、キメラっ娘っていなかったかなあ、とか思いながら出しちゃいました。
南米風衣装&短銃の美女(黒髪)って萌えるなあ、とか思いつつ。

>>174
>アンシェル様もいいけど個人的にリュナ氏も好きだ。このズレ具合が堪らない。
ありがとうございます。リュナは「切れ者なのにどっかズレた感じ」をイメージして作りました。
彼の「ズレた感じ」をうまく出せていたならよかったです。
頻繁に登場する人物なんで、悪人になったり嫌味なキャラにならないように気をつけてます。
>闇の援助してる国は……ネコとイヌではイヌの方の可能性が増えるかも。
そうですね。将来的にネコの国に攻め込むとかいうこちむい氏のお話もありますし。
軍事転用可能な新エネルギーを必要としているのはむしろイヌの国かもしれないですね。
ただこれも、他の職人様の動向しだいです。それまでは「なぞの存在」のままにしておきます。
176森と岩の国ものがたり3・後編sage05/03/09 05:30:01 ID:32QVWJ7O
 その夜。
 客人が来るということで、リシェルが腕を振るった夜食は、いつものように美味しかった。
 いろいろと天然なところもある少女だが、こと料理の腕に関しては一流だと誰もが思う。
「今日は、久しぶりにリシェルと一緒に夜をすごすとするか」
 リュナが、そういって妻を連れて寝室へと戻る。
「私は……レーマ君をさらっちゃおうかな」
 フィリーヌが、立ち上がりながら妖艶な笑みを浮かべてそう言う。
「さ、さらう?」
 突然の言葉に、驚くレーマ。その横で、アンシェルも驚いたような困ったような表情をしている。
「ふふ……冗談よ。彼はアンシェルちゃんの大切な人ですものね」
「た、大切な……その、あの……」
 困惑するアンシェル。その表情を見て、フィリーヌが微笑む。
「私は、今夜は一人で静かにすごすわ。ちょっと疲れちゃったし」
「そ、そうですか……その、おやすみなさい……」
 なんとか、それだけを口にするアンシェル。
「おやすみなさい」
 フィリーヌは、手を振って自分の部屋へと去っていった。
「……」
 残ったのは、アンシェルとレーマ。変な沈黙が流れる。
「……れ、れーま……」
 沈黙に耐えかねたように、アンシェルが口を開く。
「はい」
「その……私たちも、寝よう」
「そうですね」
「それで……その……」
「何ですか?」
「……」
 何かを言おうとして口ごもるアンシェル。かすかに、頬を染めて恥らうような表情をしている。
177名無しさん@ピンキーsage05/03/09 05:31:23 ID:32QVWJ7O
「昔みたいに、一人で眠るのは心細いですか?」
 わざと、そうレーマが言う。
「子供のころ、おばけが怖いって騒いで、一晩中僕が同じ部屋にいたことがありましたよね」
「……そ、そんなこともあったな……」
「人さらいが怖いんでしたら、一緒にいてあげてもいいですよ」
「……そ、そんなもの……怖くは、ないが……」
 何かを変に意識しているらしく、いつになくアンシェルの口がどもる。
「……その、たまには二人でいるのも、悪くはないだろう」
 たまにはも何も、ほとんどの時間をアンシェルとレーマは一緒にすごしている。
 夜だけは、別々の部屋で眠るが、それも別々に部屋を用意されている以上は当然のことだと思う。
「その、お前がどうしてもと言うなら、一緒に夜をすごしてもいい」
 消え入りそうな声で、そう言うアンシェル。どうしてもなんて言った覚えはないが、相手の喜ぶような答えを言うのも、ペットの仕事の一つではある。
「じゃあ、そうしますか」
 はっきりとした口調で、そうレーマは答えた。

 子供のころから剣一筋で、色恋と無縁だったアンシェルは、性感に弱い。
 ちょっとでもつよい快感を与えると、大声を上げて身悶えることは、洞窟で思い知っている。
 屋敷内だと、気をつけないと周りで寝ていたり、あるいはふたりだけの夜の営みを行っている人たちの迷惑になる。
 レーマは、いくつかの小道具を用意すると、アンシェルの部屋に向かった。

 アンシェルは、椅子に座って待っていた。
「……来たか」
 声が、わずかに上ずっている。
「じゃあ、はじめますか」
「はじめる?」
「ええ。とりあえず、ふたりでお風呂に入りませんか」
「……ふ、ふたりで……」
 月明かりの下でも、アンシェルがうつむき、恥ずかしげに頬を染めたのがわかった。
「はい。お風呂で体をあっためれば、少しは気分がリラックスしますよ」
 そういって、アンシェルの肩に手をかける。どっちがペットでどっちが主人かわからないほど、アンシェルはおとなしくその手に身をゆだねていた。
178名無しさん@ピンキーsage05/03/09 05:33:21 ID:32QVWJ7O
 帯を解き、服の留め紐をほどく。そして、するりと上着を脱がせる。
 服を脱がせる途中で、アンシェルの素肌にレーマの指がふれるたびに、彼女はぴくんと初々しく反応する。
 時折、わざと指で肌を刺激する。
「んっ……」
 アンシェルの口から、かすかな呻きが漏れる。そんな姿を少しだけ堪能しながら、レーマはアンシェルの服を手際よく脱がせていった。
 上着を脱がせるとスカート。そして下着。
 やがて、アンシェルは全裸になり、その素肌が月光に照らされる。
 レーマがいつみても、アンシェルの裸身は美しい。
 決して胸が大きかったり、尻が大きかったりするわけではないが、均整の取れた体つきである。
「……少し、寒いな」
 そういって、アンシェルがかすかに震えた。
「すぐに、お風呂であったまりますよ」
 そう言って、レーマも服を脱ぎ始めた。

 全裸の二人が、小さな湯船で身を寄せ合っている。
 もともと一人用の浴槽に、二人ではいること自体間違っているのかもしれない。
 が、しかしもしも、一組の男女が否応なく肌を寄せ合える大きさとしてこの浴槽になったのだとすれば、それはそれで芸が細かい。
「……」
 アンシェルは言葉少ない。裸身を見られているということが、必要以上に彼女をしおらしくしているらしい。
「……あっ……」
 突然、アンシェルが声を上げた。
 レーマの腕が、アンシェルの腰に伸び、アンシェルの半身を自分の足の上に乗せた。
 アンシェルは、抵抗もせずなすがままになっている。お尻の柔らかい感触が、足に乗ってきた。
 すでに肉棒は硬くなっているが、まだ挿入には早い。
 湯船の中で、抱っこするような形にアンシェルを膝の上に載せると、そのままアンシェルの脇の下から手を伸ばし、両手で左右の胸を柔らかく揉んだ。
179名無しさん@ピンキーsage05/03/09 05:34:58 ID:32QVWJ7O
「ひゃんっ!」
 驚いて立ち上がろうとするが、小さな浴槽が邪魔ですっと立ち上がれない。レーマはかまうことなく、アンシェルの左右の乳房に手を這わせる。
「あ……やめっ……いやっ……まだ……」
 甘い声が、アンシェルの口から流れる。「いや」という言葉にも、拒絶の意志はない。
「お風呂なんですから、汗をちゃんと洗わなきゃだめですよ」
 そう言って、愛撫の手を全身に広げる。ときにくすぐるように、時に揉むように、強く、あるいはやさしく。
「や……いや……だめっ……」
 かすかな声で、抵抗の意氏を伝えようとするが、火照った体と熱っぽい表情では、その言葉に何の説得力もない。
 しばらく愛撫を続けると、アンシェルは抵抗の言葉すら出なくなり、妹に似たとろんとした表情で愛撫に身を任せるようになった。
「じゃあ、そろそろこっちも洗わないと駄目ですね」
 そう言って、右手を恥部に潜り込ませる。
「……あぁんっ……」
 恥部の中への刺激に、恍惚の声を漏らすアンシェル。湯船の湯に負けない暖かいものが、後から後からあふれてくる。
「アンシェル様。可愛いって、言ってもいいですか」
 耳元で、そう囁く。
「……あ……あぁっ……う……うん……あんっ……」
 快感に意識を混濁させられながら、それでもなんとか返事をする。それを聞いて、レーマは少し微笑み、そして耳元で囁いた。
「可愛いですよ、ご主人様」
 その言葉に、朦朧とした表情で恍惚の笑みを浮かべているアンシェルの頬が、かすかにまた赤くなる。
 レーマの指は、恥部の中を複雑な動きでこする。そのたびに、アンシェルの口からは快楽の声が漏れ、体はぴくんぴくんと耐えかねて身悶える。
「あ……ああぁぁぁ……」
 恍惚の表情のアンシェルから、しばらくして長いあえぎ声が漏れた。それと同時に、全身の力がすっと抜け、レーマにもたれかかるようにしなだれてきた。
 それにあわせ、恥部からは、どっと何かがあふれてきた。
「……」
 力なく天井を見つめるアンシェル。どうやら、指だけで最初の絶頂を迎えてしまったらしい。
180名無しさん@ピンキーsage05/03/09 05:40:38 ID:32QVWJ7O
 湯船からアンシェルを出すと、ぐったりとしたアンシェルの体をタオルでぬぐう。今のアンシェルは、一人では立つこともできない。
 そして、自分もタオルで肌をぬぐうと、全裸のままのアンシェルをうつぶせにベッドに寝かせた。
「えーと……」
 持ってきた小道具の中から、細い縄を取り出す。そして、手際よく後ろ手に縛り始めた。
「……な……何を……」
 少し、驚いたような声のアンシェル。だが、力の抜けた体では抗いようがない。
 レーマは、アンシェルの両手を後ろ手にしばりあげると、ついでに小道具の中からタオルを取り出し、アンシェルの口にかませた。
「……んっ……」
 少しだけ、抗議するような目でレーマを見るアンシェル。そんなアンシェルに、レーマは言う。
「アンシェル様、ちょっと暴れちゃうんで……今日だけは縛っちゃいますね」
「ん〜……」
 猿轡をかまされた口から、言葉にならない声が漏れる。
「やさしくしますから、大丈夫ですよ。それに、こういうのもいいものだって、リシェルさまも言ってましたし」
「ん〜……」
 まだ少し納得できいないような目のアンシェル。
「じゃ、はじめますね」
 アンシェルの目での抗議を無視して、縛られた少女にレーマは愛撫を始める。
 縦長のへそに舌を這わせながら、右の指でかすかに横腹をくすぐる。その間に、左手はアンシェルのお尻に伸び、柔らかな肉を撫でる。
「んっ……んん〜っ……」
 くすぐったいような恥ずかしいような感情に、アンシェルがくぐもった声で抗議するが画、縛られていては抵抗できない。
 それをいいことに、乳首、太もも、首筋、そして恥丘と舌で次々とアンシェルの弱点を刺激する。
「んんっ……ん〜っ……んん……」
 力の入らない体で身もだえ、暴れるアンシェル。しかし縛られた裸体は言うことを聞いてくれず、抗議の声も猿轡に阻まれて届かない。
 かすかに、目に涙が浮かんでいる。それを指でぬぐうと、レーマは耳元でささやいた。
「こんなアンシェル様も、可愛いですよ」
 そう言って、頬にキスをした。
181名無しさん@ピンキーsage05/03/09 05:45:43 ID:32QVWJ7O
「んん……」
 睨み付けているようで、もっと何かを求めているような、複雑な表情の目がレーマを見つめる。
「もうちょっとだけ、気持ちよくしてから」
 そう言って、じらすようにアンシェルの全身の性感帯に舌と指で刺激を与える。
 桃色の乳首を軽く吸い、舌先で転がすと、大きくのけぞって快感に耐える。
 うなじにキスをして、背中を手のひらでくすぐると、身をよじって悶える。
 おへそから胸の谷間に向けて舌先を動かすと、くすぐったげにぴくぴくと反応する。
 太股を撫でると、もっと奥を刺激してほしいように、少しだけ足を広げる。
 いろんな反応を楽しみながら、縛られた無抵抗なご主人様をいじめる。
 ただ一箇所、敏感な部分だけを避けるように。
「んん〜っ……」
 快感にあえぎつつも、じれったそうな声。太股の付け根の大切な場所からは、すでに液体が流れ始めている。
「じゃ、そろそろいいですか」
「んん……」
 じれったそうな声と目。それを確認すると、レーマはアンシェルの中に肉棒を挿入した。
「んんっ!」
 猿轡で塞いでいる口から、それでもちょっと大きい声が漏れる。
 はじめはゆっくりと、そして徐々に激しく。
 くちゅくちゅ、ぴちゃぴちゃと、そこから淫靡な音が聞こえる。それにあわせて、アンシェルの体が大きくはねる。
 が、縛られていることと、柔らかなベッドの上ということも合って、さほど大きな音は出ない。
 猿轡の下からのうめき声だけは少し大きいが、それでも外に聞こえるほどではない。
「んん……」
 アンシェルの目には涙。しかしそれは嫌悪の涙ではなく、快楽と愉悦の涙。その表情は、苦痛や悲しみではなく、悦びが浮かんでいる。
「すみません、もう……出しますね」
 十分に相手を愉悦の極みに運んださせたころには、レーマも耐え切れなくなっていた。なんだかんだ言っても、レーマも自分が思っているほど性体験が豊富なわけでもない。
「んんっ……」
「ん……」
 二人の声が重なる。果てるのは今度もほぼ同時だった。
182名無しさん@ピンキーsage05/03/09 05:48:10 ID:32QVWJ7O
「……ひどい男だ」
 縄を解かれ、猿轡を解かれたアンシェルがそう抗議する。その肌はまだ火照り、汗をかいている。
「すみません」
「……いやな記憶を思い出しそうになった」
 その言葉に、しまったという顔をするレーマ。考えてみれば、アンシェルは一度敵兵に捕まり、輪姦されたことがあるのだ。
「……だが、お前の顔を見ていると忘れられた。縛られていても、お前になら……」
 一瞬の間。
「……おまえになら、何をされてもいいような気になっていた」
「……」
 返答に困るレーマ。
「本心だ。おかしなことだがな」
「……可愛かったですよ、アンシェルさま」
 ようやく、そう口にする。
「可愛い……か」
 少し、目を伏せるアンシェル。
「嬉しいな」
 しばらくして、そう言ってアンシェルはレーマを見つめる。その目は、熱っぽく潤んでいた。
「……今夜は……もっと、そう言ってほしい。そしてもっと……私を……」
「わかりました、ご主人様」
 レーマは、アンシェルに唇を重ねた。

 その頃。
「ああっ……ああ……いや……」
 甘いあえぎ声が、牢獄の片隅から絶え間なく聞こえている。
 声の聞こえる牢屋を見ると、一人のカモシカ族の少女が、全裸にされて十字架に縛られている。
 身に着けているものは黄金のティアラと、水晶のネックレス。
 はじめはドレスらしきものを着ていたのだろうが、それは引き裂かれ、今は拘束具のまわりに絹の布切れが引っかかっているに過ぎない。
 そして、その裸体にむらがる無数の緑色の触手。十字架の足元には、拷問植物の毒々しい丸い姿が見える。
 昼夜を問わず責められる少女を無言で見つめる、若い男。角も尾もない……「落ちもの」らしい。
「正直に白状していただかないと困りますな、女王陛下」
 男は、嗜虐的な笑みを浮かべて、そう口にした。
(Fin)
183名無しさん@ピンキーsage05/03/09 05:57:34 ID:32QVWJ7O
 後編、エロだけで終わっちまいました……。
 なんか、エロだけで終わると書き手として微妙に悲しいのはなぜなんだろう・・・。
 とりあえずこんかいの「3」ではいろいろと、伏線らしいものを出したり、人数増やしたり。
 女王陛下の登場は、結構先になると思います。次回のメインはリュナの屋敷の、フィリーヌ含めた5人。
 あるていどしてから一本、女王陛下と落ち物の男との歪んだ愛憎を書く予定です。
 ……触手とか拷問ものは初めてだし、嫌悪感の強いヒトが多いならそのままこれはお蔵入りにして戦争の行方だけをリュナとフィリーヌの口を通じて語らせようと思いますが。

 しかし、自分もエロ描写の文章が乏しいなと実感。いろんな人のSSを読んでるつもりなんですが。
184名無しさん@ピンキーsage05/03/09 17:06:22 ID:32QVWJ7O
……俺の馬鹿。
タイトル「森と岩の国〜」じゃなくて「岩と森の国〜」だよorz
自分のSSのタイトル間違えるってかなり恥ずかしい……。今回、展開も恥ずかしいだけに余計に。
185名無しさん@ピンキーsage05/03/09 18:50:25 ID:5E743lPL
エロ描写はフィーリング・・・俺はハードなの、絶対無理っぽい・・・。
186名無しさん@ピンキーsage05/03/09 20:13:00 ID:if9ft/80
はっはっは〜俺もフィーリングだがハードなのも全然問題ないぜ!!
っていうかカモシカ担当様ものすごく GJ!
執筆スピードが半端無いのにクオリティが全然落ちてないっスな!

遅筆の俺は……えっと、木曜の夜が予約されているっぽいので金曜の昼に予約しておきます
ようやく話の構成が終わりました……ってか4ヶ月近く待たせちまいましたスマヌ m(_ _;)m
187名無しさん@ピンキーsage05/03/09 20:14:10 ID:if9ft/80
……ごめん。俺もハードなの書けないかもしれん
キャラ的にも筆力的にも
188虎の子sage05/03/09 23:01:23 ID:KXZDvRkd
カモシカ担当さん>>短期間連続投稿尊敬します。
書くのに時間が掛かる自分には、とても真似できないスキルです。
何やら今回の最後の方、意味ありげな終わり方でしたね。
続編を楽しみに待ってます

草原の潮風さん>>あなたも高速執筆ですね。
コツがあったら是非教えて欲しいです。
天然ボケな博士と軍人の大人になりかけの少年、これからの二人が楽しみです。


では、私もそろそろ投下します。
189虎の子sage05/03/09 23:04:02 ID:KXZDvRkd
最高で最低の奴隷



「我ながらよく壊したものだね」
完全に他人事の口調で、少年はシルスのカルテを眺める。
もっとも、少年にとってシルスは完全な他人であるからあながち間違ってもいない。
「あの、お嬢様この者は」
突然やって来てカルテを引ったくった人間の少年に対し、当然ながら医師は眉を潜めた。
「………この子がシルスを治してくれるわ」
「―――お嬢様、お気持ちは分かりますが、いくら何でもこのような得体の知れない者に」
やんわりとミリアをいさめようとした医師が言い終わる前に少年はカルテを放り投げた。
「母なる大地の女神よ、我が前に在る哀れなる者の傷を、その優しき慈悲の一欠片を持って癒したまえ」
少年の口からその言葉がこぼれ落ちた瞬間、シルスの周りの床が光り輝く。
複雑怪奇な文字と紋様が浮かび上がり、その文字がシルスの体に吸い込まれる。
次の瞬間、包帯の下でシルスの肉体が蠢いた。
ゴキ、ミュキュ、、、、
砕けた骨と肉が包帯を突き破り、生々しい音が響く。
その音の中でシルスの肉体は確実に治療されていた。
折れた骨は繋がり、引き千切られた肉は再生し、潰れた臓器は復元される。
グチャグチャになった血肉が、体の中を蠢く様子はまるで包帯の下を何匹物の蛇が這い回っているようだった。
「はい、治療完了」
190虎の子sage05/03/09 23:06:04 ID:KXZDvRkd
絶句している一同の中、少年が指を鳴らすと同時にシルスの肉体の動きは止まる。
「後は一日寝かせておけば、目を覚ますはずだよ」
「そんな馬鹿な!!」
駆け寄って再び診察した医師は事実に目を剥いた。
「し、信じられない。完治している」
「どいて!!」
医師を押しのけてミリアはベットに寝かされたシルスを覗き込む。
包帯にまかれて姿は分からないが、その寝息は安らかだ。
「シルス――良かった」
安堵の吐息と共にそうすがりつく。
「信じられない、一体どうやって?」
医師の言葉に少年は肩をすくめた。
「別に大したこと無いよ。上位世界から抽出した膨大なエネルギーを使って局地的に時間法則を逆転させて崩壊前の状態に戻しただけだから、もっとも僕だから出来る事だけどね」
他愛のない幼児の児戯の相手を追えた賢者のようなその態度すら、少年には似合う。
「さて、商品は確かに納品したよ。次はお支払いの時間だね」
少年が芝居掛かった仕草で指を鳴らす。
191虎の子sage05/03/09 23:06:52 ID:KXZDvRkd

見慣れた机、埃の積もった本棚、毎朝寝起きするベット、
気付いた時、ミリアと少年はミリアの自室にいた。
少年は何の断りもなく、ミリアをベットに押し倒した。
膝でミリアの腰を挟み込み、丁度馬乗りになる体勢だ。
「ちょ、ちょっと」
少年は構わず、その唇をミリアのと重ねる。
ちゅく、ちゅう、、
少年の舌はミリアの口の中を激しく、しかし巧みに蹂躙する。
不慣れなため戸惑っているミリアに対し、少年はちゃんと快楽を感じれるように配慮して舌を動かす。
そして、その舌が在る一点に達した瞬間、ミリアの目が見開かれ身体が硬直する。
「へぇ、ここが感じるんだ」
めざとくミリアの反応を見つけた少年は、口元を濡らす唾液を舐め取った。
「か、感じてなんか―――」
顔から首筋までを真っ赤にして弱々しく言われては、男にとって最高の賛辞である。
「ふ〜ん、そうなんだ」
ミリアの顎を掴みあげて、少年は不敵に笑う。
「じゃあ、もう少し激しくしないとね」
「――え、ちょ、」
ミリアの言葉を遮るように少年は再び唇を重ねる。
192虎の子sage05/03/09 23:07:27 ID:KXZDvRkd

今度のは先程のと違い、貪るような貪欲な口付け、、、
喉に届きそうな程奥まで愛撫し、相手の唾液を吸い上げ、自分の唾液を相手に送り込む。
「むぐっ!! むぐうっ!!」
その異常さに少年の薄い胸板を叩いて、突き飛ばそうとするが少年の体はビクともしない。
舌を口から追い出そうと、自らの舌で応戦するが少年は全く意に介さずミリアの口の中を好き勝手に愛撫する。
「んんん――んーんー」
そして舌が先程ミリアが反応した地点に近付く。
無論、それは偶然などではなく、少年が最後まで残していただけである。
「んーくっ!! んく!!」
少年の行動に気付いたミリアは、必死でそれを防ごうとするが――
と、唐突に少年の舌が奥に引っ込む。
一瞬戸惑ったミリアだったが、数秒して変化が無いのを見て取ると安堵と共に体の力を抜いた。
その瞬間、引っ込んでいた少年の舌が一気にミリアの口内に攻め込んで反応した地点を一気に愛撫する。
「んむ、んむぐぅぅぅいぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ!?」
悲鳴のような叫びと共にミリアの目が見開かれ体が一瞬硬直し、次の瞬間全ての力が抜ける。
193虎の子sage05/03/09 23:08:19 ID:KXZDvRkd
「初々しいね。キスだけでイっちゃうなんて」
顔どころか、耳の中まで真っ赤にしてぐったりしたミリアに少年はしてやったりとばかに笑みを向ける。
対する少年は、頬の一つも赤くなっていない。
「い、イッてなんかいないわよ」
「そう、それじゃあ今度は」
少年の手がミリアの上着に掛かり、そのボタンを外していく。
そして―――
「――フウッ」
失望の溜息と共に肩を落とした。
「な、何!?」
「この年になってこれじゃあ―――ねぇ?」
哀れみを含めた少年の視線の先には、ミリアのお世辞にも豊かとは言えない二つの膨らみが純白の下着に包まれている。
「着やせするかなって微妙に期待したんだけど、無駄な事はする物じゃないね。それにこれなら下に付ける必要もないと思うよ」
「あ、あんたねぇ」
非常に気にしている部分を指摘され、ミリアの頬が引きつる。
「まあ、肝心なのは――」
194虎の子sage05/03/09 23:08:55 ID:KXZDvRkd

「ひゃあっ!?」
まるで氷のように冷たい手の平が、ミリアの胸に押しつけられる。
「感度なんだけどね」
少女のようにほっそりとした少年の指先が、まるで蜘蛛のようにミリアの肌を這い回る。
冷えた指先は火照ったミリアの体に強い刺激を与え、その快楽を引きだしていく。
「あれ、何か先の方が固くなってきたね。どうしたの?」
少年はその美貌に似つかわしくない、ニヒルな笑みを浮かべながらミリアの胸を弄ぶ。
胸に手のひらを押しつけ円を描くように動かし、または揉みほぐす。
ミリアの方は声を出さないように口を引き結んでいた。
かぷ、、
「やあっ!!」
「ふ〜ん、貧乳だから感度は良好っと」
胸を甘噛みしながら少年は唾液を塗り付けていく。
顔だけだった赤みが、体全体を浸食し始めた。
(本当、経験が無いんだな)
愛撫をしながら少年は思う。
もう少し慣れているならば、快楽に対抗する術も知っているだろうに、、、
只、耐えているだけでは男の嗜虐心を煽るだけだと理解できないのだろうか?
だから、、
195虎の子sage05/03/09 23:09:49 ID:KXZDvRkd

ジュルリ、、、
「っ!?」
赤い突起を口に含んで吸い上げた瞬間、ミリアの体は仰け反った。
(こんなに簡単に達してしまう)
少年は貧乳と言っているが、彼女の名誉のために言うならば一応膨らんではいる。
あくまで一応であるが―――
「さて、次はどうするかな」
覚悟を決めて口を引き締めて、目を閉じる少女の様子を見ながら少年は苦笑した。
つくづく自分の好みに合わせてくれる。
「!?」
少年の指がミリアの腹を滑り、足の付け根に達した。
「脱がせるけど、もういい?」
固くなるミリアの体に抱きつき、耳元で囁く。
「…………」
「沈黙は肯定と取るよ」
グッショリと濡れた下着を脱がせ、指を這わす。
クチュ、、、
「こんなに濡れて、イヤらしいね」
「濡れてなんか―――」
「じゃあ、これは何かな?」
愛液をミリアの眼前に突き付けて舌で舐め取る。
「うん、甘い」
196虎の子sage05/03/09 23:10:37 ID:KXZDvRkd

少年はベルトをゆるめると自分の物をミリアの秘所に擦り付けた。
「うくっ」
ゆっくりと焦らすように少年はミリアの中に種入する。
「可愛いね。本当に」
少年は腰を動かしてミリアの中を存分に堪能する。
「ふふ、僕みたいな子供にこんなに濡れてこんなに感じて本当にエッチだね」
そう微笑む少年の顔は面白がってはいる物の快楽の表情は欠片もない。
処女を失ったばかりのミリアの中は、少年の物を激しく締め付け充分な快感を与えてくるがそんな物は少年にとってどうでも良かった。
少年が欲しいのは乱れた少女の表情、戸惑いながらも快楽に溺れ、愛してもいない相手に感じ入る表情。
それこそが少年の娯楽、、、
「―――あんただって………感じてたじゃない」
「―――え?」
せめてもの抵抗にとミリアは少年を睨む。
197虎の子sage05/03/09 23:11:16 ID:KXZDvRkd

「あたしを犯した時、あんなに赤くなってあんなに可愛くてイヤらしかったじゃない」
「っ!?」
少年の表情が初めて歪んだ。
白い顔が即座に真っ赤になる。
しかし、羞恥の表情を浮かべたのは一瞬だけ、次の瞬間には即座に冷静さを取り戻す。
その紅い瞳はとても冷ややかな光を宿して―――
ギュム、
「あぐっ!!」
ささやかな双丘をまるで引き千切るかのように握り込み、少年はミリアを半ば無理矢理うつ伏せにした。
「調子にのるなよ、小娘」
幼い美声、しかしそれに込められた不快感と憤怒、そして殺気は並の物ではない。
虎人と言われる種族は殺気や闘気といった物に特に敏感であり、熟練の武芸者などは一瞬で相手の強さを見抜く事が出来る。
無論、ミリアはそれに当てはまらないが、叩き付けられた殺気は彼女にも気付く程の量と質を併せ持っていた。
198虎の子sage05/03/09 23:12:05 ID:KXZDvRkd

「ひっ」
短い悲鳴と共に体中が震え出す―――
絶対的な恐怖が身を包み、まるでヘビに睨まれた蛙のように指一本動かせなくなる。
少年はミリアを抱え込んで自ら仰向けに倒れる。
丁度、仰向けになった少年の腹の上にミリアが跨り少年の顔に尻尾を向ける事になった。
「最高の快楽をあげるよ。狂うぐらいのね」
途轍もなく冷ややかな声で少年はミリアの体を持ち上げる。
一旦自分の物をミリアの中から抜いて、再び入口にあてがった。
「え、な―――」
違和感を感じたミリアが静止の声を上げようとするが、無論の事そんな物は無視された。
腕をいきなり放され、そのまま体が落ちる。
「きゃふっ」
まるで内臓を抉るような衝撃に、ミリアは一瞬気が遠くなった。
「どうしたの? そんなに良かった」
心底愉快げに少年は唇を歪める。
ミリアは返事をするどころではなかった。
子供の腕ぐらいの太さと長さを兼ね揃えた物が彼女の膣に侵入して、彼女の中を圧迫していた。
199虎の子sage05/03/09 23:13:33 ID:KXZDvRkd
「う、く――」
子宮口を突き上げられる痛みと圧迫感にミリアは冷や汗を流す。
そして少年が動き出した。
ミリアの中に入った物体が彼女の中を抉り、擦り、突き刺す。
「い、いたいから動かないで!!」
「やだね」
冷徹にそう言いきると、少年はさらに動きを激しくした。
少年の物はまるで鉄杭のように固く冷たく、ミリアの中を思う存分蹂躙する。
それはある意味凄まじい苦痛だった。
膣が突かれ、擦られ、抉られ圧迫する。
それでいながら、それら全てが快感に繋がっていた。
「あぐ、ぐふ、あふうっ」
「苦しいよね。だけど気持ちいいんだよね」
呻きと嬌声を混ぜ込むミリアを見ながら少年は優しく囁く。
「イヤなら自分で抜きなよ」
少年の言葉にミリアは両足を踏ん張って腰を浮かせる。
それだけの事でも中の物がミリアに刺激を与えて腰が抜けそうになった。
慎重にゆっくり、しかし確実にミリアは腰を浮かせていく。
(も、もう少しで抜ける)
あと一息で少年の物を抜く事が出来るまで腰を浮かせた瞬間、彼女の尻尾が引っ張られた。
バランスを崩しそのまま腰が倒れ込む。
「がふっ!!」
子宮口を突かれ、痛みと快感で思考が白く染まる。
200虎の子sage05/03/09 23:14:32 ID:KXZDvRkd

「残念、あと一息だったのに」
尻尾の端を握りながら少年は罪のない笑顔を浮かべる。
「な、なにするひょ」
「何、面白そうな物付けてるからちょっと観察を」
呂律の回らないミリアに、少年はそう言って尻尾をもてあそぶ。
「それより、抜きたいんじゃないの? 遠慮は要らないよ。好きにすればいい」
そう言いながら腰を叩き付ける。
「あひゃ、うひゃう」
「うん、とっても面白い」
それからミリアの苦痛の時間が始まった。
少年は腰を叩き付けてミリアを嬲り、ミリアが抜こうと腰を浮かせれば抜ける寸前で尻尾を引っ張り、足を引っ掛け払って倒す。
その度に自分の体重で中が叩き付けられ、凄まじい苦痛と快感が彼女の体を駆け抜けた。
「ひゃぐっ、あぐっ、ひぐっ」
「ほらほら、もうすぐいっちゃうんでしょう。我慢しなくて良いよ」
少年はミリアの腰を抱え込み、そのまま固定した。
「ひぐ、ひぐうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ!!」
どく、どぴゅう、
少年の言葉とほぼ同時にミリアは背を仰け反らし尻尾を立てて達した。
しかし、それだけでは済まない。
少年の物が一瞬脈動し、さらには大量の熱い物を吐き出す。
しかも少年の物によって出口がぴっちり栓をされているため、吐き出された物は排出されずにミリアの子宮の中に溜まり続けた。
「あぐ、熱いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっ!! 痛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっ!!」
熱さと圧迫感がごちゃ混ぜになった感覚にミリアは強制的に快楽を叩き上げられ、そのまま白目を剥いて気絶する。
201虎の子sage05/03/09 23:15:02 ID:KXZDvRkd
「あらら、気絶しちゃったよ。この娘――でもね」
少年はミリアの突起を爪で摘み上げた。
「ひぐっ」
痛みと快楽でミリアが強制的に目覚めさせられる。
「駄目だよ。気絶なんかしちゃあ。相方に失礼なんだから」
「も、もう充分でしょう。抜いてよ」
「何を言ってるの、夜はこれからじゃないかまだまだ愉しもうよ」
目の端に涙を浮かべてそう懇願するミリアに少年は残酷なまでに優しく微笑んだ。
202虎の子sage05/03/09 23:15:35 ID:KXZDvRkd

「あーあ、ちょっとやりすぎたかな」
ささやかなテラスの端に腰を預けながら、少年は空を見上げた。
天空には見事な満月が輝いている。
そして部屋の中のベットでは気を失ったミリアがベットに倒れ込んでいた。
彼女の秘所から溢れ出る大量の物は少年の陵辱の名残である。
これだけの事をやったのなら、心と身体両方に障害を持ってもおかしくないだろう。
ひょっとしたら、一生を男性恐怖症か何かで台無しにするかも知れない。
「ま、いっか―――」
僅か三秒で少年は思考を切り替える。
単なる遊び道具として使った小娘の末路など知った事ではない。
少年はテラスから腰を離すと少女に近付いた。
苦しげに呻いている少女の紅い髪に少年は指を這わせた。
(―――綺麗だな)
少年は純粋にそう思う。
彼にとって紅は特に執着する特別な色だった。
今回の遊びもこの紅の髪が気になったから行ったのだ。
もし彼女の髪の色が違ったならば、死に損ないの獣人などほっぽってさっさとこの街を去っていただろう。
もっとも、そのせいで本人はこんな目に遭っているのでそれが幸いかどうかわ知らないが
203虎の子sage05/03/09 23:16:21 ID:KXZDvRkd

「う、うん――」
ミリアの目蓋が震える。
少年は顎を掴んで少女の顔を自分の正面に向けた。
果たしてこの少女は目覚めて自分を見た時どんな表情をするだろうか?
怯えるだろうか? 恐怖するだろうか? 発狂するだろうか? 錯乱するだろうか?
それとももはや壊れているだろうか?
どれにしても面白そうだ。
ミリアの目蓋が開かれ瞳が焦点を結ぶ。
「おはよう。お姫様」
皮肉げにそう呟いた瞬間、少年は頬に衝撃を受けていた。
「これは最初の分」
手首を返し反対の頬を打つ。
「これはシルスの分」
さらに手首を翻し、今までの最大威力で少年の頬を叩いた。
渇いた痛々しい音が部屋の中に響く。
「そしてこれが今の分よ!!」
半ば呆然と少年は頬を打たれるのに任せていた。
予想外の出来事に体が反応できないでいる。
「これですっきりしたわ!!」
ふん、と鼻息をならして少女は息を吐く。
204虎の子sage05/03/09 23:17:27 ID:KXZDvRkd

「えと、あの―――何でこんな事をするの?」
「何でですって!?」
戸惑ったような少年の声にミリアは何を言うとばかりに叫んだ。
「あんた人の初めて無理矢理奪っておいて何言うのよ!? シルスも大けがさせたし、しかもさっきはあんな事して!? 子供だからって何でも許されるって思うんじゃないわよ!!」
顔を真っ赤にしながら、そう言って指を突き付けてくる。
「―――僕の事怖くないの?」
少なくとも自分は凄まじい殺気を叩き付けたはずである。
少年にとってそれは大した物ではないが、獣人ごときの心を屈服させるには充分な量と質のはずである。
「確かに怖かったけど―――」
「怖かったけど?」
「それ以上に無茶苦茶腹立たしいのよ!!」
拳を握ってミリアは堂々とそう宣言した。
「………………………………………………………………………………お姉ちゃんさあ。友達とかに無謀とか、計画性がないとか、行き当たりばったりとか言われるでしょう?」
「うくっ、そ、そんな事無いわよ」
その言葉全てが幼馴染みに何度も言われた事など忘却の彼方に追いやり、ミリア目を逸らす。
「……………ふふ、ふははははははは、あはははははははっっ!!」
じとーとした視線を向けていた少年が唐突に笑い出した。
「な、何?」
「そうか、そうなんだ。むかつくんだね。僕の事が―――はははははそうか、むかつくんだね」
何がそんなに面白いのか少年は腹を抱えて笑い続ける。
「とても滑稽だね。そして愉快だなあ」
そう言いながらひとしきり笑い終わると、ミリアの方に向き直った。
「ねえ、お姉ちゃん。しばらく僕を奴隷にする気はある?」
205虎の子sage05/03/09 23:18:04 ID:KXZDvRkd

「…………………へ?」
「だ・か・ら僕を奴隷にするかって聞いてるの。この僕をね。何、損はさせないよ。僕のご主人様になれば、存分に良い思いさせてあげるから」
「…………何でよ?」
まるで契約を迫る悪魔のような笑顔にミリアは警戒の色を浮かべた。
「そんなあらか様に警戒しないでよ。それとも何、お姉ちゃんは奴隷一人ももてないぐらい器が小さいの? やっぱり、胸が小さい人は心も小さいってのは本当なんだね」
「な、何よ!! 小さくなんか無いわよ。小さくなんか!!」
「知ってる? 本当に胸が大きい人は、小さいなんて言われても悠然と構えてるんだよ。それなのにムキになって否定するなんて、自覚してる証拠だね」
「こ、この――分かったわよ!! あんたをあたしの奴隷にしてやるわ。こき使ってやるから覚悟しなさい」
結局、長年の幼馴染みの忠告は全く生かされる事がなく、少女は無計画な約束をしてしまう。
「ありがとう。あ、そう言えば名乗っていなかったね。僕の名前――」
少年は気付いたように慇懃に胸に手を置く。
「我が名は魔王セシリス・リュカルテット・マグナレスカ、数多の星々に在る魔族を統べる存在なり」
「……………………………………………………………………………………………へ?」
あまりに予想外な話しにミリアの意識は強制停止する。
「と言う訳でよろしくね、ご主人様。名前の方は短くセリスで良いよ」
少年、魔王セリスはそう言いながらぺこりとお辞儀した。
206虎の子sage05/03/09 23:19:34 ID:KXZDvRkd

「そうよ、全てあれが原因なのよ!!」
過去の邂逅に浸っていた公爵ミリアは唐突に机を叩いた。
その衝撃で山と積まれた書類が机の上から滑り落ちるがミリアは構わず続ける。
「あいつは、いつもいつもあたしを騙して引っ掛けて、言質を取って、詐欺師でペテン師で」
「――――へぇ、それで?」
「むっつりスケベで外道で女の、いえ人類のてき…………」
ミリアは言葉を止めると、油の切れたブリキのおもちゃのような動作で背後を振り向いた。
そこには召使い兼魔王のセリスが、何かが吹っ切れたような清々しい笑顔で立っている。
「……………………………………………な、何でここに?」
「夜食に紅茶とケーキを持ってきたんだよ」
ニコニコ笑顔のまま手に持ったお盆を突き出す。
「ヘェ、ソウナノ。アリガトウ、セリス」
棒読みのまま、静かに後退る。
ニコニコ笑顔の時のこの召使いは、ハッキリ言ってダンジョンの奥深くに住む伝説のドラゴンなんぞよりよっぽど恐ろしいのだ。
「あれ、何で下がるの? 食べようよ。このケーキ、自信作なんだから」
ミリアを追うようにセリスが前に出る。
207虎の子sage05/03/09 23:21:44 ID:KXZDvRkd

「い、今お腹すいてないし」
「そうなんだ」
背中が机に当たり追いつめられる。
「だけどさあ、僕はお腹すいてるんだよね」
そのまま机にミリアを押し倒す。
「ちょ、セリス」
「酷いな。今の言葉凄く傷付いたよ」
全然平気そうな笑顔でセリスはミリアを組み伏せる。
「ほ、本当の事じゃない」
「そう言えばそうだね。僕はペテン師で詐欺師でいつもご主人様を騙して――それにむっつりスケベだしね」
セリスは腕を押さえたまま首筋に顔を埋める。
「………ご主人様、ちゃんとお風呂に入った? 少し汗くさいよ」
「あ、あんたがあんなに仕事を回すからそんな暇無いわよっ!!」
首筋まで真っ赤にするミリアにセリスは苦笑した。
「じゃあ、綺麗にしないとね」
「な、何する気!?」
「分かってるくせに♪」
「ちょ、待ってあたし本当にきたな――」
ミリアの唇をセリスは自分の唇で塞いだ。
208虎の子sage05/03/09 23:22:38 ID:KXZDvRkd


翌朝、ミリアはベットで目覚めた。
「おはよう。ご主人様」
横を向くとセリスが立っていた。
ほぼ早朝まで運動していたというのに全く疲れが見えない。
「う〜〜あんたねー」
「何? それって新種の生物の鳴き真似か何かなの」
恨みがましい主の視線を全く相手にせず、セリスは穏やかな笑顔を浮かべる。
「昨日あんな事をして、乙女をなんだと思っているのよ?」
「え、乙女なんかいたの?」
非常に真面目な顔で首を傾げるセリスにミリアは枕を叩き付ける。
「やれやれ、あんな乱れておいてよくもそんなことが言えるね。何なら昨日のご主人様のセリフ一語一句再現してみようか」
「こ、この性格破綻者」
「何せ魔王だからね。お褒めにあずかり光栄ですよ。我が主」
負け惜しみ気味にの呟きにすら、セリスは平気で切り返してくる。
ふと、ある事に気付いてミリアの顔から血の気が引いた。
「そう言えば、昨日の仕事、あれって今日でも大丈夫なの?」
「いや、今朝の内に採決しないといけないのが幾つかあるからね。昨日の内にやっとかないと駄目だったよ。死刑判決同意の署名もあったけど、あれってハッキリ署名拒否しない限りそのまま賛成で通っちゃうんだよね。ちなみに僕が見た限り、あれは十中八九、冤罪みたいだよ」
まるで朝食のメニューを知らせるよう気安さでセリスは呟く。
209虎の子sage05/03/09 23:23:47 ID:KXZDvRkd
「ちょ、それって大変じゃない」
「うん、罪もない一般人の尊い命が天に召されるね」
慌て始めるミリアに対し、セリスはどこまでも冷静である。
「て、あれ? ご主人様、何で着替えてるの」
半裸状態だった寝間着を投げ捨て、およそ貴婦人には似つかわしくない速度でミリアは服を着替える。
「議会に行って止めさせるのよ!!」
議会専用の貴族服を体に引っ掛けると、ミリアはそのまま出口に走る。
「まあ、待ちなよ」
「うにゃっう!!」
扉に突進しようとするミリアの尻尾を引っ張って、引き留める。
「尻尾は引っ張らないでって言ってるでしょう!! 千切れたらどうするのよ?!」
「そんな事より、書類の方なら僕がちゃんと処理しておいたから安心して良いよ」
尻尾の付け根を押さえて抗議するミリアにセリスは嘆息する。
「え、じゃあ他の書類は?」
「全部片づけておいたよ。ご主人様が寝てる内に」
何の事なしにセリスは言うが、机の上に山と積まれた書類を僅かな時間で片づけるなど常人には不可能だ。
それを容易くやってのけるセリスの手腕は文字通り奇蹟としか言いようがない。
210虎の子sage05/03/09 23:24:43 ID:KXZDvRkd

「それにしても、そんな格好で出て行くつもりなの?」
セリスの言葉にミリアは自分の姿を見下ろした。
薄い灰色のスーツ型をした貴族服は所々に皺が寄り、シャツのボタンは掛け間違え、ズボンのベルトを通す穴は二つ程飛ばして、髪は寝癖が付き、顔も洗わず、歯も磨いていない。
「全く、相変わらず前しか見ないんだもん。こんなご主人を持つと奴隷は苦労するね」
「何よ!! 元はと言えばあんたがちゃんと報告しないせいじゃない!!」
肩をすくめるセリスに、自覚があるらしくミリアは顔を赤くする。
「言う前に走ってたんじゃないか、言い掛かりもいい所だよ」
主人の叱責も何のそのセリスは心外だとばかりに主の服を直す。
「一度湯浴みをした方が良いね。一応、仮にも生物学的にはご主人様も女だもの」
「どういう意味よ?」
半眼で睨む主にセリスはにっこりと微笑む。
「何、そんなに僕の渇いた物を付けていきたいんだったら、別だけどと言う意味だよ」
「〜〜〜っ!!」
言葉の意味を瞬時に悟り、ミリアは服を脱ぎ捨てた。
「やれやれ、はしたない」
「原因はあんたでしょう!!」
「それは何かい? 三日以上放っておくと途端に不機嫌になるどこかの誰か責任は全く考慮する必要はないって事なの」
「だ、誰の事よ!!」
「別にご主人様なんて一言も言ってないよ」
「うくっ――」
出会ってから今日に至るまで、ミリアはこの奴隷と何度となく言い合いをしていたが、数える程しか白星を上げられていない。
211虎の子sage05/03/09 23:25:25 ID:KXZDvRkd
「さて早く湯浴みに言った方が良い。直に朝食だろうから」
テキパキと着替えを用意してそれをミリアに差し出す。
「あんたは入らないの?」
「一緒に入って欲しいの?」
ほぼ即座に少年は切り返す。
「………………」
「安心してよ。前みたいに湯船の中に潜んだりしないから」
非常に疑わしそうな視線を向ける主に、セリスは罪のない表情で言い添える。
「丁度、新しく売り出す武器の見本品が完成したらしくてね。それのテストに付き合わないといけないんだ」
「………エリスの所なの?」
「うん」
「ふ〜ん、本当にテストだけ?」
「それはまあ、色々とあるだろうね」
さっきとは別の意味で非常に疑わしい視線を向けるミリアに、召使いは苦笑する。
そして――
チュウッ、、、
212虎の子sage05/03/09 23:27:06 ID:KXZDvRkd

「っ!?」
「じゃ、行ってきまーす」
キスされた頬を押さえてミリアが振り向いた時には、セリスは窓辺を蹴って外に飛び出ている。
「……………」
ミリアは無言のまま不機嫌そうに部屋の出口に向かったが、その尻尾はパタパタとご機嫌に上下している。
そして扉を開けて部屋を出ようとした瞬間、崩れてきた紙山に飲み込まれた。
「な、何っ!?」
のし掛かってきた大量の紙を押しのけて、事態を把握しようと頭に乗った一枚に目を向ける。

『ご主人様へ

     昨日の書類は僕が処理しといたけど今日の分は自分でやってね。
      ちなみに量は昨日の倍以上だから、死ぬ程頑張らないと終わらないよ♪

                          忠実なる召使い セリスより』

「あんのクソ餓鬼いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっ!!」
ミリアの絶叫が早朝の屋敷に響いた。

【了】
213虎の子sage05/03/09 23:27:47 ID:KXZDvRkd
最高で最低の奴隷:設定


ミリア:外見年齢十六才

身体的特徴、紅色の髪、鳶色の瞳

体型:スレンダーで胸が小さい(召使い談)

虎の国の元弱小貴族の一門だった少女だが、セリスを召使いにしてから凄まじい勢いで出世していく。
ただし、召使いであるはずのセリスに毎日遊ばれているのが現状。
今の目標はセリスをぎゃふんと言わせることだが、うまく言った試しがない。
竹を割ったような性格で少々非理性的な行動を取ることがあるが、自分の非はすぐに認める潔い少女である。

セシリス・リュカルテット・マグナレスカ:外見年齢十歳

身体的特徴:黒髪、紅色の瞳、

通常の人間達とは因果律の違う世界から堕ちてきた自称魔王の少年、中性的な容姿をしており様々な魔法を使いこなす。
主を敬うという気持ちを欠片も持っておらず、ミリアを玩具扱いしている。
ただし、参謀としては非常に優秀でその手腕によってミリアを公爵の地位まで押し上げた。
本気のような冗談を言い、冗談のような本気を言う。
性格は気まぐれで、昨日まで味方だった物を簡単に裏切り、敵だった物と手を組む節操のなさの上、目的のためなら手段を選ばない冷酷さを持っている。
性的技術も非常に高いが、本人自体は快楽を感じることは滅多にない。
214虎の子sage05/03/09 23:29:13 ID:KXZDvRkd
シルス:外見年齢十八才

外見的特徴:黒髪、黒目

優男風でどこ軽そうな印象を受けるが、その剣技の腕は国内でもかなり上位に入る。
人当たりが良く理性的なミリアの幼馴染みで、産まれてからこの方、ミリアに苦労を掛けられっぱなしの幸薄い少年。
ミリアとの婚約が決まった時には、倒れて丸三日寝込んだらしい。
最近ではそれにセリスなどが絡んできて、彼のストレスをさらに増したせいで神経性の胃炎を発祥した。
人に流されやすいと思われがちだが、内面的にはかなり頑固な部分がある。
215虎の子sage05/03/09 23:31:30 ID:KXZDvRkd
虎の国について

虎の国:政治形態が王制の国家で、科学技術は少し遅れ気味。 国土は他の国に比べ広大で、山岳から平原まで数多くの地形が存在する。

虎族:さまざまな獣人の中でも、屈指の強靱な肉体を持つ種族で力、反射神経、俊敏性、耐久力、生命力等々は人間などとは比べものにならない。

産業:主な産業はその膨大な土地を使っての酪農や食料、植物などの栽培。別名、世界の食糧市場と言われ、ここで生産できない食べ物は無いとまで言われている。

科学:主に蒸気機関止まりで電気などはほとんど使われていない。肉体が下手に強靱なため、あまり科学を発展させる必要がなかったためである。
216虎の子sage05/03/09 23:34:28 ID:KXZDvRkd
魔法:召喚魔法、精霊魔法、神聖魔法、暗黒魔法など、魔法の種類自体は豊富だが、虎族は強靱な肉体を持っているため、魔法の道に進む物が少ない。
 そのため途絶えた古代魔法なども存在する。
 彼等が使う魔法は古から伝えられた物で、彼等が独自で開発した魔法というのはほとんど存在しないため、なぜ魔法の種類がこんなに豊富なのかは未だに虎族達自身にも分かっていない。

ダンジョン:虎の国に存在する古代の遺跡で中にはレアアイテムなどが多数眠っているが、強力なモンスターの巣窟と化しているため一般市民が入る事はまずあり得ない。

領地:主に貴族達が所有する国から与えられた土地で、貴族は農民達を自分の領地に住まわせ農作業に従事させて、その作物の何割かを王家に納めている。

ミリア達の領地:他の領地とは違い山岳地帯のため作物の生産などはあまり豊かとは言えないが、セリスの指導によってによって武器産業に力を入れ始め、それを国外へ輸出して外貨を獲得しているため財政はかなり豊富。
また、武器産業だけではなく他の産業にも力を入れており、大陸最大最高の技術力を独占している。
他国の戦争に介入して戦火を拡大していると言う噂もある。

他にも色々設定を考えていますが、あまり造りすぎると身動きが取れなくなりそうなので、そこは臨機応変に行こうと思います。
以上、虎の子でした。

PS:管理人さんへ>>ここまでを最高で最低の奴隷、副題:(最悪の出会い)で保管庫内をまとめてください。
217名無しさん@ピンキーsage05/03/09 23:45:09 ID:nzTpvQS7
リアルタイムキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!

