「失われし自我をもとめて」(旧訳)絶版_目次・まえがき

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ロロ・メイ著作集1 「失われし自我をもとめて」(1953)原著1953年、_訳:小野泰博 誠信書房(1970)\絶版  「*」印は引用者による注。(1980年改題・改訳版「失われし自己を求めて」(誠信書房)も絶版)

 
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Post時間:2011-10-29 14:13:22
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                        目次

                      まえがき(ロロ・メイ)(本トピック

 第一部   現代の精神的状況


               第一章 現代人の孤独と不