これで一区切りついた感じですね。
(・∀・)イイ!!作品を感謝でございます。


…め…召使いの正体は魔王ですか。
前回時点で人外なにおいはしてましたが、まさかこうくるとはw
218名無しさん@ピンキーsage05/03/09 23:48:03 ID:if9ft/80
リアルタイムキタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!
わぁお、少年つお〜い、ミリアたんもつお〜いよ〜

>皮肉げにそう呟いた瞬間、少年は頬に衝撃を受けていた。 
このあたりがミリア様の強さなんですかね〜


って、もしかして大御所御2人が投下した後に俺ですか?
うわ……もうちょっと文章煮詰めないと……
219魚(・ω・)人sage05/03/09 23:50:37 ID:1vY0uOqS
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
予想外の展開にドキドキ

虎の子様ぐっじょぶですヽ(´ー`)ノ
220217sage05/03/09 23:51:44 ID:nzTpvQS7
あ…なんか誤解されそうだ…

今回ので、2人の馴れ初めの話が一区切りついた…ですね。
上のじゃ、作品自体が終わりって感じになってしまった…スマン orz
221カモシカ担当sage05/03/10 02:27:21 ID:CgjCZ/fW
GJです>虎の子様
描写とか、展開とか、本当に参考になります。

ところで、虎の国の設定ですが。
>魔法:召喚魔法、精霊魔法、神聖魔法、暗黒魔法など、魔法の種類自体は豊富
>ミリア達の領地:セリスの指導によってによって武器産業に力を入れ始め、それを国外へ輸出して外貨を獲得しているため財政はかなり豊富。
>また、武器産業だけではなく他の産業にも力を入れており、大陸最大最高の技術力を独占している。
>他国の戦争に介入して戦火を拡大していると言う噂もある。

……なんだか、うちの内乱とかいろんなところに利用できそうな……ごにょごにょ。ヒポグリフとか……げふんげふん。
そもそもカモシカって虎の餌みたいなもんだし。
……けどそうなると、リュナとか大変だな……まさにスペインの前のインカ帝国状態になっちまう。

それで、その……
うちのフィリーヌが愛用しているリボルバー(GloryBringer)ですが、ミリア様の領地で生産されたものを使わせていただきたいと思うのですが、よろしいでしょうか。
222虎の子sage05/03/10 07:30:12 ID:dGOuk2Mt
カモシカ担当様へ>>喜んでOKします。
223名無しさん@ピンキーsage05/03/10 14:36:27 ID:2vfg3Ili
>>222
感謝します。>虎の子様

さあて、これで残るは次回前半のガンアクションがきちんと書けるかどうか、自分の文章力との勝負になっちゃうわけだ……
「南米風の衣装を翻して、拳銃片手に洋館への侵入者を片っ端から打ち抜く黒髪の美女」
……ここまで自分的には最高クラスの萌えシチュを集めた上に、銃に関しては職人様の許可まで頂いて、これで肝心の中身がコケたら洒落にもならないぞ……
うん、頑張ろう。
224名無しさん@ピンキーsage05/03/10 18:49:27 ID:8KTwS8eZ
>>186
わざわざすみません…。ネタ被っちゃったりした時は、ごめんなさい。
>>212
GJ。197の「調子に乗るなよ」に最萌えた。

魔王>>>(越えられない壁)>>>フローラ様>>>[ココ]>>マナ様>リナ様
とだけ先に。…あくまで、大体の目安ですが。
ネタ被ったなぁと思いつつも、こっちはまだこの世界の理の法則の下にいるって事で。
あとは虎国にはダンジョンがあるって事だそうで…判る人には判るネタを。
225見聞録の人sage05/03/10 18:51:23 ID:8KTwS8eZ
<狗国見聞録3&4>

3 ttp://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/database/391.txt
4−1 ttp://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/database/401.txt
4−2 ttp://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/database/411.txt
4−3 ttp://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/database/421.txt


何だか思いっきり他の諸氏、というかスレの作風と毛色が違うなと感じつつも、3と4。
一応エロ表現・21禁表現潤沢なんだけど、本番はほぼ無。そして何故か4だけ3部。
我儘に詰め込みたいもの全部つぎ込んだせいで、例によって長く冗長。
5で至る過程にケリつけて、6で完結、全編エロエロ一色になれればいいんですが。

< ※ 警告(CAUTION) ※ >
…一応ラブコメ調、最終的には『ご主人様と召使いが純愛和姦』になる予定ですが。
強姦系、痛めつけ、生々しいのが苦手な方。
今回の部分はそういうのを含みます。不快を感じるかもしれません。ご注意ください。
グロとまでは行かないまでも、このスレの一般と比べれば、かなりハードな方だと。
スレの上の方でも出てましたが、いわゆるダーティー&ハードだと思います。



それと、もしも見ていたら>こちむい氏 >蛇氏、>狼氏、>狼@辺境氏。
自分なりに設定を読ませてもらって、可能な限り矛盾が無いように、
こういう物だろうと予想して書いてみたつもりですが(ジンとかビレトゥスとか)、
もしもそちらの設定や意に反するようだったら…ごめんなさい。特に蛇氏と狼2氏。
禁じ手とは分かっていても、だけどどうしても『点』を『線』にしてみたく。
そんな禁じ手、微妙にクロスオーバーを多含した話なので、他の話とは別扱い、
諸氏共に使えそうなトコだけ使い、都合の悪い所には目を瞑る…程度に見てください。
例えば蛇氏の地のジンと自分の地のジンの描写が違ったら、その時は蛇氏優先で。
226用語解説1&2sage05/03/10 18:53:54 ID:8KTwS8eZ
…というわけで、約束どおりドンと。
詳しい設定とか、追加人物紹介とか、イヌとイヌの国の性質については、全部wikiに。
質問・確認・誤認指摘・訂正要求その他は、例によって避難所BBSの方にでも。

…ただ、あくまで読む前に見てた方が良いかもな基本用語として、以下の三つのみここで。


<国際犯罪者>
 大陸で、二つ以上の国を股に掛けるような犯罪者、あるいは犯罪組織。
昔、わざと複数の国の国境をちょろちょろするような野盗に対して、各国の体裁とか、
管轄うんぬんの国際問題とかでウギャー、となったりとかしたのを反省して作られた概念。
国同士でのある程度の情報の公開共有や、協力した捕縛体制、懸賞金制度など。
情報の統括は『おまわりさん』たる犬国が、供託懸賞金の管理は経済大国たる猫国が。
 …仕切り屋でお節介焼きの犬国だが、こういう所のリーダーシップではちょっと評価が?


<S級国際犯罪者《トリックスターズ》>
 すんごい悪い多国間犯罪者。大陸全土でも両手で足りるぐらいしか認定されてない。
オーバーロウ(法規の超越者)で、トゥルーカオスのトゥルーエビル。
 
227用語解説3sage 魔剣←→魔犬05/03/10 18:54:59 ID:8KTwS8eZ
<魔剣>
 いわゆる『魔法の武器』『マジックウェポン』『エンチャンティド・ウェポン』とかいうやつ。
【魔剣】と呼ばれてはいるが、実際には剣や槍・斧・杖・錫・槌・短剣・弓まで、幅広く含む。
また類似品として、魔法の盾や魔法の兜・冠、魔法の鎧・帷子・服なんかも、例によって。
魔法との親和性が高い金属(鉄とか鉛とかでない奴)を主原料に、【地の精髄】と呼ばれる
古く強い力を秘めた鉱物(主に宝石や水晶など)を魔法の定着源たる核に用いて造られる。

 前提として『形質保持』『耐血耐脂』の魔法が掛けられていて、錆びず・曇らず・腐食せず、
極めて刃こぼれしにくく血や脂をはじくため、複数の相手を斬っても切れ味が鈍らない。
高性能なものになると、『切味向上』『身体能力強化』etc...の魔法が恒常的に掛かった物や、
作中の【炎の氷柱】のように、魔力さえあれば誰でも使えるように魔法が封じられた物も。
(もっともそういった強力なのは、【地の精髄】の関係上、大抵がこの世に一つの『一品物』)
 ただ、一番安いの(『形質保持』と『耐血耐脂』が掛けられただけの普通の短剣)でさえ、
狼国の安価高品質な量産刀剣100本分くらいの値段になる為、『ヒト』と同じく完全な奢侈品。
戦争でもせいぜい士官や将校が持つ位で、一般兵にまで行き渡らせるのはまず不可能。

 犬国が軍事研究・兵器開発・魔法の軍事転用に専心する過程で生まれた物…なんだけど、
なんでだか強力な『一品物』の【魔剣】は、兵器としてよりも家宝やステータス・芸術品として
各国の王侯貴族やお金持ちに大人気。どうもコレクター魂を刺激するものがあるらしい。
 おかげでイヌの国の貴重な財政源の一つ。…ただ、もちろんイヌの国の工房の作ではない、
正真正銘の神代・伝説の『神器』『宝剣』とかも、きちんと各国の国宝等に存在している。
22863sage05/03/10 19:57:21 ID:ObOTYWiT
>188
高速執筆のコツですか・・・うーん、一日"箇条書きで"1行ですかね。
箇条書きで1行見えれば、自然と躓くまで物語が展開が見える・・・かな。
というか1話2話を高速化した歪みが3話目の執筆時間が長めなのに響いてます。

なんか、想定より各国の技術レベル高いので、
輸送用の航空機の扱いとか、重火器の装備やらどうしようか考え中。

自分は日曜ぐらいまでみっちり煮詰めた方が良さそうだ・・・。
229蛇担当sage05/03/10 22:22:32 ID:iCFRFUzm
三日来てないだけでこの進み具合はナニー!?

>>225
ええと、ジンは大体あんな感じで。
才能に胡座をかかずちゃんと地精霊が操るものを理解し、訓練し、創意工夫すれば
「無い所から土を生み出す」「建物のコンクリを砂礫にする」「砂礫をコンクリにする」
「地面を液状化する」「地面を介して知覚する」「未発見の鉱脈を見つける」
などなどできますが、どうやら、彼女にはそれはできなかったようで。

複数の精霊と契約できてればまた就職口とか違ったんだろうけどなあ・・・・・・。ご愁傷さまです。
230名無しさん@ピンキーsage05/03/11 03:03:15 ID:XOs/BezC
やっと読み終わったー!
ジークかっこいいー!
231名無しさん@ピンキーsage05/03/11 09:57:54 ID:ZOIrMdjb
アレだな、微妙にスレの勢いが止まってるのは皆>>225を必死に読んでるからとw

既存の設定を上手く繋げて全体の世界観に厚みが出た感じです、GJ!

ただ、全部読むのに非常に疲れた・・・・・・w
232名無しさん@ピンキーsage05/03/11 11:47:32 ID:PW/lhPaf
え〜っとね、今日投下するとかいってた奴だけど……未だ書けてません (;・∀・)
ぶっちゃけ >>225 を午前4時まで読み耽っていたからです
不可抗力だ。明日明後日に持ってくるから許してくれ m(_ _;)m


>>225
鳥肌立ちました。マジ勘弁です orz
なんというか、ウサギとサカナと黒ヒョウの話に死ぬほど悶えてました

というか、俺の知らないトコでうちの国に危機が迫っていたのがビックリです
逆に面白かったという意味で

続きマ━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━ダ????
233カモシカ担当sage05/03/11 18:02:29 ID:UcerOTID
>>225
いま読み終わりました。
GJとはGodJobの略だそうですが、まさにそんな感じですね。
それにジーク、マジかっちょええ……やばいなあ。
……しかしこれの後にガンアクション書くのはきっついな……orz
ええい、ここで凹んでたまるかっ。諦めんぞっ。



しかし、どうしようアンセニウムと新エネルギーの設定……
そもそもケーブルで伝導される時点で魔法系エネルギーじゃないし……エンチャント産業に使用するのは難しいな……
うーむ、これは何か考えよう。
アンセニウム=古代鉱石って意味だから、何か手の打ちようもあるかもしれないけど。
234名無しさん@ピンキーsage05/03/11 18:12:26 ID:PW/lhPaf
>>233
兎の国、魔法技術において 『魔法式のパス』 という表現が登場しますが、
アレぶっちゃけ魔力を流す導線です

え〜っと……どうしましょう………
235名無しさん@ピンキーsage05/03/11 18:44:35 ID:PW/lhPaf
【とりあえずこっちの考えの公開】

兎の国において魔法式のパスとして使われる物は、例えば 『溝』 などが一般的です。
金属の表面に対し魔法を付与した銀ペンで細かな溝を掘るというタイプがもっとも普及しています。
また、溝を掘れない場所に対しては、専用の導魔性の魔法薬をライン状に塗り、パスとすることもあります。

いずれにしても、魔法を持って魔力が流れる道筋を指し示すというスタイルには変わりがありません。
ちなみに、銀ペン1本で、人間界のレベルでは高級車が一台変えます。(セラ談)


……えっと、参考までに。話のネタとして考えてたんです orz
236カモシカ担当sage05/03/11 20:31:33 ID:LI7Y1IQ+
>>234-235
ご丁寧なレス、ありがとうございます。
自分も、少し考えてみてから設定をお伝えします。
でも今日は…これからリアル修羅場が待ってますのでorz
237名無しさん@ピンキーsage05/03/11 20:46:54 ID:ABln4Wai
>>225
ルンたんに泣いちゃったじゃないかこのやろう 。゜(´Дと゚・゜。
やったことは許されないことだとは解ってるのに、なんでこんなにじわっと

そしてジーク
・・・・
も・・・・
もしかしてティンダロスの猟犬ナノカ━━━━(;゚∀゚)━━━━!!?
238カモシカ担当sage05/03/11 23:50:12 ID:UcerOTID
まだイメージは固まってはないんですが、アンセニウムの特性が「魔力を鉱石内にとじこめる」というものであるとすれば。

「溝」に溶かしたアンセニウムを流すことで、その新エネルギー(新系統魔法)の力を維持させるという図式も成り立つ可能性が。
また、これならエンチャントにも適しているということになるんですね。

エネルギーは強大だが、持続力に致命的に欠け、なおかつ新系統の魔法……か。なんとか考えます。
召還陣と何かをうまく合わせられないかな……
239見聞録の人sage05/03/11 23:52:05 ID:MqUVs0tg
>ながっ!
便秘書き手でしてなぁ…。自分でもいかんと思うちょるのですが。
「削る」のができず、思いついた面白そうだと思ったもん全部突っ込んでるだけなんで、
[記述速度/100行当たり]は早いけど、出来上がるのはことごとく大河、短編ダメ。
徹夜で読まして疲れさせてしまった方々にはこの場で軽めの謝辞を。
そしてまだ読んでない方には、茶でも飲みながら喉詰まりせぬように読んで貰えれば。
>ジーク
…誰も本来のはずのこの名で呼んでくれる人が作中に出ないのが問題ですけどな。ちなみに
あたしが「雑巾」としか言わないのは、実は本名で呼び捨てなんて恥ずかしくて出来ないから。
「ジーク」で呼んじゃうと犬でなく男として認識しちゃう事になってしまうとか、多分そんな乙女心。

>>229 ありがたや。…モンスターエンジンを積んだ小型車だったというのも、彼女の悲劇の一因で。
     それでもきちんとした師に見出されてたならば、おっしゃる通りまた違ったのでしょうが。
>>233 助けになるかは不明ですが、避難所BBSの方に多少長めの浅識の一つを。
>>237 …あれだけから分かりますか。…ケルベロスとかに比べればマイナーなはずなんですが。
240名無しさん@ピンキーsage05/03/12 00:38:40 ID:PVZQApws
>あたしが「雑巾」としか言わないのは、実は本名で呼び捨てなんて恥ずかしくて出来ないから。
>「ジーク」で呼んじゃうと犬でなく男として認識しちゃう事になってしまうとか、多分そんな乙女心。


r'⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒ヽ ⊂゙⌒゙、∩
ヽ.__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__ノ  ⊂(。A。)
悲鳴上げて萌え転がりました。

くそうかわいすぎですぞこの娘。
『あたし』の本名も気になりますー。
241カモシカ担当sage05/03/12 13:56:46 ID:yn4XDH6g
>>239
ありがとうございます。避難所のほうにもちょこちょこと書いてますが、ものすごく助けになります。

>>234-235
間違って避難所のほうに書いちゃいましたので、こっちに書き換えます。
。あとは色々とツッコミ入れていただければそのつど修正加えていきます。

アンセニウムと新エネルギーに関する覚書
※自分の不理解や無知が原因で、そりゃ駄目だ、矛盾がある、などという声があれば容赦なく突っ込んでいただければ。

・この世界と、(人間界以外の)他の世界を繋ぐ時空の裂け目、ゲートを生み出し、その世界からエネルギーをこっちに流し込む。
・世界の原初が、すべての入り混じった混沌であったとすれば。
    「かつてはすべてが同一のものであった」という「原因」から
    「ゆえに一度は隔てられても、いずれは再び同一のものに戻る」という過程を経て
    「力が異界よりこの世界に戻ってくる」という「結果」が導かれなくもない。
・ゲートを作っても、それは不安定で短時間で崩壊するから、魔力維持・集中力特性を持つアンセニウムによって陣を作れば……
    魔力を維持された陣によって、そのゲートの制御期間を増やすことができる。
    剣に、アンセニウムの陣を埋めることで、付加効果のあるエンチャントウェポンが誕生する可能性がある。
・そのゲートから、エネルギーだけではなく、望まざるものがやってくるデメリットへの対策は? 魔法を失敗することで、魔界とか地獄とか、ヤバげなところとゲートを結ぶ危険性は?
    陣を小型化することで必要以上のものの襲来を防ぐ必要がある。
・また、上記の因果律からは、ゲートは自己膨張し、すべてを飲み込む可能性がないか?
    普通にあるし、変な魔法使いが変なことをしないとも限らない。

……って、これじゃあまんま、グローランサーWのアレとかと同じだったりするわけでorz
242名無しさん@ピンキーsage05/03/12 15:26:02 ID:zhwyfTxn
独自設定を独自設定で補足していくのは、
収拾がつかなくなる恐れがあるので止めたほうが懸命だと思われ。
243名無しさん@ピンキーsage05/03/12 15:42:52 ID:KVb9MPu2
魔法というものは矛盾をなくすためにあるのであって
矛盾を産むためにあるわけではないのだ
244カモシカ担当sage05/03/12 16:04:43 ID:cfGmiC+s
>>242-243
なるほど…

ならば魔法方面は深入りを避けて、物語を眼前の事態だけに絞るか…
いろいろと貴重な助言、感謝です。
245名無しさん@ピンキーsage05/03/12 21:12:16 ID:p3dDhA7o
>>225
今日一日つぶして読んだ
おもしろエロかったがなによりも
カドゥケウスとかマルコシアスとかフレスベルグとかダインスレイフとかに
ニヤニヤしながら読んだ。神話悪魔好きにはたまらん
・・・たまらんけど>>237>>239の会話が自称オカマニなのにさっぱりなのがショック

ズィークバル=どっかのマイナー神話の冥府の番犬?
246名無しさん@ピンキーsage05/03/12 21:22:00 ID:o+xYWj0n
ティンダロスの猟犬というのはクトゥルフ神話ですな。

「角度」から煙のごとく出現し、正の命を持つものを喰らうとか何とか。

詳しくはここで聞いてみるのが早いかと
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1101566378/
247草原の潮風-第3話sage05/03/12 21:38:56 ID:kOJkuQGq

ザザザー・・・・・・ヒュゥゥウウウ

木々のざわめきが遠くなり、体を包むのは草の臭いとさっきより強くなる風。
国境付近に続く森を抜けると、湖に面した崖の上に白い建物が見える・・・これが、俺と博士の新任地だ。

今、俺と博士はその中でてんやわんや、真面目な仕事を色々やっている。
ひょっとすると、今やってる申請書類作成やら、備品の搬入が一番助手の仕事としては"らしい"かもしれない。


「ひゃああああ、くもくもくもくもーっ!?」
「博士、蜘蛛ぐらいで驚かないで下さいよ・・・さっきなんて地下室にムカデうじゃうじゃいたんですよ・・・」
これは酷かった・・・。
何年人が入っていないのか分からない地下の倉庫に、何が残っているのか確認しにいったのだが、
電灯をつけた途端に、虫の群れが一斉に逃げていった・・・それも俺の足の上を這いずりまわってである。

「えーい、殺虫剤8本同時発射だーっ!!」
白衣の上に三角巾とエプロンをつけて、触手にそれぞれ殺虫剤のスプレー缶と、
手に箒をもった博士がそう叫ぶと、白い殺虫剤の霧が発生し鋭い臭いが俺の鼻を貫くと同時に、虫の屍骸が落っこちてくる。

「わー!!やーっ!?とってとってとってとって・・・!!」
どうやら、博士の上に落ちたらしい・・・意地悪をしても埒があかないので、軍手のままそれを叩き落とす。

「ふええぇぇぇん、こわかったよ、助手くん・・・うっく・・・ひっく」
「はいはい、がんばりましたね・・・良い子良い子」
とまあ、ほのぼのした光景をさっきから何度もやっているため、作業は一向に進まない。
248草原の潮風-第3話sage05/03/12 21:40:01 ID:kOJkuQGq
「しっかし・・・ここ、元々はなんだったんですか?元々軍事基地や研究所だったようにも見えないんですが・・・」
ここの構造は余りに単純で、敵の突入に備えて複雑な構造を持たせる軍事基地ではない。
そして博士が研究室にすると言っていた部屋も、本格的な設備はあまり揃っていない・・・機材搬入すれば、それらしくはなるんだろうが。

「偉い人のお話だと・・・・・・学校だったらしいよ」
「学校?」
「うん。イヌの国と小競り合いなかった頃は、全寮制の私立校だったんだけど、戦火が及んできたから、海の方に移転したんだって」
「へえ・・・どおりで兵舎のベットの寝心地がいいわけだ」
実は掃除を始める少し前、自分の部屋になる予定の部屋に荷物を運んだついでに、
30分ほどベットに寝転がっていたのだが、柔らかすぎる訳でもないが、煎餅布団のような固さでもなく、ちょうど良い寝心地だった。

「ふーん、後で助手くんの部屋に遊びに行くからね」
「それは良いですけど・・・・・・先に、風呂をどうにかしません?」
長年ほったらかしにされていたここは、大浴場も当然汚れ放題。
当然、今日の夜までに掃除を終えなければ、ボイラーが動いても風呂に入れない。
「うん、けど先にお昼ご飯にしよっ」
「あ・・・そういえば、もうお昼か」
今日は、食堂が開いているのでそこでお昼を食べることになる。

ちなみに、今基地にいるのは食堂のオバちゃん、整備員(予定)の方々が数名。
それと俺に博士で、実はほとんどの隊員がまだ来ていない。
どうも猫の国ではバカンスの季節だそうで、みんな長期休暇を取って遊んでいる最中らしい。
249草原の潮風-第3話sage05/03/12 21:41:04 ID:kOJkuQGq
「助手くんは何食べるの?」
「うーん、俺は鯖味噌定食ですか・・・魚好きなので」

「助手くんって・・・・・・妙なところが年寄り臭いよね」
博士の何気ない一言が、結構ざっくり心に響く。
そういえば、向こうの世界で居酒屋で食事した時も、
ヒジキの煮付けやら、フキの炒め物やら、キンピラ牛蒡やら・・・・・・爺臭いって言われたっけなぁ。
相変わらず、言ってくれた相手の顔と名前は思い出せないんだけど。

「そう?」
とりあえず、気にしていないように返事を返す。
「こないだも、作ってくれたおやつ、羊羹だったし・・・」
「あれは、材料があれしか・・・冷蔵庫に餡子がキロ単位の袋で入ってる博士も博士ですよ」
当時冷蔵庫に入っていたのは、本当に餡子と砂糖、寒天ぐらいだったのだ。

「だって、鯛焼き作ろうとしたら、ホットケーキミックス買い忘れたんだもん・・・」
「ん・・・そもそも博士の家には、鯛焼きプレートなんてありましたっけ?」
「あ・・・それも忘れてた」
というかドラ焼も鯛焼きも、甘味はホットケーキミックスみたいに砂糖だけじゃなくて、
しっとりさせる目的で水あめもいくらか入れたような・・・というか、何故こんな知識まで知っているんだろう。

「いただきまーす」
「いただきまーす」
程なくして、二人とも頼んだメニューが出てきて、一緒に食事をとる。
博士はから揚げ定食を頼んだらしい。
「あ、胡麻和えもらい・・・」
「はしたないですよ、人のおかず取るなんて・・・んぐ」
「からあげ1個あげるから」
そういって、口に強引にから揚げを突っ込まれる。
しかも食べかけなんだけど、これ・・・。
250草原の潮風-第3話sage05/03/12 21:43:10 ID:kOJkuQGq
「というわけで、昼飯も食べたし・・・」
「よーし、がんばるぞ〜」
今度は、流石に白衣を脱いで短パンにエプロン姿・・・触手と手には、それぞれスポンジを持っている。
一方、俺はというといつもの夏服軍服のまま、ズボンに水がかからないように折っているだけ。
「じゃあ、タイルの方は俺がどうにかするので、博士は蛇口の方お願いします」
「はーい・・・んしょんしょ・・・」

シャカシャカシャカ シャカシャカシャカ

洗剤をつけたブラシが小気味良い音をたてて、タイルにこびり付いた垢や埃を取っていく。
汚れは意外と簡単に落ちて、後は水で流せば問題なさそうだ。

「んしょ・・・んしょんしょ」

一方、屈んで蛇口やシャワーを掃除している博士は・・・
服装が服装で姿勢が姿勢なので、フトモモやヒップのライン強調されて、俺の理性を突いてくる。

「んしょ・・・んしょ」

逝くな、俺の理性・・・頼むから。
襲いたくなる衝動を抑えて、今度は浴槽の掃除に取り掛かる。
251草原の潮風-第3話sage05/03/12 21:43:57 ID:kOJkuQGq

ゴシゴシゴシ・・・ゴシゴシゴシ・・・・・・・・・ジャァァ・・・

これは結構腰に来るなぁ・・・。
何はともあれ早く終わらせないと、夜になってものんびりできない。

「助手くーん、こっち終わったから手伝・・・わわわわわ!?」
「え?・・・・・・・・・あ」

気がついたときには既に遅い。
お約束どおり、石鹸か何かで足を滑らせたと思われる博士は、もう眼前に迫っている。

ゴチッ

固いものが頭に当たって・・・火花が散る。

「わーん、助手くん、しっかりしっかりして・・・」
視界が遠くなっていくけど、不思議と気持ち良い感覚が襲ってくる。
あ、そうか・・・これが気絶する時に感じる感覚ってやつなんだな。

そうして、俺の意識は、闇に落ちていった。
252草原の潮風-第3話sage05/03/12 21:45:48 ID:kOJkuQGq
波の音・・・真っ赤な夕日・・・・・・飛んでくる波飛沫。

「あなたは・・・・・・帰りなさい」
あの時の女の子と・・・・・・俺がどこかの崖に立っていた。
俺は・・・泣いてるのか・・・手にポタポタと雫が落ちて来る。

「我侭言って、私を困らさないで・・・ほら、男の子は泣かないの」
そう言って、頬に手を当てて慰めてくれている。
「・・・・・・・・・っ」
声を出そうとしても、声にならない・・・何かを、何かを伝えたいのに・・・。
「さようなら・・・・・・」
「・・・・・・・・・っ」
まあ、夢だしな・・・それに過去は変えられない―――過去?
夢じゃない・・・・・・俺は何か重大なことまで色々と忘れてる、これだけは事実だ。


「つ・・・冷たッ・・・!?・・・なんだ、氷水・・・?」
突如として上半身を襲う冷たさと、手に当たる冷たくてゴツゴツしたもの。

「ひゃあ!?・・・びっくりした」
「あ、やっと起きた」
「博士、起きましたよ、彼・・・」

聞き覚えのない声が聞こえる。
頭を打った影響か、目の焦点が中々定まらない。
253草原の潮風-第3話sage05/03/12 21:47:46 ID:kOJkuQGq
ドンッ
「うわぁぁあああん、心配したんだからね、心配したんだぞ、助手くんったら」

何か重いものが俺に体当たりしてきて・・・・・・博士か。

「あの・・・水かけちゃってごめんなさい」
「まったく、来た途端上官が頭打って寝込んでるなんて・・・なんて部隊なんだか」
「姉さん・・・そういう口聞くのはいけないんじゃないかな」

博士に抱きつかれて呆けてる俺の横に立っている、女の子二人と男の子。

「あ、あのね・・・ボクたち、あなたの部下として配属された兵士です」
「・・・・・・本当に、隊長がこんなので大丈夫なの?」
ネコ族らしき女の子二人が話し掛けてくる。

言葉としては認識できても、頭が回らずそのまま沈黙が辺りを支配する。

「・・・じゃあじゃあ、みんな助手くんに自己紹介してね」
しばらく沈黙が続いたあと、博士の一言が静寂を破ってくれた。

「それじゃ、私から。
 名前はカレン、得物は戦斧で陸軍歩兵部隊出身。一応研究所で操作のレクチャーは受けてきたわ」
と、背の高い茶髪のポニーテールの女の子が答える。
「それじゃ、早速明日から実機で訓練できるな・・・」
「ええ、勿論そのつもりだわ」
254草原の潮風-第3話sage05/03/12 21:49:56 ID:kOJkuQGq
「自分は、ゼノスであります。
 カレン姉さんの弟で、以前は通信兵をやってましたでありますっ・・・それと、男ですから僕」
緊張しているのか、少々言葉使いが変な華奢そうな男の子。

「まあまあ、そんな堅くならずに・・・」
といって、例のごとく肩を軽く叩く
「は、はい・・・」
「落ち着けっていっても、簡単に落ち着けないわな・・・」

「さっきは、水かけちゃってホントにゴメンね・・・。
 ボクは、ラピスラズリ・フォン・シュナムル。名前長いから、あだ名の"お嬢"で呼んでくれて良いよ」
と、銅製の洗面器を持った銀髪でショートカットが女の子。

「名前は良いけどさ・・・歳とか大丈夫なの?」
他の2人は、年齢的に高校生以上で問題なさそうなのだか、彼女の場合はまだ中学生かそれ以下に見えた。
「レディに向かって失礼だな〜。これでもボク、3人の中では一番年上なんだよ!」

先に自己紹介を済ませたゼノスに視線を送る。

「本当ですよ、お嬢は自分のいた部隊でも、最古参の方でしたから・・・。
 自分も、最初は見た目と年齢のギャップに戸惑いましたけど」
どうやら本当のようだ。
255草原の潮風-第3話sage05/03/12 21:50:52 ID:kOJkuQGq

「あれもこれも、あの時兎の国の魔女がボクにかけた魔法が悪いんだ!」
「何だ・・・呪いか何かでも貰ってるの?」
「忘れもしない30年ちょっと昔のある日・・・。
 ちょーと、立ち入り禁止の看板かかったダンジョンで遊んでたら、
 悪い魔女に実験台にされちゃって、時間止められたんだよ!
 おかげでもう五十路近いのに、大人の玩具とか買いに入っても追い出されちゃうし、
 自慢の艶やかな黒髪だって、こんな真っ白な白髪になっちゃうし〜」

機嫌悪そうに答える。
その容姿で大人の玩具なんて売ってるところにいけば、そりゃあなぁ・・・。

「私はその歳なのにフニフニしたもち肌が羨ましいわよ・・・」
とカレンが一言。

「はいはーい、それじゃ、最後に助手くんも自己紹介して」

「そういえば・・・俺自身の自己紹介まだだったんだな。
 俺は名前思い出せないんで、書類上は"名無し"で通してる・・・ま、普段は"隊長"とでも呼んでくれれば。
 こっちの世界に来て、まだ半年も経ってないから色々至らない所もあるだろうが、宜しく」

「それじゃあ、解散!明日もみんなで基地のお掃除するから、早めに寝てね」
博士による、明日の予定発表でその場は一応締めくくられた。
256草原の潮風-第3話sage05/03/12 21:52:50 ID:kOJkuQGq

ピチョーン・・・・・・ピシャーン

湯気で満たされた巨大な空間の中で、時折水滴の落ちる音が響く。

「はぁ・・・・・・5日ぶりの風呂だ・・・」
俺は、倒れてる間に掃除が終わった大浴場で疲れを癒している。

「男湯があるっていいですね・・・・・・」
隣で涙を流しながら湯船に浸かっているのは、部下のうち唯一の男であるゼノス君である。

「ん?・・・どういう意味なんだ、それって・・・」
「じ・・・実は、前の基地って、ほとんど女性の人ばっかりで男湯がなかったんですよ」
「・・・・・・な・・・なんだって・・・」
「・・・・だから、姉さんとかお嬢が入るよりずっと早くとか遅くに入らないと、しょーもない悪戯されたり・・・」
驚愕の事実である・・・そんな羨ましいようなもとい、かわいそうなような体験をしているとは。

「一応、軍規だと時間帯で分かれてるんですけど・・・男が僕一人だと男扱いしてもらえなくて・・・」
「顔つきも、女装すれば女に見えそうだしなぁ・・・」
「うう・・・隊長までそんなこと言うなんて・・・しくしく・・・」
「男がそれぐらいで泣くなよ・・・」
「はい・・・しくしく」
そんなのだから〜と言いかけたが、これ以上言うとかわいそうなので、湯船から上がって体を洗う。

洗いながら、何でこっちの世界の風呂も、向こうと変わらないんだ・・・などという考えが一瞬浮かぶが、考えていてもしょうがない。
きっと風呂職人の落ち物でもあったんだろうとか、いい加減な答えを自分に言い聞かせ、泡をシャワーで流す。
257草原の潮風-第3話sage05/03/12 21:54:41 ID:kOJkuQGq
「わー」

ドッボ〜ン

「こんなに広いお風呂に少人数で入れるなんて、すごく久々だね」
女湯の方から、湯船に飛び込んだような音とお嬢の声が聞こえる。

ザバザバザバ・・・・・・ドッポーン

「こらっ、泳ぐなっていつも言ってるのに!!」
しばらく泳いでると思われる音が続いた後、カレンらしき怒声が聞こえ・・・

ヒュ     ・・・ゴンッ

「痛いなあ、もう・・・そんな乱暴だから、嫁の貰い先がないんじゃないの?」
「こ、この年増ガキは言わせておけばぁぁあ!!」
どうやら、お嬢が桶でも投げつけらたようで、カレンも本気で怒ったらしい・・・。

「ひいぃぃぃいいい・・・」
こちら側で、まだ湯船に浸かっていたゼノスが、先ほどからガクガクと震えている。
これを毎回間近で見ていたのなら、こうなるのも当然とも思えるような鈍い音が次々に響いてくる・・・。
258草原の潮風-第3話sage05/03/12 21:55:52 ID:kOJkuQGq
ガラガラガラ・・・

「助手く〜ん・・・」
「・・・博士?」
まだ壁の向こうは罵詈雑言と危険そうな音が響いている中、博士が男湯の戸を開けて入ってくる。
胸から腰にかけてバスタオルを巻いて、アヒルの玩具を手に抱えて目には涙が浮かんでいる。

「あっち怖いから、こっち・・・良い?」
「・・・・・・・・・別に、いいですが・・・」

「あ、僕はあがってますね」
「おー、湯冷めしないうちに寝ろよ」
そそくさと出ていくゼノス・・・気を使ってくれてるのだろうか。
あ、自販機のところでフルーツ牛乳飲んでる・・・微妙に贅沢なヤツ・・・。

そうこうしているうちに、博士は体を洗い終えた俺の腕を掴んで、強引に湯船に招く。
「ふう・・・・・・二人で一緒にお風呂に入るのって・・・初めてだよね・・・」
「あ、そういえば・・・・・・あれだけ毎日ベタベタしてたのに・・・」
確かに、あれだけ毎日一緒にいたのに、一緒に風呂に入ったことは一度もなかった。
俺と博士の二人にとっては、風呂場という場所は意外と盲点であったらしい。

「お風呂小さかったもんね・・・一人で入るだけでも」
そういって、俺の肩に自分の体重をかけて来る博士。
「博士・・・重いんですけど・・・」
「良いじゃん・・・・・・さっきは、私が医務室までキミを運んだんだから・・・」
「・・・・・・お互い様って所ですか・・・」
俺は、腕を伸ばして寄りかかってきた博士を抱きとめ、軽く頬にキスをする。
「そういうこと・・・他の人たちは、もうお風呂済ませちゃったし・・・今日はここでしよっか」
259草原の潮風-第3話sage05/03/12 22:11:00 ID:kOJkuQGq
湯船から上がり、タイルの上にバスタオルを敷いて仰向けになる博士。
「博士・・・また胸大きくなった・・・」
そう言って、俺は両手で博士の乳房を愛撫する。

「助手くんが、いっつも揉むからだよ・・・・・・あ・・・」
乳首を抓ると博士の体がビクンッと痙攣して、声が漏れる。

「博士が・・・可愛い過ぎるからですよ・・・チュッ」
胸全体揉むように動かしていた手を休めて、首筋に口付けをする。
「ひゃあ・・・・・・首はぁ〜・・・・・・助手くんの意地悪・・・」

「その意地悪な、助手相手に・・・こんなになってるのは・・・・」
そう言って、博士の茂みに手を入れる・・・中は既にトロトロだ。

「・・・指じゃない方が欲しいな・・・」
指を口に入れて、物欲しそうに俺に向かっておねだりする博士。
そんな誘惑に、俺は勝てるわけはない。

「じゃ・・・・・・入れますよ・・・」
博士は、いつものようにゆっくり俺を受け入れてくれる。
「・・・ふう・・・入ったよね・・・・・・ふふふ」

「・・・博士?」
「・・・・・・なんでもないよ・・・ちょっと、嬉しかっただけだよっ」
背中に回った博士の細腕が俺を強く抱きしめ、触手まで絡ませてくる。
260草原の潮風-第3話sage05/03/12 22:12:03 ID:kOJkuQGq
「それじゃ、動きますよ・・・」
「うん」
俺はゆっくり腰を動かす、博士を少しずつ味わうように。
「あっ・・・・・・あん・・・あっ・・・助手くん・・・好きだよ」
博士の爪が背中に食い込むと同時に、博士の中がキツくなる・・・感じてるんだ、博士。
「う・・・・・博士の中・・・キツく・・・」
「ふあ・・・・・・出して、出しちゃって良いよ、助手くん」
「は、はい・・・・・・くっ」
「ふう・・・いっぱい・・・助手くんのがいっぱい中に入ってきてる・・・・」
抜いてない故、行く場所を失った精子が、博士のお腹を膨らませる。
そのまま余韻を楽しんでいる博士だが、
掃除でくたくたに疲れていた現状では正直、ずっとこの体性でいるのはきつい。

「・・・ちょっと、この体性きつくなってきたんで、抜きますよ」
と、博士の触手の何本かが俺の上半身を支え、或いは動けないように腕に絡みつく。

「ダメ、あと5分ぐらいは、このままで・・・ね?」
そう言って、満面の笑顔で俺に語りかける。
その間も接合部から、少しずつ白濁液が漏れ出してきて、タイルの上に敷かれたバスタオルを汚していく。

「俺の負け・・・だな。わかりましたよ、もうちょっとこのままで・・・」
俺はあっさり折れた。どうにも、博士の笑顔には敵わないらしい。
261草原の潮風-第3話sage05/03/12 22:13:00 ID:kOJkuQGq
一方、女湯そのころの女湯では。

「じー・・・・・・・・・若いって、良いなー・・・ボクもあんな頃があったよ・・・」
「ちょっとお嬢、一人で覗いてないで、私にも見せなさいよ」
「わわっ、暴れないでよ、ただでさえ滑ってバランスが・・・ひゃあああ」
「え!?ちょっとそんなに倒れられたら私もバランスが・・・あっ

バッシャーン ドッボーン

「まったく・・・あんなとは腐れ縁だわ・・・今の音で、覗いてたのばれてなければ良いけど」
「それはこっちの台詞だよー、まあカレンちゃんの弟は美味しかったし腐れ縁でも別に良いけど・・・」
「・・・・・・!? ちょっと、あんたってば人の弟を一体何だと!!」

再び、木でできた桶が宙を舞い、壁に当たっては床を転げまわる――再度の修羅場。


「なんかまた大きい音が・・・・・・お、女湯の方が五月蝿くなった・・・」
「騒がしい娘たちだよね・・・うまくやっていけるかな・・・」
そう言って博士が伸ばした手に、自分の手を重ね合わせて、耳元で囁く。

「大丈夫ですよ、きっと・・・」

変な連中の集まった、湖の辺に建つネコの国の軍事基地の夜はとてもとても長く・・・・・・。
262草原の潮風-第3話sage05/03/12 22:14:40 ID:kOJkuQGq
【カレン(ネコ族、20歳♀)】
豪快な戦い方で恐れられているネコの国の女性兵士。
落ち物研究所で人型戦車の操縦適正検査で好成績を収めたため、機械化部隊に配属される。
レナの道場のOGと見られ、トレードマークのポニーテールは真っ赤なリボンで結ばれている。

弟のゼノスに家事一切を任せていたため、ガサツで不器用。

【ゼノス(ネコ族マダラ、15歳♂)】
部隊に来る前は、通信兵をしていた弱気で華奢な少年。
姉のカレンと同じく、適性検査の成績優秀につき、機械化部隊に配属される。

家事一切をこなしてきた上に、通信機器の整備まで自分でこなしていた為、
人並み外れて手先が器用で、趣味はビーズを使ったアクセサリー作りらしい。

【ラピスラズリ・フォン・シュナムル(ネコ族、48歳♀、通称:お嬢)】
悪戯好きで小柄で、綺麗な銀髪のショートカットの可憐な少女・・・に見えるが、実体は五十路近いおばさん。
兎の国の近くで遊んでいたら、成長しなくなる呪いをかけられたらしい。
カレンとはよく喧嘩するが、無二の親友?

やっぱり適性検査での成績優秀につき、カレン・ゼノスと一緒に機械化部隊に配属される。
が、彼女の場合は、彼女の実家である大企業が軍部に圧力をかけたとも言われている。
26363sage05/03/12 22:23:12 ID:kOJkuQGq
投下完了。

カレンとゼノスの名前は、某ゲームに出てくる、家庭的で魔法が全然使えず、足が遅くて人質に向いてそうな兄と、
各種魔法が豊富に使えて、前衛も特殊攻撃でバリバリこなす割に、あっさり誘拐される妹から。
264名無しさん@ピンキーsage05/03/12 22:25:34 ID:o+xYWj0n
・・・おわりかな?

乙です〜。
これ以降はゼノス君を要チェックなわけですなw

ところで、ネコさん達は最長寿命が650年ぐらいだったはずでは。
50〜60ぐらいでおばさんにはならないのでは?
26563sage05/03/12 22:27:57 ID:kOJkuQGq
>>264
すっかり忘れてた・・・orz
266名無しさん@ピンキーsage05/03/12 22:51:26 ID:p3dDhA7o
リアルタイムGJ!!
なんか最近今まで居なかったマダラっ子が急増でハァハァですよ
お風呂場で女湯に男の子一人のいたずら有、これだけでもうご飯三杯は

>>246
わざわざどうも、さっそく見させて・・・もらったリンク先がなんか凄いなおい(汗
267名無しさん@ピンキーsage05/03/12 23:00:45 ID:mvS5ynwl
まあ、ヒト換算として考えればいいと思いますよ
268名無しさん@ピンキーsage05/03/13 01:40:42 ID:lNaTp1Aq
魔法を掛けられた時の歳が48であり、
本人が永遠の48だって申告してるんならそれはきっと48なんですよ。
…仮にたとえもしも実際には480超えた化けねうわなんだだれかたすけ
269名無しさん@ピンキーsage05/03/13 06:36:35 ID:JgApuC30
センセー、入浴時には蛸部分は赤くなってるんですか?
270カモシカ担当sage05/03/13 08:20:16 ID:qYdZTYvc
いつもながらGJです。
ミーナたん萌えるな…泣き顔の可愛い子っていいなあ。
「俺」の名前…何やら脳内補完で「カーマイン」て呼びそうですw
271虎の子sage05/03/13 10:47:25 ID:6Lr+otdS
おお、不器用少女にロリで年上な僕娘、幸薄そうな少年、、
私のツボを直撃です。
鼻血が止まりません。
是非続きを!!
272名無しさん@ピンキーsage05/03/13 20:06:07 ID:NxyzW4ZE
>>241
まあ、設定としてはアリだと思うんだ。
展開しだいではかなりの重要な要素にできるだけのものはあるかもしれない。
だが……その。それやると、因果律でゲートを開いてエネルギーを流してくるんだから……

カモシカの国の 内 乱 の 黒 幕 が ウ サ ギ という事態になっちまうような気がw

>>263
GJ。でも……その名前。
ゼノス君さらわれそうだな……さらわれるんだろうな……
カレンさん笑顔で劇薬のビン投げたり巨大注射器振り回したりするんだろうな……

で。
>>232氏って……兎の人でいいんでしょうか。
楽しみにお待ちしています。
273名無しさん@ピンキーsage05/03/13 23:33:13 ID:bYdeeUkP
アヒルのオモチャ、萌え。
「ひいぃぃぃいいい・・・」ガクガク、萌え。
さりげなくの「美味しかった」発言、萌え。
でも博士の体重、やっぱ触手×8の分だけ重いんだろうな、
今日みたいに下になった時は助手君大変だ、若くして腰が逝かなきゃいいんだがw
274名無しさん@ピンキーsage05/03/14 09:48:57 ID:u1Kuyol2
そこで触手プレイですよ(マテ
275兎の人sage05/03/14 13:20:06 ID:4pYSDkSu
お待たせ。うさうさ8枚
276十六夜賛歌[7b|1/8]sage05/03/14 13:20:52 ID:4pYSDkSu
<<interrupt : start>>

「セラ……。お主もなかなか器用じゃのう……」
目の前で熟睡する義妹を見つめて、フェイはため息を漏らした。
「せっかくお主に頼まれていた本を探してきたというのに……」
喜ぶ顔が見たいとばかりに真剣に探していたのだが、
帰ってきてみればセラはベッドに身体を横たえて、静かな寝息を立てているではないか。
まあ、フェイにとっては喜ぶ顔も眠った姿も、どちらも愛しきセラであることに変わりないのだが。
というよりも、今指摘すべきことは
「それに、ココは“わらわの夢の中”じゃぞ? 夢の中で夢を見てどうする」
…………。
しかし、その問いには「く〜く〜」という可愛らしい寝息しか帰ってこなかった。
フェイは、ため息を1つ、次いでセラに寄り添うように、同じくベッドに寝そべる。
そして、セラの耳元に向かって、熱っぽい吐息を吹きかけた。
「………授業中に眠った子には、お仕置きをせねばいかんのう」
ふっ、と耳の中に息を吹きかけると、セラは「んふ……」と艶かしく唸ったが、目が覚めるまでには至らない。
完全に眠っていることを確認したフェイは「あ〜……あ〜……」と喉の調子を確かめる。
そして、
「……гбИЁΖ……」
首元に手を添えて、小さな声で呪文を唱えていく。
声を変化させる魔法。汎用性は少ないが、こういうときには面白いことが出来る。
「さてと、眠っているセラが見ている夢といえば……間違いなくアレじゃろうな」
そう言って、フェイはセラの召使い、タクヤの声で呟いた。
『セラ様。僕の“お○んちん”、セラ様のドコに入れればイイんですか?』
277十六夜賛歌[7b|2/8]sage05/03/14 13:21:34 ID:4pYSDkSu
「ん……・・・んンっ!!・・・・・・」
セラは起きない。
しかし、フェイは確かな手ごたえを感じた。
身体をセラに寄り添うように密着させ、服の中に手を差し込み、真っ先に秘孔を探り当てる。
右手の中指でフチをさすり、左手はセラの足を開かせていく。
『ほら、セラ様。僕の“お○んちん”、どうしたいんですか?』
とろりとした粘液を指に感じながら、フェイは捲し立てる。
セラの寝息は、明らかに熱っぽかった。
「ん……・・・・・・タクヤ・・・・・・ズコズコ、して・・・・・・」
寝言で呟くセラに、フェイはたまらなそうな笑みをこぼした。
右手に黒塗りの張り型を用意する。
セラもフェイもメスである以上、2羽の情事ではこのようなモノが必需品だった。
『はい!! 僕の“お○んちん”、セラ様の“お○んこ”で気が狂うまで味わってくださいッ!!』
パジャマのズボンの中、下着の更に中、既にぐっしょりと濡れた秘窟に、ぬめりと張り型を押し込んでいく。
セラの最奥に当るまで押し込んだ後は、抜ける寸前まで引き抜いていく。
張り型を手で持っての抽送は、しかし至極ゆっくりとしたものだった。
「んん・・・・・・・・・焦らさ・・・、で・・・・・・・」
ふふ、と再び微笑み、一度張り型を引き抜いた。
双頭の一方を自分の中に沈め、真ん中に付いたゴムのベルトで足と腰に固定する。
セラの服も、下半身に当るものは全て取り払ってあり、幼さの残るその部分を隠すものは何もない。
腕で足を左右に広げ、再びセラを愛していった。
278十六夜賛歌[7b|3/8]sage05/03/14 13:22:16 ID:4pYSDkSu
「ん、ん、ん・・・・・・」
『ああッ!! セラ様の“お○んこ”、絡み付いてきて凄く美味しいですッッ!!』
腰を掴んで、力任せに出し入れさせる。
セラの中で張り型が動くたびに、張り型を伝ってその感触がフェイへと叩き込まれていく。
中で包まれているという感触がないのが残念だ。今度生やしてみる方法でも考えようとフェイは思った。
しかし、今はセラと繋がっているという快感だけで十分だった。
「セラ、気持ち良いぞ?」
「ん・・・・・・んぅ・・・・・・フェイ様・・・私も、気持ち良い・・・・・・」

ゆっくりとセラの目が開いた。
「んみ・・・・・・フェイ・・・・・・さま?」
「セラ……。なぜ、タクヤではなく、わらわだと気づいたのじゃ?」
意地悪くクイッと腰を釣り上げると、セラは「ぁあん」と声を上げた。
「ん、あ……。タクヤはそんなエッチな言葉使いませんし、それに……
………………タクヤとは“形”が違ってたし……。あう……恥ずかしい……」
「ふふふ。そんなに真っ赤になって。陰茎の形で相手を見分けられるとは、よほどタクヤを気に入ったようじゃな」
なんとなくズコズコと腰を叩き込んでいた。
「はぅッ!! ああッ!! だ、だめ、感じちゃ……んんッ!!」
「タクヤに酔いしれるのは別に構わんが、わらわもまたお主のことを想っている事も忘れぬようにな」
両手でセラの柔らかな肢体を抱きしめる。
「ん、はい。もちろんです・・・・・・・・・・んっ!!」
最後に一度だけ大きくストロークさせた後、張り型をセラの中から抜き去る。
セラのそこは、名残惜しそうにひくひくとうごめいていた。



「ところで、そろそろ本題に入りたいんじゃが、用意はいいかの?」
「え……。は、はい」
2、3度頭を振り、セラは頭のスイッチを切り替える。
279十六夜賛歌[7b|4/8]sage05/03/14 13:22:59 ID:4pYSDkSu
「さてと。先ずはお主に頼まれておった本じゃ」
取り出したのは、百科事典に匹敵する厚さの書物。
表紙には『使い魔の構成』と書かれていた。
「母上にも紹介したことがあるんじゃが、この分野の書籍の中では最も詳細に載っておる」
渡された本を開いた。
しかし一目見て、セラは首を傾げてしまった。
「……? 白紙ですよ?」
全ページとも、何も書かれていない。
「……当たり前じゃ。そんな量を憶えることなど無理じゃて。憶えてなければ夢にも投影できん。あとで取りに来るが良い」
「あう……それならば夕食の時にでも私の部屋に来てくだされば良かったんですが」
「ならば渡せる雰囲気を作っておくことが大事じゃな。情事の真っ最中に渡せるわけがないじゃろうて」
「の、覗いてたんですか!?」
フェイは不敵に微笑む。
「覗いとらんよ。聞いてもおらん。知ってもおらんかった。兎の耳にも初耳じゃ」
そして耳の先まで真っ赤に染まる自分の愛妹の頭を、フェイは背伸びをしてゆっくりと撫でてやった。

「それから、“落ちモノ”に関しても、ちと夕方に調べてみたんじゃが」
フェイは、今度は懐から一枚のメモを取り出した。
「おぬしも知っての通り、この世界には時おり“ヒト”などが“上の世界”から落ちてくる。
それは、この兎の国でも例外ではない。その一例がタクヤじゃったな?」
こくりと肯く。
「うむ。しかし、この国に落ちてくる“落ちモノ”の数は他国に比べ少ない。
まあ、国土の大部分が生き物を拒む氷の世界、例え落ちてきていたとしても発見されないケースが多いのかも知れんな。
最も“落ちモノ”が多い猫の国が一番研究に力を入れているのに対し、少ないこの国では殆ど研究されていない」
「そう……ですか……」
280十六夜賛歌[7b|5/8]sage05/03/14 13:23:42 ID:4pYSDkSu
家という制度で繋いできた魔女の一族、アリアンロッドとイナバ。
兎の二強と呼ばれるこれらの家々でも、現在落ち物について研究している者が居るとは聞いたことがなかったが……。
「研究されていない。そう思っておったが、アリアンロッドは研究を行っておった。
“落ちモノ”ではなく“落ち方”についてじゃが、実際には遥か昔に研究は“終了”していたのじゃ」
驚いたセラに、フェイはメモを渡す。
そのメモを見て、セラは瞬時に理解した。
「…………“仮想世界層を媒介とした、虚世界因子と実世界因子の同調”」
難しい言葉で書いてあるが、つまり2つの世界がつながる原因は“偶然”であるということをこの文は示していた。
「だ、だめ。これじゃ、タクヤをもとの世界に帰すことなんて……」
できない。偶然につながる2つの世界を再び意図的に繋げることはできない。
「残念ながらそうなるのう」
「そう……ですか…………」
タクヤをもとの世界に帰す方法を探し始めた矢先に突きつけられた回答。
おそらく、先人はこの結論に達した時点で、これ以上は無意味と判断し研究を中断したのだろう。
セラは、がっくりと肩を落とした。
「……正確には、“アリアンロッド家は帰すことが出来ない”じゃな。おぬしかイナバか、はたまた他の魔法使いか。
ともかく、他の魔法論理を持つ者ならば、あるいは可能かもしれん。そんなに気を落とすことはあるまいて。
それに、他国ではまだ研究が続いておるから、もしかしたら」
帰す手段が見つかるかもしれない。
もしかしたら。きっと。
「加えて、偶然とはいえ、物事の因果には必ず“意味”がある。
まあ、わらわは“山向こうの集落に向かってトンネルを掘る”ようなものじゃと思うんじゃがな」
「へ? は、はい………??」
突然不思議な例えをあげられて、セラは戸惑うが、フェイはそれに対しては何も付け加えなかった。
「“リミット”までには、まだ1ヶ月弱もある。じっくりと考えていけば良い」
その腕でゆっくりとセラを抱きしめると、セラも抱きしめ返してきた。
281十六夜賛歌[7b|6/8]sage05/03/14 13:24:28 ID:4pYSDkSu
「ところで、今日は妙におとなしいのじゃな」
「? ……ふぁっ!! やん。尻尾を撫でちゃいや……」
抱きしめたまま、フェイは後ろから、セラの尻尾を撫で上げていく。
セラは腕を突っ張らせフェイの肩を押しやろうとするが、いまいち力がこもっていない。
「普段ならば、おぬしはもうちっと淫らに振舞うのじゃが……」
「んん!? わ、私そんなにエッチじゃないですよう」
しかし、思案を重ねたフェイは、とんでもないことを言い張った。
「……もしや夢の外では、タクヤに“入れてもらいながら”寝ているのか?」
「!!!?」
セラの身体がビクンと震え上がる。
「図星か」
「ち、ちがう!! 私はそんなエ……・・・ひゃうッ!!」
抱きしめたまま腰を前後させると、今だフェイに付けられたままの張り型がセラの足の間を擦り抜けていく。
「あっ、ふぁっ、ぅうん・・・・・・」
「ほほほ。弱いのう」
途端にセラの全身から力が抜ける。
ベッドにゆっくりと、仰向けに横たわらせて、
「と、さっきと同じ体位では飽きるな」
くるんと引っくり返し、次いで腰を手で持ち上げる。
うつ伏せのまま膝立ちになり、腰を、お尻を、真っ白な兎のしっぽを天高く持ち上げるような格好。
特に尻尾は兎にとって陰部の次に恥ずべき場所。
「や、やん・・・・・・恥ずかしいよ・・・・・・」
耳を後ろに伏せ、上気した顔をこっちに向けて、そう言った。
しかし、それは兎の間で肯定の意を表すことは、セラもフェイも身体で憶えている。
「さ、存分に楽しもうぞ」
セラの腰を両手でしっかりと掴み、フェイは自らの腰を前に突き込んでいった。
282十六夜賛歌[7b|7/8]sage05/03/14 13:25:15 ID:4pYSDkSu
しかし……。
「や、ぅうん、あぅ、だめ、ちゃんと入れてよぉ・・・・・・」
フェイの張り型は、ぴったりと閉じたセラの足、その付け根の所を往復するだけだった。
「ほほほ。おぬしの体には既にタクヤの太いのが入っているのじゃろう? なら入れる必要は無いじゃろうて」
「あ、あぅあぅ〜」
「それに、力加減を工夫すれば……」
「!? ひゃ、あ゛、ぴ、ぴりぴりする……ッ!!」
張り型の胴に付けられたイボイボが、セラの入り口付近を刺激している。
とろり、とセラから分泌された愛液が、張り型の前後運動によって撹拌され、
竿にそって流れ落ちた汁がベッドにシミを作っていく。
「あ、あ゛、あん、んッッ……あ、あたまのなか、真っ白に・・・・・・」
「素股でイきそうなのかえ? いいじゃろう。存分に狂うがいい」
「あ、ん? ふぁ、あ……んんッッ!! そ、そこダメ、おかしくなっちゃ……」
くい、っと軌道を上向きに修正すると、カリの部分がセラの最も敏感な突起をこすりあげる。
既に丸々と肥大化した肉豆は、張り型にかえって当たりやすくなっている。
ぽた、ぽた、という水音は、より強く感ているセラの快感の度合いを素直に表していた。
「ふぁ、んっく、んンッ、んンッ、ひゃ、ああん、ひゃあぁぁあん!!」
シーツに顔を埋め、快楽を漏らすことなく受け止める。
既にセラの腰は、その快感を強めようと前後に揺れ動いていた。
「ふふ。美しいぞセラ。大好きじゃ・・・・・・」
トドメとして、フェイは目の前で揺れる真っ白のしっぽを手のひらでこね回した。
「あ゛、ダメ、だめ、イっちゃ、イっ・・・・・・ああ゛あ゛あああっっっっ!!!!」
セラの身体が、2、3度ビクビクと軽く痙攣する。
力が抜けて崩れ落ちようとするセラの身体を、フェイは優しく抱きしめて支えてあげた。

そのとき。
断続的な“水音”が、辺り一帯に響き渡った。
283十六夜賛歌[7b|8/8]sage05/03/14 13:25:57 ID:4pYSDkSu
「ふふふ、“お漏らし”してしまうほど気持ち良かったのかえ?」
セラの聖水でびっしょりと濡れたベッドを傍目に、今だ余韻で惚けたままのセラに話しかけた。
そして、ゆっくりと唇を重ね合わせる。
「さて、おぬしの望みどおり、今度は……」
そう言ったところで、フェイは何かを勘違いしているような気がした。

……ここは夢の中。

「あ〜……セラ。その、なんだ……。とりあえず目を覚まして……一緒に寝ているタクヤに謝っておけ」
暫くぼーっとしていたセラだったが、その言葉の真意を理解し顔が真っ青になった。

<<interrupt : end>>


【十六夜賛歌・控え室】

フェイ:どうじゃ少年。このくらい愛を見せれば出番が増える
タクヤ:え? ……あ、はいッ!!
フェイ:よし、良い返事じゃ。ならば次回セラを犯してみろ
タクヤ:!?
 セラ:!?
284兎の人sage05/03/14 13:37:41 ID:4pYSDkSu
というか、ここ最近流れ早いですね〜
早く続き書かなくては埋もれてしまいますな


>>262 兎の魔女に成長止められちゃったネットアイドルラピスたん48才
おそらく、呪いをかけたとすると考えられるのはイナバ家の誰か、または女王様 orz


>>272 兎の国が内乱の黒幕ココア
とりあえず、今回の投下でアリアンロッド家の声明を……
イナバ家は政権を退いてからほんとに何やってるかわからないんで、
イナバが関わっている可能性はありますけど……

とりあえず、因果律という言葉は誤解されやすいようですが、兎の国が使う因果は
自然界に忠実なもので、『マッチを使えば火が起きる』とかそういうレベルです。
要は、その『マッチ』に該当する部分に魔法的なものを当てはめているというかんじ。

現女王様は『因果の女王』とか呼ばれちゃっているみたいですが ^-^;
陛下はトリッキーな手法を用いているだけなんで、因果律を勝手に弄れるわけじゃないです
285名無しさん@ピンキーsage05/03/14 13:42:43 ID:bitu+2dH
>>225
ざっと流し読みだけれど長すぎ!!
しかも同じような事ぐだぐだやっていてお話があんまり進んでないし。
286名無しさん@ピンキーsage05/03/14 14:04:22 ID:MxXJkKAn
兎の人GJ! ・・・致したまま漏らされるとどうなるの?
287名無しさん@ピンキーsage05/03/14 14:29:00 ID:7+TfZzuE
聖水キタ━━━━━━ヽ(゚∀゚)ノ━━━━━━!!
>>286
後ろ抱きだったらよし、向かい合ってだったら・・・・・・悲惨
288兎の人sage05/03/14 14:52:46 ID:4pYSDkSu
え〜っと、誤解されないうちに

>「図星か」 
>「ち、ちがう!! 私はそんなエ……・・・ひゃうッ!!」 

これはセラ様のほうが正しいということで

実際セラ様は入れてもらったまま寝たりはしないです
入っているうちは寝ずに腰振ってるような気が……

(,,゚Д゚)∩<先生!
セラ様どんどん痴女っぽくなってる気がするんですが、軌道修正するべきでしょうか?
たしか4の後半あたりまではマトモだったような気がするんですが
289名無しさん@ピンキーsage05/03/14 18:06:23 ID:wl68AiSl
全ては、因果律のみぞ汁・・・もとい、知る。
290名無しさん@ピンキーsage05/03/14 19:06:26 ID:Km4BKDfu
>>兎の人様へ
 何時もの事ながら、今回もGJ!!!
 フェイ様、素敵過ぎ。と言う訳で次回はぜひおむつプレ…
 
>>セラ様究極痴女化計画
 もっともっとハードにキボンヌ。
 だって今は『3月』ですぜ、兎さんが今狂わなく何時狂うんですか〜?
291カモシカ担当sage05/03/14 19:14:25 ID:LArgIfup
>>283
GJです。つーか本当に上手いです。
はあ……みんな、本当に上手いなぁ……。なんていうか、行為の流れと積み重ね方が上手いです。

>つまり2つの世界がつながる原因は“偶然”であるということをこの文は示していた。
>偶然につながる2つの世界を再び意図的に繋げることはできない。

なるほど……となると>>241仮説は根底から崩壊するわけですね……ここが必然でなかったらゲートも何もないわけですし。
まあ、アンセニウムと新エネルギーについては、当分は「そういうものがある」ということだけにして深入りしないでおきます。

……ていうか、ちょっと待て自分。
もしかしなくても、あわや世界観ぶち壊しかねないような設定を作り出そうとしてたのか?(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
うむぅ……猛省しますorz
292兎の人sage05/03/14 19:23:57 ID:4pYSDkSu
>>291
>となると>>241仮説は根底から崩壊するわけですね

いやいや、ここで最強の免罪符

>それに、他国ではまだ研究が続いておるから、もしかしたら

の発言を使えば、崩壊なんか全然しなかったりします

まあ、この文には「俺の設定は他の国には強制しないよ〜」
「その代わり他の国の設定も強制されたくないよ〜」って意味を込めてたんですが


ということで、ご自分の物語に合った設定を考えれば良いかと思っています m(_ _)m
293名無しさん@ピンキーsage05/03/14 20:11:49 ID:+pOD3M+t
ローカル保存しといた狗国見聞録3〜4をやっと読み終わり。……長ぇ、ホントに長ぇ_| ̄|○
しかもコレで全体の3/4っすか……現在でさえ、文庫本にするとほぼ確実に上下巻は要りそうなのに。
しかし、震えました。泣きました。声を上げて哭きました。くどいとか濃いとか言われそうなくらいに描写された心情にのめり込まされて…
正直、悪役にここまで泣かされたのも初めてでした。そうだよなぁ……そうなってしまった理由があるんだよなぁ……。

ああもう、とりとめがつかない。とにかくGodJob。結の章、震えながら待たせていただきますっ!
294カモシカ担当sage05/03/14 20:12:19 ID:LArgIfup
>>292
早速のお返事、ありがとうございます。

>「その代わり他の国の設定も強制されたくないよ〜」って意味を込めてたんですが
ええもう、こちらからの強制なんてとんでもない。新参者ですし。
でも、こちらで他国の設定を使わせてもらうかもしれませんので、そのときは事前にご一報入れて
「こういう認識でいいですか?」
と、聞かせてもらいます。

まあ、今執筆している部分では自国内の設定しか使わない予定ですが。
……前編だけでも今日中にうpできるかなあ……
295名無しさん@ピンキーsage05/03/14 21:25:54 ID:iT4IYyBK
まあ、他の国とのリンクを考えるならその国の作者の了承を得るか、

「〜〜の国のとある閉鎖的な地方には〜〜」とか
「のはははははっ!!我が輩はこの新理論により我を追放したイヌ魔法学会の奴等に復讐(ry」とか
「くっくっく、〜〜の国の〜〜さえ手に入ればかの“血まみれ”フローラも一発よ(無論この後失敗)」とか
「それはアリアンロッド家が王座につく300年前の事(当然現在には関係しない)」

などの逃げ口上で何とかするのがいいかと。

無論併用が一番望ましいかと思いますが。
296名無しさん@ピンキーsage05/03/14 22:02:31 ID:LArgIfup
>>295
>「〜〜の国のとある閉鎖的な地方には〜〜」とか
>「のはははははっ!!我が輩はこの新理論により我を追放したイヌ魔法学会の奴等に復讐(ry」とか
>「くっくっく、〜〜の国の〜〜さえ手に入ればかの“血まみれ”フローラも一発よ(無論この後失敗)」とか
>「それはアリアンロッド家が王座につく300年前の事(当然現在には関係しない)」

さ、さすがにそこまでぶっ飛んだ逃げ口上は……w
297名無しさん@ピンキーsage05/03/14 22:39:54 ID:iT4IYyBK
>>296
小さな嘘に気がつかせないコツは、最初に大きな嘘をつくことだ。

と、あさりよしとおが言っていたw

マジな話をしますと一番最初に「この世界には魔法がありますよ〜」と言っておけば
多少無茶な事をしても「魔法なら仕方ないや」というふうに言い訳できます。
それは全くもって正しい意味で思考停止なのですが、書く事も読む事も知的遊戯である以上
遊戯が横道にそれないように横道を遮断するというのは正しい手法ではあります。

設定を煮詰めるという事はそこから新たな発想を生み出す前準備で、それはそれでとても重要な事ではありますが
それにこだわりすぎる事のないように「何事にも例外がある」と逃げ口上を 自 分 に うっておく事もまた重要かと。

と、まあ微妙にスレ違い且つ説教まがいのお話はこの辺で。

>>284
>因果律魔法
つまり、「桶屋を儲けさせる(←結果)為に風を吹かせる(←魔力)」という認識でよろしいか?(オイ
298岩と森の国ものがたり4・前編sage05/03/14 23:33:31 ID:LArgIfup
 明け方の薄闇を引き裂くような一発の銃声。
 突然の轟音で、レーマは目を覚ました。
 何が起きたか、よくはわからない。だが、あの音は聞き違えようもない銃声。
 そして、銃声が響くような時に、ロクなことがあったためしはない。
 一緒に寝ていたアンシェルも、その轟音で目を覚ましていた。
 すばやく服を着替え、手元にあった武器をつかむ。
 それとほぼ時を同じくして、ものすごい音でベルが鳴り響き、そして伝声管からリュナの声が聞こえてきた。
「リュナ・ルークスだ。屋敷内の全ての就労員に連絡する。多数の不審者が当館に侵入した。
生命の危険があるため、総員に地下からの避難を命ずる。なお、武器の携行および臨機応変の対処を許可する。繰り返す……」
 いつになく緊迫した声のリュナ。その声が、事態の深刻さを現していた。
「侵入者!?」
 アンシェルと顔を見合わせ、そして次に窓の外を見る。
 薄闇のなか、確かに数十人規模の人間が動いている。そして銃声。少し離れた部屋から聞こえる。
「姉さま、レーマ!」
 次の対応を考えている時に、リシェルが息を切らせて飛び込んできた。
「二人ともこっちに来て!」
 そう言って、リシェルは二人をフィリーヌの部屋に連れて行く。
 そこでは、フィリーヌが銃を次々と取り替えながら、窓の外に狙いを定めて次々と撃っていた。
 そしてその横では、リュナが慣れた手つきで銃に弾薬を装填しては手渡している。
 まだ外は暗い。ヒトにはとても狙いをつけられたものではない闇だが、そこは蝙蝠の能力を持つだけあって、全く苦にせずに狙撃を繰り返す。
 リュナが、顔だけこちらに向けて三人の姿を確認すると、いつになく険しい表情で言った。
「来たか。説明は後だ、とりあえず私たちはこちらから逃げる!  フィル、行くぞ!」
そう言って、リュナは自分の事務室へと向かった。その後を四人で追う。
 事務室に着くと、リュナは本棚の裏の隠し階段を開けていた。
「ここから、一時避難する」
 そう言って、四人を否応なしにその中に送り込む。最後にリュナも入ると、レバーを引いた。
 本棚が動き、元の位置に戻る。そして鉄格子が降り、鍵がかかった。これで、外からは侵入できない。
299名無しさん@ピンキーsage05/03/14 23:34:19 ID:LArgIfup
「一体、何が?」
 まだ事態の飲み込めないレーマが尋ねる。
「……わからない。だが、あれだけの数をグランダウスで動かすというのはただ事ではない。まずは一度、シャリアさまの館に向かう」
「……戦火とは無縁の場所だったのに」
 アンシェルがつぶやく。
「ああ。それだけの軍備もあったはずだ。なのに」
「……認めたくないけど、裏をかかれたとしか言いようがないわね」
 フィリーヌの言葉に、リュナは無言で頷く。
「とにかく、この通路は外とシャリア様の屋敷につながっている。もし、シャリア様の屋敷が制圧されていたなら、外に逃げる」
「……」
 静かな地下通路を歩く一行に、重い沈黙が流れた。

 五分ほど歩いただろうか。
 通路の反対側から、かすかな光が見え、そしてあわただしい足音が聞こえてきた。
「……油断しないで。敵かもしれない」
 そう言って、リュナが剣を抜く。フィリーヌも、弾丸を装填した銃を片手に、緊張した面持ちで前方を見つめている。
 足音が、次第に近づいてくる。そして、ぴたりと止まった。
 一度止まった光が、こんどはゆっくりと近づいてくる。それにあわせて、こちらも少しづつ近づく。
 先に声をかけたのはリュナだった。
「私はリュナ・ルークスだ。名を名乗ってもらおう」
 その言葉に、向かいの光の持ち主からも声が聞こえてきた。
「リュナか! 私だ、アルヴェニスだ!」
 そして、灯りの向こうからは、灰色の髪のリュナと同い年くらいのカモシカの青年が現れた。
「アルヴェニス?」
 驚くリュナに、アルヴェニスは問う。
「リュナ。シャリア様の屋敷に向かっているのか?」
「そうしようと思っていた。が、状況が何もわからない」
「シャリア様の屋敷も、襲撃を受けている。まだ屋敷は陥落していないが、念のためにシャリアさまには避難していただいた。
現在は親衛隊たちが館に籠もって防戦しているが苦戦中だ」
300名無しさん@ピンキーsage05/03/14 23:35:09 ID:LArgIfup
「……そうか。何者が襲ってきたかはわかるか?」
「侵入者の鎧には女王の紋が入っているが……断定はできない。少なくとも、昨日までの間諜の報告では、女王派に変な動きはなかった」
「……そうか。どのみち、このまま地下でいても何もわからないな」
「そうね。危険だけど敵と実際に戦わないとわからないこともあるわ」
 リュナの独言に、フィリーヌが相槌を打つ。
「アル。俺たちは屋敷へと向かう。リシェルたちを……そうだな、白のピラミッドあたりまで……」
「いや、それならば俺も戻る」
「しかし……」
「二人より三人のほうが戦力になる。どのみち、この地下道を外に抜ける分には敵の心配はないし、屋敷には援軍が必要だ」
「……そうか。じゃあ行こう」
「待って……」
 リシェルが止める。
「リシェル。すまないが先に、レイマ君やアンシェルちゃんと町の外に避難してほしい。白のピラミッドで落ち合おう」
「でも……」
「僕なら大丈夫だ。どのみち、この事態の真相を知らなくては手の打ちようがない」
「……」
 黙りこむリシェル。
「レイマ君、リシェルを頼んだよ」
 そう言って、リュナとフィリーヌ、そしてアルヴェニスの三人は足早に駆け出していった。
 後には、三人が残された。
「……行こう」
 少しの沈黙の後、アンシェルがそう言った。
301名無しさん@ピンキーsage05/03/14 23:38:23 ID:LArgIfup
 暗い地下道を、黙々と歩き続ける。
──あの時も、こんな感じだったな……
 古い、いやな記憶がレーマの心をよぎる。
「……レーマ」
 リシェルが、小さな声で呼んだ。
「……はい、なんでしょうか?」
 心なしか、少し沈んだ声で返事をするレーマ。
「戻りましょう」
 小さいが、きっぱりとした声でそう言うリシェル。
「……」
「リシェル。リュナ卿が心配なのはわかる。だが、今戻っても私たちでは足手まといだ」
 アンシェルがそう言ってたしなめる。だが、リシェルはその場に立ったままうごかない。
「……でも」
 小さな声。しかしはっきりとした抗議の意思を持つ声。
「でも、もう嫌なの! もう、あんな思いはしたくない!」
 リシェルの声が、地下道に響いた。
──あの時……
 その言葉が、ぐさりとレーマの胸に突き刺さった。

 今から一年半前。内乱が起きて間もない頃。
 アンシェルとリシェル姉妹の実家であるクレファン家では、すでに長女のアンシェルが騎士昇格試験に合格して城に詰めていた。
 だからレイニアの町にあるクレファン家の屋敷では、リシェル、彼女の父母、そしてレーマの三人と一匹だけが暮らしていた。
 だが、そのレイニアが戦場となる。領主が王弟派貴族だったため、女王派の攻撃を受けたのだった。
 街の門が破られて市街戦が発生し、非戦闘民にも危害が及ぶにいたり、彼らも屋敷から地下水道を伝って、街の外へと避難しようとしていた。
 だが、その地下水道で女王派兵士と鉢合わせになる。
 アンシェルが女王派に使えていることなど、下っ端の兵士にとっては知ったことではなかった。富裕層のレイニア市民は、彼らには単なる殺戮対象以外の何者でもなかった。
 兵士を説得しようとしたリシェルの両親は、次の瞬間、兵士の槍に貫かれていた。
 眼前の事態が飲み込めず、その場に立ちすくむリシェル。レーマは、そんなリシェルの手を強引につかむと、必死にその場から逃げた。
 複雑な地下水道を駆け抜けるうちに追撃はまいたが、両親を目の前で殺されたリシェルのショックは大きかった。
 リュナと出会うまでの十ヶ月近く、リシェルは全く笑わなかった。いや、すべての感情を失ったと言ってもよいくらいだった。
302名無しさん@ピンキーsage05/03/14 23:39:39 ID:LArgIfup
「……これじゃ、あの時と同じじゃない! お父様を……レーマが、私のお父様を見捨てて逃げたあのときと!」
 リシェルの厳しい叱責の声。
(……っ!!)
 確かに、そのとおりだった。理由はどうあれ、まだ息のあったリシェルの両親を見捨ててリシェルだけをつれて逃げた、そのことに違いはない。
 だが、正直そうはっきりと言われるのはこたえた。
「リシェル……」
 アンシェルが、何か言おうとする。が、リシェルはそれにかまわずまくし立てる。
「レーマには大切な人を失う気持ちがわからないのよ! だってそうでしょ! だって……お父様のいないレーマには、そんな気持ちわかるはずがないもん!」
 そして、そう一気に口にすると、その場につっぷして泣き出した。
「……それは……」
 何か言おうとしたが、言葉が出てこなかった。無理に何か言えば、取り返しのつかないことを言いそうだった。
「……リシェル」
 アンシェルが、リシェルに語りかける。
「リュナ卿を信じろ。あの人が大丈夫だというなら、本当に大丈夫だ」
 そう言って、泣きじゃくるリシェルの肩に手をかけて、立たせる。そして呆然と立ちすくむレーマに、少し険しい表情を向けて言った。
「とにかく、最善の手を打ち続けるしかあるまい。今は、私たち三人が無事に城のピラミッドにたどり着くことだ。それが、今うてる最善の手だ」

 地下道を歩き続ける。リシェルはアンシェルに肩を寄せ、まだ泣いている。
 レーマは、隊列の一番前を歩きながら、心の中でいろいろと考えていた。
──確かに、もう……僕は、父さんも母さんもほとんど覚えてない……
303名無しさん@ピンキーsage05/03/14 23:40:36 ID:LArgIfup
 その頃。
 シャリアの屋敷では、侵入者との戦闘がまだ続いていた。屋敷の衛兵たちも踏ん張ってはいるが、数が違っていた。
──なんて数だ……
 全身を血に染めながら、リュナは半ば呆れ気味にそう思った。
 リュナは、シャリアの屋敷の中央階段の真ん中にある踊り場に陣取り、侵入してくる槍兵の懐に飛び込んでは片っ端から切り払う。
 侵入者たちの、個々の戦闘力自体はさほど高くはなかった。が、後から後から槍襖を作って駆け上がってくるため、全く気の休まる暇がなかった。
 その頭上から、銃声が轟く。
 フィリーヌの銃が火を噴き、玄関付近にいた少し高級そうな鎧を着た男の眉間を打ち抜いていた。
 アルヴェニスが空の銃を受け取り、すぐに装填済の銃を手渡す。それを構えると、再び撃つ。
 リュナの背後から斬り付けようとしていた敵が、首筋を撃たれて真横に倒れる。
 ほんの一瞬、敵がひるんだ隙を見逃さずに、また一人リュナが切り捨てる。
 いつしか、死体がバリケードのように折り重なっている。折り重なったしたいから流れる血は、階段を下へ下へと流れている。
 玄関から、新たな部隊が突入してくる。それを見たリュナの顔から血の気が引いた。
──銃歩兵隊!?
 とっさに、死体のバリケードに隠れるように身を伏せる。敵兵士は、何が起きたのかわからず、足元に身を伏せたリュナに槍を就きたてうとする。
 次の瞬間、銃声がいっせいに轟き、白煙がホールに満ちた。
 そして、その白煙の中で一発だけの銃声。
 敵味方を問わない一斉射撃は、皮肉にも味方の歩兵を何人も背後から撃ち貫いていた。
 そして……
 白煙で視界がさえぎられた一瞬を、フィリーヌは見逃さなかった。
 コウモリの力を持つが故の超探知力。敵味方ともに視界をさえぎられた時こそ、フィリーヌの独壇場だった。
 たった一発の狙撃は、銃歩兵隊の隊長の心臓を貫いていた。
304名無しさん@ピンキーsage05/03/14 23:41:11 ID:LArgIfup
「二階に逃げて、リュナ!」
 白煙が晴れる前に、そう叫ぶ。
 濛々とした白煙が少し晴れた頃には、三人とも姿はその場になかった。
 残るは、文字通り山になった味方の死体と、自らの隊長の亡骸のみ。
 呆然とする銃歩兵隊のど真ん中に、ごろりと音を立てて、重そうな金属球が転がってくる。よく見ると、なにやら短い火縄が燃えている。
 数秒間の奇妙な沈黙。
 そして、爆音が轟いた。

 屋敷の二階。いくつもある隠れ部屋のひとつにリュナ達は潜んでいた。
「……数が多いだけで、まるで素人じゃないか」
「ああ。いくらなんでもおかしい」
「こんなやつらなら、うちの諜報部隊が気づかないはずがない」
「……偵察隊が皆殺しにされていないかぎりはな」
「でも、あの実力ではいくら数がいてもとても皆殺しになどできないわ……必ず誰かは脱出できる」
「ああ。どう考えても……あいつらだけ、とは考えられない。きっと……敵の主力は別にいる」
「おそらくは選りすぐりの少数精鋭部隊……そして狙いは」
「……シャリア様。そしてその行き先は……」
 リュナの問いかけに、アルヴェニスが、重い口ぶりで言った。
「星のピラミッドだ」

 雲のない夜空に、無数の星がきらめく。
 レーマは、見張りがてらに星空の下に立ち、周囲を見渡していた。
 早朝から歩きとおしているが、それでも白のピラミッドまではまだ一日ほどかかる。
 中立地帯である白のピラミッドにたどり着きさえすれば何とかなるだろうが、それまでに倒れては元も子もない。
 リシェルとアンシェルは洞窟で野宿させて、明日に備えさせていた。
305名無しさん@ピンキーsage05/03/14 23:41:50 ID:LArgIfup
「……れーま……」
 背中から、声が聞こえてきた。
「……リシェルさま」
 振り向く。半分泣いているような顔で、レーマを見つめていた。
「……さっきは……ごめんね」
 消えそうな声で、そう言う。
「れーまだって……お父様やお母様がいないわけじゃないのに」
「……」
「わたし……ひどいこと言ったよね……」
「間違ったことは、言ってませんよ」
 そう言って、かすかに笑う。確かに、事実なのだ。結果としては、まぎれもなくリシェルの父母を見捨てて逃げたのだから。
「違う……ああしなきゃ、みんな死んでた……わかってたはずなのに」
「……」
「レーマは……最善の道を選んだのに」
「……いや……違う」
 ぽつりと、レーマが口にする。
「え?」
「僕は……知っていたはずなのに」
「知っていたって……何を?」
「僕は……親をなくす事を、身内がいなくなることのつらさを知っていたはずなのに」
「……」
「どうして、あの時……リシェルさまが同じ境遇になるとわかっていて、逃げたんだろう……」
 確かに、逃げるしかなかった。戦っても勝てるはずがなかったのだから。
 しかしそれでも、何か釈然としない物が残る。
 自分のたどってきた過去を思うと、そんな気持ちだけは、絶対に誰にもさせたくなかったはずなのに。
306名無しさん@ピンキーsage05/03/14 23:42:46 ID:LArgIfup
 もう、この世界に落ちてきてから十年になる。気がつくと、元の世界にいた時間の倍近くの時間を過ごしていた。
 家族の思い出なんか、ほとんど残っていない。
 子供の頃、一人ぼっちでこの世界に落ちてきて、誰も知っている人のいない世界で、ペットとして飼われた。
 やがて、元の世界に戻るということを諦め、父さんや母さんと会うことを諦め、ひとつづつ夢をあきらめながら成長していった。
 どうして、こんな目にあったのか……いくら泣いても喚いても、答えなんて出るはずもなかった。
 そんな中、一人きりで生きていくためには、心なんて邪魔だった。
 ただのペットとして、すべてをあきらめて生きていく。それが、それ以上苦しまないための答えだった。
 そして14歳の時、あの事件が起きた。
 最善の手。確かにそうだった。確実に一人の命を救う方法はあれしかなく、そしてそれ以上の結果は望むべくもなかった。
──だが。
 その結果は、わかっていたはずではなかったのか。
 家族を失うことの意味は、知っていたはずではなかったのか。
──それとも。
 心を捨てたときに、そんなことさえわからなくなってしまったのか。

 家族を失ったリシェルは、抜け殻のようになっていた。笑顔も、喜びも見せず、それどころか親を失った悲しみさえも失っていた。
 そんなリシェルを見て、おかしなことだが、レーマははじめて仲間を見つけたような気持ちになった。
 心を失った少女に、初めて親近感を感じた。
 孤独な者同士が、手を取り合って生きていった。
 そして少しづつ、二人で心を取り戻してゆき、そしてリュナと出会った。
──仲間がほしかったからじゃ、ないのか?
 そんな思いが、脳裏をよぎる。
──自分の救いを得るために、一人の少女を犠牲にしたんじゃないのか?
 そう、今となっては思う。
307名無しさん@ピンキーsage05/03/14 23:44:39 ID:LArgIfup
 目の前で、リシェルがレーマを見つめている。
「リシェル……さま」
「え?」
 そのまま、リシェルを強く抱いた。
「きゃ……」
 驚き、身をこわばらせるリシェル。
「……僕は……そうだ、確かに……」
「れ、れーま……?」
「僕は、自分のためにあの人たちを見捨てた……」
「……」
「自分のために、自分のご主人様を独りぼっちにした……」
「れーま……」
「……たしかにそうだ……確かに」
「……」
 リシェルの体から、すっと力が抜けた。
 気がつくと、リシェルはレーマの胸に頭を押し付け、泣いていた。
「違う……ちがうよ……」
 なぜ、違うと思うのか、リシェルにもわからない。だが、それが違うということだけはなぜかわかった。
「……でも」
 そんなリシェルを抱くレーマの言葉には、嗚咽するような震えも悩むような沈みもない。
 リシェルを抱く手を、少し緩めた。
「……そう。今は……もう違う」
 胸で泣くリシェルのおとがいを持ち上げると、その瞳を見つめてそう言った。
「れーま……」
「もう、昔の僕じゃない。今の僕には……心がある」
「……こころ?」
「取り戻すために、ずいぶんな時間と、かけがえのない命と、いろんなものを代償にした。もう……迷ってたまるものか」
「……」
308名無しさん@ピンキーsage05/03/14 23:45:32 ID:LArgIfup
「リシェルさま」
「……何?」
「僕には、あなたを守り抜く義務がある。だから、白のピラミッドに連れて行きます」
「……リュナは?」
「僕はあの人を信じます。信じるべき人を信じぬく。だから、あの人の言うとおりにする」
「……信じられるの?」
「はい」
 迷いのない瞳。それを見て、リシェルが初めて笑った。
「かっこいいな、れーま」
「ありがとうございます」
 くすりと、笑う。
「ねえ」
「何ですか?」
「見張りばっかりじゃ、退屈でしょ? どうせ誰もいないのに」
「……退屈って」
「仲直りのしるし、いらない?」
「……しるしって」
 思わず、苦笑する。
「いるの? いらないの?」
「もし、いらないとか言ったら?」
 わざと、そう聞く。
「許さない」
 そう言って、リシェルが両手を首に絡ませてくる。
「……あとでリュナ卿になんていえばいいのか……」
「大丈夫よ。リュナはそういう人だから。……信じるんでしょ?」
 そう言って、唇を合わせてくる。
「……んっ……」
 リシェルのほうから、舌を絡みつかせてくる。
 思わずバランスを崩し、草原に背中から倒れこんだ。
309名無しさん@ピンキーsage05/03/14 23:46:26 ID:LArgIfup
「わっ……」
「きゃ……」
 抱き合ったまま、草原に転がる。
 そのまま、ごろごろと二人で草原を転がって、やがて止まった。
 リシェルが上になり、レーマが下にいる。どちらからともなく、笑った。
「外でやるのって、初めてだよね」
 そう言いながら、レーマの上着を脱がせる。
「……ですね」
 されるがままになりながら、答える。
 上着を脱ぐと、ひんやりとした夜風が肌を刺激する。
「……風邪引きそうですね」
「大丈夫よ。ちょっと涼しいくらいじゃない」
 そう言いながら、レーマの手を引いて起こす。
「脱がせて」
「わかりました」
 笑顔で答えると、リシェルの服をすべて脱がせる。そして、丁寧にたたむ。
「変なところ、几帳面だよね」
「アンシェル様にしつけられましたから」
「ふふ、姉さんそう言うところしっかりしてるもんね」
 笑顔を見せるリシェル。もう、涙は残っていない。
「寒くないですか?」
「……ちょっと寒いな」
 そう言って、レーマに抱きついてくる。
「わ、わっ」
 突然のことに、また背中から草原に倒れこむ。
「あっためあわないと、風邪引いちゃうね」
 そう言って、リシェルは裸の体を摺り寄せてくる。
「……ですね」
310名無しさん@ピンキーsage05/03/14 23:48:48 ID:LArgIfup
 裸のリシェルを抱き寄せると、唇を重ねる。
 乳房の柔らかい感触が、胸に伝わる。
 しばらく、抱きしめあったままお互いの体温を確かめ合っていた。
 そして、体を離す。
 スラックスと下着を脱ぐレーマ。その下のモノは、とうに固くなっている。
「よっ……と」
 体の向きを入れ替え、リシェルの恥部が自分の顔の前になるように寝る。そして、茂みの中に舌を這わせる。
「ひゃ……」
 驚いたような声。が、すぐにリシェルの両足が、レーマの首に絡み付いてきた。そして、肉棒に暖かい感触と舌の刺激が伝わる。
「んっ……く……」
 情熱的で刺激的な舌の動きに、肉棒がすぐに暴発しそうになる。それを我慢しながら、レーマも舌を駆使して恥裂を責め立てる。それに応えるかのように、中から愛液が流れ出す。
「ん……」
 リシェルの舌の動きが止まる。どうやら必死に刺激に耐えているらしい。耐えているところで、舌の動きをさらに激しくする。
「ひゃんっ!」
 肉棒を口から離して、悲鳴のような声を上げた。
「ち、ちょっと……ちょっとだけ、待って……」
 その声を無視するように、わざと強くすする。
「やっ! やだ、そこ、そんなっ……いやっ、ああぁっっ!」
 身もだえ、暴れるが、無視して舌で陰核を嬲る。数分もしないうちに、リシェルは大きな声を上げて果てた。
 ぐったりしたリシェルから体を離すと、体位を入れ替え、今絶頂を迎えたばかりの中に肉棒を差し入れる。
「や……ま、待ってっ……んっ……」
 リシェルの声をまた無視して強引に挿入すると、わざと少し激しく前後に動かす。
「やだっ……あっ、あっ、あんっ……」
 少しだけ嫌がったが、すぐに前後運動にあわせた、リズミカルなあえぎ声が漏れる。
「んっ……」
 徹底的に責め立てられて半失神状態のリシェルに、精を流し込む。
 歩きくたびれた上での責めで、すっかり体力を消耗しきっているリシェルはあまり反応を示さなかったが、体は色っぽい桜色にほてっていた。
 気持ちよさそうに眠るリシェルに服を着せると、背負って洞窟に戻る。そしてそのまま、レーマは泥のように眠り込んだ。
(後編に続く)
311カモシカ担当sage05/03/14 23:55:58 ID:LArgIfup
……とりあえず、ガンファイトは後編で書きます。で、5話でいったん、二組に分けてからまた合流させます。

南米山岳王国がモチーフとか言っておきながら巨大石造建築出さないのはまずいだろうということで、ちょこっとプロットを変えてしまいました。
……つーか、エロ描写&心理描写がマジだめぽだな俺。エロパロ住人として致命的な気がしてきた。
いろんな職人の作品読んでるつもりなのに。

さて、次回はフィリーヌとリュナの初濡れ場だから……ちよっと勉強して、今回みたいな薄味なエロにならないように注意します。
312名無しさん@ピンキーsage05/03/15 19:21:05 ID:UGvQguIk
回を追う度に、レーマくんはたくましくなっていきますね。
続き、楽しみしています。

・・・・・・ところで、爆速の執筆速度のコツとか教えてくれません。
313名無しさん@ピンキーsage05/03/15 20:04:43 ID:Oib7svH5
>>312
ありがとうございます。なんだかすごい嬉しいです。

>回を追う度に、レーマくんはたくましくなっていきますね。
今回のは……この前の狗国の大長編に思いっきり影響されちゃってあんな話になってしまいました。
まあ、年端もいかない幼児の時に落ちてきて、一番親が恋しい時期を一人きりですごしたんだから、どっか心に傷がつかないはずはなかっただろうってのと、
今の明るくえちぃなレーマのギャップってのはどっかで触れなきゃならないだろうな、とは思ってました。そこに狗国の重いお話を読んでしまって。

しかし……
レーマは子供のころに親と生き別れて、そのままペット扱い。
リシェルは目の前で両親を殺されて。
アンシェルは親の死に目に会えなかった上にレイープされて。
……全員悲惨な過去を持ってるのに、みんなどうしてあんなに悲壮感少ないだろうw つーかどうして重い話を重く書けないんだ自分。

>・・・・・・ところで、爆速の執筆速度のコツとか教えてくれません。
うーん……実はあんまり早くないんですよ。長編とかぜんぜん駄目で、むちゃくちゃ時間かかります。もう半年とか一年とか。
とりあえず「岩と森〜」に関してはかなりステロタイプなキャラ設定にしてるんで、それだけにキャラを動かしやすいってのが一番ですね。
ステロタイプって、ありきたりとか平凡って感じに受け取られるんですけど、逆を言えばステロタイプとは萌えの最大公約数だとポジティブに捉えることもできると思うんですよ。
動かしやすいキャラだと、動きがわかり易いし、わかりやすい動きなら文章も次々に出てくる、そんなところですね。
314名無しさん@ピンキーsage 魔剣使いとベルがラヴい05/03/15 20:37:03 ID:UGvQguIk
!!
(自分の奴を読みなおす)
・・・・・・
(主人公からしてステロキャラどころの話じゃない事に気付く)
・・・・・・ふぅ
(普段自分で作ってる数々のキャラを思い出し、あきらめる)
315岩と森の国ものがたり4・後編sage05/03/15 22:25:10 ID:Oib7svH5
 時間は少し遡る。
 グランダウスのシャリア邸。その二階の隠し部屋に、リュナたちは隠れていた。
 次々と押し寄せる敵兵士に、すでに屋敷はほとんど制圧されている。
「……援軍は呼んだのか?」
「伝令はかなりの数が飛んだ。狼煙もあげている。一番近くに布陣している部隊ならもう戻ってきていてもおかしくはない」
 小声で、リュナとアルヴェニスが話す。
「しかし、腑に落ちない」
「……ああ。いろいろと謎がありすぎる」
「……どうして、前触れもなくグランダウスを急襲することができたのか。これだけの兵士を、どこに隠しておけたのか」
「しかも、決して練度の高くない軍。単独でこれだけのことをできるはずがないが、ならば彼らを手助けとした別の何かはどこにいるのか」
「それに銃歩兵がいたわ。……この国には、銃なんてほとんどないはずなのに」
「……ああ。貴重な銃を、あんな使い方では宝の持ち腐れだ」
「……本当に、狙いはシャリア様なのか?」
 リュナが、ぽつりと言った。
「……どういうこと?」
 フィリーヌが問う。
「……いや、そんな気がしただけだ。ただ……この攻撃さえも、何かの隠れ蓑だとすれば? この襲撃に対して、普通ならどういう動きをする?」
「……今と同じだろう。シャリアさまを避難させ、近くの軍を呼び寄せる」
「そこまでの動きを読むことは容易だろう。そして、そこで俺たちが、この攻撃を囮だと考えたとする。俺たちはどう動く?」
「……シャリア様を襲撃することを考えて、あの方の元に向かう」
 言って、アルヴェニスはふと小首をかしげた。
「……いや。確かにシャリアさまはわれらの象徴であり、欠かせない存在だ。だから当然、その方を守ろうとするが……」
「さらに、その裏をかいたとすれば?」
316名無しさん@ピンキーsage05/03/15 22:28:16 ID:Oib7svH5
「……狙いは、グランダウスにこちらの軍を一斉に引かせることなら……」
 フィリーヌが、半信半疑のままそう口にする。
「そして、その背後を突くことが狙いだったら?」
 そしてリュナが、それに抑揚のない声で答える。
「……今、一番近くの陣地からグランダウスの援軍に動かせる軍は約八千」
「……普通なら多少の警戒をして動くが、本拠を襲われたんだ。後先考えずに救援に走ってもおかしくはない……」
「……そこを狙ったら?」
「八千……こちらの軍の二割近くが、壊滅的な被害を受ける」
 言いながら、アルヴェニスの表情がこわばる。
「襲撃部隊は、確かに多いがそれでも二千というところだろう。二千と、別働隊で八千を罠にかける……それが狙いなら?」
 沈黙が流れる。兵数で劣る王弟派にとって、八千の損害は致命的だ。
「……でも、それなら銃兵を用意する意味がないわ」
 フィリーヌが、疑問を口にする。
「……それも、そう……だな」
「どのみち、ここで隠れていても埒が明かない。一度は血路を開いて外に出るしかない」
 アルヴェニスが言う。
「……それが、至急の問題だな。二回に隠し通路は?」
「ない。一階に降りるしかないが、そこも制圧されているなら、市街地に逃げ込むしかない」
「……市街地でやりあうのは……市民に迷惑がかかるな」
「やむをえないだろう」
「……とりあえず、この部屋に兵士はいないわ。一気に外に出て、廊下を駆け抜けるしかないわね」
 フィリーヌが、銃弾を込めながら言った。
317名無しさん@ピンキーsage05/03/15 22:33:29 ID:Oib7svH5
 隠し部屋から、足音を忍ばせて外に出る。扉の横に身を隠し、敵兵が通り過ぎるのを確認して一気に飛び出す。
 あわてて後ろを振り向いた兵士の顔面を、フィリーヌの銃が抜き撃ち気味に砕いた。
 銃声と断末魔の叫びに、その周りにいた兵士が集まってくる。
「部屋にさがれッ!」
 アルヴェニスが叫びながら、その足元に爆弾を置く。それと同時に、リュナ達がさっきまでいた部屋に戻る。
 数秒の後、爆弾が炸裂する。
 扉めがけて我先に押しかけ、密集していたところでそれは炸裂した。
 廊下に戻ると、そこは引きちぎられたような無残な死体の山。それを飛び越えるようにして廊下を駆け抜け、角を曲がる。
 二十人ばかりの小隊がいたが、そこに銃を持つ兵士はいない。
 剣や槍を持ったカモシカの兵士が、三人の姿を見つけて襲い掛かってきた。
 アルヴェニスがベルトに吊り下げたいくつもの小瓶の一つをはずす。そして手早く敵兵の足元に投げつける。
 ビンが割れ、白煙が立ち込める。兵士たちが咳き込み、混乱している中にリュナが飛び込み、手当たり次第に剣を振るう。それに続いて、アルヴェニスも。
 猛毒を塗った刃は、かすり傷一つで敵の戦闘力を奪い取ってゆく。
 混乱状態の煙の中に、狙いを定めて銃を撃つフィリーヌ。蝙蝠の探知力は的確に、敵だけを選んで狙撃する。
 煙が晴れたときには、三人はすでにその場を駆け抜けていた。そして後には、死体と少数の苦しみもがく兵士がいるだけだった。
 ホールへと抜ける階段。
 階段の踊り場には、死体の山がそのまま残っている。そこを一気に駆け下りると、アルヴェニスがまた一本ビンを抜き、死体の山にぶちまけた。
 そして、腰の火縄壷から火を移す。
 ビンの中身は油。死体が、一気に炎を上げて燃える。
「いいのか、そこまでして?」
 さすがにそう尋ねるリュナに、即答でアルヴェニスが答える。
「もう屋敷の中で爆弾三発ぶっ放してるんだ、大して変わらん!」
「……四発よ」
 ぽつりと、フィリーヌが言った。
318名無しさん@ピンキーsage05/03/15 22:34:38 ID:Oib7svH5
 玄関ののぞき穴から外を見る。少なからぬ銃兵がいる。飛び出してきた瞬間に蜂の巣にしようという心積もりなのだろう。
 リュナが、無言で近くに転がる死体の一つを抱え上げる。アルヴェニスは、五つ目の爆弾に火をつける。
 そしてフィリーヌが、敵銃兵の射程外から扉を大きく開けた。
 扉が開くと同時に、物陰から死体と爆弾を外に投げる。
 とっさに、銃兵が反応して引き金を引く。
 死体と、そして爆弾に。
 外から、銃声が響き、そして一瞬後に別の轟音。
 悲鳴の中を、外に飛び出した。
 すでに無駄撃ちしているため、あわてて弾丸を装填しようとするもの。
 爆風をまともに食らってもがいているもの。
 それどころか、味方の銃声に驚いて立ちすくむものさえいた。
 ようやく弾丸を装填し終えたばかりの兵士の首を、リュナの剣が刎ねる。
 首のない死体が持ったままの銃を、アルヴェニスが掴み取り、そのままフィリーヌに投げる。
 それをつかむと、フィリーヌは振り返りざまに撃つ。
 屋敷の一階から追ってくる一団の先頭にいる男を、狙いたがわずに撃ち抜いていた。

 市街地に入り込むと、兵士はあまりいなかった。
「……やはり、二千人というところか」
「……そんな感じだな。グランダウスの中の、いくつかの重要拠点だけを急襲したという感じだ」
 走りながら、そんなことを話す。
「だが、城門に向かうのは危険だな」
「……多少は衛兵もいるだろうからな」
「とりあえず、どうする?」
「血まみれだと目立ちすぎる。弟の家で着替えと爆弾を補充したい」
「ダイオニスくんか……襲われてはないか?」
「一応、世間では俺とあいつが兄弟だと知るやつはいない。見た目にもただの雑貨屋だし、気づかれることはないと思う」
「そうか。なら彼の家に向かうか」

319名無しさん@ピンキーsage05/03/15 22:35:52 ID:Oib7svH5
 アルヴェニスの庶弟、ダイオニスはグランダウスの片隅で小さな雑貨屋を開いている。
 もっとも、それは表向きの姿。
 裏の顔は……というと、火薬やら硫黄やら硝石やら酸やら、怪しげな薬品や鉱石を扱う錬金術御用達の闇商店の主。
 血まみれで飛び込んできたアルヴェニス達の姿を見ると、ダイオニスはなにがあったかすぐに気づいたらしい。
 ものも言わずに奥へと通した。

 奥にある地下室で、三人は体についた血糊や汚れを洗い流し、こざっぱりとした服に着替える。
 やがて、ダイオニスが店を従業員に任せて降りてきた。
「……大変なことになってるね」
「ああ。だが詳しい状況は正直な話、何もわからない。さっきまでシャリア様の屋敷でバタバタとしてた」
「そんな感じだったね。……最もここにも、あまり詳しい話は伝わっていない。ただ、グランダウスは女王陛下が制圧したって兵士たちが喧伝して回ってるよ」
「……付近から軍隊は?」
「今のところ、それっぽい話は聞こえないね」
 リュナとアルヴェニスが、顔を見合わす。
「……さすがに、もう来ていなきゃおかしいはずだ」
「やはり……」
「どうするんだい。一旦、町の外に出る?」
「そうだな」
「じゃあ、いつもの道を開けるよ」
 そう言って、ダイオニスが奥へと消えた。しばらくして、横の棚が動き、隠し階段が姿を見せた。
「どこに出るかは覚えてるよね」
「ああ。すまん、使わせてもらう」
「気にしないで。兄貴にはいつも世話になってるし」
「それはこっちの言葉だ。世話になりついでに、爆弾と薬ビンもいくつかもらうぞ」
「うん」
320名無しさん@ピンキーsage05/03/15 22:37:06 ID:Oib7svH5
 暗い地下道を、先へと進む。
「……八千の軍。コレが壊滅といわないまでも半減すれば、パワーバランスは激変する」
「そうだな。だが消えたとは限らない。まずは確認しなくては」
「……確認して、最悪の結果だったら目も当てられないわね」
「それでも、最悪の結果という現実が存在するのなら、知らないよりは知っていたほうがいい」
 そんなことを話しながら、数キロにもわたる長い道を抜け、外に出る。そして、西へと向かう。
 一番近い場所から援軍がグランダウスに向かうとして、そしてそれを奇襲するなら、一箇所もってこいの場所があった。
 心なしか、気がはやり足が速まる。
 数十分歩いたころ、生臭い風がにおってきた。
「……嫌な風だ」
「ああ。だが行かないと」
 三人は歩を進めた。
 そして、たどり着いた場所で、彼らは最悪の景色を見た。

 そこには、累々たる死体。そして、折れた旗。王弟派のものだった。
 呆然と、その惨状を見る。
「……グランダウスを失い、これだけの兵士まで失っただと……」
 呆然とした口調でリュナが言う。ぞっとする事態だった。
「あまりにも致命的よ、これは……」
 フィリーヌもそう口にする。
「……だが、あきらめるわけにもいかない。まだ終わったわけじゃないんだから」
「……そうだな。あきらめるのは、いつでもできる」
 そう、口にするリュナ。その背後から、聞きなれぬ声がした。
「……どうせなら、今すぐあきらめてくれたほうがありがたいな」
「……誰だ」
 ふり向いたそこに、一団の兵士と、彼らを率いているらしい男がいた。
321名無しさん@ピンキーsage05/03/15 22:38:58 ID:Oib7svH5
「……貴様、誰だ」
 若い、カモシカ族の男。はじめて見る顔だ。
「俺は女王陛下の騎士、ロラン・リヴァール」
「……この襲撃を行ったのはお前か」
「指揮を執ったのは私ではないが、この戦いに加わったのは事実だ」
「……俺たちが来るまで待っていたのか?」
「誰かはわからぬが、必ず誰かが来るとあの方は言っていた」
「あの方……だれかは知らんが、その男がそう言ったのだな」
「そうだ。ここに来る者がいるならば、それはまぎれもなく逆賊のなかの実力者。その者を討てば、逆賊は崩壊するのみだと」
「……そうか。ならば僕が誰かは知らないのだな」
「あいにくと」
 そう言って冷ややかに笑うロラン。
「……そうか。僕はリュナ・ルークス。確かに、多少の地位はある者だ」
 そう言って、剣を抜く。その表情が、怒りでこわばっているように見える。
「一騎打ちでケリをつけるか、それても全員でやりあうか……こちらはどっちでもかまわん」
 声にも、隠し切れない怒りが混じる。
 アルヴェニスが手に爆弾を持ち、フィリーヌが銃を手に取る。
「……俺も騎士を名乗った以上、答えは一つだ」
 ロランが、剣を抜いた。
「……いいな、手を出さないでくれ」
 静かだが感情を押し殺した凄みのある声。
「わかった。だが……負けるなよ」
「当たり前だ。負けてたまるかッ……」
 そう答えるリュナ。フィリーヌは、その言葉に一抹の不安を感じ取っていた。
(……怒ってる……いつも冷静なはずのリュナが……)
322名無しさん@ピンキーsage05/03/15 22:40:24 ID:Oib7svH5
 先に踏み込んだのは、リュナだった。
 さっきまでの戦いの疲労を微塵も見せず、一気に間合いを詰め、剣を振り下ろす。
 それを避けざまに、ロランが突きを繰り出す。
 横に回り込んでそれを避けつつ、下から上へと斬り上げる。が、空を切る。
 そこに横薙ぎの一閃。剣の柄で受け止める。
 リュナの動きは大きく豪快で、ロランの動きは小さく冷静だった。
「おちつけっ! 動きばかりデカくて隙が大きいぞ!」
たまらず、アルヴェニスが叫ぶ。
 事実、怒りに任せたリュナの攻撃は動きこそ豪快で派手だが、その大半が空を切り、そのたびにロランの反撃を受け、ぎりぎりのところでかわし続けていた。
「チっ……!」
 舌打ちまじりに、さらに剣を振り回すリュナ。ロランはそれを、冷静に受け流していた。
 カモシカ族特有の俊敏な動き。紙一重で確実に見切り、最小の動きで受け止めている。
「……攻め疲れを待っている。バレバレなのに」
「ああ。だが……今のリュナは怒りでそこまで頭が回らない」
「これをみたら……無理はないけど」
 そう言って、フィリーヌは谷底に広がる死体の山を見る。
「最初から、相手が怒りで我を忘れることを織り込み済みだったんだろう。そして、あえて一騎打ちに乗ったのは、冷静さを失った相手を確実にしとめる罠」
「……ずるい」
「ああ。だがそれが戦いだ」
 アルヴェニスとフィリーヌが、心配げな目でリュナを見る。
 助太刀したいが、カモシカ族の誇りがそれを拒む。カモシカ族にとって、一騎打ちは神聖なものであり、不可侵のものだった。
 リュナの息が、すこし荒くなる。そして、剣の動きも目に見えて鈍くなってきた。
 それを確認して、ロランは一気に攻勢に出た。
「く……」
 それを、必死にこらえるリュナ。だが、趨勢はもはや明らかだった。
「ぐっ!」
 受け流し損ねた一撃が、リュナの右腕を斬る。血が噴き出し、剣を持った手が、がくんと下に垂れた。
 勝利を確信して、ロランはとどめの一撃を振り下ろした。
323名無しさん@ピンキーsage05/03/15 22:44:13 ID:Oib7svH5
 その瞬間。
 ロランは、リュナの目を見てしまった。
 怒りに任せた表情の奥に見える、冷静な目。
(まさかッ……)
 そして、気づいた。
(まさか……すべて、罠だとッ!)
 恐怖が、全身を貫いた。

 本気で人が怒ったとき、怒りは殺意を呼ぶ。
 だが、本当の怒りが呼んだ本物の殺意は、時としてそれを呼んだ怒りすら支配する。
 その先に残るのは、全身全霊のすべてを注ぎ込んだ、純粋な殺意。
 その時、怒りすら利用できる一つの要素に過ぎなくなる。
 バーサーカー。それは、力任せに荒れ狂うだけの戦士とは限らない。
 すべての感情をかき消し、およそ人とは思えないほどの冷徹さで殺戮する者も、狂戦士と呼ぶにふさわしい。
 勝利を確信してロランが振り下ろした剣。
 勝利を確信したがゆえに現れた、小さな隙があった。
 振り下ろす剣を横からすり抜けるようにして、内懐に飛び込む。
 狙い済ました左の掌底が、ロランの顎を直撃する。
 そして、腰をひねるように、右の肘。筋を切ったように見せかけた右の肘が、鳩尾に突き刺さる。
「……ッ……!」
 くの字に、ロランの体が折れ曲がる。
 再びね左手。左の腕がロランの襟首をつかむ。同時に左足が、ロランの腰を大きく跳ね上げる。
 ぶんと、力任せに投げる。そしてそのまま、頭から地面にたたきつけ、そしてさらに……
 倒れこむようにして、右の掌底を顔面に打ち付ける。
 顔面の骨が砕け、鼻血が噴き出した。
324名無しさん@ピンキーsage05/03/15 22:46:17 ID:Oib7svH5
 鼻血が噴出し、ロランはその場に悶絶する。ロランが手放した剣をつかむと、リュナは首筋にぴたりと当てた。
「……最初から、貴様が勝利を確信する瞬間を待っていた」
「ぐ……」
「殺し合いに慣れないうちは、勝利を確信した瞬間に、一番の隙が現れるものだ。その年だと、そうたいした修羅場はくぐっていまい」
「くっ……」
「命まではとらん。消えうせろ」
「……なんだと……」
「今日はこれ以上、人を斬る気になれん」
「……」
 よろよろと、ロランが立ち上がる。
「……引くぞ」
 そして、そう言った。
「よろしいのですか?」
「負けた以上、やむをえん」
 兵士の問いに、血まみれの顔でそう答える。
「……ですが」
「一騎打ちは神聖なものだ。それに負けたということの意味は大きい」
「……」
 それ以上何も言わず、兵士たちはロランを囲み、立ち去って行った。

「……ぜんぶ……お芝居だったの?」
 さすがに、フィリーヌが驚いて言う。
「まあな」
「……あきれた」
 そう言って、思わず笑うフィリーヌ。
「まあ、あいつを殺したくなかったというのは本音だ」
「……面白いものだな。さっきまでアレだけ人をゴミのように扱っといて」
「そういうものだ。人間なんて、どこで変な仏心が沸くかわかったものじゃない」
325名無しさん@ピンキーsage05/03/15 22:55:42 ID:Oib7svH5
「……で、これからどうするの?」
「……選択肢は二つだが……まずは星のピラミッドだな」
「でも、リシェルちゃんたちは?」
「妻たちなら大丈夫だ。……レイマ君がいる」
「あの子? あんまりあてにならないような……」
 そう言って、小首をかしげる。
「そうでもないさ。ああ見えて彼は強い。そして、強いってことが何か、力ってのが何か……知っている」
「……どうも、ピンとこないけど」
 疑わしげに言うフィリーヌ。リュナが微笑を浮かべて続ける。
「彼の事に関しては、僕のほうがよく知っているからね」
「……ま、リュナがそういうなら、星のピラミッドに向かうべきだろう。シャリア様たちが気になる」
「それもそうね」
 顔を見合わせ、うなずきあう。
 そして三人は、南へと歩き出していった。

そのころ。
「……」
 ライファスの地下牢。
 十字架に縛り付けられたエリザベートが、力なく拘束具に身をゆだねてうなだれている。
 それを見るヒトの青年と、カモシカの老人。
「強情な女だな」
「ですが、それゆえに女の身でありながら、シャリアさまをさておいて後継者に選ばれたのでしょう」
「今となっては、こんな強情さなど何の役にも立たん。戦争も終わりつつあるし、あの影武者も板についてきた」
「ローザ様ですか。……たしかに、意外なほど板についてきましたな」
「もはや、この女の価値は鍵のありかだけなのだ」
「さっさと自白剤でも使いますか?」
「いや。舌でもかまれては面倒だ。じっくりと、この女が話したくなるまで責め立ててやれ」
(FIN)
326名無しさん@ピンキーsage05/03/15 23:00:55 ID:Oib7svH5
 ……フィリーヌとリュナの濡れ場を書こうと思ってたのに。
 アルヴェニス、意外に使い道が出てきたから残してたら……こいつが邪魔でふたりきりにならねえw
 この二人の関係は次回か。……いや、女王陛下の話を先に挟むとさらに先か……
 まあどっちにしろ、リシェルもリュナも。
 人妻であり妻帯者であるという自覚が足りなさ過ぎるような気が。
 まあ、それは書き手の責任なんだけど。

 とりあえずアルヴェニス&ダイオニスの錬金兄弟の使い道しだいで、またいろいろな展開ができそうな気がしてきたけど……
 次回でいくつか伏線閉じないとどうにもならんぞ自分orz



 ていうか、リュナ。
 貴族が格闘技使うなと言われそう。
327名無しさん@ピンキーsage05/03/15 23:40:17 ID:Oib7svH5
……いや、無理してでも3Pでも濡れ場入れるべきだったのか?
22レスも消費してエロ書いたのが1レスって洒落になってないぞ……orz
328名無しさん@ピンキーsage05/03/16 01:17:56 ID:OY6ByZvH
いまでも充分おもしろいですよー。
リュナ様もですが、アルヴェニスさんカッコイイなあ(*´∀`*)

しかし、このスレは萌えと燃えのバランスが良い、いいスレですね。
329名無しさん@ピンキーsage05/03/16 03:09:10 ID:IMBbIPv9
一ヶ月足らずで容量半分越え・・・
何気にすごいことになってないかこのスレ?
330名無しさん@ピンキーsage05/03/16 08:26:38 ID:Q4l8+QKB
見聞録あわせたらとっくに500キロいってるだろうな。
331名無しさん@ピンキーsage05/03/16 12:17:13 ID:IhSpDIg4
>>カモシカ担当 様
いつも GJ! です!
もしかしたら、毎日投下よりも txt にまとめて、頃合を見計らってうpロダに上げてもらったほうが良いかもしれないですな
っていうかこのスレ、めっちゃレベル高いですなぁw


>>297
>つまり、「桶屋を儲けさせる(←結果)為に風を吹かせる(←魔力)」という認識でよろしいか?(オイ
それは兎の国が普通に使う 『望む結果を得る為に原因をかき集める』 行為っス
この 「桶屋と風の繋がり」 を 『因果』 って言うんですが、女王陛下は原因無しで 『桶屋が儲かってる』 って言えるんで……

つまりそんな感じ
332名無しさん@ピンキーsage05/03/16 12:41:03 ID:IhSpDIg4
>>331 下段追記
つまり、兎が使う魔法は、そんな感じの認識でおkです
333名無しさん@ピンキーsage05/03/16 14:30:42 ID:qoa+9m+Z
既成作品のパロスレと違って世界観の部分から自分で書かなきゃダメな反面
エロ以外の部分でも楽しめるのがオリスレの強みでせう
いわゆるシチュ萌え
334名無しさん@ピンキーsage05/03/16 17:27:14 ID:CURofKXB
>>330
Mバイト単位狙えてると思う・・・。
335虎の子sage05/03/16 21:35:39 ID:jBNPLXXK
カモシカ担当様へ>>
戦闘描写が凄いです。
濡れ場が無くてもOK
勿論、貴族が格闘技使ってもOKです。
336名無しさん@ピンキーsage05/03/16 22:29:05 ID:FERhvEn8
初めて来たけど、何このがっちりした世界設定…妄想が広がる一方。
広がるだけで纏められないんだけどなorz
337岩と森の国ものがたり4・追加分sage05/03/16 22:46:21 ID:4XUwM5Rj
翌朝。
白のピラミッドへと歩を進めるレーマたち。
リュナたちのことが気にならないといえば嘘になるが、今はまずそこに向かうことが先決だと思った。少なくとも、そこなら戦火に巻き込まれる可能性は低い。
吹っ切れたような表情のリシェル。少しだけご機嫌斜めのアンシェル。そしてちょっとだけお疲れのレーマ。その三人の目が、少し離れた場所に転がる奇妙なものを見つけた。
直径1メートルばかりの、大きな丸いもの。それが、草原にごろりと転がっていた。
「……なんだ、あれは……」
 あまりに奇妙なものに、ついレーマの口からそんな声が出る。それに、アンシェルが答えた。
「マイマイ……の殻だ。こんなところにあるとは珍しいな」
「マイマイ?」
 初めて聞く言葉だった。
「そういえば、レーマは知らないのだな。マイマイというのは……」
「おっきな、でんでん虫さんです」
「でんでん虫?」
 気持ち悪いものを想像して、思わず顔をしかめる。それをみて、リシェルが吹いた。
「そんな顔しなくても。とってもかわいい子なんですよ」
「か……かわいい?」
 一メートルの殻を背負った大きなカタツムリ。とてもかわいいとは思えなかった。
「変なものを想像しているようだな。一応、カタツムリではない。ちゃんとした人間だ」
「……人間?」
 人間とカタツムリの入り混じった変なものを想像してしまい、なにやら気分が悪くなる。
「実際に見せたほうがよさそうだな。どのみち、野良マイマイなら変な賊などに見つかるよりは一緒に白のピラミッドまで連れて行ったほうがいいだろう」
「そうですわね」
「……」
 顔色の悪いレーマ。その顔を見てアンシェルが言う。
「その青ざめた顔で、あの殻の中身を見て、せいぜい鼻の下を伸ばさないようにすることだ」
「鼻の下?」
 そこまで、変な趣味はないと思った。

338名無しさん@ピンキーsage05/03/16 22:47:55 ID:4XUwM5Rj
 大きな殻に近づく。近くで見ると、なんとも奇妙なな光景だった。
 まぎれもなく、それは巨大なカタツムリの殻。入り口に薄い膜が張られている。
 こんこんと、アンシェルがその殻を叩く。
「起きろ。こんなところで寝ていては危ないぞ」
「そうですわ。私たち、危害は加えません」
 リシェルも、入り口からそう語りかける。数メートルほど離れた場所から、おっかなびっくりといった感じでそれを見るレーマ。
「……ん……」
 殻の中から、声が聞こえた。そして、殻の入り口の膜を破り、その中から一人の少女が姿を見せた。

「???」
ぽかんとした表情で、レーマが少女を見る。
 年のころは14、5歳くらい。短い黒髪の間から、2本の触覚がのぞく。
 白いショートパンツと、へその見える短い上着。さっきまで草原に転がっていた大きな殻が、背中にくっついている。
「……あら、おはようございます……」
 少女は寝ぼけ眼で、そうアンシェルとリシェルに挨拶した。
「おはようございます。こんなところで野宿なんて、風邪ひきますよ」
 リシェルが、笑顔でそう言う。そういう問題かとレーマは思ったが、目の前の事態に言葉がおいつかない。
「あぁ、大丈夫です。殻の中って意外とあったかいんですよ」
「風邪よりも、治安のほうが心配だ。こんなところで寝てたら、変なのにつかまって売り飛ばされないとも限らないぞ」
 と、これはアンシェル。
「あぁ……それは困りますねぇ」
 まだ寝ぼけているのか、のんびりとした口調でそう答える。
「野良マイマイか? 飼い主とかはいないのか?」
「うーん……いたんですけどぉ……少し前に強盗さんに襲われて死んじゃったんですぅ……それで、私だけ逃げて……」
「……よく逃げ切れたな」
「えっと……逃げてたら足を滑らせちゃいまして、あそこの崖から落ちちゃったんですぅ」
 そういって、はるかかなたに見える断崖絶壁を指差す。崖の高さは50メートル以上ありそうだ。
339名無しさん@ピンキーsage05/03/16 22:48:40 ID:4XUwM5Rj
「……よく生きていたな」
 呆れ多様にアンシェルが言う。
「落ちちゃってから、怖くって殻の中にもぐりこんでたんです」
「……マイマイの殻は鋼より固いって言いますからね。それにマイマイさんの体も柔らかかったからたすかったんでしょうね」
リシェルが横から言う。
「う〜ん……よくわかりませんけど、そうなんでしょうねぇ……」
「それで、だ」
 アンシェルが言う。
「主がいないマイマイが一人でいては危険だ。私たちは白のピラミッドに向かうのだが、一緒に来ないか?」
「一緒に……いいんですか?」
「このまま放っていっては寝覚めが悪い」
「それは……困りますねぇ……ぐっすり眠らないとお肌に悪いですよ」
「……いや、その……何だ、とにかく、一緒にこないか?」
「はい、喜んで」
 にこっと笑って、少女はうなずいた。
「そうか。まあ、私たちも新しく飼うほどの余裕はないのだが、あそこならはぐれマイマイの世話をしてくれる余裕のある人もいるだろうし、何ならピラミッドの神殿で暮らしてもいい」
「はい。ピラミッドはむかし行きましたけど、とっても楽しかったです」
「そうか。なら……レーマ、いつまでそんなところにいる!」
 アンシェルの言葉に、はっと我に代えるレーマ。あわてて、そばに駆け寄る。
「この子が、あの殻の中身だ。……驚いたか?」
「……」
 ぽかんとした表情で、少女を見つめるレーマ。それをみて、リシェルがくすくす笑う。
「あら、さっきまでとは全然表情が違いますわ」
「……まったくだ。鼻の下を伸ばしおって」
「い、いやそんな……」
 あわてて取り繕うレーマ。その向こうずねを、思いっきりアンシェルが蹴り飛ばす。
「〜っっっ!!!」
 声にならない声を上げて転げまわるレーマ。それをみて、リシェルとマイマイの少女が笑う。
「この方、ヒトですの?」
「ああ。こんなやつだがな」
「でも、仲がよろしいんでしょう? なんとなくわかります」
「……ま、まあ……腐れ縁だからな」
340名無しさん@ピンキーsage05/03/16 22:50:27 ID:4XUwM5Rj
 痛みもかろうじておさまり、何とか立ち上がるレーマ。冷たい目でそれを見ながら、アンシェルが言う。
「いいな、お前がこの子を背負っていけ」
「せ、背負って……て」
 露出度の高い衣服に、少しどぎまぎしながら言う。
「あの見るからに重そうな殻を、年端も行かぬ娘に背負わせてまる一日歩かせる気か」
「……僕なら、背負ってもいいと?」
「当たり前だ」
「……わかりました」
 そういって、ひざをついて座る。
「じゃあ、お願いしますね」
 少女が、背中に乗る。
(……お、重い……)
 殻の重さが、ずしりと背中にのしかかる。
(……それに、これ……)
 殻の重さで、少女の胸が背中に押し付けられる。
「……」
 無言で立ち上がり、歩き出そうとする。顔が少々赤いのは、重さのせいだけではなさそうだった。
「ところで、名前をまだ言っていなかったな。私はアンシェル・クレファンだ」
「妹のリシェル・クレファンです」
「そして、この男がレーマだ」
「えっと……わたしはアルナです」
「そうか。短い付き合いになるかもしれんが、よろしく頼む」

 重い。
 アルナだけなら軽いのだろうが、その上の殻が重い。20〜30キロはあるのではないだろうか。
 ずっしりと背中に重さと、何やらやわらかい感触がのしかかる。
 背中から、アルナが話しかけてくる。
「これ、以外と重いでしょ。だから、一人だとたいへんなんです。もう、すぐに疲れちゃって、すぐにごろんと殻の中に入って眠っちゃうんです」
「……一生これを背負うってのは大変だな……」
「でも、いつでもどこでも眠れるし、泳いでるときは浮き袋になったり、崖から落ちるときもこの中なら安全だし、助かることも多いんですよ」
「……そ、そうか……」
 なんだか、不思議なペースの会話だった。
341名無しさん@ピンキーsage05/03/16 22:51:38 ID:4XUwM5Rj
「レーマさんって、無口な方なんですね」
「違う。女を背負っているからのぼせているんだ」
「まぁ。のぼせてくださってるんですか? 嬉しいですぅ」
 笑顔でそう口にするアルナ。これでのぼせるなというほうが無理だろうと、心の中で思う。
「……」
「図星らしいな」
 アンシェルの言葉が冷たい。
「さっさと行くぞ。いつまでも貴様が鼻の下を伸ばしていると思うと少々腹が立つ」

 とはいえ、歩みは遅い。人間一人と重い殻を背負っているのだから、そう昨日までのようには歩けない。
 結局、一日でたどり着くはずが、半分ほどの場所で夜になった。
「……野営を張るしかあるまい」
「そうですわね」
「……」
 無言で、レーマが膝をつく。さすがに疲れたらしい。
「レーマ、休むのは早いぞ。薪を集めるのと、どこか雨風のしのげる場所を探さなくてはならん」
 アンシェルが言う。
「そうですわね。レーマ、お姉さまと一緒に周りを見てきてください。その間に、私とアルナちゃんでお夕食作ってます」
「……」
 ふらつきながら立ち上がる。確かに、休む暇はないのだが、それでも休みたいと心の中で思う。
 が、そんな立場でないのも事実だった。

 山岳地帯のカモシカの国では、少し歩けば簡単に野営に適した物陰や洞穴が見つかる。
 少し歩いて、アンシェルとレーマはちょうどいい大きさで雨風をしのげる岩陰を見つけた。
「ここにしよう」
「……そうですね」
 つかれきった声で、レーマが答える。そんなレーマに、アンシェルが言った。
「疲れているところ申し訳ないが、すぐには眠れんぞ」
「……え?」
342名無しさん@ピンキーsage05/03/16 22:54:04 ID:4XUwM5Rj
「お前は、マイマイを知らないんだったな」
「……はい」
「だったら教えておいてやる。マイマイというのはな……」
 アンシェルは、静かに話し始めた。

 マイマイというのは、女性種しか存在しない。
 さらに寿命も非常に短く、20歳前後。一人前の大人の女性の容姿になったころには子孫を産み、そしてすぐに死ぬ。
 男性種がいないため、他の種族との性交で遺伝子を受け入れ、そして女児を産む。
 ヒトと同程度の寿命しか持たないカモシカ族でさえ、この世界では短命種なのだが、それよりもなお寿命が短い。
 さらに老化前に死ぬことや女性種、それも魅力的な容姿の持ち主しかいないことなど、あまりに一般的な種族とはかけ離れている。
 一説に、ヒポグリフ研究の途中で生み出された失敗した人造種ではないかと言われているが、そのせいか人間として扱われることはなく、ヒトと同じ、ペット、愛玩動物として扱われている。
「……いや、愛玩動物ですめばマシなほうだ」
「マシな方、って?」
「大半のマイマイは、生まれた瞬間から主人の奴隷だ。何の……かは言うまであるまい」
「……はい。あまり聞きたい話でもないです」
「そもそも、今のあの姿も、より従順な奴隷にするための品種改良の結果だといわれている」
「……」
「あんな重い殻を背負っていては逃げるに逃げられん。腕の力も弱く、ひとたび男に迫られたら抗うことさえままならん。さらに老いる前に死ぬ……それさえも」
「飽きた頃に勝手に死ぬから、か……最悪だな」
「同感だ。……だがお前の知らない世界は、確かにある」
「……さすがにリュナ卿でも、こんな時期に簡単にペットを二匹に増やせるものでもないしな」
「ああ。……それで、だ」
「それで?」
「今夜、私たちは先に寝るが、お前はしばらく起きて……そうだな、あの辺りででも見張りをしておけ。そして……」
「?」
「あの子だが、あまり乱暴には扱うな。やさしく、愛情をもってな」
「……そ、それって……」
「マイマイの人生は短い。一日ぐらい、幸せな日があってもいいはずだ。……おまえはどうしようもないやつだが、優しいというとりえだけはある」
「……」
「戻るぞ。そろそろ、食事の支度が終わった頃だろう」
343名無しさん@ピンキーsage05/03/16 22:57:13 ID:4XUwM5Rj
その夜。
アンシェルとリシェルが眠っている岩陰からすこし離れた、別の岩陰。そこでレーマは待っていた。
さすがに疲れが残っているが、そうも言っていられそうにない。
少々無理をして、そこに立っているとアルナが来た。
「……んしょ」
 殻が重そうだ。しかし、顔が心なしかうれしそうに見える。
「リシェルさんから、話は聞きました。……ここでいいんですか?」
「……そう……だな。こういうのは、人目につかない場所のほうがいい」
「くす……やっぱり、恥ずかしいですか?」
「そりゃあな……」
 そう言って、少し目を逸らす。
「その照れた顔、かわいいです」
「……そんなこと、言われたのは初めてだ」
「本当ですか?」
「ああ」
「でも、すっごくかわいいですよ。なんだか、吸い込まれちゃいそうで」
「……そう言ってくれるのは、まあ……悪い気分じゃないな」
 ふっと、笑う。アンシェルやリシェルとは、どうも勝手が違う。
「じゃあ、はじめますか?」
「そうだな」
 そう言って、服を脱ごうとする。それをアルナがとめた。
「あっ、レーマさんは服着ててください」
「?」
「その……男の人のはだかって、見慣れてないんで……ちょっと恥ずかしいです」
「……そういうものなのか?」
「ええ。前のご主人様は、服を着たままあれだけを出してましたし」
 そう言って、レーマの履くスラックスの前を開ける。
「……こっちは、いいのか?」
「ええ、これはもう見慣れましたし」
「……」
 そういうものなのかと、ちょっとだけ疑問に思う。思うより先に、アルナが肉棒を口にくわえた。
344名無しさん@ピンキーsage05/03/16 22:59:59 ID:4XUwM5Rj
「……んっ」
 肉棒の裏側から先端へと、舌が動く。そして先端までなめ終えると、すっと口を抜くようにして、唇で全体に刺激を与える。
 唇の柔らかな肉感が、敏感な箇所を刺激する。そうしながら、不定期に強く吸ったり緩めたりして、息で別の刺激を与える。
 そして一度、唇を離した。わずか三十秒足らずで硬くなったそれを見ると、アルナは下からレーマを見上げるようにして、にこりと笑って言う。
「……こんなことばっかりしてましたから」
 その言葉に、レーマは少し悲しい気分になった。
「そんな顔しないでください。わたし、こんなことしかできないですし」
「……」
 言葉が出てこない。そんなレーマに、アルナは笑顔をみせると、またそれを口にくわえた。
 官能的に舌を這わせたかと思うと、情熱的に舌が絡みつく。そして唇の与える柔らかな刺激。
「そ、その、ちょっと……」
 たまらず、暴発しそうになる。が、この子の口に出すことだけはどうにも良心が痛んだ。が、アルナの口はそんなレーマの気持ちとは関係なく、官能と刺激を次々と送り込む。
「ご、ごめん、その、もう……」
 限界だった。
 アルナの与える官能に耐え切れずに、精がほとばしった。
 口の中にあふれ出るそれを、アルナは飲み込む。それでも口元から少しは漏れたが、それは指でぬぐった。
「……ごめん……」
「そんな……あやまらないでくださいよぉ」
 無邪気な顔が、少しだけ悲しそうになる。
「レーマさんの気持ちよさそうな顔を見たら、私もすごく嬉しいと思うんです」
「……でも」
「その、リシェルさんが言ってました。レーマさんは、すごい優しい人だって」
「……」
「ほんと、優しい人です……その、優しいレーマさんだから、がんばりたいんです。だから……」
「ありがとう」
「そんな……」
 少し、照れたような顔。触覚がとろんと垂れる。
「じやあ、ここからは僕のお礼」
 そう言って、アルナの腰に手をかけると、すっと持ち上げた。
 アルナの背中の大きな殻。それを支点にくるりと転がす。殻に乗っかったようなかたちで、アルナが仰向けになる。
「きゃ……」
 予想していなかった動きに驚き、ちょっとだけ手足をばたばたと動かす。そんなアルナの唇に、軽く唇を重ねた。
345名無しさん@ピンキーsage05/03/16 23:01:00 ID:4XUwM5Rj
「あ……」
 頬を染めて、レーマを見る。
「力、抜いて」
 そう言って、上着に手をかける。
「……あ」
 アルナの上着を、脱がせる。月明かりに、年の割りに大きな乳房が照らされる。それを、両手でやさしく揉む。
「……なんだか……変な気持ち」
 甘えるような声で、そうアルナが言う。
 カモシカ族の特徴なのか、リシェルもアンシェルも、どちらかというと胸はそんなに大きくない。だから、正直勝手がちがうが、それでも相手が痛がらないように、気を使いながら揉む。
 ある程度揉むと、アルナの息遣いが荒くなり、汗がにじんできた。
「……レーマさん……なんだか、きもちいいですぅ……」
「よかった。だったら僕もそう捨てたものじゃないな」
「そんな……捨てたものなんかじゃないですよぉ……」
 上ずった声。アルナの全身の力が抜け、すべてをレーマにゆだねきっている。
 舌を、這わせる。
 胸の先端、へそから胸の谷間へのライン、わき腹と、アンシェルやリシェルが感じる箇所を、おなじように刺激する。
「んっ……れ、れーまさんっ……そんなとこ、駄目ですぅ……」
「あっ……駄目だった? ごめんっ……」
「ち、違いますぅ……その、駄目だけど……駄目じゃないんです……」
「ああ、そういうことか……」
 そう言うと、レーマは体をアルナの正面に戻す。そして、アルナのショートパンツに手をかける。
「……あ……」
「もう、そろそろいいんだろう?」
「はい……」
 うなずくアルナ。それを見て、レーマはショートパンツも脱がせる。
 下着は、つけていなかった。そしてその下は、すっかり濡れていた。
「……し、下着は?」
 思わず、間の抜けた問いを発する。
「うーん……前のご主人様が、つけるなって言ってたから……」
「……そ、そうか……いや、変なこと聞いたかな……」
 アルナの両足を抱えて、左右に開ける。そして、前戯なしに自分の肉棒を差し込んだ。
346名無しさん@ピンキーsage05/03/16 23:02:50 ID:4XUwM5Rj
「……っ……」
 先に声をあげたのは、レーマの方だった。
 締め付けてくる感触に、我を失いそうになる。
 ひくひくと、まるで男のそれを貪るようにうごめく感触は、初体験のものだった。
 なんだか、それだけが別の生物のようにさえ思えた。
「……レーマさん……」
「あ、ああ、大丈夫……」
 ゆっくりと腰を動かす。少し動かすだけで暴発しそうになるが、必死に堪える。
「……気持ち……いい……です……。レーマさん……」
「あ、ああ、それは……」
 返事が、返事になっていない。気を抜くと簡単に暴発しそうだった。
(……これも、品種改良とやらの成果なのか?)
 そんなことを思う。
「その……レーマさん……」
「な、何……」
「中に……出してください……」
(言われなくたって……これは……)
 抜けない。抜けない上に、後から後から刺激が伝わってくる。
「……いいの?」
 それでも、見栄を張って一応は聞く。
「はい……」
「じゃあ、出すよ」
 そういい終わるより先に、二度目の絶頂を迎えた。

 それから、さらに三度。
 さすがに、三度目が終わったときには精根尽き果てて草原の上にぶっ倒れていた。
「レーマ……さん」
「あ、ああ……」
 服を着終えたアルナが、横にちょこんと座っている。
「ほんとに……優しいんですね」
347名無しさん@ピンキーsage05/03/16 23:09:06 ID:4XUwM5Rj
「……そうかな……」
「はい。アンシェルさんが拗ねるのもわかっちゃいます」
「拗ねてた?」
 その言葉に、にこっと笑う。
「はい。レーマさんなら、誰だって独り占めした言って思います。……私だって」
「……なんだか、光栄だな」
「本当は、ずっとレーマさんや皆さんと一緒にいたいですけど、そうもいきませんよね」
「……僕らも、戦争で住んでた場所を追われたようなもんだし」
「そうですか……でも、なんだか」
「何?」
「一度はお別れしてもねいつかまた会えるような気もします」
「……だったら……いいな。また会えるなら、きっと楽しくなると思う」
「そうですね」
 月明かりが、二人を照らす。いつの間にか、アルナは殻の中にもぐりこんで、すやすやと眠っていた。
 明日の朝、ちゃんと起きられるだろうか。
 そんなことをぼんやり思いながら、レーマは夜空を見上げていた。

「……少し、気分が悪い」
 アンシェルが、横のリシェルに言う。
「でも、こればかりは人助けですから」
 リシェルが答える。
「……わかっている。マイマイに嫉妬するほど子供ではない。が……」
 アンシェルの言葉に、言いようのない憤りが混じっている。
「あとで、二人でじっくり問い詰めちゃいましょうよ」
「……そうだな。しかしレーマという男は、まったく……」
 不満げなアンシェル。そんな姉を、リシェルは少しおかしそうに見ていた。
(fin)
348カモシカ担当sage05/03/16 23:14:32 ID:4XUwM5Rj
 あんまりにもエロがなかったんで、即興で追加しました。即興なんで、ひねりも何もないですけど。
 とりあえず、アルナが今後も出るかどうかは不明です。
 さすがにリシェル、アンシェル、フィリーヌに加えて四人目のおにゃのこを入れるとレーマの身が持たないw

 寿命が短くて、最初から性奴隷として生まれてきたってのは悲惨な境遇ですけど、そう言う子が幸せをつかむってどんなことなんだろうって思って。
 その結論は、まだ出てないです。
 まあ、これはエロ分追加だけで書いたような話なんで、全体のプロットとは完全に独立した外伝的ストーリーです。

 で。
 本編5ですけど……かなり先になっちゃいそうです。先になる上に、もしかしたらまた無駄に長くなるかも知れません。
349魚(・ω・)ヒトsage05/03/16 23:29:07 ID:GXLJ8cTr
ぐっじょぶです!
マイマイたんイイデスネ!(・∀・)
350名無しさん@ピンキーsage05/03/17 01:54:37 ID:o3ecHg5R
>>337-347 GJ!!
しかし、背中の連結部がどうなってるのか気になるな。
というか、やっぱり入る時は体をくの字に折り曲げてお尻からか…?
351名無しさん@ピンキーsage05/03/17 05:29:11 ID:GvTnbelG
上着の構造が気になるな・・
352名無しさん@ピンキーsage05/03/17 06:33:44 ID:SO3nE9wi
殻は腰のあたりにくっついてて、お尻から中に入ります。
だから、へそ出しの服じゃないと着られません。
353草原の潮風-第4話sage05/03/17 22:55:54 ID:BKa4i8ga
「この化け物がぁ!!」

ガキンッ
シールドの一部が振り下ろされた戦金槌で欠け、一瞬火花が映り、操縦席を前方からの揺れが襲う。

「この野郎っ・・・」
次の一手を繰り出される前に右のレバーを前に倒し、ナイフを横薙ぎに払って首筋を狙う・・・
グンッ     ザシュッ
ナイフは目の前の獣人の首元を貫き・・・正面モニターにも赤い飛沫が飛び、
目の前の巨大な影が前にガクンと倒れてくる。
「ゴハッ・・・・・・」
力のない、胸から息を押し出すような声・・・ナイフの一撃は致命傷を与えたようだ。

瞬間何も聞こえなくなり、静寂が俺の心を支配する―――とうとう、自分は人を殺めた。
その考えだけが全てを支配したが、それは長くは続かない。

「ピピッ」
「隊長、後ろ!」

後方からの攻撃を知らせる警告音が鳴り、
ほぼ同時に、援護射撃をしているお嬢の声が空っぽの頭に響く。

ガシャッ・・・・・・
誤射を防ぐ為に付けられた安全ピンを抜き、トリガーに手をかける。
それに反応して血に染まった機体の右手が伸び、シールドを構えた左腕が添えられる。
354名無しさん@ピンキーsage05/03/17 22:57:11 ID:BKa4i8ga
「この化け物め!よくも、頭領をぉぉ!!」
冷酷と呼べるぐらい冷静に判断できているというのが、自分でも判る。

トリガーを引いた瞬間、向かってくる獣人の胸から上が蒸発するかのように消し飛び、
遅れて襲ってくる振動と爆音。
砲から自動排莢され、地面に転がる薬莢が奏でる甲高い金属音。

ここは紛れもなく戦場で、俺の初陣だ。
あの後、基礎的な訓練を1週間ほど行い、俺たち機械化部隊は山賊の掃討任務に借り出された。

「隊長、ぼさっとしないの敵に囲まれるわよ!」
「あ・・・ああ、判ってる」
カレンが山賊の騎兵を切り捨てて退路を確保してくれた。
それに呼応して、俺も味方が確保している即席の前線砦まで後退する。


俺達は、人型戦車4両で基地を出発し草原を抜けた。
その先の村で味方の弓兵やら魔法使いの歩兵部隊10人程度と合流して、約2日の行軍を続け現在に至る。
355名無しさん@ピンキーsage05/03/17 22:58:53 ID:BKa4i8ga
何故4両もあるかというと、博士が猫井技研と、
シュナムル・インダストリーに頼んで、俺の機体のレプリカを発注していたからだ。

納入しにきた方々の話によると
「いやー、電装系がほとんど落ち物頼りなんで、苦労しましたよ。
 こっちは、Z80やi4004でさえ模造品作る技術ありませんからね・・・」
「モーターに関しても研究所の完全なカスタム品ですから、壊さないで下さいよ」
とは言うものの、レプリカというよりどうみても、
手のつけようがなく放置してた落ち物を、今回の件で引っ張り出してきたというような風貌であった。

あちらこちらが錆びたり、コックピットの機材が車両によって異なったり、
恐らく、以前乗っていた操縦者が施したと思われる私的な改造が施されている箇所も少なくない。
まあ、動けるのを3両も調達してこれたこと自体が奇跡のようなモノだから、とやかくは言わないが・・・。

尚、装甲材に関してはこちらの世界の耐魔法処理が施されたものの方が、
魔法に対して非常に優秀で、俺の機体もそれに換装され、そのせいで現在はパールホワイトに近い色に変わっている。
それに伴って重量も10%近くも軽くなって・・・・・・本気でこいつを飛ばす気なのか、博士は・・・。
356名無しさん@ピンキーsage05/03/17 23:01:03 ID:BKa4i8ga
ドシンッ

機体をドリフトさせ、砲が敵の方を向く状態で塹壕に滑り込ませる。
深さが2メートル強しかないため、機体の上半身がはみ出る形になるが、これはこの際仕方がない。
寧ろ敵に圧迫感を与えるためなのだと割り切って、操縦席から飛び降りた。

「おっかえりー!」
「隊長も姉さんも、よくご無事で・・・」
カレンも、同じように強引な駐機を果たして、ゼノスとお嬢の前に歩いてくる。

「さて・・・リーダーらしきやつを倒せたはいいが、どうしたもんか」
「瓦解する気配もなければ、降伏する気もないわ・・・」

「うわー・・・両方とも血で真っ赤だね・・・」

お嬢のその言葉に、振り向いて機体を見上げてみる。
敵の頭領に一撃を加えた時の返り血が、機体の頭部から右腕を真っ赤に染めている。
左側は無事だが、それもシールドに返り血がかかった結果であり、
シールドは元から真紅に染められていたかのように真っ赤になっている。

「私のは、元々赤い・・・」
カレン機は赤いカラーリングが施されている。
彼女自身が『無双のリナ』の道場の出身であることが理由らしい。

それでも、返り血は識別用につけられた白色の角まで紅く染めていた。

ちなみに、ゼノス機は青、お嬢のは黒の塗装が施され、
各自の武装も"実戦データの収集"目的でそれぞれ違う物にされている。
357名無しさん@ピンキーsage05/03/17 23:02:25 ID:BKa4i8ga
「いやー、接近戦挑んでくれて助かったよ・・・折れた矢が絡まっちまってさ・・・」
弓兵が、すまなそうに壊れたクロスボウを掲げてみせる。

「ん?・・・マスケット銃支給されてなかったっけ、あんた・・・」
この部隊は、何かと目新しい装備が多く支給されていたし、
名前が弓兵隊所属のままでマスケット銃を装備している彼の異様さは、合流した時に濃く印象に残っていた。

「いやさ・・・今時に出てきた火器ってのはどうも熱くなって嫌でねぇ、
 おいらみたいな臆病者にゃ、ジャムるクロスボウなんかよりも、銃よりも、昔ながらの長弓が一番だぁさ」
扱いなれた物が一番。
最もな意見かもしれないが、一度も使わずに終わってしまっては効果がわからない。
「確かにまあ、意見はわかるんだけど・・・」

「代わりに私が使ったんですけど、全然命中させられなくて・・・」
と、とんがり帽子にミニスカート、手にステッキという、
魔女っ子風味な姿の見るからに魔法使いですという少女が、横から話し掛けてくる。

「こうやって・・・使うんですよね?・・・ここで照準つけて・・・」
確かに、前後を間違えるとか根本的な間違いはしてないし、
反動がかかっても問題なさそうな、ちゃんとした持ち方をしてはいるが・・・

「違う、そっちが上じゃない、こっちが上・・・で、照準はここの凹みと、先端の凸でつける」
銃を横向きに構えて、銃身の溝なんかで照準をつけていたのでは、全部台無しだ。
「あ、こうやるのか・・・・・・ふむふむ・・・」

―――この部隊、扱いに困るような変な連中ばかり集められてるのは気のせいだろうか?
とにかく・・・今は、休もう。さっきの白兵戦のお陰で、精神的にクタクタだ。
358名無しさん@ピンキーsage05/03/17 23:05:04 ID:BKa4i8ga
「て、敵襲!!」
歩哨の大声が響き、俺も飛び起きてテントから出る。

ズキューン   ズキューン

「うぐあっ」 「がはぁっ」

ん・・・すぐ後ろから銃声?と遠くからの悲鳴?ってことは、こっち側の人間だ・・・。
不審に思い振り向くと、さっきの魔女っ子が他の魔法使いと組んで、
マスケット銃で突撃してくる敵の歩兵を、それも確実に額を狙って狙撃している。

「あ、当たった・・・これ、良いですね。遠目の魔法使えば目標遠くても当てられるし、杖の代わりにこれ持とうかな」
・・・・・・魔法使いが、ゴル○ばりに的確な狙撃するなんてこの部隊ぐらいなもんだろう。
この世界の文化の凄さを悟ってしまったような気がする。

「隊長さんよ、行かなくて良いのかい?」
魔女っ子の横で弾込めに尽力している魔法使いに言われて、思い出す。

「そうだった、他の連中は?」
「仮眠中だった連中以外は、とっくに出てる」
その言葉を聞きながら、俺は操縦席に飛び乗る。

上から胸部装甲が降り、正面・側面モニターに灯が燈る。
各種動作テストの文字列が左のモニター、残弾及び損傷率の表示が右のモニター。
それぞれが、黒背景に緑の文字で一瞬映り、すぐに補助カメラによる風景表示に切り替わる。

そして『シートベルトを着用してください』のエラーメッセージが正面モニターに・・・。
忘れてたよ・・・これでよし・・・。
359名無しさん@ピンキーsage05/03/17 23:07:33 ID:BKa4i8ga
「01出るよ、周りにいるやつは退避してくれ」
拡声器でそう呼びかけて、機体を塹壕からジャンプさせる。

ズシィィン

「・・・当たれ、ファイヤーボール!!」

ボッ ボボッ

砦を出た瞬間、3つの火球が続けざまに左肩部に命中し一瞬、モニターが焼け付いたかのように真っ白になる。
右モニターにダメージ表示・・・損傷は、装甲の消耗のみ・・・。

「き、効いてない・・・」
「怯むな、あんなデカブツ、取り付いちまえば!!」

ファイヤーボールの魔法を放った山賊と、槍を持った別の大柄な山賊がこっちに向かって突撃してくる。
逃げるなら、逃げろ・・・来るなら来い・・・心の中でそう叫んで、対戦車砲を向ける。

バスンッ・・・・・・  ジュッ

聞こえるはずのない、人が蒸発する音が聞こえる・・・。

「う、うわあぁああ、か、神様ぁっ」

俺の放った弾丸は、槍を持っていた山賊の上半身を吹き飛ばし、
肉片や血の雨と共に、魔法を放った山賊の横に着弾。
生き残った方は、錯乱状態のまま森に逃げていく・・・これでいい、これで無駄に殺さずに済む。
360名無しさん@ピンキーsage05/03/17 23:11:06 ID:BKa4i8ga
「くるな、くるなってば・・・!!くるなよっ!!・・・ザザー・・・ひゃあああ」
何分経っただろう。気がつくと、無線通信で喚きだすゼノス。

「ゼノス、どうした。落ち着け、慌ててるとまた操作ミスるぞ」
「た、隊長・・・助けて!・・・ザザー・・・後ろからドラゴンみたいなのが・・・あ・・・ザザー」
通信が突然途切れ、雑音のみになる。
最悪なら被撃墜、良くても通信装備が故障していては、味方との連携がほとんど取れなくなる。

・・・一言でいうと、事態は一刻を争う。
考えるより早く足がアクセルを踏み込んで、左手の指が弾倉交換のボタンを押す。
高速移動中の弾薬補給は、あまり好ましくないが、今は1秒でも惜しい。

「ギャアァァッ」
程なくして、聞いたことのないような生き物の声が聞こえ、
通信アンテナ付近をえぐり取られたゼノス機と、周りに展開している味方の歩兵連中の姿が視界に入ってくる。

「き、来た!」
「アイツの翼を狙ってくれ、地面に落っこちてくりゃ、俺達でも戦える」

俺に気がついた何名かがこっちを指差して、それに気がついた指揮官が拡声器で指示を出してくる。
それに従って、反動をつけて機体を飛翔させた。

機体は風で大きく揺れるが、それでも5m、10mとぐんぐん上がっていき・・・
味方に被害を与えた、ヤツの紅い両目がしっかりと視認できる距離になる。
361名無しさん@ピンキーsage05/03/17 23:12:37 ID:BKa4i8ga
「キシャァァッ!!」
ヤツは口を大きく開けて、こっちを威嚇していた。

「トカゲは大人しく・・・野ネズミでも襲ってな!」

カチンッ  ドドドドッ

人以外のモノであるヤツを殺すのに、躊躇はなかった。
トリガーを引くと共に、5筋の火線が次々とヤツに向かっていく。
いつもは、単発で発射するように設定しているが、こういう使い方もできるのだ。

1発目がはずれ、2発目がかすって、3発目以降がヤツの翼や体に命中する。
「グオォォオオオ!!」
悔しそうな泣き声と共に、ヤツは地面に真ッ逆さまに落ちていく。
俺も落ちてはいるが、背中の水素燃料ロケットで随分と減速され、軟着陸する。

俺が着陸した後も、未だに闘志を滾らせたヤツと、
ヤツを呼んだらしき山賊の魔法使いが、未だに味方とにらみ合いを続けていた。
362名無しさん@ピンキーsage05/03/17 23:14:43 ID:BKa4i8ga
「キシャーッ!!」
「近づくなら、容赦はしないぞこいつは・・・!」
山賊がドラゴンの頭に上って、そう言ったときだった。

カチャリッ       ターン

「うわちっ・・・な、なんだ!?・・・あ、水晶球が!」

銃声がすると、山賊の手からは血が滴り、手に持っていた水晶球が転がり落ちる。

「その水晶球で召喚したドラゴンだってことは・・・魔法を齧った者なら、わかりますよ」
いつのまにかそこにいたのは、先ほど狙撃の才を発揮したあの魔法使いの少女であった。

「よ、止せ、止めろ・・・割るなぁぁ」
「これで・・・・・・お終いっと」
周りが呆気に取られてる中、彼女は水晶球に向かって銃床を振り下ろす。

パキィィイン

「あ・・・・・・ああ、俺の豪華一点張りの水晶が・・・」
ドラゴンは、数秒のうちに光の粒となり消えていき、その場には戦意を失った山賊の魔法使いだけが残される。
363名無しさん@ピンキーsage05/03/17 23:17:37 ID:BKa4i8ga
「はい、逮捕っと・・・・・・・・・どうしたんですか、みなさん?」
彼女が最後に言った一言で、しばらく止まっていた時間がようやく流れ出す。

「・・・嬢ちゃんの姿があまりに凛々しくて、見とれてたんだろうよ。俺も勿論な」
一番最初に返事をした歩兵隊の指揮官の言葉が、特に印象深く残った。

ほどなくして、先頭を切って突入していったカレンとお嬢からの制圧完了の通信で、戦闘は終わりを告げた。
雑魚は随分逃げられたが、頭領の死亡を確認し幹部数名を生きたまま捕まえ、
近隣の村々から救助要請が出ていた人質も、ほとんど無事な状態で確保。
味方の被害は、ゼノスが軽い打撲を負った以外は、ほとんど擦過傷や浅い切り傷で特に怪我というほどではない。

もう、すっかり夜は明けて・・・・・・太陽が昇り始めている。
状況の確認を終えると、前もって取っておいた宿屋へ向けて皆で移動を開始する。
今度は下りだし弾薬を使った分軽いので、行きより随分楽だ。
364名無しさん@ピンキーsage05/03/17 23:18:45 ID:BKa4i8ga

既に戦闘を終えて半日以上。
先ほどまで朝日が見えていたのに、もう夕方である。

「う・・・痛たっ・・・」
「ほら、しっかりする。まったくもー、そんなんだからボクとかに襲われるんだぞ」
「・・・・・・で、でもっいきなり背後から・・・僕の機体、旋回性能とか低いし・・・」
「機体のせいにするなんて、情けない子だな・・・。回復魔法もこれぐらいでやめよっか?」
「そ、そんな〜・・・ヒドイよお嬢・・・。そういえば、姉さんと隊長は?」
「カレンちゃんなら、他の人たちと捕まえた山賊を王都に届けに。
 隊長は、報告書書かなきゃいけないからって、別の部屋取ったみたい」

「ふ〜ん・・・・・・え?ってことは、今日ってお嬢と僕の二人なんですか?」

「うん・・・・・・据え膳喰わねば、女の恥よね・・・」

ビクンッ・・・・・・ドタドタドタドタ

お嬢が小声でいったそれに反応するように、
回復魔法をかけてもらいながら座っていたベットから飛び上がり、
部屋の中でもお嬢から一番遠い場所までに全力で逃げていくゼノス。

だが、それは皮肉にも出入り口とは完全に逆方向で、逃げ道をお嬢に塞がれる格好になり、
彼女の征服欲をかき立てる結果になってしまう。
365名無しさん@ピンキーsage05/03/17 23:19:42 ID:BKa4i8ga
「心配しないでよ、こないだみたいには痛くしないから・・・」
そういって、彼女は彼の寝巻きのズボンを下げて、パンツの中を弄る。
「そんなこと言ったって・・・・・・あうう・・・」
ゼノスのペニスを小さな両手で握り、口に含んで舌で撫で回す。
「・・・・・・ぷはっ・・・・・・それとも・・・こっちの方が感じる?」
「・・・・・・はぁ・・・ううっ・・・・・・ダメですよ、そんな所舐めちゃ・・・」
口を一度放して、裏筋から袋の方に段々と舌を下ろしていき、彼の顔を下から見上げる。
「すっかり紅くなっちゃって・・・・・・かわいい」
そしてゼノスの足に乗ったまま、自分の着ている寝巻きを脱ぎ捨てる。

シュルル・・・・・・バサッ

「あ・・・あ・・・見ちゃだめだ、見ちゃ・・・」
「こら、失礼だよそれ・・・せっかく、見てもらいたくて脱いだのに・・・」
「え・・・でも・・・・・・」
目を手で覆い隠して、必死に見ないように勤めるゼノスだが、
彼女にとってはそれさえも、彼をからかう材料でしかない。

「でもじゃない、ほら・・・こんなに成っちゃってるんだよ・・・」
そういうと、ゼノスの腕を引っ張り、自分のお世辞にも人並みはあると言えない、
膨らみかけの胸に当て、彼の目をまっすぐに見つめる。
「・・・あ・・・先のほうが立ってる」
「そ、揉んで・・・優しくだよ、外側からゆっくり」
「う・・・うん」

自分より、ずっと幼く見えるのに自分よりずっと年上の不思議な存在。
姉さん以外の女の人で、唯一マダラでひょろひょろしてる自分を一人の男として見てくれる人・・・
366名無しさん@ピンキーsage05/03/17 23:21:28 ID:BKa4i8ga
「あん・・・・・・もうちょっと、ゆっくり・・・」
「は、はい・・・」
言われるがまま、従順に言葉に従う少年。
「そうそう・・・こうやって女の子には、優しくね・・・ともうそろそろ良いね」
「え?・・・あ・・・」
彼女の視線の先を見て、顔を真っ赤にする。
「これくらい堅くなれば、きっとゼノスも気持ち良いよ・・・・・・」
頬を紅く染めて軽く微笑むと、彼の腰の上に座り込むように体を静めていく。
「ああ・・・・・・お嬢の中が・・・きてるよ、締め付けてきてるぅ・・・」
「・・・・・・口がお留守だよ・・・チュ・・・チュク」

歳と外見がかけ離れすぎてて不気味だと言われた自分を、
普通の年上の女性として接してくれるだけじゃなくて、こうして癒してくれる純粋無垢な少年。

「チュパ・・・・・・あんまり強く吸われると・・・・・・恥ずかしいよ」
「ディープキスが恥ずかしいとか良いながら、さっきからしっかり腰振ってる子は・・・誰だっけー」
「だって・・・気持ち良くて・・・・・・あ・・・もうダメ・・・」
「・・・こ、こらぁー・・・・・・中で出ちゃ・・・・・・あ・・・」

少女の体がビクビクと痙攣し、二人の周りを静寂が包む
367名無しさん@ピンキーsage05/03/17 23:22:56 ID:BKa4i8ga
ゴンッ

「ひゃう・・・!?」
少年の頭に叩きつけられた握りこぶしが、静寂に終りを告げる。

「・・・中で出したら・・・駄目だっていっただろう!」
「ご、ごめんなさい〜」
「か・ら・だで責任とって貰うよ・・・良いね(ま、避妊薬飲んでるから、実は問題はないんだけど)」

「は、はいです・・・何をすれば良いでしょう・・・」
「朝まで・・・・・・ずっとボクとすること」
「・・・・・・・・・朝まで・・・って、まだ夜の7時ぐらいですよ・・・」
「短かったら、罰にならないだろー。
 途中で勝手に気絶したら、通販で買った大人の玩具でお尻犯すからね・・・」

「ひいぃぃぃ・・・」
顔からさっきまでの恍惚とした表情が消え、蒼白になっていくのが誰の目にも見える。
もしや、いつもこんな調子なのだろうか。

「こら、泣いてないでちゃんと腰動かしてよ」
「は、はい・・・・・・助けて・・・カレン姉さん・・・」
368名無しさん@ピンキーsage05/03/17 23:23:46 ID:BKa4i8ga
「・・・・・・なーんか、下がガタガタ五月蝿いな・・・ネズミでも床下にいるのか?」
コンコン
「はーい、鍵なら開いてますよ」
ガチャ
「隊長さんや、一杯どうですかな。
 若い衆が山賊壊滅の記念に料理と酒持ち寄って、食堂に集まってるじゃが・・・」
「あ、村長さんですか・・・・・・まあ、郷に入れば郷に従えというし・・・。
 わかりました、俺も行きます」
「おおそうか、皆が喜ぶわい」
「書類は、このままでいいか・・・部屋の鍵を閉めてっと・・・」
ガタンッ

「隊ちょーっ、2階にいるなら助けてよっ・・・」
「男の子が女々しい・・・やっぱり、これの出番かな・・・」
「うわーーーーん、お尻だけは止めてえぇぇぇええ!!」

少年の悲鳴が響く中、夜は更けていく。
36963sage05/03/17 23:29:11 ID:BKa4i8ga
投下完了、設定更新は特になし。
次回は、基地でいんたーみっしょんな話をば・・・。
370名無しさん@ピンキーsage05/03/18 00:14:25 ID:lwA9XEVO
男の子が襲われてる…
萌え…
いえいえ、燃える展開です!!
371カモシカ担当05/03/18 00:21:00 ID:OV7pDnWr
いつも乙です。
今回のSS読んでの人型戦車のイメージなんですが…
もしかして、光武…ですか?
37263sage05/03/18 00:56:58 ID:ctrBJu8/
>>371
外観はフロントミッションオルタナティヴに出てくるような、一つ目WAWのイメージで。
足のキャタピラや、エネルギー供給は方法は機動戦艦ナデシコのエステバリスのイメージ。
随分泥臭いですけど、返り血浴びたり死体踏んで歩いたりするには、これぐらい渋いのが良いかなと。

操縦系はガンダムXみたいな照準やトリガーつきのレバー2本に、ペダルが2つ、補助ボタン類。
373名無しさん@ピンキーsage05/03/18 01:19:52 ID:Ip94iMGQ
マイマイとゼノス君が存在自体がエロスでとても困ります

カモシカの人もタコの人も萌え燃えGJ!!
こういう古中近世魔機混合のごちゃごちゃした世界観、大好きだw
374カモシカ担当sage05/03/18 09:54:38 ID:DKhzQR5c
>>371
あ……ごめん、携帯から入れたらsageてなかった……orz

>>372
ありがとうございます。なるほど、なんとなくわかります。
しかし、さすがは猫の国・・・いろんな意味で。
375名無しさん@ピンキーsage05/03/18 23:08:06 ID:0wuXiMWf
>>369 GJ!!
ここは萌えと燃えとエロが5:3:2ぐらいで存在する良いスレですね
376名無しさん@ピンキーsage05/03/19 03:46:12 ID:1SAaf8XK
魚の性はヒトと同じように一生性が決まっている種ばかりではありません。
雌から雄へ、雄から雌へ性転換する魚や、同一個体で精子・卵子を作り自家受精する種など多様です。

というネタをころころ転がしつつ。
どうしようかにゃー。
377名無しさん@ピンキーsage05/03/19 11:52:27 ID:PjNoYesD
お二方ともグッジョヴです、ところで
カタツムリって実際には雌雄同体だったりするじゃないですか、ひょっとしてフtゲフンゲフン
378カモシカ担当sage05/03/19 15:21:01 ID:u+++5BN2
>>376
そういえば、ちょっと前にカサゴがいましたね。

>>376
>ひょっとしてフt

違  い  ま  す  っ  !

いや、設定としていろいろ考えてたのは事実ですけど、最終的に読者が引かないキャラを考えたら、女性種限定、老化前死亡の設定になりました。
最初考えてた設定には、卵からかえった(←卵で生まれる設定でした……)時点で身長五センチくらいの萌えっ娘の容姿になってて、そこから20年かけて人間大に育つ……なんてのもありましたしw

379名無しさん@ピンキーsage05/03/19 22:00:52 ID:06Rbb02m
タコ作者氏もカモシカ作者氏も更新速度速くてモツカレでございます
あと幻術使いってかっこいいな(;゚∀゚)=3
380名無しさん@ピンキーsage2005/03/21(月) 19:45:54 ID:6kodhtL5
大丈夫だとは思うが一応保守。
381魚(・ω・)ヒト 3話sage2005/03/23(水) 07:10:25 ID:+QnbvOqN
こんにちは(・ω・)
主要人物の簡単な説明と合わせて投下させていただきます。
今宵の一時、お楽しみいただければ幸いです。

>>376 自家受精!(・∀・)イイカンジ!
382魚(・ω・)ヒト 3話sage2005/03/23(水) 07:14:17 ID:+QnbvOqN
【マリー・ランヴィアス】
魚の国のお姫様でジャンのご主人様
蒼い瞳、蒼い髪、蒼いヒレを持つお姫様
髪はロングで髪の色と合わせた美しいドレスを着ている
おしとやかで優しい人
見た目は16歳くらいだが実年齢は謎


【ジャン(主人公)】
ある日突然こっちの世界に落ちて来たヒト
一人称は「僕」 
イギリス人と日本人のハーフ 
見た目は青い瞳に金髪の外人風だけど生まれも暮らしも日本なので生活習慣や言葉は日本人そのもの
ご主人様の召使いをやっている
性格はおとなしめ
年齢は15歳

【リリー・ランヴィアス】
マリー様の妹
明るい性格
お姉さまのような素敵なレディになるのが夢
見た目は12歳くらいだが実年齢は謎

なお、ランヴィアス(Laneviath)はリヴァイアサン(Leviathan)のアナグラムです
383魚(・ω・)ヒト 3話 以下、本編ですsage2005/03/23(水) 07:18:02 ID:+QnbvOqN
「今でこそ我々は海底に都市を創り生活していますが、数百年前までは地上の水辺に住む種族でした。
しかしある時、今日の我々の運命を決定付けた事件が起こりました。
他国の獣人の侵攻です。
かつて我々暮らしていたのは気候が穏やかで自然の恵み豊かな南方の地だったと言われています。
他の種族にその土地を狙われるのも不思議ではありませんでした。
我が国は懸命に侵略者と戦いました。
しかし、敵は陸での戦いを得意とする獣人。
戦局は次第に不利になり、ついにこちらは壊滅寸前まで追い詰められました。
もうだめかと思われた時、当時の女王様は民を率いて海へ逃れる決意をしたのです。
我々は海の中でも呼吸はできます。
しかし、光の届かない海底で生き続けていくことはできません。
そこで女王様は自身の魔力と生命力の全てを注いで海底に広大な広さの結界を御創りになられました。
そう、地上から遠く離れた海の底であるにもかかわらず、日の光が差し込み暖かい空気に満ちているこの空間です。
こうしてそれ以降は異種族の侵略に脅かされること無く、繁栄への道を辿ることになったのです。
よろしいですかな?お姫様」
「はい、先生」
「それでは午前の授業はここまでにしましょう」
384魚(・ω・)ヒト 3話 sage2005/03/23(水) 07:21:40 ID:+QnbvOqN
僕はご主人様と一緒に歴史の授業を受けていた。
勉強だけでなく、ここ数日はずっとご主人様と行動を共にしている。
ご主人様曰く、「宮殿で生活するのだからそれなりの教養を身につけなさい」ということらしい。
宮殿内をご主人様の後を着いて歩いていると、すれ違ういかにも身分の高そうな雰囲気の魚人や、屈強そうな兵士たちが皆、ご主人様に丁寧に挨拶したり敬礼したりして、
ご主人様は本当にこの国のお姫様なんだな、というのがよくわかった。

「じゃ、昼食にしましょうか。ついてらっしゃい」
「はい」
教室を出て長い廊下を歩いていき、幾つかの角を曲がって進んでいくと食堂に辿りついた。
この食堂がけっこう広い部屋になっていて天井には大きなシャンデリア、壁には絵画やら彫刻やらが飾られている。
そして数人の女性の給仕係がいて、既に食事の用意は整っていた。
「あの…、ご主人様。ちょっと聞きたいことがあるんですが……」
「なぁに?」
「僕、召使いなんですよね?
それなのにご主人様と同じ食卓について、こんな食事まで用意してもらっていいんでし
ょうか?」
貝や海老の入ったシーフード満載のパスタ、海草や刺身たっぷりのサラダ、色とりどりのフルーツの盛り合わせなどなど、召使いの待遇とは思えない料理が並んでいる。
「あなたにはそれだけの価値があるのよ。
さっきの先生のお話で聞いたでしょう。
この国は海の中にあるんだって。
だからヒトが紛れ込むことなんてほとんどないし、奴隷商人がやってくることもない。
この国の中に直接落ちてくるなんてとても珍しいことなのよ。
もしあなたが運悪く地上のどこかに落ちていたら、死ぬか奴隷かのどちらかだったのよ?」
死ぬか奴隷……って……。サラっと言われたけど怖い話だ……。
今この生活があるのは運が良かったからなのか……。
そう考えながらこんなおいしい料理を食べていると、なんだか神様に感謝したい気分になってくる。
「どうしたの?」
「ご主人様の召使いになれてよかったなぁ、と思って」
「ふふ、そう思うなら私の召使いにふさわしい礼儀と教養を身につけてね」
「頑張ります!」
385魚(・ω・)ヒト 3話 sage2005/03/23(水) 07:24:06 ID:+QnbvOqN
食後の紅茶をいただいていると、食堂のドアが勢いよく開いて、見たところ12歳くらいの女の子が食堂に入ってきた
「お姉さまー」
「あら、どうしたの?」
おねえさま?ご主人様の妹?
「このヒトがお姉さまの召使い?」
「そうよ」
ご主人様がチラッとこっちを見る。
「ご主人様の召使いのジャンと申します」
慌てて挨拶とお辞儀をする。
妹様もお姫様なんだよな………。
「リリー・ランヴィアスといいます、よろしくおねがいしまーす!」
にこにこしながら妹様も自己紹介してくれた。
「ねえねえお姉さま、このヒトと遊んでいーい?」
「うーん、私は午後から魔法学の授業があるからかまわないわよ。」
「ありがとう、お姉さま。
ね、召使い君!私の部屋いこう!」

妹姫様の部屋はご主人様の部屋と同じような雰囲気で、天蓋付のベッドや木製の凝った作りのテーブルなどの家具があった。
ただ一つ、違うのは部屋の所々に大きなふかふかのぬいぐるみが転がっていることくらい。
円形のテーブルにはお茶とお菓子が用意されていた。
「えんりょせずにどうぞー」
「あ、はい、いただきます」
椅子に腰掛けて勧められたお茶をいただく。
……微妙な味……ハーブティーか何かかな……
「お口に合わなかったかなぁ?」
「いえ、そんなことないです。
おいしいですよ」
お姫様が用意してくれたお茶をマズイなんて言うわけにはいかない。
微妙な風味を我慢してごくごくっと一気に飲み干した。
386魚(・ω・)ヒト 3話 sage2005/03/23(水) 07:27:44 ID:+QnbvOqN
「ねぇ……お姉さまとは、もうしたの?」
「え?何をです」
「…えっちなコト……」
「え、えと……それは…何と言えばいいのか………」
昨夜のことを思い出して顔が赤くなる。
「ふふ、しちゃったんだー」
「はい……その……一応……」
「ねえ、どんなことしたのか教えて!」
「え?」
「私はお姉さまみたいな素敵なレディになりたいの。だからあなたがお姉さまとしたことを教えてほしいの!」
ええ――、どうしよう……、ご主人様と違ってリリー様はまだどこからどうみても子供だし……。
「ダメ?」
「リリー様にはまだ少し早いのではないかと………!?」
断ろうとした時、自分の体に異変が起きているのに気がついた。
自分のモノが硬く大きく勃起している。
「うふふ、さっきのお茶にお母様の部屋からこっそり持ち出してきた媚薬を混ぜておいたの」
「え、そんな……うあっ」
ズボンの膨らみを隠そうとして少し手が触れただけで腰に快感が走る。
「脱いだら気持ちよくしてあげるよ?」
にっこり微笑みながらリリー様が言う。
その申し出に逆らえるわけもなく、急いでズボンを下ろしてそそり勃つモノをさらけ出す。
「うゎ……おおきい…」
リリー様は顔を紅潮させて僕のモノをまじまじと見つめている。
387魚(・ω・)ヒト 3話 sage2005/03/23(水) 07:29:42 ID:+QnbvOqN
そして意を決したように小さな両手で陰茎を掴み、おずおずと舌先で亀頭をつつく。
「うっ、はぁっ」
思わず喘ぎ声が漏れてしまう。
「気持ちイイ?」
「は、はい……すごくイイです……」
陰茎を両側から挟むように添えられた小さな手と、先端を責める拙い舌使いの刺激がたまらなく気持ちイイ。
ちゅっ ちゅぱ ちゅぱっ
「ハァ…ハァ…」
「んふふ……」
だんだん荒くなってくる僕の息遣いを聞いて、リリー様が満足そうに微笑む。
「もっと感じさせてあげるね」
一旦口を話し、先端にチュッとキスをする。
「………はむっ」
僕のモノが暖かい感触に包み込まれた。
リリー様が小さい口いっぱいに僕のモノを頬張っている。
「んむ…む……」
口を前後に動かしながら舌を絡みつかせてくる。
多少のぎこちなさはあるものの、僕は一国のお姫様、それもこんな年端もいかない少女が自分のモノに一生懸命奉仕してくれているという状況に酔っていた。
「リリー様………」
「?」
「口の中に……出してもいいですか?」
「ひいほぉ」
388魚(・ω・)ヒト 3話 sage2005/03/23(水) 07:31:29 ID:+QnbvOqN
リリー様は咥えたまま答えた。
僕はリリー様の頭を掴み、前後にゆすり始めた。
「……んっ、んんっ……んむっ……」
リリー様の少し苦しそうな声が聞こえるが絶頂に向けて動き始めた僕の手は止まらない。
「リリー様っ……口の中……すごく気持ちいいですっ!」
絶頂へと昇り詰めていく。
「んーーー、んんーーー!」
あと少し、あと少しで………
「出るっ!――――――!」
どくんっ びゅるっ びゅるっ
「――――!?」
どくん どくん
さっき盛られた媚薬のせいなのかいつもの倍くらい射精が続く。
最後の一滴まで絞り出すとリリー様の頭を掴んでいた手を離した。
「―――けほっ!けほっ!」
リリー様が目に涙を浮かべて咳き込む。
「うあ、リリー様……だいじょうぶですか……」
「にがい………」
リリー様は僕が出した精液を吐き出さずに、口に溜めながら答えた。
「んっ………」
ごくっ ごくっ
目をつぶって、薬でも飲むかのように一気に飲み込んだ。
389魚(・ω・)ヒト 3話 sage2005/03/23(水) 07:33:25 ID:+QnbvOqN
「えへ、ちゃんと飲めたでしょ?」
そう言って口を開いてみせる。
舌や歯にちょっとだけ白いものがついていた。
「ね、ベッドで続き、しよ?」
「はい…」
言われるままに、ベッドにふらふらと引っ張られていく。

ベッドの前でリリー様がこっちに背を向けてドレスを脱いでいく。
と、ふと手が止まった。
「じろじろ見られてると…ちょっと恥ずかしいかも」
「あっ、すみません!」
慌てて目をそらすフリだけして横目でちらちらと見続ける。
「ねえ、お姉さまはどうだったの?」
「ご主人様は……透き通るような白い肌と整ったスタイル、それに軟らかくてまるで宝石みたいに鮮やかなヒレとか……とっても素敵でした」
「うんうん、わたしもいつかお姉さまみたいになれるかなぁ」
リリー様は胸はまだふくらみかけで小さいけど、全身ほど良い肉付きできゅっと締まったおしりには健康的な魅力を感じる。
将来はご主人様に負けないくらい美人になるんだろうなぁ。
「きっと、なれますよ」
そう言ってリリー様に顔を近づけ、可愛いピンクの唇にそっとキスをする。
390魚(・ω・)ヒト 3話 sage2005/03/23(水) 07:34:39 ID:+QnbvOqN
そのまま抱きかかえるように頭と背中に手を回してそっとベッドに押し倒す。
「ん………」
唇を離してヒレ耳にフッと息をかけてみる。
「ひゃあっ」
そのまま舌で舐めまわす。
「あははっ、くすぐったいよぉ」
ヒレ耳を舐めたり甘噛みしたりしながら手を胸に伸ばし、力を入れずに優しく撫でる。
ご主人様と違ってまだまだ発育途中だけど、小さなピンク色の突起はしっかりと自己主張していた。
ぷっくりとふくらんだ乳首を人差し指でくりくりといじる。
「あっ……やぁっ」
耳から口を離し、片方の乳首をぺロっと舐め、もう片方は指で責めていく。
ぺちゃ ぺちゃ
わざと音を立てて舐めたり、吸ったりしながら可愛らしい乳首を責めつづける。
「ん……あっ……あんっ」
リリー様の呼吸が次第に荒くなり、体がしっとりと汗ばんできた。
「んっ……なんだか…ヘンな感じ……恥ずかしいのに………」
乳首を責めていた舌を、そのままつ―――っとヘソ、股間へと動かしていく。
「あっ、そっちは……」
リリー様は股間への進入を阻もうとぴたっと両足を閉じる。
僕はそんなことおかまいなしに、閉じされた秘部に顔を埋めて舌先をワレメへと進入させた。
「やっ!だめぇ……」
ぺちゃ くちゅ
軟らかい肉の溝に沿って舌を動かしていく。
くちゅ くちゅ ちゅぱ
ワレメの奥からほんのりと甘酸っぱい液体が染み出してくる。
徐々に閉じられた足の力が抜けていき、股間が開かれ幼いアソコが晒されていく。
「やぁ……見ないでぇ」
391魚(・ω・)ヒト 3話 sage2005/03/23(水) 07:36:27 ID:+QnbvOqN
恥部を見られるのが恥ずかしいのか、リリー様は顔を両手で覆っている。
「きれい……ですよ」
ピンク色の肉壁を舌でかき分けて小さなクリトリスを舌先でつんつん刺激する。
「ひああっ!」
ちょっと刺激しただけでリリー様の体は雷に打たれたようにビクッと反応した。
「リリー様……敏感なんですね」
「やっ、そんなこと…ないよぉっ…あっ、はんっ……やぁっ」
顔を赤くして否定しているがアソコを一舐めするたびに体は正直に反応している。
ちゅ くちゅ くちゅ
ワレメ全体を包み込むようにむしゃぶりつき、舌全体で舐めあげる。
小さな蜜つぼから湧き出してくる液体はご主人様のそれよりも量は少ないけれど、僕の唾液と混ざって秘部をじゅうぶんに濡らしていた。
そろそろいいかな………。
股間から口を離し、代わりに硬くなった肉棒をワレメにあてがい、先端をクリトリスや膣口の周りにこすりつける。
にちゃ くちゃ
焦らすように膣口の回りをなぞり、いやらしい音を立てる。
「リリー様、いいですか?」
「うん……いいよ………挿れて……」
くちゅ……
先端からゆっくりゆっくり、幼い肉壁を押し拡げて挿入する。
キツイ……締め付けられてるみたい……
なんとか先っぽが入ったところで、リリー様がベッドのシーツをきゅっと握って苦痛に顔を歪ませた。
「痛いぃ………」
「だいじょうぶですか?」
「だ、だいじょうぶ…ちょっと痛いけど、これくらい平気だもん」
「じゃ、ちょっと動きますね」
392魚(・ω・)ヒト 3話 sage2005/03/23(水) 07:39:59 ID:+QnbvOqN
「うん……」
奥に侵入するのを止め、その場でゆっくりと前後に腰を動かす。
「ひっ………」
リリー様はぎゅっと目をつぶって痛みに耐えている。
くちゅ くちゅ
僕のモノを締め付けている膣が、亀頭の敏感な部分にこすれてゾクゾクと快感が迸る。
もっと奥まで……僕のモノを全部包み込んでほしい……
「リリー様……ご主人様は僕のモノをちゃんと根元まで挿れてくれましたよ?」
「え……わたしだって、それくらい……できる……」
そう言いつつも痛みで目に涙を溜めている。
リリー様は痛いのを我慢してるんだって頭ではわかっているつもりでも、もう体が言うことを聞かない。
「すごく、気持ちいいです……奥まで挿れますよ…」
「………うん」
ぐちゅっ! 
僕は力任せに一気に挿入した。
「――――――――!!!!!」
リリー様が声にならない悲鳴をあげて口をぱくぱくさせる。
奥まで突いて、そのまま入り口付近まで引き戻す。
「いたいぃぃ………ぐすっ、いたいよぉ……」
目からぽろぽろと大粒の涙をこぼして泣きはじめた。
僕は再度突き、キュウキュウに締め付けてくる膣の感触を存分に味わう。
「だめぇ……もうむりだよぉ……」
ぐちゅ ちゅぷ じゅぷ
快感が僕の理性を支配し、リリー様の言葉が聞こえなかったかのように抽送を繰り返す。
「最高に……イイですっ……ご主人様のよりもっ」
ぐちゅ ぐちゅ
幼い膣で愛液と血が混じった液体が淫猥な音を奏でている
「リリー様……膣に……出しますね」
393魚(・ω・)ヒト 3話 sage2005/03/23(水) 07:42:18 ID:+QnbvOqN
リリー様には返事をする余裕はなく、黙って頷く。
くちゅ じゅぷ ぐちゅ
僕は絶頂にむかって腰の動きを早くしていく。
「出ますっ!」
どくんっ
最奥まで突き上げ、そこで大きく脈打ち、精液を放出する。
どくんっ どくんっ
「おなかの中で……うごいてる……」
僕はリリー様と繋がったまま、リリー様をそっと抱きしめた。
「すみません……無茶しちゃって………」
「ん、うん………」
「まだ痛みますか?」
「うん……でも最初よりは痛くなくなってきた……」
「まだ……できますか?」
「うん…」
膣の奥深くに挿しこんだ肉棒をそっと引き戻す。
膣内で出した精液が潤滑油になってるのか、さっきよりもスムーズにそれは動いた。
「ん………」
今度はリリー様が気持ちよくなってくれるように、優しく抱きしめたままゆっくりと抽送をはじめる。
じゅぷ  じゅぷ
肉棒を出し挿れすると膣から血と精液の混ざったピンク色の液体がベッドに零れ落ちる。
ちゅ
腰をゆっくり動かしながら、リリー様とキスをする。
「あふ……」
ちゅ ちゃぷ
頬をほんのり紅く染めて舌を絡め、お互いを味わいながらのディープキス。
リリー様の唾液は愛液とは一味違う、甘い味がする。
「あ…んっ……」
リリー様の口から微かに喘ぎ声が漏れる。
じゅく じゅぷ くちゅ
腰を動かすスピードを少し早くする。
394魚(・ω・)ヒト 3話 sage2005/03/23(水) 07:43:45 ID:+QnbvOqN
「んっ…あっ…はぁんっ」
「もう…痛くないですか?」
「うん………気持ちイイよ……」
くちゅ じゅぷ ぐちゅ
「あっ…んんっ…なんだかヘンな感じ……あんっ…」
「僕も…気持ちいいです」
「あんっ…はぁっ…ヘンなの……はぁっ……」
リリー様が自ら僕のモノを深く咥えこもうと、腰を振りはじめた。
ぐちゅ くちゅ ぐちゅ
「やだ……気持ちよくて……アソコが勝手に動くの」
僕は肉棒と膣の接合部をちらっと見た。
「見ないで……恥ずかしい……」
「リリー様……可愛いです」
リリー様は顔が真っ赤になる。
「え、そんなこと……あっ…あっ、ああっ……気持ちいいっ!」
ぐちゅ ぐちゅ じゅぷ
「あっ、あっ、イイ……イイの!イキそうっ!」
ここぞとばかりに腰の動きを加速させる。
「あっ、あっ、イクっ!イっちゃう―――――っ!」
びくっ びくっ
膣が肉棒を咥えたまま生き物のように収縮、痙攣する。
「うあっ、リリー様っ!僕もイキますっ!」
どくんっ どくんっ
リリー様を抱きしめ、全身で拍動を伝える。
そしてそのままベッドに身を預け、快感の余韻に浸った。
395魚(・ω・)ヒト 3話 sage2005/03/23(水) 07:46:50 ID:+QnbvOqN
ふと気づくと窓からは夕日が差し込んでいた。
リリー様は横ですやすやと眠っている。
そろそろご主人様の部屋へ戻らなくちゃ。
テーブルの上に置いてあったタオルで体を拭いて、服を整える。
裸で寝ているリリー様を見ると、膣からは精液や血が混じった液体が流れ出ていた。
新しいタオルを持ってきてリリー様の股間をきれいに拭く。
「……ん?」
「あ、起こしちゃいましたか。もう夕方ですよ」
リリー様のワレメを拭きながら答える。
「やっ、そんなとこ拭かなくていいからっ!」
赤面して僕からタオルを奪い取り背を向ける。
「あう、すみません……それじゃ、ご主人様のところへ戻りますね」
「………」
「では、失礼します」
「また……遊びにきてね。」
「はいっ!」
僕は元気よく返事を返してリリー様の部屋を後にした。
396魚(・ω・)ヒト 3話 sage2005/03/23(水) 07:52:15 ID:+QnbvOqN
以上です 
なんだか他の国にくらべて設定とかすごいユルユルなのがアレですが頑張ります(´ロ`;)
397名無しさん@ピンキーsage2005/03/23(水) 09:52:35 ID:J+oCz/YM
Excellent!!
398名無しさん@ピンキーsage2005/03/23(水) 10:25:31 ID:jS9ltRNY
未登場

イルカ  大型海洋系
ヒツジ 牧羊犬がいるとすれば、イヌの国が宗主国?
ウシ 安直な考え
ウマ 草原地帯があるというイメージから
ライオン 一夫多妻制

トリ   背中に翼をつける
カイ   背中に貝殻を背負っている?
 
399名無しさん@ピンキーsage2005/03/23(水) 10:41:56 ID:qL7rquEi
>>396
朝っぱらから股間が元気になった件について

ぐっじょぶ!!
400名無しさん@ピンキーsage2005/03/23(水) 11:18:22 ID:nf604ziD
牛といったらおっとり系のタレ目の巨乳と勝手に妄想…
401名無しさん@ピンキーsage2005/03/23(水) 12:57:00 ID:6xdlTjVe
魚(・ω・)ヒトさん、グッジョブっす!


出てないといえば虫系も出てないなあ、武装美女?
402名無しさん@ピンキーsage2005/03/23(水) 18:27:23 ID:/jy76ZrB
>>398
馬の国は現在構想中なのだが、私生活が忙しくなかなか手が出せない…。
403名無しさん@ピンキーsage2005/03/23(水) 20:40:30 ID:vkKhQ+jO
馬の国か・・・・・・

よっぽどの大砲、それもデザートイーグル50AEクラスを持っていないと
ヒトでは価値を見いだされそうにないな(マテ

いやまて?デリンジャーな王子に拾われたおにゃのこか?
404名無しさん@ピンキーsage2005/03/23(水) 21:09:02 ID:6xdlTjVe
まあ、おげふぃん


ヒトの男性器は体との比率じゃ哺乳類No.1なんだ、馬がなんぼのもんじゃい!



トホホ
405カモシカ担当sage2005/03/23(水) 21:51:29 ID:Cbn4qt6A
>>396
GJです。
かわええなぁ……もえもえ。
それにしてもみんな、本当にエロ描写うまいなぁと関心してますです。

>>398>>401
>未登場
>カイ   背中に貝殻を背負っている?

>出てないといえば虫系も出てないなあ、武装美女?

マイマイのこと、時々でいいから(ry
一応、うちのSSの第五話でも出しますので。
406名無しさん@ピンキーsage2005/03/23(水) 22:28:14 ID:jS9ltRNY
>>405

マイマイのことは・・・

二枚貝の形じゃ移動できないなぁと思って
全員貝殻の中に閉じこもってるじゃ閉鎖的すぎるし
ハマグリ姫の蜃気楼も・・・

by 398
407名無しさん@ピンキーsage2005/03/23(水) 23:35:15 ID:LXn+Hr45
>>383-395
GJ!!
ジャンたんハァハァ。金髪蒼目のヒトってそういえばこのスレじゃ珍しいのに気がついた
408魚(・ω・)ヒトsage2005/03/24(木) 04:35:26 ID:fIKmmn1q
よくよく読み返して見るとリリー様の容姿についての文章が抜けてることが判明 orz
3話書いてる途中にPCフリーズして一度全消えしてしまったのです。
そして書き直しで漏れた……と 言い訳ですが(;´Д⊂

脳内補完よろしくですヽ(´Д`)ノ
409名無しさん@ピンキーsage2005/03/24(木) 16:13:02 ID:gjj1DElm
>>396
これはロリロリなお話ですね
>>403
健康美脚尻尾少女×ヒト男もいいが、馬頭獣人×ヒト女も捨てがたい
見た目重視のライトなラブラブに、見た目を捨てての濃厚なエロ、さあどっち
410名無しさん@ピンキーsage2005/03/24(木) 21:59:35 ID:R6RX7hhO
>ウマ
昔、シャイニングフォースってSRPGでは、エルフとか人間のおにゃのことか(犬耳っ娘とか)が普通にいるのに・・・
ケンタウロスっ娘が一番人気でした。

てなわけで、ウマ族ならケンタウロスって手もありますね。
411名無しさん@ピンキーsage2005/03/25(金) 00:17:50 ID:+794PFnR
でも、ケンタウロスはやるときの体勢が大変。
412名無しさん@ピンキーsage2005/03/25(金) 02:24:29 ID:wiSya8Ni
ポニーテールと鉄板底の靴を標準装備にすれば良い>ウマ
413名無しさん@ピンキーsage2005/03/25(金) 10:08:27 ID:mnebwV1k
>>ケンタウロス
【亜人】人外の者達の絡み【異形】スレの165以降で、ケンタウロス娘の話が始まったようだが偶然か?
414名無しさん@ピンキーsage2005/03/25(金) 10:51:07 ID:LXjFpWLO
>>410
ケンタウロス強かったしな
あのゲームだとほかにドラゴンとかアルマジロとか出てたなぁ
415410sage2005/03/26(土) 10:41:45 ID:t8gnioMM
>>413
偶然・・・なんだけど、アレ読むとケンタウルスっ娘は避けたほうがいいかなと思った。

>>414
いたなあ。育てればちゃんと戦力になったし。
416岩と森の国ものがたり5・前編sage2005/03/27(日) 02:15:06 ID:JEWuQ97O
ライファス宮殿、謁見の間。
美しい女王の前に跪き、騎士が報告を行っている。
まだ若い。二十歳を少し超えた程度か。銀色の髪との端正な顔立ちのカモシカの青年だ。
名門の出であろうことは容易に想像がつく。平民では、たとえ騎士昇格試験に通っていてもまだ一騎士のままか、よくて小隊長程度の年齢だ。
しかしこの男の鎧につけられているのは千人隊長を表す、銀の飛竜のエンブレムである。
この年齢でその立場につくことができるなど、かなりの名門の出自で、なおかつ相当な実力がなくてはならない。
「陛下。グランダウス攻略は成功したとの報告がございました」
「……そうか。して、叔父上の身柄は?」
「申し訳ございません。いまだ不明なままでございます」
「いや、そちが謝ることではない。あの叔父上が易々と捕らえられるような方ではないことはわかっている」
 そう言って慰めの言葉をかける女王。女王エリザベートと瓜二つだが、エリザベートではない。妾腹の妹であるローザである。
 しかし、誰も玉座に座る彼女がエリザベートと別人だとは気づいていない。それだけ顔も声音も、気品さえも似ているのだ。
「はっ……」
「しかし、グランダウスそのものよりも、八千もの兵をほとんど損害なく打ち破ったということが大きい。よくやってくれた」
「ありがたきお言葉にございます」
「このような時だ。褒美は土地よりも金の方がよいであろう。……銀剣三百本を授けるとする」
「はっ。ありがたき幸せ」
 騎士が退出した後、カモシカの老人がそっと近づいてきた。
「陛下」
「どうした、ギュレム。私の判断は間違っていたか」
「……いえ、なかなかの判断でございます。あの者は試用らい有望な者ですからな。しっかりつなぎとめておかねばなりせん」
「ならばよかった。……姉上のようにはなかなかゆかぬ。迷ってばかりだ」
「自信をお持ちくださりませ。陛下が行方をくらまされたことは一部のものしか知っておりませぬ。今は、ローザ様がエリザベート女王なのです」
「そうだな。……いつの日か、姉上がお戻りになられる日まで、しっかりとせねばならぬ」
「はい。陛下にはこのギュレムがついております」
 そう言って玉座の前から離れるギュレム。
──あの分なら、問題はない。あらゆる意味において……な。
417名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 02:20:09 ID:JEWuQ97O
 同じ頃、ライファスの地下。
 十字架に縛られた少女を嬲る、いくつもの触手。
 もう何日も十字架に縛られたまま、人ならぬものに責められ続けている虜囚の存在は、宮殿の一握りのものしか知らない。
 ほんの二週間前までは、この国の若き女王だった少女エリザベート。
 今はドレスを剥ぎ取られ、肌もあらわな姿でこの地下室に拘束されている少女に、その面影はない。
 望まぬ快楽に身悶え、荒い息づかいで喘ぎ、目に涙を浮かべて嬲られるままにされている。
「……あぁ……んっ……いゃあ……やめ……」
 かすかに漏れる声。嫌がる声にも、こらえ切れぬ官能の甘い響きが混じっている。
 拷問植物の球状の本体から伸びる無数の緑色の触手。
 ヒポグリフ研究の副産物として開発されたそれは、三種類の触手を持っている。
 全身に絡みついて揉む、ぬめり気のある触手。ぬめり気に含まれた催淫成分が全身の性感を高めつつ、人間の指を模した力と動きで揉む。
 乳房や腹部、わき腹などを中心に責め立てる、繊毛の生えた触手。羽根のように軽い力で、敏感な箇所をくすぐるように撫でる。
 そして、直径5ミリ程度の細い触手。それはほんのわずかな隙間にも忍び込み、他の触手が与えられないような微妙な刺激を、体の内と外から与える。
 それらが、十字架に縛られて身動きできない少女に一方的な快楽を与え続ける。
「……あっ……いや……」
 乳房に絡みつき、揉みしだく触手。
 その先端の、つんと硬くなった桃色の突起に繊毛が触れるたびに、エリザベートの口から喘ぎ声が漏れる。
 胸の谷間や下乳には細い触手が忍び込み、太い触手が与えられない繊細な刺激を与える。
 その少し下、腰まわりでは太い触手がぬめりながらうごめき、催淫成分を肌に塗りつけている。
 汗と触手のぬめりが、ランプの光でてらてらと光る。
 そして、そんな腰周りを、繊毛が軽くくすぐり、細い触手が肌を這う。
「いや……そこは……」
 力のない哀願の声。それを無視して恥部に忍び込む、無数の細い触手。
 十字架に拘束されているとはいえ、ほんのわずかに両足は左右に広げられている。
 そのわずかな隙間から、細い触手が何本も陰毛をかき分けて秘裂の中にもぐりこむ。
 そしてそれらが、まったく別々の動きで暴れまわる。

418名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 02:22:36 ID:JEWuQ97O
 ピストン運動を行う触手。体の内側から柔らかな力で愛撫する触手。肉芽に襲い掛かり、容赦なく皮を剥いて責め嬲る触手。
「いやぁ……いや……」
 涙を流しながら、全身を襲う快楽に耐えるエリザベート。身動きひとつできないまま、ただ快楽に耐えることしかできない。
 無数の触手が入り込んだ恥部からは、すでに愛液が太腿を伝ってとろりと流れ出している。
「お願い……許して……もう……」
 その目は、少し離れた場所で少女の痴態を見つめる青年に向けられている。
 地下室には、かつて女王だった少女と、青年と、そして拷問植物しかいない。今、少女をこの淫楽地獄から救い出すことができるのは、その男しかいなかった。
「……」
 しかし哀願を無視して、責められるままの少女をみる男。無力な少女が、触手に弄ばれ、全身を桃色に染めて悶える姿をじっと見ている。
「ナオ……お願い……こんなの……」
 少し前までは、ペット同然だった男に涙ながらに懇願する。しかしそれさえも無視され、触手の責め苦を与えられ続ける。
「んっ……」
 快楽の中、どくんと体の中からこみ上げてくる感情。それに飲み込まれまいと、必死になって耐える。
 だがそんな抵抗をあざ笑うように、触手は陵辱を続ける。
 乳房を揉むように這い回る、太い触手。
 汗ばんだ乳房にからみついた触手から逃れようと身悶える少女は、しかし十字架に縛り付けられていてどうすることもできない。
 そんな少女をいたぶるように、うなじやわき腹、そして乳首など、敏感な部分をくすぐる繊毛。
「んんっ……んくっ……」
 必死になって、襲い来る快感とくすぐったさに耐える少女。口はきゅっと閉じられ、両手はぎゅっと握り締められている。
 そんなかすかな抵抗を無視して、下腹部にもぐりこむいくつもの細い触手。
 何日もの陵辱ですっかり開発された少女の秘部は、快楽に必死に耐える心とは裏腹に、すんなりと触手を受け入れる。
 体中を這い回り、ありとあらゆる性感帯を責め立てる触手。
 十字架に縛られてなすすべもない少女は、それでも目を閉じ、唇をかみ締め、両手を握り締めて必死に耐える。
 そんな少女が、どこまで耐え切れるか、まるでからかうように触手は蠢き、執拗に責め嬲る。
「……んっ……」
 閉じられた唇から、それでも時折漏れる短いうめき声。
419名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 02:25:31 ID:JEWuQ97O
 やがて、触手は少女の限界が近いことを悟ったのか、動きを激しくした。
「あっ! いや、やめてっ!」
 激しい動きに、たまらず声が出る。口を開けた瞬間、その口の中にまで太い触手が数本入り込んできた。
「んくっ! んっ、んんっっ!!」
 言葉すら出せなくなり、うめき声をあげるエリザベート。そんなエリザベートの全身を、さらに激しい動きで責める触手。
「んっ! んっ……んんーっっ……」
 言葉にならない、くぐもったようなうめき声。ぴくんぴくんと全身を震わせながら、少女は快感に飲み込まれてゆく。
 そんななかで、限界は訪れた。
 びくんと、縛られた裸体が何度か大きく跳ね、そして、果てた。
「…………」
 さっきからその様を見ていた青年……ナオトが、無言で近づく。そして、拷問植物の壷を少し強く蹴る。
 エリザベートの全身に絡み付いていた触手が、汗と愛液とぬめりにまみれた裸身から離れ、くるくると丸くなって大きな球状に姿を変えた。
 それを、壷ごとごろごろと運び、少し離れた場所にあるリフトに乗せる。そして鐘をならすと、リフトが上の階へと上っていった。
 いかに気持ちの悪い植物であっても、時折は光合成させないと枯れてしまう。一日おきぐらいには太陽の光に当てる必要があった。
 拷問植物を上の階に送り終えると、ナオトはエリザベートの元に近づく。
 責められてぐったりとなったエリザベートに、ナオトは聞いた。
「さて、鍵、のありかですが……まだ白状なされる気はないようですね」
「……」
 無言のエリザベート。言葉を言う力もないようだった。
「……これは、ずいぶんとご満足なされたようで……それほどまでに気持ちよかったのですか?」
「……だ……誰が……そのような……」
 気丈な言葉を口にするエリザベート。しかしその声は弱弱しい。
「うーん、気持ちよくはなかったと」
 そう言って、恥部に手を伸ばすナオト。
「んっ……」
 思わず、声をだして体をのけぞらせる。指が、さっきまで触手にいたぶられていた肉芽をこする。
「あっ! いやっ!」
 暴れるエリザベート。しかしどうすることもできない。
「どうです、まだ気持ちよくないですか?」
 そう言いつつ、もうひとつの手が胸に触れる。
420名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 02:27:35 ID:JEWuQ97O
「やだっ! やめて、お願いっ!」
 必死に懇願する少女。しかしその声を無視するように指を動かす青年。
「だめ、だめっ、お願いっ!」
 動けない体を身悶えさせながら、それで必死に懇願する。それでも、ナオの責めは終わらなかった。
「やっ……あっ、いやあぁぁっ!」
 やがて、少女は二度目の限界に達した。
「……はあっ……はあ……」
 荒い息の少女。一糸まとわぬ姿で十字架に縛られ、全身を汗に光らせる姿は、もはや誰もかつての女王とは思わないほど淫らに見える。
「昔から、陛下は素直になれない方でしたね」
 そういって笑うナオト。
「だからこそ、俺も長く楽しめる」
 そう言って、唇を奪う。舌を絡ませながら、柔らかな唇の感触を堪能すると、そっと唇を離した。
「どうせ、陛下は白状されないだろうし、俺も心ゆくまで楽しめるというものです」
「……卑劣漢……」
「そう言われましても、これも仕事ですから」
「実の主をこのような目にあわせることがですかっ……?」
 涙ながらに、そう罵る。
「まあ、俺の主は……この国ですから」
「ふざけないでっ……」
「ふざけてないですよ。これでも、いろいろ見聞きしていすから。この国がどこから狙われているか、そしてその狙いが何か」
 そう口にするナオト。さっきまでとは違った真剣な顔になつている。
「……」
 その表情を見て、つい無言になるエリザベート。
「申し訳ありませんが、陛下ではこの難局を切り抜けられないというのがギュレムさまのお考え。……そして、俺も同感です」
「……ローザなら切り抜けられるというのですか?」
「……ローザ様というよりは、ギュレム様なら、ですね。ギュレム様の傀儡が必要なんですよ、今のわが国には」
 きっぱりと、ナオトは言った。
421名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 02:32:07 ID:JEWuQ97O
「……ナオが……そのような逆賊だったなんて……」
「愛国者、と言って欲しいものですが。……いろいろと裏ではやってますしね。シャリア様の部下とも、秘密裏に連絡を取ってたり」
「何ですって……?」
「リュナ・ルークス卿。なかなか切れる方です。……おそらく、国外からの動きについて最も危機感を持っておられる一人かと」
「……」
「まあ、陛下には今は関係ないことです。陛下は、いつか秘宝の鍵のことをおっしゃってくださればそれで結構です」
「……私が……あなたなんかに屈服すると思うのですか……」
「いえ、残念ながら。ですから、本当に時間がなくなったときには、こいつを使います」
 そう言って、薬ビンを見せる。
「自白剤です。陛下のお体に合わせていますから、効果はてきめんですよ」
「……そのようなことをしたら、舌を噛んで死にます……」
 涙ぐんだ顔でそう言うエリザベートに、微笑を浮かべて首を横に振るナオト。
「無理ですよ。亡き前王陛下と太后さまの血は、陛下しか引かれていませんからね。王家の血の意味をご存知の陛下が自ら死を選ばれるはずがない」
「……」
「だから、俺も躊躇しなくてすむ……とはいっても、これは最後の手段です。それまでは」
 そういいながら、ナオは両手を囚われのエリザベートの裸体に伸ばす。
「いやっ……」
「からだに、お尋ねしますよ」
 そう言うと、火照ったエリザベートの裸体を再び弄び始めた。

 囚われの女王の絶望の日々は、まだ終わらなく、そしてそれを知るものはほんの一握りしかいない。
 ライファスの人々のほとんどにとっては、いつもと同じ日々が続いている。
 女王エリザベートは宮殿に健在で、内乱も遠い果てどこかでの出来事で、他国の暗躍も何も知らなかった。
 そんな中で、それぞれの勢力でそれぞれの動きがある。
(後編に続く) 
422カモシカ担当sage2005/03/27(日) 02:49:21 ID:JEWuQ97O
 触手エロ……初めて書いてみたけど難しいです、これ。
 SS職人のはしくれとして、一度は書かなきゃなとは思ってたけど……もう二度と触手は書かないorz
 とりあえず、5話で伏線をいろいろ回収する必要があったんで、地下牢の話をちょこっと入れました。
 リュナと接触してるのは、女王派を牛耳る老臣ギュレムで、その部下としていろいろ動き回ってる、もう一人の「落ちもの」のナオト。
 そして、グランダウス攻略に参加した若き千人隊長と、身代わりの現女王ローザ。この辺が女王派のキーパーソンになる予定です。
 で、後編……一応、レーマ視点でちょこちょこと伏線の回収をして、第六話で何とかリュナ×フィリーヌ書きたいなあと思ってます。
 とりあえず、ナオトとエリザベートですが、こっちもいずれはらぶらぶな身分違いの純愛に……もってきたいなぁと思ったり。

……そういえば人物紹介、ずいぶんたまったなぁ……
 第五話終わったら書こう。 
423名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 03:41:39 ID:uL8NGsaR
カモシカたんGJ!
触手も一応光合成するのねw
424岩と森の国ものがたり5・後編sage2005/03/27(日) 16:37:20 ID:JEWuQ97O
 白のピラミッド。
 かつて、太陽神信仰のために建てられた巨大祭壇である。
 巨大なピラミッドを中心に、その周囲には神殿などの宗教施設が建ち並び、さらにそれらを囲むように生活居住施設が建ち、さながらピラミッドを中心とした円状の町の姿を為している。
 そこは、完全な中立地帯。激しい内乱のなかでも、この一年余、まったく戦渦に晒されることがなかった。
 レーマたちが目指しているのは、そんな場所だった。

「くぅ……すぅ……」
 レーマの背中で、気持ちよさそうにアルナが眠っている。
「……ふぅ……」
 そんなアルナを背負い、険しい山道を少々息を切らせながら歩くレーマ。
「疲れるか」
 アンシェルが問いかける。
「……はい」
 さすがに強がる気力もない。素直に頷く。
「まあ、そうだろうな。だがこれも訓練のひとつだと思っておけ。下半身の安定は長い戦いには不可欠だ。まして、ヒトのお前はどうしても下半身に不安がある」
 確かに、それはそうに違いない。カモシカ特有の敏捷な身のこなしを生む下半身の俊敏さと粘りは、レーマにはない。
 よこから、リシェルが口を挟む。
「そうですわ。だからこそ私や姉さまが夜な夜なレーマと……」
「そ、それは関係ないっ!!」
 あわててさえぎるアンシェル。
「あら、違いますの? じゃあ姉さまは、やっぱりレーマと……」
 そういって、少しいたずらっぽい目をアンシェルに向ける。
「い、いや、それは……リシェル、私はまじめな話をしているのだから茶化すなっ!」
 顔を少し赤らめてそういうアンシェル。
「はぁい」
 笑顔でそう言って、リシェルはまた歩き出す。
「……まったく……よいかレーマ。とにかく、戦いにおいては下半身の安定が不可欠なのだ。そのことを常に忘れるな」
「はい」
425名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 16:39:20 ID:JEWuQ97O
 昼ごろまで歩いて、ようやくピラミッドの最外郭の居住区にたどり着いた。
「さて……リュナ様はピラミッドで落ち合うとおっしゃられましたが……こう広いと……」
「中央神殿の広間よ、レーマ」
 リシェルが答える。
「中央神殿……ですか」
「そうだな、待ち合わせにはそこだ。が、その前にアルナのことだな」
 そう言って、アンシェルはレーマの背中で眠っているアルナを見る。
「はぐれマイマイの世話をしているといえば、北面神殿の救済園か。先にそちらに向かったほうがよさそうだな」
「んっ……ん〜っ……」
 そんな話をしていると、アルナが目を覚ました。
「う〜ん……“きゅーさいえん”ですかぁ……そういえばマイマイのお友達がいっぱいいましたですぅ……」
「なんだ、知っていたのか」
「はい、昔ご主人様が“せーちじゅんれい”にきたとき、私はそこで遊んでましたから。とっても楽しい場所でしたよ」
「そうか。とりあえず、私たちはおまえをそこに連れて行こうと思うんだが……いいか?」
「もちろんですっ」
 満面の笑みで、アルナが答えた。

 北面神殿は、ピラミッドの陰に位置するため日差しがあまりよくない場所だが、それだけに涼しく、マイマイの生活環境としては最適の環境になっている。
 もともとは孤児院や養老施設などを合わせた複合的な施設だったが、今では孤児院や養老院は西面神殿に移転している。
 だから今は、マイマイや、あるいはカモシカ以外の亜人で、体の一部を失うなど、何らかの理由で生活能力を失ったものたちがここには住んでいる。
 北面神殿に入ると、受付を済ませる。
「えーと……マイマイ一名、保護者が人間二名」
 受付嬢が、事務的な口調でそういいながら書類に書き込む。
「そちらのヒトも、こちらに入られますか?」
「いや、レーマはわれわれの所有物だ。あくまでも、主を失ったはぐれマイマイの世話を頼みに来た」
「わかりました。……えーっと、マイマイさん、お名前は?」
「アルナ……です」
「アルナちゃん……ね。年齢は?」
「13歳ですぅ」
――じ、じゅうさん?
 昨夜のことを思い出して、青ざめるレーマ。体つきなどから、もう少し成長しているかと思っていたが、これでは犯罪だとおもった。
426名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 16:40:20 ID:JEWuQ97O
「………」
 言葉が出ないレーマ。考えてみれば、言動が幼い。
 固まったレーマの肘を、こんとリシェルがつつく。
「大丈夫ですよ。マイマイの13歳ならぜんぜん大丈夫です」
 何が大丈夫なのか、よくわからないがリシェルの言葉で、少しだけ気分が落ち着く。
「……では、これから救済園にご案内いたしますので、皆様もご一緒にきてください」
 そう言って、受付嬢が案内係に書類を渡した。
「では、こちらへ」
 案内係が、四人の先に立って歩き出した。

 そこは、日陰だが涼しくて快適な環境だった。
 広い空間の中で、清潔な水が流れ、地面にはふわふわとした芝生が敷かれていて、そんな空間に何十匹ものマイマイがいた。
 仲良く談笑したり、巨大なきのこのような机で本のようなものを読んでいたり、向こうのほうでは水遊びして遊んでいるものもいる。
 誰もが、楽しそうだった。
「……」
 ぽかんとした表情のレーマ。マイマイという種族をはじめてみたのが昨日だったから、まさかこれだけの数がいるとはおもわなかった。
「わぁ〜……今日もみんな楽しそうですぅ……」
 満面の笑顔でその光景を見ているアルナ。頭の上の触覚が、興味深そうにきょろきょろと動き回っている。
「行っておいで」
 と、案内係のカモシカが促す。
「はいっ。……みなさん、本当にお世話になりましたですぅ」
「気にするな。ここなら安全だ」
「はい。……それから、レーマさん……」
「ん?」
「とっても、気持ちよかったですぅ」
 笑顔でそんなことを言われて、つんのめりそうになる。そんなレーマにかまわず、アルナはぺこりと頭を下げると、マイマイたちの元へと向かっていった。
 明るく快活なマイマイたちは、誰とでもすぐに打ち解ける特技を持つ。彼女も、すぐにここの仲間と仲良くなることだろう。
427名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 16:41:17 ID:JEWuQ97O
「……ここにきたのは初めてだが……なんとも広大な空間だな」
 と、これはアンシェル。
「北面神殿の半分近い面積を使っています。最近は戦火で死者も増え、はぐれマイマイも多くなりましたので」
「そうか……そうだな」
「しかし、彼女たちは楽しそうですが、我々からすると可哀想な面もあるのですよ」
「……と、いうと?」
「ここはマイマイしかいませんから、彼女たちは子孫を残せないのですよ……ある意味、そうせざるを得ない部分もある」
「増える一方だからな、はぐれマイマイは……」
「はい。ある意味、ここはマイマイの収容所みたいなものなのです。ですから、せめて彼らにはできる限りの幸せを与え続けたいと思います」
「……そうだな」
 少し沈痛な表情で、アンシェルが言った。

 北面神殿を出る。そこで、一人の男とすれ違った。
 みたところ、普通のカモシカで、マイマイの連れもいない。
「神殿の人かな」
「おそらくな」
 そのときは、さほど気にも留めず男とすれ違い、そしてそのまま中央神殿へと向かった。
「さて、中央神殿で登録を済まさなくてはな」
「登録?」
「はい。中央神殿で難民登録と居住地を指定すれば、後からリュナがそれを見て来てくれるんです」
「……難民……」
 複雑な表情のレーマ。
「まあ、難民に違いはないな。何しろ住んでいた家がないのだから」
「ええ。でもリュナと合流したら、すぐ元の暮らしに戻れますよ」
 明るくそう言うリシェル。快活な表情が、周りの空気を和ませる。
「じゃあ、行きますか」
「そうだな」
 レーマたちは、立て看板を見ながら、中央神殿の難民登録所へと向かった。
428名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 16:41:58 ID:JEWuQ97O
「……はい、登録のほう完了しました。では皆様の居住区ですが、東居住区の第52棟、245室になります」
 書き込んだ書類を奥に持ち込んで、受付嬢が戻ってきてそう言う。
「ありがとうございます」
 リシェルが丁寧に礼を述べてから、二人を連れて歩き出す。
「……人が多いですね。まさか、こんなに待たされるとは」
「そうだな。それだけ戦禍が激しいということだ」
「……いつになったら終わるんでしょうね」
「難しい問いだ。ただ殺し合いを終わらせればよいというものでもない」
「女王派、王弟派双方の思想対立や、勝者の敗者への暴虐行為などのことを考えると、ただ武力でどちらかを鎮圧すればよいというものではないのです」
「……それで、リュナ様があれだけ動き回っているのですか」
「おそらくは。……でも、リュナは何かもっと大きな何かのために動いてる気もします」
「……大きなもの?」
「ええ……それが何かはわからないのですが」
「いや、おそらくリシェルの考えている通りだろう」
 アンシェルが言う。
「リュナ卿は我々の前ではあんなふうに振舞っているが、しかし時折見せる表情は、深刻なものだ。何か、とてつもないものと向き合ってる気がする」
「…………」
「まあ、それは今の我々がどうこうできる問題ではない。まずは居住区へと向かおう」
「はい」

 難民居住区。その名前から、雑然としたスラムのようなものを想定していたレーマは、整然と立ち並ぶ団地のような建物に、まず息を呑んだ。
 百棟以上の建物が林立し、それらすべてが4階建てで、それぞれがささやかだが平和な日常を送っていた。
 ときおり、巡回する衛兵。もっとも、彼らの世話になる者などめったといない。それぞれが妙な共存意識を持ちながら暮らしている。
「……驚いた」
「私もだ」
「私も……です。リュナから話には聞いていましたが」
「よくもまあ、これだけ整然とした暮らしができるものだ」
「とりあえず、私たちの住む場所へ向かいましょう。52棟の245室に」
「はい」
「そうだな」
429名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 16:42:45 ID:JEWuQ97O
 三人がついた部屋。そこもやはり、狭いなりに清潔に整えられていて、快適な環境にされていた。石壁も分厚く、隣の声も聞こえない。
「……いい環境ですね」
「そうだな」
「……これは、下手な一般住宅より快適ですよね」
「ああ。やはり、長期間暮らすもののことを考えてのことなのだろうな」
「そうでしょうね。ところで」
「何だ?」
「先ほど、礼拝がどうのと受付で言っていましたが……」
「ああ、それか。それはな、ここは一応、神殿の土地だから、一種の義務として朝夕の礼拝だけはしなくてはならないのだ」
「礼拝といっても、賛美歌の流れる間、ピラミッドに向かってじーっと頭を下げてればいいだけです」
「そういうものなのですか」
 レーマも、なんだかんだであちこちリシェルに連れられているが、知らないことが多い。
 ペットという立場上、あまり学問を受けていないこともある。
 もっとも、ペットにあまり学問を与えないのは、そうすることで主人への依存性を強めるという目的もある。
 その点において、しょせんレーマも人間以下の存在にすぎない。
 まだしも、アンシェルやリシェルはペットへの教育熱心な部類である。
「さて、少し一服して、それから少しこの町を見てみるか。レーマも初めてらしいからな」
「私も初めてです」
「そうか。ならば三人で、少し散歩でもしてみよう」
「はい」

 神殿周りを、三人で歩く。
 この規模だと、普通ならどうしても雑然とするはずの町並みだが、恐ろしく整然と立ち並んでいる。
 ピラミッドから放射状に八方に伸びる大通り。そして同心円状で均等に延びる石造りの環状道。それらに合わせて、やはり緻密に建てられた無数の建物。
 まったくといっていいほど無駄がない。
「こういっては何だが、われらの力で建てられたのではない感じがする」
「そうてすね。この町並みがどうしてこれほど精緻に建てられたかはまだ不明ですわ。ただ、今はこの精緻さを保つため、新たな建築に際してはイヌ族から建築家を招いていると聞きます」
「……道理で」
「……イヌ族、ですか」
「はい。一説では、百年近く前から建築家にはイヌ族を招いているとも言います」
430名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 16:43:39 ID:JEWuQ97O
「……その割には、一人も見かけないですね」
「そうですわね。確かイヌ族の建築家の方は神殿南方のイヌ居住区にいますが、秩序を乱したくないということで、イヌ族以外は中に入れなくなっているはずです」
「……堅苦しい場所だな。正直、あまり近寄りたくはない」
「そうですわね。リュナも、行かない方がよいと言っていました」
 そう言って、肩をすくめる仕草を見せるリシェル。
「さて、そろそろ帰りましょう。ある程度は見ましたし、今日は疲れを取る必要がありますわ」
「……そうですね」

 その夜。
 そろそろ寝ようかという時間になって、困った問題がおきた。
 寝室は一部屋。ベッドが二つある。が、レーマの分のベッドがない。
「……これは……どうするんだ?」
 アンシェルが困ったように聞く。
「どうするって……ねえ」
 いたずらっぽい笑顔で、レーマを見るリシェル。
「……な、何ですか……?」
「ベッドを二つ、横に並べて三人で眠りましょうよ」
「さ、三人で……か?」
 少しだけ戸惑い気味のアンシェル。
「ええ。レーマだけ床ってのも可哀想だし」
「……まあ、それはそうだな」
「じゃあ、みんなでベッドを並べましょう」
 リシェルが、そう二人に声をかけた。

 ベッドを二つ、横に並べると、三人が眠るのには十分な幅になった。
「これで、よし……と」
 レーマが、並べ終えたベッドを見てちょっと満足げに言う。歩き回った三日間だったが、やっと柔らかなベッドで眠れる。
「じゃ、脱いで」
 あっさりと、リシェルが言う。
「ぬ、脱ぐ?」
 さすがに驚くレーマ。
431名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 16:45:17 ID:JEWuQ97O
「年頃の男と女が同じベッドで寝るのよ。することなんて決まってるじゃない」
 そういいながら、自分も服を脱ぐリシェル。すばやく服を脱ぐと、一糸まとわぬ姿のままで服を折りたたんでその場に置く。
「ま、まて、私……もか?」
 戸惑うようにたずねるアンシェル。
「姉さまだけ一人ぼっちにするわけいかないじゃない。姉さまも脱いでよ」
「……い、いや、そんな、いきなり……」
 戸惑うアンシェル。顔が赤くなっている。
「私とリシェルは、一昨日一緒だったけど、姉さまはずっとご無沙汰だもん、可哀想じゃない」
「か、可哀想って……わっ……」
 戸惑うアンシェルの服に、リシェルが手をかける。
「ほら、姉さまも脱いでよ。三人一緒じゃなきゃ変じゃない」
「へ、変も何も……」
「レーマ、ほら、早く脱いだら手伝ってよっ」
 そう、レーマに声をかける。
「……は、はい」
 拒める雰囲気ではなかった。何かに取り付かれたように、体が勝手に服を脱ぎ、そしてアンシェルの背後に回りこんでいた。
「きゃあっ!」
 後ろから腕を取り、後方に押し倒すと、可愛い悲鳴を上げてベッドの上に倒れこむ。
 そのまま、両手首を上からつかみ、アンシェルの自由を奪う。
「ち、ちょっと、レーマっ……あっ、やめ、リシェルっ……」
 両手の自由を奪われた隙に、リシェルがアンシェルのスカートをするりと脱がせる。そして、上着のボタンを外す。
「ち、ちょっと、ふたりともっ……」
 暴れるアンシェル。しかし、ふたりがかりではどうすることもできない。
 たちまちのうちに、アンシェルも着ていた服を脱がされた。
 全裸でその場にいる三人。
 裸のまま、悪戯っぽい笑顔を見せるリシェル。両手で胸と恥部を隠すようにして、恥ずかしそうに頬を染めてレーマをにらむアンシェル。
 そして、戸惑ったような表情のレーマ。
 考えてみたら、アンシェルとリシェルの二人の裸を同時に見たことはなかった。
 見比べてみると、体つきは姉妹だけあって良く似ていた。
 しいて言えば、リシェルのほうが少しだけ豊満で、アンシェルのほうがややスレンダー。だがそれも、たいした違いではなかった。
 カモシカ族特有の、引き締まった無駄のない肉付き。それは同じだった。
432名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 16:47:13 ID:JEWuQ97O
 恥ずかしげなアンシェル。心の準備がまだできていない状態で裸にされたことで、恥ずかしさに全身が染まっている。
 両手で胸と秘所を隠したまま、レーマをにらむように見るアンシェル。レーマだけに気をとられて、リシェルの動きに気がつかなかった。
 そっと後ろに回りこみ、アンシェルを背後から羽交い絞めにするリシェル。
「きゃっ!」
 突然、両腕を上に持ち上げられ、隠していた裸体があらわになる。
「ち、ちょっと、見るなっ、レーマっ!」
 何度か体を重ねているとはいえ、それでも、こういう形で見られることには慣れていなかった。
 頬を赤らめて、じたばたと暴れる。
「レーマ、ほら、今のうちに!」
 羽交い絞めにしたまま、リシェルがレーマに命令する。
 レーマが、ばたばたと暴れるアンシェルの両足をつかむ。そして、ひょいと持ち上げた。
「ちょっと、やめてよ、ふたりとも!」
 特に意図したわけではなかったが、結果的にリシェルとレーマのふたりががりでアンシェルを責める形になった。
 羽交い絞めにしていた腕を外して、背中からアンシェルの胸に手を伸ばすリシェル。
「うふふっ……姉さま、こんなことされるのって弱いでしょ」
 そう言って、小ぶりな乳房をやさしくこねまわしながら、くりくりと乳首を転がす。
「やっ! リシェル、ちょっと、駄目だって……ひゃん!」
 リシェルの手を拒もうとしてたところに、秘部が電流のような刺激が襲い掛かってくる。
 レーマの舌が、割れ目の中にもぐりこみ、強くすすっていた。
「れ、れーまっ! そ、そこはまだ……あんっ!」
 恥部を責める刺激を拒もうとしたときに、また乳房を愛撫される。
「だめっ! そこっ、駄目、ふたりともっ……待って、だめっ……」
 必死に拒絶の声を発するアンシェル。しかし、何とかこのふたりがかりの責め苦から抜け出そうと暴れても、そのたびに強い快楽が与えられ、全身の力が抜ける。
「だ、ダメっ、ふたりとも、だめだって! やんっ! ひゃうっ! やぁっ!」
 抗議の声も、次第に快楽のあえぎ声に飲み込まれてゆく。
 くちゅっ、ぴちゃっと、下腹部から湿った音が聞こえる。それが、アンシェルの耳にいやおうなく聞こえる。
 自分が感じてしまっていることを思い知らされる音が、さらにアンシェルを官能の沼に沈めてゆく。
433名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 16:48:10 ID:JEWuQ97O
「やだっ、お願い、やめてっ! へんに、変になっちゃう!」
「変になっちゃえば? それも姉さまでしょ?」
 そういいながら、さらに胸への刺激を強くするリシェル。太腿でアンシェルのわき腹を挟み込むようにして、かるく動かす。
 柔らかな肉の感触が、横腹に伝わる。
 耳元に、ふっと息を吹きかける。突然の刺激に、ついぴくんと体をはねさせる。
「姉さま、やっぱりここも弱いんだ」
 そういいながら、耳元に舌を這わせたり、息を吹きかけたりする。
「リシェルっ、お願い、もう……」
 半分泣き声になって、アンシェルが懇願する。
「だぁめ」
 悪戯っぽくそう言うリシェル。
「姉さま、素直じゃないもん。ねー、レーマ」
 その言葉に、舌の動きを止め、頭を持ち上げる。
「レーマ……こんなの、もう……」
 涙の浮かんだ目でレーマを見つめ、そう口にするアンシェル。
「ダメです」
 わざと、そう言う。
「今日はアンシェル様を、めちゃくちゃにするって決めたんですよ。ねえリシェルさま」
「うん」
「そんなっ……ふたりとも、そんな……」
「だから、このじたばたする手は邪魔ですね。ちょっと縛っちゃいますか」
「そうね」
 そう言って、愛撫をやめ、アンシェルの左手を両手でつかむリシェル。レーマが右手をつかみ、そしてふたりがかりでアンシェルをうつぶせにすると、後ろ手にまわす。
 そして、その状態でレーマが押さえつけている間に、リシェルが縄を持ってきた。
「縛っちゃえば、ちょっとは姉さまも素直になるかな」
 そういいながら、慣れた手つきで縛る。
「リュナが教えてくれたんだよ。こうすれば絶対ほどけないって」
 そういいながら、固く縛る。
「……どうする……つもりなの……ふたりとも……」
 弱弱しい声。かつてのトラウマのせいだろう、縛られたとたんにアンシェルは弱気な表情を浮かべる。
434名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 16:49:35 ID:JEWuQ97O
「姉さまに、気持ちよくなってもらうのよ。姉さま、騎士になってからずーっと、自分の気持ちを殺してきてたでしょ」
「……」
「見てたら、やっぱりかわいそうだもの。だから、今日は私とレーマで、姉さまの心をハダカにしてあげる」
「そ、そんな……」
 おびえるアンシェル。
「そんなに怯えなくっても。大丈夫ですよ、痛くはしませんから」
 そういいながら、今度はレーマがアンシェルの背後に回る。そして、わきの下から両手を乳房に伸ばして、きゅっと揉む。
 柔らかな愛撫から一転して力強くもまれる刺激に、縛られた体を必死に暴れさせて逃れようとする。
「いやっ……レーマ、そんなに強くっ……だめ……!」
「ダメですよ、そんなことしても」
 いくらばたついても、レーマの両腕は離れようとしない。それも当然で、わきの下から手を入れているため、暴れれば暴れるほど手が食い込むようになっていた。
「姉さま、こっちがお留守ですわ」
 そう言って、リシェルの指が両腿の付け根から、秘裂にもぐりこむ。
「こことか、こんなところとか、姉さま弱いでしょ?」
 そう言って、アンシェルの敏感な部分だけを的確に狙う。姉妹だけあって、弱点を熟知した責めが、下半身にしびれるような快楽を与える。
「ああっ! リシェル、そこ、ダメっ!」
 脚を閉じて逃れようとするアンシェル。しかしそんな抵抗におかまいなく、細い指は簡単に体の中にもぐりこみ、弱点を責め立てる。
「そういえば姉さま、お尻もお留守ですわ」
 さらにアンシェルを窮地に追いやるようにそう告げると、残ったもう一方の手が、アンシェルの尻の柔肉を揉みつつ、少しづつ奥に延び、菊門を軽くくすぐる。
「あんっ!」
 大きく、身悶えする。そのせいで、かえって秘裂に潜り込んでいた指が深く中に潜り込む。
 菊門は、あくまでくすぐるだけで中には入れない。しかし、いつ入れられるのかという疑心暗鬼が心の中を乱す。
 その間にも、胸と恥部への刺激は止まない。
「あっ……や……んんっ……」
 アンシェルの声が、弱弱しくなる。
 それを確認したレーマとリシェルが目配せすると、ふたりともアンシェルを責める指を抜いて、そしてまたレーマとリシェルの場所を入れ替えた。
435名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 16:50:34 ID:JEWuQ97O
「……」
 涙を浮かべた目で、なすがままにされているアンシェル。
「指でイかせちゃうのは気の毒ですから、ね」
「うん。やっぱり、好きな人に気持ちよくしてもらったほうがいいでしょ?」
「……好きなひと……なんて……」
「あら、まだそんなこと言うんだ。ふーん……」
 意地悪そうにアンシェルの横顔を見るリシェル。
「れーま、こんな意地っ張りなお姉さまはめちゃくちゃにしちゃいましょ」
「そうですね」
 そう言って、レーマは肉棒をぐいと挿入する。
「……んっ……」
 かみ締めた口元からもれる小さなうめき。リシェルが再びアンシェルの背中に回りこみ、乳房を愛撫し始めたところで、レーマは激しく腰を動かし始めた。
「あんっ!」
 たまらず、大きな声が漏れる。そこからはもう、アンシェルに強がる余裕などなかった。
 ただ欲望の求めるままに、快楽に体をゆだね、声を上げて腰を振る。
「あっ、あっ、もっとっ……れーま……そこ……」
 その目が、いつものキツい表情でも、さっきまでの不安げなものでもなく、ただ純粋に快楽を求める悦びのものになっているのを確認すると、レーマはぴたりと動きを止めた。
「……れ……れーま……?」
「アンシェル様、ご自分で言ってみてくれませんか?」
「な……何を……?」
「どうして、ほしいかを」
「そ……そんな……」
「素直になってくれなきゃ、やめちゃいますよ」
「そうね。姉さま、ちゃんと自分の言葉で言って」
「…………」
 頬を赤くしてうつむくアンシェル。
「あら、まだ素直にならないんだ。じゃあ、こうしちゃおっと」
 そう言って、つんと尖った乳首を指でつまむ。
「ひぁんっ!」
 悲鳴のような声を上げてのけぞる。
「姉さまが素直にならなきゃ、もっといじめちゃうよ」
 そう言って、柔らかく揉みながら、桃色の乳首をもてあそぶ。
436名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 16:53:18 ID:JEWuQ97O
「あっ、あっ、ああんっ……」
 たまらずにもれる声。容赦のない刺激だが、それだけでは解放されない。
 果てることさえできずに、快楽だけを与えられる生き地獄の状態が続く。
 それでも、気丈に耐えるアンシェル。さすがに、レーマが気の毒になってリシェルに言った。
「……ねうそろそろ、許しちゃいましょうよ。もともと、アンシェル様を気持ちよくするのが目的なんですから」
「そうね。あんまりいじめると後が怖いし」
「……」
「じゃあ、挿れちゃいますよ」
 そう言って、再びピストン運動を再開する。じらされていた分、アンシェルは余計に強く刺激を感じてしまう。
「……あ……んっ……」
 ほんの数往復で、アンシェルは果てた。
「…………」
 半失神状態のアンシェル。その体を抱きかかえると、レーマが耳元でささやく。
「これからですよ、アンシェル様」
「そうよ。日が昇るまで、姉さまは眠らせないから」
 そう言うと、二人はまたぐったりしたアンシェルの体に手を回した。

 翌日。
「…………」
 少し怒ったような表情のアンシェル。
「立てますか?」
「貴様に心配される筋合いはない!」
 心配げなレーマに、怒ったようにそう言う。
「一応、心配してるんですよ」
 そう言って、腰に手を回す。
「あっ……」
 そのとたん、糸が切れた用に崩れ落ちるアンシェル。
「ほら、無理しないでください」
 そう言って抱きかかえると、ベッドに横にする。
「……誰のせいだ」
 小さな声で抗議するアンシェル。
437名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 16:55:35 ID:JEWuQ97O
「僕のせいですね」
「わかっているのだな」
「ええ、まあ」
「……れーま」
「何ですか?」
 困ったような表情をして、上目遣いにレーマを見るアンシェル。やがて、その口から言葉が漏れた。
「わたしは……淫らな女だと思うか?」
 その言葉に、つい笑い出すレーマ。
「なぜ笑う」
「アンシェル様は、本当に純情な乙女ですよ」
「……皮肉か」
「まさか」
 そう言って、唇を重ね、そしてすぐに離すと、アンシェルの瞳を見て言う。
「ほら、キスだけで簡単に頬を染める。本当に純情だと思いますよ」
「……れーま……」
「何ですか?」
「お前だけ……だからな……私の……」
 言い終わるより前に、アンシェルは目を閉じ、また眠り始めた。
「あら、姉さま……やっぱり昨日はいじめすぎたかしら」
 さすがにちょっとだけ心配そうにそういうリシェル。
「ちょっと……やりすぎちゃいましたね」
 肩をすくめて、レーマが言う。
「さすがに、ちょっと後が怖いですね。今のうちに、おたがい覚悟を決めておきましょうか」
「そうね」
 そう言って、アンシェルの寝顔を見つめるふたり。
 リュナたちが来るまで、まだ数日はかかりそうだった。
(fin)
438カモシカ担当sage2005/03/27(日) 17:04:41 ID:JEWuQ97O
 ……とりあえず、イヌ族とのつながりを一箇所出してみました。
 あとは、3Pっていうものも触手と同じで、一度は触れなきゃならないものだと思ってましたんで、それも入れて。
 でも、そろそろアンシェルにも最初のころの強さを取り戻させなくてはダメだろうなと思いつつ。
 もともと、カモシカ娘のイメージってのが、しなやかな肢体と敏捷な動きをしていて、いがいと芯の強い子……つまり、もろアンシェルでしたから。
 そのアンシェルが、らぶらぶ路線に向かってるのはいいだけど、なんか最近、おにゃのこおにゃのこしすぎてるなあと、書いた後で反省したり。
 どっかで、トラウマを克服して強いアンシェル様を復活させなきゃなあ・・・なんて思ってます。
 やっぱり、このSSの場合はレーマが主役でアンシェルがヒロインですから、アンシェルには立ち直ってもらう必要もありますし。

 あと、少し前に話題に出てきてたウマっ娘とか出てきたら、結構カモシカとかぶるかもしれないんで、それまでに独自ポジション確立させとかなきゃまずいかなあとか思ってます。 
439名無しさん@ピンキーsage やはりれーまへの依存から脱却するイベントだろうか?2005/03/27(日) 20:30:16 ID:zlyfQ2JM
何この激速ーーっ!?GJ!
やや、らぶらぶ路線は良い物ですよ?てゆうか、それがこのスレの王道ですし。


・・・・・・さて、私もイベント終わったし、そろそろ執筆再開しないと・・・・・・。
440名無しさん@ピンキーsage2005/03/27(日) 23:01:23 ID:AoTBdGp7
(*´∀`) 続きが猛スピードで掲載されるなんて、ここはとても良いスレですね
カモシカ担当様、とても GJ です!

現在 400kB 越え……次スレ行く前に落とせたら良いナーとか思ってます
441名無しさん@ピンキーsage2005/03/28(月) 23:08:22 ID:sqvR42ks
GJ!! アンシェル様が良いのはもちろんとして
何十匹ものマイマイ……(アルナ×50)……を想像して萌え萌えしたよ
442名無しさん@ピンキーsage2005/03/29(火) 02:22:48 ID:dhCUcxLe
ところで、レーマを見て
>「そちらのヒトも、こちらに入られますか?」
といっていることを見ると、
マイマイと一緒に他のヒトも収容されているってことなんかな。
443カモシカ担当sage2005/03/29(火) 11:32:55 ID:y4udNyCS
レス感謝です。弟6話もまたちょっと長引きますので、待っていただけるのなら待っていただければ幸いです。

>>442
>マイマイと一緒に他のヒトも収容されているってことなんかな。
そうですね。カモシカの国では、ヒトは個人所有物扱いですから。
もともとが孤児院なんかもあったと書いてますけど、そういうものの名残としてご主人様を失って一人きりになったヒトなんかも住んでます。
いろいろな理由で一人では生活できないヒトなんかもいますから、そういうヒトはここで生活しています。
あるいは、ご主人様が飽きて捨てられたヒトですね。そんなのはめったといないですけど。
とはいえ、ヒトの場合はマイマイに比べると数も少ないですし、寿命も長いですから神殿で一緒に神官とか修道士として働くのが一般的です。
444カモシカ担当sage2005/03/29(火) 13:12:02 ID:y4udNyCS
>>443
うわ、消し損ねて変な日本語になってる・・・「待っていただけるのなら待っていただければ」って何よ。

445名無しさん@ピンキーsage2005/03/29(火) 19:09:18 ID:1JKt4vCE
アンシェルさまハァハァハァハァ……おにゃのこおにゃのこでもゼンゼン結構ですよ



ところでスクラップ、ちょっと魔法に関してなんだが

ウサギ━━大得意━━アンチ近代機械…というほどではない
サカナ[=海全般]━━得意(水の魔法)━━アンチ近代機械…というほどではない
ネコ━━得意(魔法科学)━━機械と魔法が融合・両立
ヘビ━━得意(精霊)━━アンチ近代機械、自然を大事に
キツネ━━得意(和風)━━アンチ近代機械、自然を大事に
イヌ━━少し得意━━軍事転用や学問としての研究は盛ん
ヒョウ━━少し得意━━剣と魔法が両立
オオカミ━━苦手━━というか、武中心
カモシカ━━ほとんどダメ━━武と機械中心…な動きが自然を大事に派と対立
トラ━━ほとんどダメ━━武と機械中心、ただ昔の魔法は残ってる

自分はとりあえずこんな認識で見てるんだが、大体はまあこんなもんでFA?
446名無しさん@ピンキーsage2005/03/29(火) 20:03:48 ID:r1c4uZGN
ヘビはやりたくてローテクなのではなく、帝都消失事変と戦乱の影響が強いです。
帝国時代にザッハーク帝が極端な帝都偏重主義をとっていたため、
失った影響が技術面でも大きかったわけです。
447名無しさん@ピンキーsage2005/03/30(水) 00:44:54 ID:dp+vW1v7
HAHAHA、風邪でーを打つ手が全然進みません。
・・・・・・あと2レス文もエロシーン書けば投下できるというのに。

>445
ねこの国、融合って言っても町はあのとおりのほのぼのした光景なので、
解析できた"科学"の成果は、主に軍備や研究施設内でしょうな。

少なくても半導体の材料になる、シリコンウェハーの製造・加工技術はない。
電卓用のCPU、i4004さえ自給製造不可能って宣言しちゃったし・・・。
作れて、トランジスタや真空管・・・かな。
448名無しさん@ピンキーsage2005/03/30(水) 00:53:54 ID:Aw+1M+Fv
トランジスタもなあ・・・
真空管なら職人芸的努力でもなんとか行けそうだが、応用範囲が限られそうだな・・・
449名無しさん@ピンキーsage2005/03/30(水) 01:33:31 ID:kFzRk6uF
>>446
ザッハークと言われると伊藤勢のドラロアのあの人のイメージしか頭に浮かばない
450名無しさん@ピンキーsage2005/03/30(水) 07:54:38 ID:USfX6jys
>少なくても半導体の材料になる、シリコンウェハーの製造・加工技術はない。
>電卓用のCPU、i4004さえ自給製造不可能って宣言しちゃったし・・・。

そこで機械式レジスターですよ。
バベルの塔みたいな大きさの超弩級計算機、歯車を動かす動力は蒸気機関。
451名無しさん@ピンキーsage2005/03/30(水) 10:32:45 ID:QFmDf2aL
ここはスチームパンク分も多めのスレですね
452カモシカ担当sage2005/03/30(水) 12:21:09 ID:YWfILbfs
>>445
カモシカに関してはだいたいそんな感じです。

カモシカ族は、魔法はさっぱりといっていいくらいに使えません。
でも錬金術師(アルヴェニス、ダイオニス)や合成人(フィリーヌ、アルナ)なんかもいますが、錬金や合成には魔力を必要とします。
が、錬金や合成に用いる魔法そのものをカモシカは使えないため、そのあたりは他種族の魔法使いに頼っているのが実情です。
・・・まあ、アルヴェニス兄弟は錬金術師といっても科学者に近いですが。
まあ、そういう関係もあって、他国から付け入られる隙がいろいろあったりしてまして。
あと、女王派、王弟派の双方に自然重視派と機械技術導入派がいまして、けっこう混沌とした関係になってます。

銃や火薬が貴重……な割にはよく使われているのも、魔法が使えないせいというのもあります。
カモシカの国には硝石の大鉱脈があります。さらに硫黄、石炭もそれなりに国内で産出する……のですが、なにせ峻険な地域なので、輸出なんかし始めたら輸送費だけで足が出ます。
そのため、全部国内消費に回されているという事情もあったり。
453名無しさん@ピンキーsage2005/03/30(水) 20:25:44 ID:dlTgDbbV
機械=ほとんど落ちモノ頼りで魔法の業も駆使して穴継ぎ的に再現
=コストダウンが難しい=なかなか民間レベルでは広まらない、ってのがやっぱ現実か?
テレビやコタツをあそこまで普及させた猫井技研は、ホント偉いと思う。
>>445
イヌに関しては、少なくとも自分の中では肉体面で『オオカミ>イヌ>ネコ』、
魔法面で『ネコ>イヌ>オオカミ』だと思ってるんで、たぶんそういう微妙な位置。
あと犬国も機械があるのは、軍関係の施設や重要公共施設ぐらいかと。
>>446
帝の幼名or親しみをこめての名は、やっぱアディとかアージとかだったりしますか。
454名無しさん@ピンキーsage2005/03/30(水) 20:43:12 ID:dp+vW1v7
>>448  >>453
昔のテレビは真空管が使われてます。(そのせいで、映るor消えるまで20秒前後必要)
さらに、真空管には電熱線が使われてるからコタツに部分的な応用が可能。

すべて計算の範囲内かのような、恐ろしいまでの技術の連鎖。
流石だな、猫井技研・・・。
455名無しさん@ピンキーsage2005/03/31(木) 20:38:55 ID:eZQeGok1
兎の国は……おそらく魔法に頼りすぎて、逆に他国の近代技術は普及してない予感がします。
ネオンランプをはじめ、テレビとかがあまり見かけないのも、こういった背景からなのか……

あと、多分かなりの品目に対して、輸出入に国家 (というか主に因幡家) の目が入っているカモ
456名無しさん@ピンキーsage2005/03/31(木) 20:45:00 ID:2cNp52/D
>>453

>帝の幼名or親しみをこめての名は、やっぱアディとかアージとかだったりしますか。

じつはアラブ語圏の命名規則に詳しいわけではなかったり(ヲイ
(主人公からして女性にサラディンだもんな・・・・・・)
ただまあ、元ネタの神話的背景を考えるに、それが妥当ですなあ。
457名無しさん@ピンキーsage2005/04/02(土) 18:37:33 ID:XWcBKTN/
保守
458虎の子sage2005/04/02(土) 21:40:01 ID:ixBqXlkS
うわ、少し来ていない間に凄い進んでる。
一応感想、
カモシカ担当様へ
更新早、濡れ場も凄くてマジ面白い展開です。
レーマ達の旅や、王宮での召使い達のたくらみ、次回が楽しみです。
魚人様へ
海の中という、特異な場所で一体どのような話が展開するか楽しみです。
草原の潮風様へ
ドラゴンや盗賊との戦闘シーンが良かったです。
最後のオチの付け方も。

これからも頑張ってください。

459虎の子sage2005/04/02(土) 21:48:02 ID:ixBqXlkS
>>445
虎の国の一部の軍隊は鎧や剣ではなく、プロテクトアーマーやマシンガンを装備した近代的軍隊。
ただし、その全てがミリアの領地やその傘下の工場で生産された物で、虎の国自体の科学力や魔法技術は大したことはない。
俗に言う、持ってて使えるが、仕組みを知らないので作れない状態である。
セリス当たりが裏で何かしてそう。
そう言えばこの世界の航空事情はどうなっているのか
46063sage2005/04/02(土) 23:19:27 ID:e30mlXHR
>>459
ちょっと前まで、避難所でそれ話してました。

鳥族が飛空挺所有っていう設定のみなのかな、まだ・・・。
461虎の子sage2005/04/03(日) 00:30:44 ID:RGP1GvDy
魔法などの補助が有れば航空機は技術的には可能、ただしコストを考えると割に合わないから誰も造らないのかも。
猫の国当たりなら、意外と隠し持ってたり。
ミリアの領地では、魔法なしでの航空機を開発、それを諸外国に高く売りつけている。
ただし、値段が高すぎるためほとんど出回っていないてな感じではどうだろう?
462名無しさん@ピンキーsage2005/04/03(日) 00:56:12 ID:pTJBYmkx
軽量高出力なパワーユニットがないと飛行機は使えないからな。飛行船なら何とかなる?
気球かハンググライダーがいいところか。
463scorpionfishsage2005/04/03(日) 06:20:21 ID:C+CXFe9A
--------------------------black porgy.


 音が、する。
 水の、音。
 滴り落ちる音。
 目を閉じたまま寝返りを打つ。
 膚にさらさら触れるシーツ。
 腕を伸ばしても、何も当たらない。
 いない。
 薄目を開けた。
 視界にはいるのは、落ちものだらけの、なんだかちぐはぐな部屋。
 高そうな家具から、どうみてもがらくたの電気製品まで。宝箱みたいのまであったりする。
 上を見れば天蓋。垂れ下がるドレープ。クイーンサイズの寝台の上。
 くぼんでいるのはあたしのいる場所だけ。
 後のシーツは冷たくて。
 向こうの方から声がする。
 起き上がると目をこすりながら寝台を出た。
 素足に袖を折り曲げたぶかぶかの白シャツ。下はショーツだけ。
 そんなかっこに、外気はちょっと肌寒い。
 この岩盤の部屋から出れば、あったかいのだけど。
 ぺた、ぺた、と岩に足音が響く。
 何枚もの仕切りを通り抜けて、海藻と貝殻の簾の間から、見えたのは……。
464scorpionfishsage2005/04/03(日) 06:21:04 ID:C+CXFe9A

 男の子が、責められてた。
 空が見える、白砂の広間。周りは岩場で、なぜか半透明のドームになっている。
 空に見えるのはほんとは外海で、息は出来ない。普通では侵入も出来ない。
 あの子は、ゲストなんだ。
 見慣れない黒銀のヒレ耳。浅黒い肌。くるんくるんした黒髪が顎の長さまで来てる。
 ちょうど斜め後ろを向いてて、こっちには気づいていない。
 それにしてもすごい体勢。
 両手を後ろ手に縛られ、両足を大きく広げて膝を曲げている。身につけてるものは、うなじの細い銀の鎖だけみたい。胸元に何か小さなペンダントトップが微かな吐息とともに、揺れるのが見える。
 男の子がいるのはちょうど広間の中央で、平たい円盤状の岩があるところだった。
 秘密の入口と白い砂地の間には無数の溝が刻まれた魔法陣が描かれ、ぼーっとその周りを水面越しに淡い紫の光が照らしている。
「もうやめてください、マダムぅ……」
 男の子の声変わりしてない声が艶やかな響きを帯びて、届く。
 よく見ると男の子の足の間に、蠢く影があった。
 見えるのは頭部を隠す黒いベール。それが上下に動いて、男の子がその度にのけぞって小さく喘ぐ。
 なんか、男の子の太股とか、脇腹とか、とろみのついた紫色の半透明な液体がついてる。
 責めてる人が身を起こす。黒鱗模様の大きく開いたVカットの胸元からこぼれ落ちそうな豊かな乳房。裾はこちらからは見えない。
「ボク……もう、変になっちゃいそうですう、まだむ……」
 男の子の甘いおねだりに、顔の上半分を黒いベールで隠した深紅の唇の女が嗤う。
 あの唇、どこかで見たような……。
 と、ふと顔を上げたベールの人が、こちらに視線を向けた。
 瞬間、あからさまに深紅のトゲが、黒いベールからはみ出す。
 う。
 あの見覚えのあるつんつんは……。
 そしてこの不機嫌なオーラは……。
465scorpionfishsage2005/04/03(日) 06:21:45 ID:C+CXFe9A
「マダムファルム?」
 うっとりしていた男の子が変化に気づいてこちらを見る。
 見つかった?
「……ヒレなし?」
 男の子と目が合った。
 あたしはすっかり見てしまう。
 その赤銅色の肢体の股間にいきりたつ、不似合いな大きさのモノを。
「シロっ」
 叱責する声がファルムから飛んだ。
 お仕事中に見つかっちゃった……。
「シロっていうの?……ぼく、あの子がいいなあ、マダムファルム♪」
 先程までとは違う、どこか毒のある甘い声で男の子が軽く言う。
「……我が儘なクライアントだねえ?」
 ファルムはすっかり不機嫌そうに立ち上がった。
 ゆらゆらと黒鱗模様から深紅に色を変えるドレスの裾は、優雅な赤黄色のヒレと相まって、どこまで続いているのか、よくわからない。
 いつもよりずっとキレイだったけどかなり不機嫌なのも見て取れた。
「シロ、おいで。不始末は自分でおつけ」
「は〜い」
 仕方なく、足を踏みだす。
「足下に気をつけるんだよ?」
 そんなこといったって、あたしはこの空間でうまく泳げない。
 砂地を蹴って中央に降り立つ。
 ファルムの舌打ちが聞こえた。
「へえ、シロって言うんだ……確かに白いね♪」
466scorpionfishsage2005/04/03(日) 06:22:38 ID:C+CXFe9A
 ファルム以外のモノを見たのは初めてで、なんだか顔が赤らむ。
 とろみのついた紫色の半透明な液体は股間を中心にかけられたみたいで、すごくぬるぬるしてた。
「ぼくの、いかせてくれるんでしょ?もちろん♪」
 え?
「仕方ないねえ……握って、お舐め」
「はい……」
 華奢な体つきに似合わないおっきなモノを恐る恐る握りしめる。
 熱い。
「ほら、うつむいて。ぱくってしなきゃ♪」
 先程までの殊勝な態度はどこへやら。命令形で上から言われる。
 舌先を出して舐めてみた。なんかお酒を口にしたときみたいな、ぽわってかんじがする。
 ファルムの影があたしの背後にまわる。
「そうそう。イイ子だね♪」
 うう。
 なんか口に入らないよお。
 と、後ろから指があたしのあそこを撫でた。
 なんだかあたしのあそこも濡れてたみたい。ショーツの隙間から指が入り込んで直接撫でられると、思わず声が出た。
「ひゃっ」
 と大きく口を開けたところに、男の子が容赦なく突っ込んできた。
「んっ、んむっ」
 歯を当てないように、ってするだけで精一杯。
 四つん這いのかっこうで、きゅっと握りしめた片手を上下させながら、先をくわえる。後ろからはあそこへ疼くような快感が、リズミカルに加えられた。
「ああっ、ヒレなしの口の中、気持ちいいよおっ。出ちゃう、出しちゃうっ!」
 男の子が腰を動かす。
「んんっ、んっ」
 苦しさに首を引こうとした時、奥を突かれて思わずむせる。
 ドクッと口の中に何か発射された。そのまま唇からすっぽ抜けると白濁した液体が、あたしの顔を撃ち、飛び散る。
「はあっ、はあっ、出ちゃった……よお……」
 淫猥な表情を浮かべて男の子があたしを見下ろしていた。
467scorpionfishsage2005/04/03(日) 06:23:33 ID:C+CXFe9A
「シロ、なめて。きれいにして♪」
 とっさに液体がかかった片目を閉じたあたしに、なおも命ずる男の子。あたしが首を横に振ろうとした時、耳元でファルムの囁き声がした。
「いいかい、今から言う通りにお舐め」
 そういいながら、ファルムの指があたしの芽をこすりあげる。
 あたしはピクッと震えて、目を伏せ、ファルムの言う通りに腹から徐々に下へと弧を描きながら舌を這わせ、男の子の少し小さくなった先をくわえて吸い上げた。
「ああっ、また出ちゃうっ。そんなことしたら、出す、出すよっ!」
 口の中でまた爆発が起きた。
 少し薄まったとろりとした液体を口の中でころがす。
 脱力した男の子のモノが萎えていき、あたしの口から引き抜かれた。
 それと同じくして、ファルムのいたずらも止む。
 あたしは息を吐いてぺたんと腰を落とした。
 俯いて顔に触れようとした時、ファルムの腕が伸びてきて、止めた。
 顔を上げて、塞がれてない片目でファルムを見ようと横を見たその時。
 周囲の魔法陣が光っている事に気づいた。
「なっ、何?」
 男の子の戸惑った声が頭上でした。
 男の子のモノは、どんどん小さくなっていき、肢体全体を紫の燐光が覆い尽くしている。そこに周囲の魔法陣の光が、男の子の肢体めがけて吸い込まれ、姿が一瞬見えなくなる。
 眩しさにあたしは目を閉じた。
 静寂が辺りを包む。
「目を開けてごらん」
 ファルムがあたしの腰を背後から抱いて囁いた。
 言われるままに目を開ける。
「えっ?あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ」
 男の子が、女の子になっていた。
 黒銀のヒレ耳。浅黒い肌。ほんの少し膨らんだ胸に、細い腰。短めだった髪は少し伸びて緩やかなウェーブになっていた。
「砂消しの分を安定させられたようだねえ」
 口の中の精液を布に吐き出させ、新しい布であたしの顔を拭きながら、ファルムが言う。
 目の前の男の…いや、女の子はしばし呆然としていた。
「え?何、これ……」
 しきりに自分の股間を確かめたり、あたしとファルムを眺めたり。
「分化を早めたのさ。おまえの姉の依頼でね」
 愉しげにファルムが告げた。その声音はなんだか意地悪な魔女そのものだ。
468scorpionfishsage2005/04/03(日) 06:24:40 ID:C+CXFe9A
「姉さまが?……姉さまは楽しんでらっしゃいって言ってたのに!」
 女の子の声はさほど変化していなかった。
「ガキの相手をしていると体が持たないそうだよ。……さて。シロにぶっかけるのは料金に入ってないからねえ。このファルムも、これ以上ここにいると容赦しないよ?お帰り」
 ファルムを振り返ると、完全に後頭部のベールを突き破ってトゲが立っていた。胸は変わらないけど。
「……この借りは返させてもらうからね」
 恨みがましそうな目で、女の子が言う。
「黒鯛族の名に懸けて許さないから」
 立ち上がると、ほんとにやっぱり股間のつくりが違う。無毛の割れ目にちょっと目のやり場に困る。
 どうなってるんだろ……。
「魔女ファルムに幼体が勝てるとお思いかい?成人させてやったんだ、感謝して欲しいねえ」
 意地の悪い笑みをファルムが浮かべる。
「白髪のヒレなしと魔女ファルム。忘れないからな!」
 白髪?
 だって、前髪は黒い、のに。
 そういえばここに来てから鏡を見ていない。
 確認する為にファルムを見上げると、顔色が変わっていた。
「出ておいき」
 手を振りかざすと、空に、光の穴が開く。
 それに吸い込まれるように、黒鯛の女の子は消えていった。
469scorpionfishsage2005/04/03(日) 06:25:36 ID:C+CXFe9A
「やれやれ」
 ファルムが髪についていた精液もすっかりふき取って、あたしの髪を撫でる。
「白いって、どういうこと?」
「……そうさね。白に黒や茶色、金色や銀色が混じった、きれいな髪をしているよ?」
 あたしは不安げに眉を抜いてみる。
 黒かった。
 睫毛も黒かった。
 もちろん、下の毛も黒い。
 でも。
 絶対見えない後頭部の毛を痛みに耐えて、抜いてみる。
 白かった。
「鏡は?ねえ、鏡は?」
 ファルムの肩を揺すって叫ぶ。
 黙ったファルムは指を鳴らして見せた。
 空が、黒い鏡に変わる。
 そこに映ったあたしは、全身まっしろい、ヒトだった。
 目と眉と僅かな前髪。それだけが元の色。
 膚も、ほとんどの髪も、まっしろだった。
 鮮やかな赤黄の色を纏うファルムとは対照的に。
 あたしは、怖くなってファルムにしがみついた。
 ファルムがまた指を鳴らす。
 空は、いつもの水の世界を映していた。

(Fin)
470scorpionfishsage2005/04/03(日) 06:28:24 ID:C+CXFe9A
ぬるいかな……。
お約束通り、参上いたしました。
魚の人との設定が矛盾しておりましたら、そちらを優先して下さい。
一応辺境域での話ということで……。
471草原の潮風-第5話sage2005/04/03(日) 16:18:55 ID:khx5Q6fM
ピーヒョロロ〜ッ

鳶が、気持ち良さそうに鳴いて、森の方に消えていく。
「あー・・・・・・・・・頭痛ぇ・・・二日酔いだな・・・」
宿を出た辺りから、頭の中を蛇がのた打ち回ってるような頭痛が耐えない。

「「・・・・・・・・・しぬぅ・・・・・・・・・」」

「・・・誰だ?・・・」
愚痴が、誰かの声と重なる。

「すいましぇーん、僕です、ゼノスです・・・」
聞き慣れた声で返事が返ってきた。
「お・・・ちょっと見ない間に、随分やつれたな・・・」
やつれたというより、精気を全て吸い尽くされたようなという表現の方がしっくりくる。
そんな顔をしている。

「ちょっと・・・色々ありまして・・・午後は訓練とかないですよね?」
「今日も明日も、訓練は休みにする予定だけど・・・」
俺が疲れたり二日酔いなのもあるが、何より機体のメンテナンスに丸2日はかかる。
その間は自主トレーニングという事にしておいて、訓練を休みにするつもりだった。

「じゃあ、ちょっとそこの影で寝てるんで・・・屋上の鍵、閉めないでください・・・」
そう言って、階段で屋上に登ってきた者からはちょうど死角になる階段を覆う屋根の上で寝転び、
すぐに寝息が聞こえ出す・・・これじゃあ、わざわざ死角で寝てる意味がないような。
472草原の潮風-第5話sage2005/04/03(日) 16:20:51 ID:khx5Q6fM
「しっかし・・・・・・学生に戻ったみたいだなぁ・・・こういう景色」
基地の本館屋上から感じる空気は、学生時代に昼飯を食べるために登っていた屋上の雰囲気に似ていた。
この建物自体、元々学校なのだから、当然といえば当然・・・・・・というわけでもない。

俺が学生時代に登っていた屋上も、この屋上も、ある一点が普通とは違う。
それはどちらも、柵で囲まれていないという点だった。

「あの時は・・・誰かの隣にいつもいたような・・・」
相変わらず記憶がはっきりしないが、短期間でここまでこちらの世界に馴染んでしまうと、
最早帰れても帰ろうという気がしなくなってくる・・・もちろん、博士を一人にしておきたくないのもあるが。

そうこうしているうちに、頭痛もあってか段々目蓋が重くなり、俺は眠りに落ちていった。


また夢を見る。
今度は、満月が綺麗な月夜・・・場所は、海に面した草原だった。
「これで・・・・・・これであなたは帰れるわ」
いつも夢に出てくる年上の女性がそう言う。

帰れるって、どういうことなんだろう・・・。
目からはとめどなく涙があふれ出て、彼女との別れを悲しむ感情が流れ込んでくる。

「私は心配なんかしなくても良い・・・だから、いつもみたいに笑いなさい・・・」
強がって見せる、寂しげな微笑み。
「カズヒロは、私と違って魔法使えないでしょ・・・だから、帰ったほうが幸せになれる」
473草原の潮風-第5話sage2005/04/03(日) 16:22:06 ID:khx5Q6fM
カズヒロ・・・彼女が俺に向かって言った誰かの名前。
瞬間、幾つかの記憶が俺の頭の中で繋がる。
そうだ、俺の名前は・・・そして、彼女の名前は・・・駄目だ、思い出せない。

バサバサッ・・・・・・バサバサッ

「すいませーん」
何か大きなものが羽ばたく音がする・・・なんだろう・・・。

「すいませーん・・・お兄さん、そんなところで寝てると風邪引きますよ?」
そんなところ?
「・・・んあ・・・・・・・・・?」

「夕刊ですよ、夕刊」
目の前に立っている少女が、丸めた新聞を差し出してくる。
「夕刊・・・もう夕方か・・・よく寝たなぁ・・・」

「風邪引きますよ、そんな薄着でこんなところで寝てたら」
少女の言葉に反応するかのように、手綱と鞍をつけたワイバーンも頷く。
「じゃ、他の基地にも夕刊届けていますので・・・」

バサッ・・・バサバサ

夕日の中に消えていく、やたらファンタジーな新聞配達員に手を振ると、改めて周りを見渡す。
「ゼノスは・・・もう中に入ったようだな」
さっきまで屋根にいたはずのゼノスの姿はとうになく、俺も階段を下りて中に入る。
手の、それもとりわけ指先の感覚が鈍く、中々ドアが開けられなかった。
寝ている間に、随分体が冷えたらしい。
474草原の潮風-第5話sage2005/04/03(日) 16:23:56 ID:khx5Q6fM
「あー助手くん、ずーと探してたんだぞっ!!」
「博士・・・」
「んんー、元気ないけどどうかしたの?」
「いえ、ちょっと・・・・・・自分の名前、思い出しました」
「えええええ!良かったじゃん、助手くん。おめでとう」
俺の両手を握って、上下にブンブンさせている。
凄い喜びようだ、博士・・・。

「それでですね、俺の名前は・・・」
「待って、私が当ててあげる!」
意外を越えて突拍子もない発言、思わず
「は?」
という声が漏れてしまう。

「君の名前はね・・・・・・カズヒロくん」

何秒、フリーズしていただろう。
「・・・・・・・・・なんで、なんで博士が知ってるの!?」
ようやく、決まりきった返事を返すことができた。

「えっへーん、だって助手くん、私が小さい頃に会ったんだもん」
「・・・なんですかそれ・・・」
博士がそういうのだから、きっと間違いはないだろうが、
あいにく俺には、そんな記憶はない。
475草原の潮風-第5話sage2005/04/03(日) 16:25:14 ID:khx5Q6fM
「もー、覚えてないなんてヒドイよ、助手くん」
「んなこと言ってもなぁ・・・」
「あの時は、まだ助手くんの方はお兄さんだったんだよ」
「・・・へぇ・・・」
ということは、向こうとこっちは時間の流れが違うのか?
言われてみれば・・・随分昔、博士を小さくしたような女の子と、
どこかの公園で遊んだこともあるようなないような・・・。

「それでねそれでね、公園で遊んでもらって・・・・・・あれ?」
「・・・どうかしたんですか?」
「うーん、おかしいな、ここから先がぷっつり思い出せないんだ」

博士が悩んでいる様子は、単純に思い出せないような感じではなかった。
まるで記憶が封じられてるとか、そんな感じの不自然な途切れ方。
実は俺も、それを自分の記憶の欠け方に関して感じている。

「まあ、疑問も解けたし無理に思い出さなくても・・・」
「そう・・・ごめんね、一人で盛り上がっちゃって」
「で、博士・・・俺を探してたってのは?」
先ほどまでの話を中断して、本題に持ち込む。
冷えきった体で長時間の立ち話は、結構体に堪える。

「あ、そうだったよね・・・」
476草原の潮風-第5話sage2005/04/03(日) 16:26:48 ID:khx5Q6fM
ギュッ

「あの・・・博士・・・?」
博士は、いつのまにか俺の服の裾を握りしめていた。

「大変だったんだよ、食欲もでないし・・・便秘はするし、
 階段から落ちそうになったことも一度や二度じゃないし・・・」
「は、はぁ・・・・・・」
「甘いものいっぱい食べ過ぎて自己嫌悪に陥るし・・・
 眠れなくて睡眠不足にもなっちゃうし・・・」
涙目で愚痴りながら俺に迫ってくる博士。
俺は博士の背中に手を回して、そのまま抱き止めた。

「これでいいですか、博士・・・」
「助手くん・・・そういう優しいところ・・・大好き」

「研究室でこんなことして・・・良いんですか、本当に・・・」
「いいのいいの・・・私の研究室だもん」
そのまま、博士に促されたどり着いたのは、博士が研究室に使っている元理科室だった。

「四日も待ってたんだよ、今日はじ〜っくりしようね」
「じっくりって・・・具体的にはどうするんですか?」
「助手くんはそこのテーブルにでも腰かけてて・・・私がしてあげるから」
「え?」
477草原の潮風-第5話sage2005/04/03(日) 16:28:00 ID:khx5Q6fM
プチップチッ・・・

こっちに背中を向けている博士が、上着のボタンを外している音が聞こえてくる。
「ちょっと待っててね〜・・・」
「はあ・・・・・・」

プチンッ・・・・・・シュル・・・

博士が身に付けていた、白いブラジャーが床に落ちて・・・こっちを振り向いて・・・え?
「さ・・・準備できたよ」
「・・・・・・・・・ちょ、博士一体何を・・・」
上半身だけ脱いだ博士は、そのまま俺の腰の高さまで屈み、
俺のものを、どちらかというと大きくて魅力的な乳房で挟んで撫で始める。

「こうすると、男の子は気持ち良いって聞いたんだけど・・・きもち良い?」
「・・・・・・・・・」
「どしたの、緊張してる・・・?」
「うーん・・・緊張してるというより・・・さっきのことが気になって・・・」
「体は正直なのにね・・・こんなにおっきくなっちゃってさ・・・はむ」
なんだかんだいいつつも、しっかり勃起はしている。本当に嫌になるぐらい体は素直だ。
そうこうしているうちに、博士の舌が俺のものの先の方を舐め始める。
「あ・・・舌は・・・・・・ダメ、出る・・・」
「・・・ん・・・ぐ・・・」
あっさり博士の口に精を吐き出してしまうが、博士は慣れた様子でそれを受け止めてくれる。
478草原の潮風-第5話sage2005/04/03(日) 16:29:53 ID:khx5Q6fM
「ぷはっ・・・・・・悩みあるなら・・・相談して欲しいよ、助手くん・・・」
博士は、口の端から漏れた白濁液を白衣の袖で拭いながら、俺にそう言ってくる。
「そんな深刻に悩んでるつもりでもないんですがね・・・」
「でも・・・」

ゴチンッ

「いてっ・・・」
「うう・・・ごめん助手くん、顔近づけ過ぎた」
ムードを出そうとした博士が顔を近づけてきたが、
タイミングが悪かったか距離の感覚が悪かったのか、そのまま二人の額がぶつかる。
「でもね、でもね・・・助手くん悩んでるもん・・・絶対」
言っていることはすごく心に響くのだが、
ぶつけた額をさすりながら涙目で言われると、どうにも話の内容と博士の仕草ミスマッチが気になってしまう。

「記憶のこととか、こっちの世界とのギャップとか・・・」
「・・・・・・・・・」
「私が重いから、将来腰痛になっちゃわないかとか・・・うー、まだぶつけたところがジンジンする・・・」
「・・・・・・・・・もう、いいです・・・」
「え?」
「博士の表情みてたら、なんか馬鹿馬鹿しくなってきた・・・」
悩んでることが馬鹿馬鹿しい。
博士が目の前にいて、俺はこの世界でまともな生活をおくれている。
それで十分じゃないか。
479草原の潮風-第5話sage2005/04/03(日) 16:31:44 ID:khx5Q6fM
「流石の私でもちょっと怒るよ、助手くん」
きょとんとしていた博士の顔が、ムスーっとした怒りの表情に変わり、
そう言って、俺を頬を抓ってくる。
「いだだっ・・・ごめんごめん」
いつもの博士といつもの俺だ、これ良いじゃないか。
名前を思い出したからと言っても、立場は変わらないし呼ばれ方も変わらない。

「それじゃ・・・・・・いただきまーす」
その言葉に気がつくと、既に手足に触手が巻きついて来ていた。

「え?・・・あ、ちょ、ちょっと!?」
抗議の言葉は、まったく聞いてもらえないようで、
別段軽い方ではない俺の体が、完全に宙に浮く。

「4日ぶりのご・ち・そ・う」
「うわーっ!? ・・・むぐ」
最近、のんびりしきってて忘れていたが・・・博士は、かなり強引なところがある。
そんなことを考えているうちに、博士の顔の前に体ごと移動させられ唇を奪われた。

「んく・・・・・・・・・」
博士が舌を入れて、俺の口の中を犯してくる。
前はぎこちなかったが、今ではこっちがとろけそうに感じるぐらいうまくなっている。
480草原の潮風-第5話sage2005/04/03(日) 16:33:31 ID:khx5Q6fM
「はぁ・・・はぁ・・・・・・博士って、ごんなに強引な人だったっけ・・・」
まだ息が整わない中、博士に疑問をぶつけてみる。

「4日も待たせる助手くんが悪いんだぞ・・・かぷっ・・・」
「ひゃ・・・どこ甘噛みしてるんですか・・・・・・」
そのまま首を伸ばして左の耳を甘噛みし、舌先で耳の穴を刺激してくる。

そうか、俺4日も基地にいなかったんだもんなぁ・・・。
研究に没頭してても、4日も顔さえ見れないのは流石に大きいか。

と、甘い感覚に身を委ねていると、いきなり手足を束縛していた触手の感覚が消える。
直後、木で出来た床に体がぶつかり、体性が崩れる。
「っ・・・・・・いたたっ・・・・・・あ」
「・・・・・・・・・」
いつもにも増して、頬を赤く染めている博士。
その体が、姿勢を立て直そうとする俺の上に迫ってくる。
乗られてしまうと、力が入らないこの状況では、重くてとても振り払えない。

「いつもより・・・いっぱい頂戴ね・・・」
「博士・・・ちょっと、目が据わって・・・」

全身の骨が、いきなり乗ってきた博士の重みでメリメリと音を立て、
気持ちよさそうにしている博士が、一瞬悪魔に見え、女性の二面性とかいう言葉が頭に浮かぶ。
481草原の潮風-第5話sage2005/04/03(日) 16:34:27 ID:khx5Q6fM
「博士、痛いんでが・・・」
「大丈夫、すぐに気持ち良くなるから」
さらに博士の動きが激しくなっていき、周りに肉のぶつかり合う音が響く。
「・・・・・・あの博士・・・」
「・・・はぁ・・・はぁ・・・」
腕も押さえつけられて、これって逆レイプとか言わないかと考え、
痛みと押し寄せてくる快楽に身を任せていると、段々意識が遠のいてくる。

それから先は・・・・・・よく覚えていない。
全身の痛みで目を覚ましたら、いつものように博士が腕の中で寝息を立てていた。


朝、基地の中庭まで日が差して、湖からの風向きも変わり始める清々しい朝。
「おばちゃん、栄養ドリンクある?」
「あいよ、60センタね」
「僕にも、栄養ドリンクを・・・」
「はいはい」
いつもは徹夜組の人達、つまり博士や整備の人がよく訪れる時間帯の売店に、
生きる屍のように生気のない、二人の男の姿があった。

「「ぷはー・・・・・・」」
二人が、同時に栄養ドリンクを飲み干し、溜息をつく。
「それにしても、あんたら二人そろってどうしたんだい。
 朝から死んだ魚みたいな目して、ゾンビみたいに力尽きててさ・・・」
この時間帯は、いつも規則正しく食堂で朝食を取っている男たちにそう声をかける、売店のおばちゃん。
482草原の潮風-第5話sage2005/04/03(日) 16:36:09 ID:khx5Q6fM
「いえ・・・留守にしてた4日分一気に・・・」
「は?」
「僕は、半日ほど絞られてて・・・」
「??」

「はぁ・・・」
「ふぅ・・・」
「疲れてるなら、素直に休みなさいよ隊長さんとボウヤ」
何が起こったのかは知らないが、今にも倒れそうな二人にそう忠告し、お釣りを渡す。
「へーい・・・」
「はい・・・・・・」
「本当に大丈夫かね・・・」

「おばさーん、朝刊持ってきたよ」
二人の後ろ姿を見守っていると、横から聞きなれた声が聞こえてくる。
ワイバーンで近隣の基地の新聞配達をして回っている女の子だ。
「いっつもこんな僻地まで悪いわねぇ・・・」

そして、その頃食堂では・・・。
「あれ・・・いつもより食べてないね、ミーナちゃん」
「うん、助手くんとひさしぶりにしたらお腹いっぱいで」
「あーわかるなぁ、ボクも昨日おやつ食べる気しなかったし・・・」
「お嬢・・・おまえ人の弟に一体何をした!帰るなり、いきなり泣きついてきたぞ」
「ごめん、カレンちゃん・・・・・・可愛かったから、ついつい虐めちゃって・・・」
「やっぱりそれか・・・・・・お前というヤツは・・・」

いつもより少々悲惨な朝は、ゆっくりと流れていく。
男たちの力のない溜息と後姿、割と幸せそうな女たちの会話と共に。
48363sage2005/04/03(日) 16:46:29 ID:khx5Q6fM
男たちの人権<備品・設備等<超えられない壁<女たちの人権

ってな力関係でしょうか・・・どんどん立場が落ちていくな、この二人。
484名無しさん@ピンキーsage2005/04/03(日) 17:21:30 ID:pPQSRC5L
>>scorpionfishさん
ワオー!マジ続きキター!
いや言うだけ言ってみるもんだ(マテ
黒鯛はやっぱあれですか、TSですか。てゆうかファルムさんもそうですが。

>>63さん
>男たちの人権<備品・設備等<超えられない壁<女たちの人権
は、このスレの基本はそれではないでしょうかw

お二人ともお美事でございます!(虎眼流門下のよーに土下座)
485名無しさん@ピンキーsage2005/04/03(日) 22:35:21 ID:fbqG/UeN
>見慣れない黒銀のヒレ耳。浅黒い肌。くるんくるんした黒髪が顎の長さまで来てる。
浅黒い肌キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!! 黒鯛萌えぇ

>「あれ・・・いつもより食べてないね、ミーナちゃん」
>「うん、助手くんとひさしぶりにしたらお腹いっぱいで」
>「あーわかるなぁ、ボクも昨日おやつ食べる気しなかったし・・・」
むしろ男たちがエナジードレインされてる気がするのは気のせいですか?w
48663sage2005/04/04(月) 00:58:32 ID:XUY6lEz2
>>484
段々不等号の数が増えていくのが味噌ですね。
>>485
幸せ痩せなんでしょう、きっと。
487名無しさん@ピンキーsage2005/04/04(月) 01:17:08 ID:PNSTWTvR
>>470 マダム魔女ハァハァ
>>483 むしろワイバーン乗りの新聞配達少女の今後に期待ハァハァ
両氏ともGJ
488scorpionfishsage2005/04/04(月) 04:14:04 ID:DJgnsT2+
設定補足。

【ファルム】
 オニカサゴ人。外見年齢は二十代後半っぽいが年齢不詳。
 白い膚にまばらに武骨な赤黄色の鱗。
 蒼い眼。唇はつややかで、やや口は大きめ。赤黄色のヒレ耳は大きく拡がる。
 深紅の長いトゲヒレが頭部から背中へと続く。 
 爆乳だが胸のラインはシリコン入れてます、な不自然さ。(実際は浮袋なので調節可能)
 腰と尻はスリム。膝から下もヒレがついている。
 手首にトゲ&ヒレ。白い指の間には半透明な赤黄色の水かきあり。爪はない。
 性別は雄。常に爆乳&女装で過ごしている。特技は擬態。
 通称は「マダムファルム」or「魔女ファルム」

【シロ】
 落ちものヒトの少女。自分について記憶がない。
 容姿は十代後半。身長はファルムの胸くらい。 
 茶色がかった黒い瞳。髪の長さは襟足の長いボブ。
 基本白髪に黒髪やら茶髪やら金髪やら銀髪やらが混じっている。
 元は黒髪だったらしい。(その証拠に髪以外の毛はほとんど黒)
 一人称は「あたし」
 
【黒鯛っ子】
 クロダイ人。外見年齢は10〜11歳程。
 黒銀のヒレ耳。浅黒い肌。緩やかな天パの黒髪のボブ。
 首から小さなペンダントトップのついた細い銀鎖のネックレスを身に付けている。
 クロダイ人は幼い頃は雌雄同体であり見た目は雄である。
 通常、外見年齢が15〜16歳頃になると雄から雌に性転換する。
 基本的に雌の方が優位であり、体も大きい。
 成体になると、髪が黒銀になりヒレもトゲヒレへと変わる。
 ファルムが行った術は、分化を早める術であるが、ちょっと不完全に終わっている。
489名無しさん@ピンキー2005/04/04(月) 13:23:24 ID:Fr/lKXPh
TS、カマキャラ、ショタ、触手・・・・・・マイナー嗜好者にはたまりませんよ。
お二方ともGJ!!!!
490虎の子sage2005/04/05(火) 00:09:33 ID:n5IP2RFA
オニカサゴ様>
ぬう、マニアックな路線でありなが、淀みなく読めました。
これからどう話しが広がっていくか楽しみです。

草原の潮風様>
ないがしろにされる男達の人権、助手君達には同情しますが、端から見ていると微笑ましいのでグッドです。
491虎の子sage2005/04/05(火) 00:15:28 ID:n5IP2RFA
そう言えばふと思ったんだけど、犬ってタマネギとかで中毒起こすんですよね。
猫だとマタタビとか、それってイヌとかネコにも有効?
作者死亡で打ち切られてしまった、最近の吸血鬼を扱った小説の、某教授が巨大な猛獣を撃退した原料タマネギの毒ガスとかも可能かも?
492名無しさん@ピンキーsage2005/04/05(火) 07:03:19 ID:bgni14MM
ネコがマタタビで発情するのはこちむい2話で出ている。
あと、カレー食べてる描写もソラとケンにある。たまねぎはだいじょぶかと。
代謝に関しては好きにやっていいのでは。
493名無しさん@ピンキーsage2005/04/05(火) 13:15:40 ID:oMw/CGoe
そのへんはファンタジーだから
「魔法」の一言ですべて解決
494虎の子sage2005/04/05(火) 23:58:22 ID:n5IP2RFA
とりあえず前置きだけ、投稿

最高で最低の奴隷『下劣な金儲け』
495虎の子sage2005/04/05(火) 23:59:04 ID:n5IP2RFA

 広々とする荒れ地の中、ポツリと建築物が建っている。
その建築物は俗に砦と呼ばれる物だった。
高く堅牢な外壁は大砲の砲丸さえはじき返し歩兵を阻み、巨大な鉄扉は一度閉ざされれば何物も受け入れぬ鋼鉄の盾と化す。
拠点防御に置いて最高に有力で、最大に労力と手間と維持費が掛かる建築物。
 それ程大きな物でなくても、小さな領地の一年分の収入を僅か一月で食い尽くす金食い虫。
その真新しい巨大な壁に穴が空く。
否、巨大なそれは穴ではない。
大人の虎人が余裕で通れる程の道、
堅牢さがその存在意義である外壁は、いとも容易く粉砕されその存在意義を否定される。
一瞬遅れて砲撃のような爆発音が響く。
それからは簡単だった。
496虎の子sage2005/04/06(水) 00:04:48 ID:5zNjUqZn

 次々と壁が粉砕されて開いていく道、そして一瞬遅れて響く砲撃音。
僅か十数秒で砦の壁は囓られたリンゴのような痛々しい姿を晒していた。
しかしそれだけでは終わらない。
 尾を引く風切り音と共に何かが放物線を描いて落下してくる。
それは先が丸くなった円筒形の物体だった。
下から見上げれば体感速度は驚く程遅いその物体は、実は秒速数十メートルという高速落下物。
その物体は設定された高度まで落下すると爆発。
そしてその中身をぶちまける。

ぼうっ、、、

中身が降り注いだ場所が一瞬で燃え上がる。
無論一発ではない。
前述の壁の粉砕と同じく、それは次々降り注いで砦の中に炎を振りまいていく。
十数発と降り注いだ時にはもはや砦は、紅蓮の囚人服を纏った死刑囚かのように赤く炎で染まっていた。
497虎の子sage2005/04/06(水) 00:06:22 ID:5zNjUqZn
しかしそれでもまだ足りない。
全てを終わらす終焉の証は未だに来ていない。
風の唸りが聞こえる。
先程のが落下音とするならば、これは飛翔音、、、
 落ちる音ではなく飛ぶ音、しかしその音は弓矢のように優雅な物ではない。
風を無理矢理かき分け、豪風を纏う巨大な物体が非常識に空を飛翔し迫り来る。
神殿の柱程の太さを持ち、哀れなる贄に完全なる滅亡を届けるためにそれは空を駆ける。
在るべき時、在るべき場所において、それはあるべき事を成し遂げる。
それが砦の上空に達すると、バラバラに分解し中身が降り注いだ。
 それをなんと表現するべきだろうか、
降り注いだ中身は城の真上に到達するなり閃光を放ち爆発し、その力を振りまいて全ての形ある物を破壊へと導く。
爆風が全てを粉砕し、熱が全てを焼き滅ぼす。
そして光が消え、土埃が晴れた時、もはやそこには元砦の残骸しか存在しない。
焦土と化した大地に名残惜しげに残り火がくすぶっているだけだった。
498虎の子sage2005/04/06(水) 00:08:21 ID:5zNjUqZn

「目標消滅まで一分二十秒、なかなかだね」
ホッソリとした指で双眼鏡を目から離し、セリスは独白する。
「長距離用対物ライフルで相手の出鼻を挫いて、ナパーム弾の戦車砲でパニックを誘発、混乱した所にミサイルでの完全殲滅、攻城戦においては実に効率的だとは思わない。ご主人様」
手に持った懐中時計を離しながら、セリスは背後を振り返る。
 その視線の先には机に突っ伏しながら涎を垂らし、幸せそうに惰眠を貪る主が居た。
「……………」
セリスは優しげな微笑みを浮かべると、水が注がれた洗面器を用意して時計を再び手に取る。
さらに反対の手で主の頭を持ち上げ、洗面器の真上まで移動。
そこで手を離す。
 当然ながら、頭は重力に引かれて落下、、、
ぼしゃん、ピッ、、
セリスの指がタイマーを押し時間を計測する。
ぶくぶくぶく、、、
五秒経過、
ぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶく、
十秒経過、
ぶくぶくぶくぶくぶくぶく、
二十秒経過、
ぶくぶくぶくぶ、、、
三十秒経過、
………………………………………
「………………」
四十秒経過、
499虎の子sage2005/04/06(水) 00:09:27 ID:5zNjUqZn

 さすがにまずいかと思い始めた頃、ミリアが跳ね起きる。
「げっはっ、げっはっ、!!」
「おお、凄い。四十五秒も呼吸せずにいられるなんて、いっそ素潜りでもしたら」
タイムを見て心から感心する召使いを余所に、ミリアは気管に入った水を吐き出す。
「あ、はっ、がっはっ、あんた、がっ、は、あたしを殺す気?!」
怒鳴ろうとしても気管に水が入っているため、息切れに紛れて千切れ千切れにしか聞こえない主の言葉に、セリスは頬を掻いた。
「いや、何か幸せそうな夢見てたみたいだから、少し刺激をくわえてみようと思って」
「心臓が止まるかと思ったじゃないっ!! かよわい女の子になんて事するのよ!!」
「ご主人様、言葉の使い方を間違ってるよ。かよわいは儚いとか脆いとかデリケートとか言う意味で、頑強とか丈夫とか言う意味じゃないんだよ」
 したり顔で訂正するセリス、当然の事ながらミリア少ない理性は切れる。
「あんたねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!」
「それより」
怒れる主からさらりと視線を外し、召使いは再び双眼鏡を手に取った。
「見てみなよ。我が領地の軍事力を、魔法を使わずに文字通り城を破壊できる火力なんてそうそうないと思うけど」
「……………別にいつもの演習と変わらないじゃない」
ミリアの言う通り、こんな様子は彼女達の軍隊では見慣れた光景だった。
「まあ、それはそうだけど、少しはしゃっきりしなよ。仮にも機巧なる戦姫なんて仰々しいあだ名を持っているんだから」
500虎の子sage2005/04/06(水) 00:11:02 ID:5zNjUqZn
機巧なる戦姫(きこうなるいくさひめ)、
数あるミリアのあだ名の一つで、僅かな兵力でありながらその武器、兵器を駆使して百倍の敵を無傷で撃滅殲滅し尽くした覇軍を指揮する彼女に、人々が畏怖と尊敬の念を込めて謳った名前である。
「あのね、それは他の人達が勝手に言ってるだけじゃない。第一、あたしは一度もこの軍隊を指揮したことはないんだけど」
迷惑そうなミリアにセリスは苦笑する。
「何を言ってるのさ。僕がこの軍隊を指揮しているなら、とうの昔にこの大陸を統一しているよ」
 まるで朝食のオムレツを焼くような軽い口調でセリスは言う。
しかし、それが冗談などではないことをミリアは知っていた。
セリスの正に魔王の如き奸計とその圧倒的力に、この軍隊が加われば洒落や冗談ではなくマジで大した苦労もせず大陸統一が出来るだろう。
目の前の召使いの言う通り、この大陸の統一など彼にとっては朝のオムレツ焼きと大差ない些事なのである。
「それをご主人様は、僕に命令して止めさせてるんだから、この軍隊はご主人様が指揮してるような物でしょう」
「…………それはそうだけど」
「それにせっかく僕が苦労して、演習場を貰ってきたんだから使わなきゃ損だよ」
本人の言う通り、この果てしなく続く荒れ地はミリア達の軍隊専用の演習場としてセリスが国王自ら賜ってきた物だ。
そしてこの演習所こそ、ミリア達の軍事力の証でもあった。
501虎の子sage2005/04/06(水) 00:11:34 ID:5zNjUqZn

 この地は元々公爵の一人が納めていた国内でも屈指の大領地だったのだが、ある時その公爵が反乱を起こしたのだ。
地理的に国のど真ん中の上、近隣の貴族達がその反乱に荷担したためその鎮圧は容易な事ではなく、あわやの所で大規模な内乱をおこしかけたのだ。
その鎮圧を行った部隊こそ、ミリアの私軍だった。
反乱軍数十万に対し、ミリア達鎮圧軍はわずか三百人程、
誰もが反乱軍の勝利を疑わず、鎮圧軍の完全敗北を予見した。
そして戦火が切られた時、皆が予想した通り殲滅戦が始まることとなる。
ただし、立場が逆転して。
 戦争に置いて剣や魔法が主流である反乱軍に対し、鎮圧軍が用いた戦法は遙か遠距離からの攻撃であった。
ライフル、戦車砲などを使った鎮圧軍の攻撃は、矢も魔法も届かぬ遙かな遠距離から、反乱軍を一方的に攻撃した。
ナパーム弾や毒ガスなどの未知の兵器を駆使する鎮圧軍に、反乱軍は混乱し統率を乱すことになる。
トドメとばかりに飛行船を中心に組まれた航空部隊による絨毯爆撃が、地形ごと反乱軍のほとんど全てを問答無用で吹き飛ばしたのだ。
反乱軍の領地が業火が燃え盛るこの世の地獄と化すまで僅か一時間、、
その後三日三晩燃え続けた炎が消えた時、その地は草一本生えていない焦土と化していたのだ。
502虎の子sage2005/04/06(水) 00:13:17 ID:5zNjUqZn
後に『ナインデルの争乱』の呼ばれたこの内戦は、ミリア達の技術力を国内はおろか国外まで知らしめる事となった。
それまで主に国王軍の一部だけが購入していた武器や兵器を、世界中の軍隊や犯罪グループが奪い合うように買い漁り、ミリア達の領地の財政は国庫より余程潤沢になった。
『貰う物さえ貰えば、親の敵にすら売りつける』というコンセプトの元、世界中の主な犯罪組織や軍隊の間にミリアの領地で造られた武器、兵器がばらまかれた。
さらには売り出された商品より、遙かに高性能の武具や兵器を装備した部隊を編成し、それを他国と契約して一時的に貸し出したりする傭兵商売を始める事となる。
無論、人でなしのセリスが関わっている以上、それだけでは済むはずが無く、非合法な仕事にも手を出していた。
武器、麻薬、人、顧客が居る限り決して途絶えることのない闇の取引の仲介や、世界中の優秀な人材を雇い、その国の機密情報を対立勢力に売却したりと、合法非合法を問わず活動し続け、売った顔と手に入れた金とコネを最大限に利用しミリアの地位と権力を押し上げていった。
その結果、今では独立国並みの自由裁量と、大国並みの財源を手にして、ミリアは国内有数の権力派閥の長の椅子に座っている。
503虎の子sage2005/04/06(水) 00:14:18 ID:5zNjUqZn

 その権力を駆使して手に入れたのがこの演習場だ。
兵器を作る工場から、航空部隊も待機できる超大型の軍事基地、世界中の最新設備を詰め込んだ研究所に、演習用に立てられた様々な建築物、
大陸でもこれだけの軍事基地を持っている国家はそう多くあるまい。
ましてや一領地がその全てを管理下に置いていることなど皆無だろうに―――
「第一、演習なんかあんた達だけでやりなさいよ。あたしは仕事で疲れてるんだから――」
「じゃあ、はい」
ミリアの眼前に、どこに持っていたのか山のような書類が置かれる。
「疲れを忘れるぐらい、仕事をすれば解決だね」
「するかっっ!!」
ミリアは書類の束をセリスに投げ付けたが、軽く受け止められる。
「全く、少しは仕事の能率を上げなよ。これから色々書類が増えるんだから」
「って無茶言わないでよ!!」
 さらりと言われたその言葉にミリアは全力で拒否する。
セリスが持ってくる書類は、ミリアにとって今でも充分いっぱいいっぱいなのだ。
これ以上書類が増えることなど想像もしたくない。
504虎の子sage2005/04/06(水) 00:15:50 ID:5zNjUqZn
「何が無茶だよ。僕が雑務を全部こなしているから、ご主人様は書類仕事だけでやっていればいいんじゃないか、何なら仕事を交換してみる?」
「そ、それは、遠慮しておくわ」
 セリスの仕事、主に新兵器の売り込みや外交の交渉や犯罪組織への武器の売買なのである。
明るみに出た日には、一族徒党斬首にされてもおかしくないような交渉も中に含まれているため、その交渉は騙し、欺き、裏切り、騙ると言う素人が参加した日には人間不信に陥ること間違いなしのどす黒い物となるのだ。
ミリアも何度か連れて行かれたことがあったが、隣で聞いているだけで気分が悪くなってくるのだ。
「それがいいよ。ご主人様は交渉できる程理性的じゃないんだから」
「な、何よ。失礼ね!!」
「悪口や蔑称を言われたぐらいで、すぐ怒り出すのは交渉人として致命的だよ。そのせいで、僕がどれだけ無駄に動いたことか」
「う、ぐ―――」
 実際、交渉に重大な交渉にミリアが立ち会わないのは、本人が苦手意識を持っている以上に交渉人であるセリスが、断固として拒否するからである。
権力者にとっては必須な技術と言うことで、初めのうちこそ何度かセリスに連れられ、その特訓のために出向いていた。
しかし、ほぼ毎回問題を起こし、しまいには国際紛争を引き起こしそうになったりして、結局セリスは主の交渉術の育成を断念したのだ。
そして、それまでの損害全てを計算し金額で表示したところ、一国の国家予算に匹敵する程の額となり、それを見た時にはさすがのミリアも自分の才能のなさにかなり落ち込んだ。
505虎の子sage2005/04/06(水) 00:16:26 ID:5zNjUqZn

「だ、だってなんて言うか、聞いてるだけでむかむかしてくるのよ。こっちの事情に付け込んで金額を吹っ掛けてきたり」
「それに目をつぶるのが大人って言うんだよ。損は投資であり、利を産むための母なんだから、後に倍にして取り返せばいいだけじゃないか、損しない者に利は付かず、利が欲しければ損しなければならない。利を持ち続けるには、小さく損をし続けるのが最良なんだ」
まるで出来の悪い生徒を受け持った教師のように嘆息してから、ミリアに見えないように苦笑して小さく呟く。
「―――ま、そう言う所が好きなんだけどね」
「え、なんか言った?」
「いやいや、こっちの話し、それより僕はブラックマーケットの説明会があるからこれでね」
「あ、ちょっと待ちなさいよ!!」
 ミリアの制止を聞かず、セリスは部屋を退出する。
後には山程の書類とミリアだけが残された。
「あいつっ!! いつか絶対ぎゃふんと言わせてやるんだから!!」
 いつもする固い決意だが、未だに成就されていない。
不機嫌そうに尻尾を揺らしながら椅子に乱暴に腰掛ける。
そのまま山と積み上げられた一番上の書類を手に取った。
書類に記載されているのは、セリスが設計した武器の設計図だ。
公的にはミリアが設計したことになっているが、この領地のほとんど全ての武器や兵器の設計はセリスの領分だ。
ミリアはその設計図にサインをするのが仕事である。
(未だに、これが何の設計図だか分からないのよね)
数式と化学式と専門用語が手を繋いでダンスを踊っているのだ。
理数系を親の敵のごとく憎んでいるミリアに理解できるはずがない。
506虎の子sage2005/04/06(水) 00:17:25 ID:5zNjUqZn
今回はここまで、以後過去回想編はまた次回。
507名無しさん@ピンキーsage2005/04/06(水) 09:59:05 ID:5IwciGjX
相変わらずセリスたんつおいよ〜
個人的には S 級に認定したい勢いですがw

虎の子様、GJ です!
そして 450kB 突破
このスレ中の投下は無理っぽい orz
508カモシカ担当sage2005/04/06(水) 23:06:39 ID:mtGX/WD2
>scorpionfish担当様
>草原の潮風担当様
>虎の子様
皆様GJです。
本当に、読みながら参考にさせていただいている部分が多々あります。
それにひきかえこっちは・・・いつになったらうpできるのかってザマでしてorz

さて、第6話でちょっと使うかもしれない部分で、狗国見聞録の設定にある《国際犯罪者》と【魔剣】についてですが。
・これって、情報管轄は犬の国がやってますけど、追討に関しては各国に一任されてるんでしょうか。
それとも、ある程度の武装をしたまま越境が許される超国家的討伐組織が組まれてたりするんでしょうか。
・「情報収集や逃走経路確保などの下部組織員まで含めて150名、年間での依頼承諾数20件前後、成功率8割強、逮捕者数ゼロの超国家的殺人代行団」
だとA〜B級国際犯罪者くらいにはランクされるんでしょうか。ちなみに、標的は地方有力者やある程度の富裕層、および裏社会の住人。
・「風力影響阻止」「空気抵抗阻止」あたりの魔法を施した弾丸1ダースだと、どれくらいのお金がかかるでしょうか。
弾丸だから、いわゆる剣や斧のような大きな【魔剣】に比べて単価自体はぐんと安いんじゃないかなぁ・・・とか甘い期待をしてはいますが。
509虎の子sage2005/04/06(水) 23:47:14 ID:5zNjUqZn
>>「風力影響阻止」「空気抵抗阻止」あたりの魔法を施した弾丸1ダースだと、どれくらいのお金がかかるでしょうか。
弾丸だから、いわゆる剣や斧のような大きな【魔剣】に比べて単価自体はぐんと安いんじゃないかなぁ・・・とか甘い期待をしてはいますが。

ええと、私が答えていいのか分かりませんが多分単価は安くなると思います。
その魔法自体がそれ程高度でなければ、専門の魔法士にわざわざ依頼してお金を払わなくても、普通の弾丸に自分で魔法を掛ければ済みますから。
ましてや何度でも使える一品物の魔剣とは値段を比べるまでもないかと――
ちなみに空気抵抗阻止や、風力影響阻止と言う事はライフルなどの遠距離用銃火器の弾丸ですよね。
弾よりそっちの方が高そうです。
だけどただの拳銃弾じゃ威力が低くて遠距離の相手には届かないから、専用の弾丸になると拳銃弾より割高にはなるかも知れませんね。
ミリアの領地で作られるライフルとかは高級品ですが、軍に卸された後に横領されて市場に出回ったり、模倣された物が出回ったりしていますので、そこら辺の事は特に気にしなくて書いて貰えれば結構です。
応援ありがとうございました。
51063sage2005/04/07(木) 01:02:25 ID:tB4mjDIr
銃器の弾だと"弾頭が火薬の熱で溶けない"って条件が最低ありますね。

この場合、溶けやすい金属や剥れやすい塗料でで弾の表面に魔法(魔方式とか?)
を書いただけだと、着弾時に表面が擦れたり、溶けたりして効力を失う可能性もあります。

現実世界では、鉛がそんな高温に耐えられないので、薬莢や砲身と接触する部分を、
全部溶け難い金属コーティングするって手法を用いてる場合があります。
(連射が効く拳銃の弾は、鉛が溶け出さないように、銅で蓋をする等)

猫の国とか虎の国とか、カモシカの国でもこの技術は普通に使われてると思いますね。
メッキ程度だから、コストもたいしたことないでしょうし。


どう転んでも、弾自体はそこそこ安価に製造できると思います。
51163sage2005/04/07(木) 01:03:41 ID:tB4mjDIr
着弾時じゃなくて、発射時ですね。
512名無しさん@ピンキーsage2005/04/07(木) 02:21:12 ID:4yaK5bzj
魔法をかける手間って、物のサイズや質量に比例するものなんですかね。
対象が小さいからこそ難しい、ってこともあるでしょうし。

無機物に半永久的に属性を付与するような魔法の難易度ってのがいまひとつ判らないのですが、
狗の国の人の魔剣の設定↓見ると、既製品の弾丸にちょっと魔法を、というレベルでどうにかなるものではない模様。
>魔法との親和性が高い金属(鉄とか鉛とかでない奴)を主原料に、【地の精髄】と呼ばれる
>古く強い力を秘めた鉱物(主に宝石や水晶など)を魔法の定着源たる核に用いて造られる
513名無しさん@ピンキーsage2005/04/07(木) 06:47:20 ID:tmxZu82c
国によって魔法理論が違うだろうし、好きにやっていいのでは。
514名無しさん@ピンキーsage2005/04/07(木) 12:29:08 ID:YATHOfSu
>>510
>弾の表面に魔法

犬の国だと 「エンチャント」 だけど、兎の国だと 「バインディング」 のような気がします
前者は 「対称に魔法がかかっている」 んで効力失わないと思いますが、
後者は 「対称に魔法が記述されている」 んで効力失うのでは?

……と、勝手に推測


>カモシカ担当様

確かに魔剣と比べて価格に差が出るとは思いますが、一般の銃弾から見れば確実に 『高価』 ですし、
流通経路などによって、価格が4倍以上にまで膨れ上がるというのも十分考えられます
あまり細かく決めるのも意味ないんじゃないかな〜と ^-^;

あと、兎の国だと、普通は弾丸じゃなくて銃そのものに魔法をかけますね
515名無しさん@ピンキーsage2005/04/07(木) 21:18:06 ID:DnJNlFdi
呼ばれて飛び出て。
>>508
いや、本当は>>513の通りなんですけどね、
でも他設定を借りさせて貰う時にビビリが入るのは、自分でも良く判る書き手の悲しいサガ

というわけでカモシカ氏の三点への答申は、込み入ってるのもあって避難所の方に細々と。
そこに疑問形が多いのは、自分でも他の人が弄くりやすいよう明確に決めてないからだったり。
基本的には出したモン勝ちに従うという下で、私見・一意見程度に参考にして貰えれば。


>>505 >>510 >>514
人的資本は豊富でも、収入不安定でお金がニャイニャーイなイヌの国には夢のような装備ですな。
イヌがあんま魔法が得意でない割にはウサギみたく魔法研究が盛んなのは、
 ・ファイヤーボール → 1晩寝れば充填される精神力使っての遠隔攻撃 → 矢代や銃弾代が浮く
 ・魔法のシールド → 1晩寝れば充填される精(ry → 盾代や鎧代&修理代が浮く
 ・簡単な符 → 基本的に紙と墨さえありゃあ、あとは時間と手間隙と精神力消費でなんぼでも。
 ・エンチャント → Time:時とEffort:手間、Skill:熟練&Technique:技術が大事で 金 要 ら ず !!

……書いてて何か悲しくなってきたな、うん。…みんなビンボが悪いんですよ、ええ。
516scorpionfishsage2005/04/07(木) 21:46:01 ID:SKEoI0GF
伏線が解消されていないので、ぽちぽち続きを書いています。
が、黒鯛っこの名前が思いつきません。
ラ行でなにかよい名前はないでしょうか…。
中性的な響きで。
517scorpionfishsage2005/04/07(木) 21:56:09 ID:SKEoI0GF
>>484
言われるままに書いてみました。
TSってなんでしたっけ。思いつくままに書いております。

>>485
>浅黒い肌キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!! 黒鯛萌えぇ
地黒です。

>>487
>マダム魔女ハァハァ
マダムは……けっこう年増かも(爆)

>>489
カマキャラだけは外せないですが、他は……ほぼ無意識に書いております。妙な嗜好が今後も混じるかもしれません。

>>虎の子様
マニアックですか…。一応、風呂敷は、畳むつもりです。

>>カモシカ担当様
ありがとうございます。

以上、遅くなりましたが、お返事までに。
518虎の子sage2005/04/07(木) 22:41:39 ID:NwDzJBkr
scorpionfish様へ

黒鯛っこの名前はルリでどうでしょうか?
519カモシカ担当sage2005/04/07(木) 22:45:40 ID:4JSd1qyc
>>509-515
皆様ありがとうございます。
そして避難所のほうも見てきました。
皆様のご意見を参考に第6話を書かせていただきます。
再来週くらいまでにはうpできるようにがんばります。

>>516
>ラ行でなにかよい名前はないでしょうか…。
>中性的な響きで。
そうですね……たとえば男性名の「リュシアン」と女性名の「ルシア」をあわせて「ルシアン」とするとか。

ちなみに、リュナって名前はいちおう男性名なんですが、女性名「ルナ」の影響なのか、小説サイトとかみてると、ときどき女性名として使われてることがありますね。
……個人的に過去一番orzだったのは。
男性名「ロイ」からの派生で「ロイス」って名前の男性キャラを作ったんです。
そしたら、そのあとたまたま読んだ海外の推理小説で、ロイスって名前が女性名として使われてました。

清音主体の名前にすればそれっぽいんじゃないでしょうか。
520名無しさん@ピンキーsage2005/04/07(木) 22:59:56 ID:DnJNlFdi
横文字のはいからな名前を考える時は、やはり横文字に頼るのが手抜きの王道
辞書持ってきて適当にいじくるだけで、アラフシギ!

1.鯛から連想する
  Sea bream(シーブルーム)=英語で鯛
  Daurade(ドラード)=仏語で鯛
2.黒から連想する
  Black(ブラック)=Noir(ノワ)=Shwarz(シュバルツ)=黒
  Dark(ダーク)=Obscurite(オブスキュライト)=Dunkel(デュンケル)=闇
  Night(ナイト)=Nuit(ニュイ)=Nacht(ナハト)=夜
  文体上スペル書けんけど露語でチェルノ(黒)やノーチ(夜)もあり。
3.並べ替える、逆さに読む、あるいはこの場合頭に「R」や「L」をつけてみる
4.出来上がり
521名無しさん@ピンキーsage2005/04/07(木) 23:23:58 ID:gyjrIMwA
鳥類擬人化妄想を膨らませようとするとどうしても

巨乳新幹線走法ができるかんじのオネエサンしか出てこないので投げた
522プロローグ1 ◆ozOtJW9BFA sage2005/04/08(金) 03:14:00 ID:hU5qg8rn
今日は珍しく部活が中止。顧問が忌引きのために学校にこれなかったためだ。
米崎(通称ザッキー)なんかは「教師、そして○○部の顧問たるもの、親の死くらいで学校を休むなんぞけしからん!」とかなんとか演説をぶち上げていたが、郡山先生(通称ゴリさん)は長男だ。
葬式の喪主を務めたり、何かと役目があるだろうし、休みをとるのは仕方無いと思う。
 それよりも俺達が恨むべきは、『生徒会会則65条 生徒ハ顧問及ビソノ代理ノ同伴無シニ部活動ヲ行ナッテハナラナイ』との訳の判らない条文と、徒にそれを徹底させる錆び付いた頭の校長だろう。
 今にして思えば虫の知らせだ。なんとなく気分の乗らなかった俺は、いつもなら自分から誘いを掛ける馴染みのラーメン屋への同行を断り、たまっていたビデオの消化でもしようかと寄り道もせずに帰途をたどる。
 家と学校、片道40分。そのうち30分の電車内を夢の中で過ごし、駅前の我が家の扉を開けた途端――世界が壊れた――
523プロローグ2 ◆ozOtJW9BFA sage2005/04/08(金) 03:14:37 ID:hU5qg8rn
「アァ、駄目、跡が付いちゃう」
「いいだろう?ご主人今晩も遅いんだ、ろッ!」
 玄関とリビングを仕切るガラス戸の向こう、TVの前のソファーの上で男が女を後ろから組み敷いていた。
ピタンピタンピタンピタン
 男が一際強く腰を打ち付ける。女の喘ぎ声が響く。俺の頬から血の気が引く。なんだこいつらは。何をしている。
「あぁ、そこ、そこが良いのぉ」
 女が感じ、よがる。眉をひそめる。二人とも俺が帰ってきたことなぞには気付きもせずに行為に耽っている。もう高校生にもなり、こういうコトの経験が全く無かった訳ではないが、ガラス越しに行われていたソレは酷く滑稽で醜く、青い若造は嫌悪感さえ抱いた。
肉体への強い興味と欲求を持ちつつも、あくまでそれは美化され、半ば幻想と混同されたものに過ぎなかった。自分で演じていたときには気付かなかった現実の醜さを受け入れるには、経験が足りなさ過ぎたのだった。
524プロローグ3 ◆ozOtJW9BFA sage2005/04/08(金) 03:15:13 ID:hU5qg8rn
ピタンピタンピタンピタン
「うっ締まるぜ。そんなに気持ちよかったか?」
 男がまた同じように強く腰を打ち付ける。腰を振るリズムがリビング―家族団欒の為のスペース―から毀れる。もう沢山だった。耐えられなかった。何せ組み伏せられ、嬌声を上げているのは少年の――
ピタンピタンピタンピタン
 鞄を玄関に放り、傘立てに差してあったバットを引き抜く。
ピタンピタンピタンピタン
 体当たりをするように、ガラス張りのドアを開け、右手のバットを掲げる。
 二人が俺に気付いた。今度は二人から血の気が引く番だった。
「ウワァァァアア!!」
雄たけびをあげながら男の顔面にバットを振り下ろす。
525プロローグ4 ◆ozOtJW9BFA sage2005/04/08(金) 03:15:45 ID:hU5qg8rn
「ヒィ、や、止め……」
情けなく体を縮こませるの顔を蹴り上げて、仰向けにして、また振り下ろす。
「止めて、止めてぇ、死んじゃう」
女の声を無視して何度も何度も振り下ろす。まるで親の仇のように。いや、まさにこの男は父親の仇なのだ。
「もう止めてぇ」
びくびくと両の腕を痙攣させる男に、母親が泣き喚きながら覆いかぶさる。
 母親。そう母親なのだ。父親以外に抱かれていてはならない、決してこんなことをしていてはならない存在なのだ。
 いってらっしゃいと、今朝自分を見送った母親。入試に合格したとき、涙を流していた母が。
「こんな……こんな……」
 尾崎裕よろしく学校の窓ガラスを割ったことで、学校に呼び出された帰りにMDプレーヤーを買ってくれた母さんが、こんな男とこんな――。認めたくなかった。
526プロローグ5 ◆ozOtJW9BFA sage2005/04/08(金) 03:18:31 ID:hU5qg8rn
「ア、アア……ァァァアアアアア!!!!」
 窓に向かってバットを投げつける。ガラスが割れ、母が小さな身をビクつかせる。
 そのまま奥の扉を開け自分の部屋に駆け込む、携帯の充電器をコードから引っこ抜き、机の上の貯金箱、一番上の引き出しの中のの預金通帳、難しい本の間のヘソクリを本ごと防火防水の避難袋に放り込み、リビングに駆け戻る。
つい半日前までここは世界で一番安らげる愛すべき我家であったが、今では最も過酷に自分を責め立てる。一刻でも早くこの場所から逃げ出さねば狂ってしまいそうだった。
 泣きじゃくる母親を尻目に玄関へと駆け抜け、スニーカーを引っ掛ける。涙で滲むドアノブを掴み、押し開いた瞬間何故か少年は水の中にいた。
527第一話1 ◆ozOtJW9BFA sage2005/04/08(金) 03:21:50 ID:hU5qg8rn
「なっ?」
 目が水で塞がれ、パニックになる。水を飲んだ。息が出来ない。訳がわからない。溺れる。助けて。
 必死で手足をバタ着かせると、手が何か柔らかいモノに触れる。
 ありがたい。助かった。両手でそれを力一杯引っ張る。
「きゃぁぁぁ!!!!」
 何だ?悲鳴?女の声?
「誰かッ、助けてぇ!!」
 今頃になって、ここが腰ほどの深さしかない浅瀬で、溺れるほうが却って難しいと気付き、目を瞬かせると――
 其処はまさに別世界であった。空は東京の倍はあろうかという高さを持つように感じたし、爽やかな風にはなんともいえない爽やかさが満ちている。
 日差しは今の季節にしては大分強く感じたが、水の中にいるので返って気持ちがいいくらいだったし、その水も、水面は太陽の光を反射してキラキラと光り、写真でしか見たことのないほど澄んでいた。
 素晴らしいという言葉は将にいま眼にしているものを形容するに相応しく、そして自分の腕の中には
「お、女の子…外国?」
528第一話2 ◆ozOtJW9BFA sage2005/04/08(金) 03:22:46 ID:hU5qg8rn
 そうなのだ。溺れてなるものかと必死に引き寄せたために、腕の中には裸の美しい少女が身を恐怖に身を竦めていた。
 月並みな表現になるがその美しい白い肌は磁器の様。きつく瞑られているために眼は見て取れないが、長い黄金の髪のはシルクの如き光沢と肌触りを持っていた。
 そしてその髪の中にぴんと立つ耳は綺麗な三角形で、うなじと鎖骨の曲線は造物主最大の功績といってよいほど優美な曲線を描いていた。
(三角形の……耳?)
 少女の艶姿に見蕩れつつ、目前の突然の風景の変貌や、少女の奇妙な姿についての疑問を尋ねようとしたそのとき
「曲者め、動くな! 弓でお前の心臓を狙っているぞ! 姫を放し、ゆっくりと此方を向け。」
 岸からの声に驚き、顔を向けるとそこには何人かの射手が此方に弓を引絞っていた。驚きながらも要求を受け入れ、言われたとおりに従うが、胸中にはいくつもの疑問が渦巻いていた。
(武器? 姫? それに……真顔でネコミミ?)
「早く姫を放せ! 射殺されたいのか!?」
 この声の主は真ん中の女らしい。顔を覆う布の間に覗く眼に焦りと恐怖を映しながら、気丈にも此方を恫喝せんとしている。
(もう手を離したんだけどなぁ)
 そう思いつつ傍らに眼を向けると、成る程。金髪の御姫様は恐怖で一歩も動けないらしい。
 岸辺の女にその事を伝えようと、声を掛けようとしたが、緊張で声が掠れてしまいそうなので無抵抗の意を示すべく諸手を挙げる。
529第一話3 ◆ozOtJW9BFA sage2005/04/08(金) 03:23:20 ID:hU5qg8rn
 向こうは一瞬きょとんとしたが、事情を察したらしい。腰から剣を抜き、一人に矢を向けさせたまま、残りの面子を引き連れて
こちらへ向かってくる。
 手を伸ばせば届くほど近くまでくると、ようやく体が動かせるようになったのか、お姫様は先頭の女に駆け寄り、胸に顔をうずめる。女は安心させるように、刀を持っていない手で背中をぽんぽんと叩きながら、切っ先を此方に向け、
「お前にもついてきてもらう。」
 そう言った。
 いつの間にか背後に回られた二人に両側から引っ立てられつつも、自分がいつの間にか安心していることに気付いた。それはおそらく御姫様につられての事だろう。

530狼を書く者 ◆WINGTr7hLQ sage2005/04/08(金) 14:58:01 ID:wEDunYQO
>>445
今頃ですが、
オオカミは独自の魔法の研究をほとんどしていなかっただけで
きちんと学習や訓練をすれば魔法を使うことは出来ます。
治癒系以外の魔法を学ぶ人はほかの国で魔法を学んだり、
魔法が使える人から学んだりしています。

ただ数を見れば治癒系以外の魔法は学ぶ機会が少なかったり、
興味が無い人が多いので、使う人は少ないです。
(魔剣や道具などで間接的に使うことはよくありますが)
ただ、特殊な武器や防具・道具を作ったりする職人の間では武具に魔法を付加したり、
魔法の炎で特殊な鉱石を溶かしたりするのでよく用いられます。

ちなみに治癒系の魔法の研究は進んでおり、そのため割と多くの人が使え、
切り傷くらいなら楽に治すことが出来ます。
(魔力によって治せる程度には個人差があります)


本編の次回投稿分の完成度はまだ70%位で引越しなどで忙しいのでまだしばらくかかりそうです。
531名無しさん@ピンキーsage2005/04/08(金) 18:03:25 ID:QfCUyBUw
>>522-529 GJ!
日常の崩壊というのはトラウマになっちゃいそうですな
見ているこっちが痛いです

ツヅキ (・∀・) マダー?


ところで 521 さん = 522-529 さん?
532 ◆ozOtJW9BFA sage2005/04/08(金) 19:08:20 ID:c/kBpWD/
 違いますよ。自分はエロを書くのが初…どころかSSを書くこと自体が初なので、レス貰えて嬉しいです。
 ただ、今回は思いついたときに書き溜めてたのを投下しただけなので、更新は暫く後になりそうです。
533名無しさん@ピンキーsage2005/04/09(土) 00:17:35 ID:A24iYY2X
>>532
キテタ━━(゚∀゚≡゚∀゚)━━!!
これからもガンガッテ下さい!!
534名無しさん@ピンキーsage2005/04/09(土) 01:31:21 ID:wA7je+NT
>> ◆ozOtJW9BFAたん
GJ!
主人公のトラウマが物語にどう絡んでくるか期待する俺ガイル。
続きに期待しております。
ところで重箱の隅で申し訳ないけど、525の「尾崎裕」ってもしかして尾崎豊?

ところで、この世界の長さや重さの単位ってどうなってましたっけ?
535名無しさん@ピンキーsage2005/04/09(土) 04:04:55 ID:pD8TfMHr
>>534
特にあれこれ細かく出て来てはないはず
召使いの一人称視点で「〜mくらい」「〜kgくらい」ってのがほとんど
実際それが一番無難か
536 ◆ozOtJW9BFA sage2005/04/10(日) 01:27:19 ID:owLuYvk2
 一寸発言が気になったんで、過去スレ覗いてみたら、ここにおいてあるSSって全て同一世界軸の話だったんですね。orz
 猫耳縛りならOKだと思い、とんだスレ違いすいませんでしたm(_ _)m
続きは「亜人の少年少女の絡み」スレに投下するのが適当だとは思うのですが、向こうは人間×ネコミミも許容範囲なんでしょうか?
537カモシカ担当sage2005/04/10(日) 15:18:10 ID:jrZXImCt
>>536
遅ればせながらGJです。
>猫耳縛りならOKだと思い、
・・・猫耳どころか 猫 の 毛 さ え 出 て な い SS書きがここにいます。
ていうか、今じゃ猫以外を書いてる書き手のほうが多いような……今、ネコで書いてるのって>>63氏くらい?
多分、あしたら氏が遠からずまた書いてくれるんでしょうけど。
>とんだスレ違いすいませんでしたm(_ _)m
いや、ここからならこっちの世界に十分つなげられると思いますよ。
もしあなたがこの世界にいることを望まれるのでしたら(by某女神様)
あしたら氏のネコの国とはちょっと離れた……南方の少し離れた島国で独自の制度を整えたイリオモテヤマネコかシャムネコの小国とかって手もありますし。
もちろん、あしたら氏のネコの国でもここからつなげることは不可能じゃないと思います。



……つーか自分も、早いところネコの毛くらいは出さないとまずいよなぁ……
538名無しさん@ピンキーsage2005/04/10(日) 15:26:45 ID:3RnwxR8Z
世界を使うならネコをださんでも別に良いのでは。
539名無しさん@ピンキーsage2005/04/10(日) 19:09:19 ID:S2NHHVgD
気になったんで調べてみました

 猫の国の (王位継承権をもつ) 姫様は、現時点で 30 人
 今まで出てきた姫様は 「ミルフィ(1位)」「エイディア(5位)」「ミーシェ(?位)」「リナ(?位)」「ユナ(?位)」「マナ(30位)」 の6人

詳しい事はあしたら氏に聞かないとわからないですが、おそらく姫様1人入れるくらいのスペースは余っている
ような気がするので、繋げても問題ないのではと第三者視点からは思っております ^-^;

# 無理に繋げなくても、このスレ的に何の問題も無いとも思っていますが


自分は……次回はオオカミの毛くらいは出しておいた方がいいかもしれないな……
540名無しさん@ピンキーsage2005/04/10(日) 20:34:21 ID:d8PuleNU
ところでそろそろ次スレを考えておいたほうが良いのでは…
今470KB。
541名無しさん@ピンキー2005/04/11(月) 16:26:04 ID:V7TNYxZN
作品参加したいのですがどうすればいいのかわかりません。
何か条件などはあるんですか?
542名無しさん@ピンキーsage2005/04/11(月) 16:49:55 ID:EOJKWYta
>>541
ん〜と、『基本は人間と (身分の高い) 獣人との間の話』 ってことを憶えておいて、
んで、「とりあえず今のところ殆どの作品は同一大陸上のお話」 ってことを頭のどこかに留めておけば OK
(別な舞台の作品を作る場合、予め断っておいて貰えると混乱が少ないかもです)

あと必要なのは召使いへの愛w
543次スレ用テンプレ(1/3)sage2005/04/11(月) 20:03:30 ID:tMwvW1q7

ここは人間の住む世界とはちょっと違う、ケモノ達の住む世界。
周りを見渡せば、そこらじゅうに猫耳・犬耳・狐耳・etc。
一方人間はというと、時々人間界から迷い込んで(落ちて)来る程度で数も少なく、
希少価値も高い事から、貴族の召使いとして重宝がられる事が多かったり少なかったり。

けど、微妙にヒエラルキーの下の方にいるヒトの中にも、例えば猫耳のお姫様に拾われて
『元の世界に帰る方法は知らないにゃ。知っていても絶対帰さないにゃあ……』
なんて言われて押し倒され、エロエロどろどろ、けっこうラブラブ、
時折ハートフルな毎日を過ごすことを強要される者もいるわけで……。

このスレッドは、こんな感じのヒト召使いと、こんな感じのケモノ耳のご主人様との、
あんな毎日やそんな毎日を描いたオリジナルSSを投下するスレです。


このスレッドを御覧のヒト召使い予備軍の皆様、このスレッドはこちらの世界との境界が
薄くなっている場所に立てられていますので、閲覧の際には十二分なご注意を。
ご主人様達の明日の御相手は、もしかすると貴方達なのかもしれませんよ?
544次スレ用テンプレ(2/3)sage2005/04/11(月) 20:04:19 ID:tMwvW1q7
【過去スレ】
猫耳少女と召使いの物語 (03/02/21 〜 03/12/25)
 ttp://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1045/10458/1045800367.html
猫耳少女と召使いの物語2 (03/12/17 〜 04/08/14)
 ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1071622872 (Html化待ち)
猫耳少女と召使いの物語3 (04/08/16 〜 05/03/07)
 ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1092588111
猫耳少女と召使いの物語4 (05/02/21 〜 )
 ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1108911697/

【SS保管庫・避難所】
エロパロ板SS保管庫 (当スレSSは『オリジナル・シチュエーションの部屋その3』に)
 ttp://sslibrary.gozaru.jp/
猫耳少女と召使いの物語 緊急避難所 (JbbsLivedoor エロパロ板SS投下専用掲示板 内)
 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/2051/1090513959

【関連サイト】
猫耳少女と召使いの物語 まとめwiki (各作の人物紹介・世界観設定その他)
 ttp://nekopri.on.pc1.jp/index.html
猫耳少女と召使いの物語 半公式ファンサイト (世界観まとめサイト)
 ttp://www.geocities.co.jp/Milano-Killer/9811/world.html
545次スレ用テンプレ(3/3)sage2005/04/11(月) 20:05:33 ID:tMwvW1q7
【今までに登場した作品一覧:登場順】

NO: 作品タイトル <作者様名(敬称略) 初出 経過>

01: こっちをむいてよ!! ご主人様 <こちむい 1st-29 全10+1話完結>
02: IBYD <180 2nd-189 停滞中>
03: 華蝶楓月 <狐耳の者 2nd-217 停滞中>
04: こちむいU あしたあえたら <あしたら(=こちむい) 2nd-465 連載中>
05: 火蓮と悠希 <(´・ω・`)へたれ猫 2nd-492 停滞中>
06: 十六夜賛歌 <兎の人 2nd-504 連載中>
07: ソラとケン <◆rzHf2cUsLc 2nd-645 停滞中>
08: ご主人様とぼく <65 2nd-738 停滞中>
09: 狼耳モノ@辺境(仮題) <狼耳モノ@辺境(仮題) 3rd-79 全1話完結?>
10: Silver Tail Story(仮題) <狼を書く者 ◆WINGTr7hLQ 3rd-103 連載中>
11: 放浪女王と銀輪の従者 <蛇担当 3rd-262 連載中>
12: 黄金の風 <一等星 3rd-348 停滞中>
13: 最高で最低の奴隷 <虎の子 3rd-476 連載中>
14: From A to B... <エビの人……もとい兎の人 3rd-543 全1話完結?>
15: 魚(・ω・)ヒト <魚(・ω・)ヒト 3rd-739 連載中>
16: 狗国見聞録 <692 3rd-754 連載中>
17: 草原の潮風 <63 4th-63 連載中>
18: 岩と森の国の物語 <カモシカの人 4th-82 連載中>
19: scorpionfish <scorpionfish 4th-125>
546名無しさん@ピンキーsage2005/04/11(月) 20:06:39 ID:tMwvW1q7
・「薄御伽草子」と「鏡明 共鳴」は導入部2〜3レスで止まっちゃってるんで除きました
・◆ozOtJW9BFA氏のに関しては入れるか入れないか迷ったけど、「続きは向こうに」と本人が言ってることもあって、とりあえずこの場では本人の意思を尊重という形にしました。
・「IBYD」「華蝶楓月」「火蓮と悠希」「ソラとケン」「狼耳モノ@辺境(仮題)」「黄金の風」に関しては、半年以上音沙汰なしってことでとりあえず停止中か完結かにしておきました。
・これらに関してはIBYDを部分的に引きついだ狗国見聞録みたいなのもありというか、むしろ続き書いてくれる人積極的に希望だと思います
547名無しさん@ピンキーsage2005/04/11(月) 20:06:49 ID:EOJKWYta
>>545
3枚目の作品一覧は削除の方向性で
wiki もあることですし、テンプレで追尾せずにそっちに任せてしまいましょう
548名無しさん@ピンキーsage2005/04/11(月) 22:01:40 ID:q2SZfIWu
>>536
今までのを読んだだけで判断するに、このスレでも問題ない気が。
もし、既に世界設定を作っていて、このスレの共通世界と明らかに矛盾してるなら別ですが、
既に出来上がってる"猫の国”とは違う、別の"猫の国”としても良いでしょうし。
549名無しさん@ピンキーsage2005/04/12(火) 22:49:12 ID:tmpKUUtl
>>545
これ見ただけでも壮観ですな。
最初は一人の職人さんがガンガッテおられたのに気づけばこんな・・・
皆様これからも期待してまつよ!
550名無しさん@ピンキーsage2005/04/13(水) 20:48:51 ID:7XPK1svd
僭越ながら私めが次スレを。

猫耳少女と召使いの物語5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1113392192/l50
551名無しさん@ピンキーsage2005/04/13(水) 23:58:09 ID:tdv1CCyb
>>550
乙カレー

……さて、どう埋め立てますか
552名無しさん@ピンキーsage2005/04/14(木) 12:39:16 ID:B8CF5N1r
大陸を旅する話を考えている人がいるかどうか聞いてみたい。
553名無しさん@ピンキーsage2005/04/14(木) 20:42:32 ID:hiZnazLi

          ∧___∧    次スレでへたれ猫氏の作品の続編が見れますように。
          ( ´∀`)
         _(    つ ミ______
      |\\\\\\\\D\\\
      |  \\\\\\\\\\\\
      |   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
           |   猫  耳  神  社    |
554名無しさん@ピンキーsage2005/04/14(木) 21:10:04 ID:LT8WW9um
このスレに手紙が届きました・・・・・・。

       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
       |                    |
       |                    |
       /    ̄ ̄ ̄ ̄      /_____
       /              /ヽ__//
     /   ゼキさん       /  /   /
     /  もうこないの?   /  /   /
    /   ____     /  /   /
   /             /  /   /
 /             /    /   /
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/   /   /
555名無しさん@ピンキーsage2005/04/14(木) 22:43:23 ID:WL+VbNDb
>>554
プロローグ完成。
リメイク一話、二話プロット作成中。
メインストーリーライン決定済み。
エロ、勉強中。
一話投下、17日まで待ってね?
556名無しさん@ピンキーsage2005/04/15(金) 06:56:08 ID:eISvn8DK
お、おお、マジですかっ!?
ウルトラ期待態勢でお待ちしております!!
557名無しさん@ピンキーsage2005/04/16(土) 16:05:28 ID:4aHXKOXE
そういえば、こちむいの人も最近見かけないけどどうしたんだろう。
元気なら良いんだけれど。



ところで。スレ3の終わりのほうでも話題になってたけれど、
鳥って話題になる割に書いてる人って少ないんだよね。

「現在、鳥娘+牛娘の話を執筆中」なんていう人もいたはずなのに音沙汰ないし、
難所の方でも放置中って言ってる人いるし。
何か書きにくい要素でもあるのかな。
558名無しさん@ピンキーsage2005/04/16(土) 17:55:23 ID:jI208lmP
このスレの傾向として「思いついた設定でさらっと書く」ってのが難しいんだよね。
2次創作とちがって、提示しなきゃいけない情報が多いから。
鳥だから書けないっていうんじゃなくて、そう言う事何じゃないかな。
559名無しさん@ピンキーsage2005/04/16(土) 18:00:13 ID:U9rDv3UX
むう…… TRPG やったことある人ならば、シェアードワールドの雰囲気がわかると思うんだけど……

オリジナルじゃなくて、オリジナルとパロディの中間だと考えれば良いと思ってます
他の人の設定を使ってもいいし、自分で独自の設定を上書きしても良いし……
560名無しさん@ピンキーsage2005/04/16(土) 18:13:02 ID:duCUnibM
オリジナル系のスレは2次創作系のスレと違って原作に頼るってことができないからね。
二次創作系だとキャラの性格や口調や世界観や独特の概念は、改めて説明しなくてもスレに来る人は原作読んでるの前提で進められ、エロのみの話とかも書けるんだけど、オリジナルはそれをほぼ1から全部やらないとだめなのが大変だと思う。
同時に1から作れるそれが楽しいという人ももちろんいるわけだけど。
キャラの性格や身体的特徴、その種族の特徴や国の特色とかをくどくなく違和感なく説明するってのがこれまた大変で、だからどうしてもエロも少ないのにぼってりと説明臭くなってしまって、それで挫折する人が多いのかもしれない。
561名無しさん@ピンキーsage2005/04/16(土) 23:53:27 ID:xDtDXtPG
鳥男なら……(萌えとは程遠い……)
562名無しさん@ピンキーsage2005/04/17(日) 18:20:20 ID:7EERI+El
うむ、いっそのこと複数の作家さんによる鳥の話を一斉に出して比較してみるというのはどうだろうか?
そしてこれを鳥人間コンテストと名付けるというのは・・・・・・



ごめんなさい。「鳥人間コンテスト」と言う言葉を使いたかっただけです。
563名無しさん@ピンキーsage2005/04/17(日) 18:39:25 ID:LmIAHeMW
 ただでさえ熱く、水音さえ立てそうな膣奥に、たっぷりと新たな潤滑液が流れ込んだ。
 一瞬、背が冷えるが――
 女性は、すぐに首を振った。
 ――。というか、表情読まれている? と顔を浮かべると
 頷かれた。
 此方は意図が読めなくて混乱していると言うのに。と更に思うと
 ごめんね。と言わんばかりにゼキさんは小首を『か・わ・い・ら・し・く』
 小首を傾げた!
 ちなみに、目の前の女性の外見年齢は24、5くらいなのだがぁっ……っわ――
 
 ――更に締め付けが強くなった。
 
 肉が、絞れる振動さえ感じた。
 正直、ムリにしか思えないのだが、溢れんばかりの精液と愛液でもって、十分に動く事が出来た。
 一度、深く、腰を上下させられるだけで、擦り傷の上を擦られるのにも等しい、
 ぎりぎりの刺激がペニスあって、それだけで再び達しそうになる。顔を思わず、耐える様に顰めた。
 動きが止まる。
 一瞬、覚悟していたこちらの顔は、きょとんとしていたものへと代わったのだろう。
 みて、いたずらげに女性のが笑う。
 こちらは、意図がないぶん、本当にかわいらしく思える。
564狼モノ@辺境sage2005/04/17(日) 18:40:18 ID:LmIAHeMW
ってうわこっちに誤爆しました……
すいません……。
565名無しさん@ピンキーsage2005/04/17(日) 19:02:23 ID:7EERI+El
(現スレ見て)おっぱあああああっ!!ゼキさんリニューアルバージョンになってるー?

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

これはこれでっ!!

後半待ってますっ!!
566名無しさん@ピンキーsage2005/04/23(土) 03:06:59 ID:ggFGGS8A
最近現行スレがageられてますね……。投下する勇気がない。
567名無しさん@ピンキーsage2005/04/23(土) 17:25:00 ID:zUtLgx9O
>>566
こっちをageてカモフラージュするという手もあるけど、ああいうのは粘着アンチの可能性もあるからなぁ・・・黙ってスルーして投下するしかないでしょうね。

てなわけで、今ちょっとだけ執筆中。
568名無しさん@ピンキーsage2005/04/23(土) 17:30:28 ID:Vn7TXTQh
>>567
流石に粘着アンチじゃないだろう……とは思ってます
今までにも作者さんたちの降臨を望んで上げた方もいらっしゃることですし

> 719 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 03/12/16 21:42 ID:Kz9VpL+S
> とにかく漏れらイチ読者は荒らさずageず 
> 神が快くSS投下できる環境を整えるしかないですな 

というわけで、今ちょっとずつ執筆中
569名無しさん@ピンキーsage2005/04/23(土) 17:54:34 ID:ggFGGS8A
水曜に続きを投下しようと思っていたのですが。
まあ様子見ですね。

というわけでちょっとずつ執筆中。
570名無しさん@ピンキーsage2005/04/25(月) 21:53:55 ID:vKNggEU3
こっちは埋めようぜ、と
571名無しさん@ピンキー2005/04/26(火) 10:49:59 ID:flZPbbjP
あげてみる
572名無しさん@ピンキーsage2005/04/26(火) 19:03:21 ID:nCiT/9PI
現スレの十字グラフ、こっちでやって埋めない?
573名無しさん@ピンキーsage2005/04/26(火) 19:07:40 ID:dw8iifjN
んじゃとりあえず言うことだけ言ってみる


マナ様とかセラ様とか、天然の面と常識の面が混在していそうな予感
もうちょっと十時配置を考えた方がいいのかも
574名無しさん@ピンキーsage2005/04/26(火) 20:26:46 ID:Ejmbzy4n
じゃあこれでどうよ?

                         堅物

                            │
                            │
                            │
                            │
                            │
                            │
                            │
                            │
                            │
                            │
温和  ──────────────┼──────────────  勝気
                            │
                            │
                            │
                            │
                            │
                            │
                            │
                            │
                            │
                            │

                         柔軟
575名無しさん@ピンキーsage2005/04/26(火) 20:27:55 ID:Ejmbzy4n

勝気…強気とも言い換え可能。召使いにも普段は強く出る。イケイケゴーゴー型含む。
温和…弱気とも言い換え可能。召使いにも普段から気を配る。オドオドビクビク型含む。
堅物…頭が堅かったり、心が不器用だったり。作法とかしきたりとか常識とかも気にしちゃう。
柔軟…良く言えば柔軟な思考ができて頭が柔らかい。悪く言えば頭のネジ1,2本飛んでる。

勝気−堅物型 将軍・騎士タイプ、ツンツンお嬢様。
勝気−柔軟型 元気ッ子タイプ、破天荒タイプ
温和−堅物型 一般人的常識家タイプ、おしとやかなお嬢様。
温和−柔軟型 天然ボケ娘、またはおっとりだけど破天荒

通常とベットの上とで性格が180度変わるご主人様に関しては、通常時を基準で。
576名無しさん@ピンキーsage2005/04/26(火) 20:35:26 ID:dw8iifjN
お、良いかも
とりあえず 『温和5:柔軟3』 くらいでセラ様エントリー
577名無しさん@ピンキーsage2005/04/26(火) 20:44:49 ID:nCiT/9PI
おお、これは素敵なグラフテンプレですね。
『勝気7:堅物1』でサーラ様エントリー。
578名無しさん@ピンキーsage2005/04/28(木) 01:53:06 ID:oEQN6pqn
では『勝気3・堅物5』でアンシェルを。
579名無しさん@ピンキーsage2005/05/03(火) 04:07:02 ID:ZBjlCQTl
保守
580名無しさん@ピンキーsage2005/05/03(火) 17:11:22 ID:DHGjP5qz
保守とゆーよりも、今は埋めが必要なのですが。
581名無しさん@ピンキーsage2005/05/03(火) 18:15:54 ID:B11uM4kZ
う、うむ。ちょっと次スレ早すぎたんかもな……
582名無しさん@ピンキーsage2005/05/03(火) 18:18:23 ID:DHGjP5qz
書き上げた奴をここにだけ落したら嫌がらせじゃろか?
まあ、きっとみんなわかってくれるんじゃよー。
583名無しさん@ピンキーsage2005/05/03(火) 19:09:38 ID:Rwg3z2pQ
向こうで一言言っとけばいいっぺがな。
584名無しさん@ピンキーsage2005/05/04(水) 13:28:06 ID:il6UWQsd
書き込み無しで一週間放置すれば落ちるけどね
585名無しさん@ピンキーsage2005/05/04(水) 19:57:36 ID:gGW/o1jM
前スレなのでコテを隠してチラシの裏に日記。

6月までと予告したSS・・・・・・いや、小説がやっと脱稿。
これから一週間ほど寝かせてから校正して投下しようと思う。
いや、しかし今回は難産だった。新キャラを出したが良いが、
それを絡めた会話のシーンが思ったより回らない。
正直扱いに困るかもしれない。しかし、これからいないと困るキャラだしなあ・・・・・・。
まあ、修行だと思ってあきらめよう。

さて、これからの展開はどうしよう。とりあえず考えてるのは
1.何故か一つしかない月の話(Hシーン無いかも、話は大きめ)
2.砂海の話(触手!触手!)
3.図書館の話(眼鏡ッ娘おなぬー)
4.何もかも忘れてシロクマの国の単発のお話(無口・天然・高身長)
5.更に何もかも忘れてこちむい世界をTRPG化

・・・・・・4と5はありえんな。人として。てゆうか、5。誰がテストプレイするねん。
とりあえず、明日は筍の下ゆでとサークルの宣伝に費やされてしまった
GWの最終日をどこか静かな所で楽しもう。

以上チラシの裏。

埋めがてらにちょっと書き殴って見たさー。
586名無しさん@ピンキーsage隠してもばればれでんな^-^;2005/05/04(水) 20:04:43 ID:VVaLgtkT
>>585
作者さんたちの兼ね合いあるから、TRPG 化は凄く難しいんじゃないかと思う
テンプレート無しの状態で、好き勝手書きたいって作者さんも居るんじゃないかな?

まあ、本当にやるんだったらテストプレイ立候補してみるよ ノシ
587名無しさん@ピンキーsage2005/05/04(水) 20:26:06 ID:PdYvaAMJ
>>585
3!3!

テストプレイはダイス付きチャットで出来るかと
なんならマスター立候補しまっせ
経験浅いですがw
588名無しさん@ピンキーsage ま、ね。Wiki見てれば一発だし2005/05/04(水) 20:51:20 ID:gGW/o1jM
>>586-587
いやまあ、国同士の設定の兼ね合いとかあるから
あんま詳しいデータとかはなくて、
むしろ某メイドRPGぐらいに柔軟性に富んだ物を考えているつもり。
トランプを使用することにより単純な競争に駆け引きの要素を加えて
・・・・・・って、こんなこと考えてるから本編進まないんだよ。   orz
589名無しさん@ピンキーsage2005/05/04(水) 21:08:47 ID:V6oDPawK
しまいにゃ商業化!
いやてきとーにモノ言ってるけど。
でも、イメージはもう出来てるんだ?
対したもんだなわえ。
590名無しさん@ピンキーsage2005/05/04(水) 21:11:57 ID:VVaLgtkT
商業化は嫌やー
591名無しさん@ピンキーsage2005/05/04(水) 21:24:49 ID:VVaLgtkT
……うん。ちょっと考えたけど、やっぱり商業化は嫌だ。
またーりと気の向くままに書いてたいです。俺は。
592名無しさん@ピンキーsage つーわけでまたーりとセラ様をお待ちしてます2005/05/04(水) 21:53:57 ID:gGW/o1jM
>>589
未完成のアイディアだけですが、判定法とキャラクターのおおざっぱな表記法は出来てたり。
それだけで良ければ落としますぜ。

>>591
ですな。全面的に同意。
いや、変な火種つけた俺が言うのも何だけど。
593名無しさん@ピンキーsage2005/05/04(水) 21:59:35 ID:bykILZvu
>>585
つ【ガープス】
594名無しさん@ピンキーsage2005/05/04(水) 22:00:24 ID:bykILZvu
>>592
ごめん、更新せずに書いてた。>>593は無視して。
595名無しさん@ピンキーsage2005/05/04(水) 23:30:04 ID:F4k+dWnv
おぉ!ついに熊ものが!と思ったら4もダメッすか…
そうならば1を推してみよ
596名無しさん@ピンキーsageやっぱバレタか^-^; もう暫くお待ちください2005/05/05(木) 18:29:01 ID:oJ8i+4k3
い、いや、俺はあえて 4 を推してみる! (本編の続きも見たいが……って我が侭ですな)
597585sage2005/05/05(木) 19:57:46 ID:OKOkpIYr
なんで4番人気なんだw

あ、例の未完成のアイディアです。
tp://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/database/471.txt
商売と犯罪とテロ以外の目的にでしたら好きに使い倒して下さい。
598名無しさん@ピンキーsage2005/05/05(木) 20:06:41 ID:oJ8i+4k3
いいな、これっ!(くわっ)
599名無しさん@ピンキーsage2005/05/05(木) 21:17:36 ID:9A08NEcc
フォォォォォォォ!!
興奮してしまったではないかね!?
600名無しさん@ピンキーsage2005/05/06(金) 07:27:22 ID:p7M+WkCu
何で興奮してんだw

2キボンヌ
601名無しさん@ピンキーsage2005/05/08(日) 00:30:22 ID:1wwjRN9a
次の話に熊人出てくる…カブッタヨorz
602名無しさん@ピンキーsage2005/05/08(日) 04:49:35 ID:aQdrRjs3
熊とシロクマが同じだと誰が決めた?
603名無しさん@ピンキーsage2005/05/08(日) 20:37:34 ID:eedeRZ6D
普通のクマは小型サイズのもいる。
シロクマは地上最大の肉食獣……だったかな。
604名無しさん@ピンキーsage2005/05/08(日) 20:44:09 ID:d1DojE7S
しかし、範馬勇次郎におやつ代わりに倒されている姿を見る限り、そうは思えない。(比較対象を間違えてます)

ところでエロパロ板保管庫のアップローダーが落ちているんですけども、適当なローダーありませんかね?
それとも明日まで待ったほうが良いですかね?
605名無しさん@ピンキーsageまってましたー2005/05/08(日) 21:07:15 ID:K+Bm5mnK
つ [ wiki の添付ファイル ]
606名無しさん@ピンキーsage2005/05/08(日) 21:41:33 ID:K+Bm5mnK
ごめんなさい。wiki の添付ファイルだとバナー入るんでした orz
607名無しさん@ピンキーsage2005/05/08(日) 21:43:18 ID:d1DojE7S
>>605
ええと、TXTファイルで添付してみたんだけども、改行されずに表示されてしまいます・・・・・・。

タブでどうにかなりますかね?それともいちいち文末に<BR>をつける?
608名無しさん@ピンキーsage2005/05/08(日) 21:46:26 ID:d1DojE7S
>>606
って、更新せずにレスつけてました。

・・・・・・何にしろ、あの状態だとWikiのPCに負担がかかりすぎますね。
別のロダを探します。
609名無しさん@ピンキー神待ちの人、無駄足を踏ませてしまって申し訳なく。投稿は控えます2005/05/09(月) 01:16:59 ID:dk+GxYKB
同じ要素でも、精霊と魔法の使役って微妙に異なるんでしょうか。
610名無しさん@ピンキー神待ちの人、無駄足を踏ませてしまって申し訳なく。投稿は控えます2005/05/09(月) 01:17:50 ID:dk+GxYKB
同じ要素でも、精霊と魔法の使役って微妙に異なるんでしょうか。
611名無しさん@ピンキー神待ちの人、無駄足を踏ませてしまって申し訳なく2005/05/09(月) 01:19:26 ID:dk+GxYKB
同じ要素でも、精霊と魔法の使役って微妙に異なるんでしょうか。
612名無しさん@ピンキーsage神待ちの人、無駄足を踏ませてしまって申し訳なく…2005/05/09(月) 01:20:31 ID:dk+GxYKB
同じ要素でも、精霊と魔法の使役って微妙に異なるんでしょうか。
613名無しさん@ピンキーsage2005/05/09(月) 01:21:22 ID:dk+GxYKB
うお、連続投稿……(死)
614名無しさん@ピンキーsage2005/05/09(月) 13:55:09 ID:Zz2Ls/YV
そろそろ絵師が欲しいなとか寝言抜かしてみる
615名無しさん@ピンキーsage2005/05/09(月) 22:33:38 ID:exKt8CMh
>>614
欲しいな、本気で・・・寝言多すぎるな俺ら・・・。
616『あしたら』sage2005/05/10(火) 01:00:00 ID:dTL0KCW+
 次スレ >>255様・・・
 
 状況は下書き90%ぐらい。
 木曜ぐらいに『これまでのあらすじ』がレスされて、うp予告をすると思われ。
 あなたの期待が『あしたら』を完成させます・・・きっとね・・・。

 ちょっと忙しくてごめんなさい。一日40時間以上ある木星に引っ越したいぐらいです。
 今回、登場人物が幼いので、得意の『ドロドロ、ネトネト』な展開に持っていけず苦戦中です。
 この頃は読むほうも忙しいぐらいの良スレでびっくりしてます。

 ムカシハジブンデageチャッタリスルグライサミシカッタノニ・・・
 

 
617名無しさん@ピンキーsage2005/05/10(火) 02:20:17 ID:0GQxaK9Z
あしたらさま

こっそりお待ち申し上げております。
618名無しさん@ピンキーsage2005/05/10(火) 08:56:34 ID:Ve7cabW7
おー、ひさびさに「あしたら」が読めるとは、楽しみに待たせていただきます。

>  ちょっと忙しくてごめんなさい。一日40時間以上ある木星に引っ越したいぐらいです。

引越し先の条件はしっかり確認した方が(w
木星の一日は太陽系の惑星の中でもっとも短い、9時間56分ではないかと(w
619名無しさん@ピンキーsage2005/05/10(火) 17:52:15 ID:CBqdqxZ1
今週一週間は、一足遅いゴールデンウィークですね
あしたら様、楽しみに待ってます

ちなみに、太陽系の中で一日が一番長い惑星は自転周期 243 日の金星だったりします ^-^;
620名無しさん@ピンキーsage2005/05/10(火) 19:09:54 ID:f0VydFfE
>>あしたら氏。
このスレは貴方が土台の基礎を作ったんですぜ。
621名無しさん@ピンキーsage2005/05/10(火) 20:49:51 ID:mCRl21IU
とりあえず入り用になりそうなので、大量入荷しておきますね。

やっとキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
キタY⌒Y⌒(゚∀゚)⌒Y⌒(。A。)⌒Y⌒(゚∀゚)⌒Y⌒Y !!!
キタ━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━!!!!
キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!
キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!
キタ━ヾ(   )ノ゛ヾ( ゚д)ノ゛ヾ(゚д゚)ノ゛ヾ(д゚ )ノ゛ヾ(  )ノ゛━━!!
キタワァ*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*!!!!!
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
キタ─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─ !!
キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!
キタ━━━━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━━━━!!!!
キタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━!!!!
キタ━━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)゚Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━━!!!!
キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)ノД`)・゚・。━━━!!!
キタ━(;´Д`) ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)´,_ゝ`)・A・)・_ゝ・)━!!!
キ…(-_-)キ(_- )キ!(-  )キッ!(   )キタ(.  ゚)キタ!( ゚∀)キタ!!( ゚∀゚ )キタ━━━!!!
キタァ(゚∀゚)ァァ( ゚∀)アァ( ゚)ァア( )ァァ(` )アア(Д` )ァア(*´Д`)アァン

http://that3.2ch.net/test/read.cgi/gline/1071095932/
622名無しさん@ピンキーsage2005/05/10(火) 20:58:55 ID:mCRl21IU
と、言うわけで。
ワーイあしたらさん来るぜー!
やっとよめるぜー!
ロリロリマナ様萌え萌えだぜー!
そして、あしたらさんとまで投下被ったぜー(笑い泣き

>>609-612
手段が違うだけで、結果は魔法です。
精霊ってのは「一つの何かに対して、術者が思った通りの影響を及ぼす」ためのコンピューターみたいなもんです。
当然、マシンパワーやユーザーのスキルや使用目的で別物に変わります。

結論:もし使いたいならやりたいようにやって良し。「我が部族秘伝の〜〜」とか言っておけば矛盾はない。
623名無しさん@ピンキーsage2005/05/12(木) 00:30:43 ID:91sPyygR
そういうことで。>どういうことだ。
本スレのほうでタイミング逃しちゃった感想とかこっちに。

>蛇の人
やっぱりサーラ様GJ!
1年経っても新しいメンバーが増えてもやっぱり相変わらずのようで嬉しいやら。
そういえば、顔の傷の話とかもそのうちにあるんでしょうか。
あとは、彼も精霊を使えるってことは魔力持ってるってことなんですか?
624『明日あえたら』これまでのあらすじsage2005/05/12(木) 01:37:44 ID:SAVFf14o
 いろいろあって異次元に飛ばされた『ぼく』。
 気がつけばそこはおなじみのシュバルツカッツェ城。ただし10年前。
(マナもリナも『ぼく』よりホンのちょっと年下に見える・・・。なぜかユナは
同じ容姿。)マナは当然『ぼく』の事を知らずけんもほろろの対応をされ、
途方にくれる『ぼく』。ところがその夜、嫌われていたマナに叩き起こされる・・・。
リナが急病だと言うのだ・・・
 リナは虫垂炎、盲腸だった。年末のシュバルツカッツェ城は外から門を閉じられ
誰もおらず、またリナの虫垂炎も最早、穿孔寸前の状態・・・。
 あるのはマナが衝動買いした外科手術セットのみ・・・。麻酔無しの手術・・・。
しかし最悪の状態ながらも手術はなんとか成功する。

 手術も終り、安堵のあまり初めて号泣してしまうマナ。
 それが落ち着けば、いままで誤解をして辛く当っていた自称召使いの『ぼく』に
素直にお礼を言う事ができない。不器用なマナは無理矢理な理由で言葉での
感謝の代わりに召使いにその小さくも熱い体をぶつけるのであった・・・

 ・・・とは言え、何も考えずに突っ走る気のある世間知らずのネコ姫と、
『マナ様、激ラブ』であり、10年後のマナ自らが自分専用にチューンアップ
してしまった召使いの行動は余りにも噛みあわない・・・。マナの想像する
ベッドシーンとは裏腹に、暴走に暴走を重ねる召使い・・・ロリロリなマナ、危うし・・・

 果たして二人は上手く夜を越えられるのか、はたまた気まずい朝がまっているのか!
 今回は召使いの『ぼく』が理性と欲望の波間で漂う、疾風怒涛の回である・・・
625『あしたら3』sage2005/05/12(木) 01:52:03 ID:SAVFf14o
 >>618-619 
 ハズカシーッ!惑星が大きけりゃ自転が遅いって考えは頭悪すぎですな。
 ありがとうございました。現実世界で恥をかかずにすみそうです・・・

 と、いう訳で『あしたら3』のうpは14日の24:00ぐらいに・・・と、言ってみるテスト。
 ・・・性格チャート、エントリーしようと思ったけど、もう眠いです…

 それでは。でもよりによって木星、一日が一番短いなんて・・・
 木星の重力の底で吊ってきます・・・とほほ

626名無しさん@ピンキーsage2005/05/12(木) 21:05:45 ID:qvaYYDUB
>>625
吊らないでーっ!!『あしたら3』をうpするまではーっ!!(したらいいのか)
627名無しさん@ピンキーsage2005/05/12(木) 21:07:26 ID:5KLdi6YJ
こ、これを使ってー!
つX1
628名無しさん@ピンキーsage2005/05/12(木) 21:11:42 ID:gadZ/dlb
「気まずい朝」
・・・想像してプチワロス
楽しみに待ってますよー!
629名無しさん@ピンキーsage2005/05/14(土) 21:02:56 ID:WE0/KSI3
チラシの裏
壁|ω・`)コソーリ

壁|ω・`)<現在自分の作品の絵を友人に描かせていたり。

壁|ω・`)<萌えとはかけ離れている絵になりそうですけど…

壁|ω・`)<作品名は明かしません…いつ描きあがるか分かりませんしね。以上チラシの裏でした

壁|≡サッ
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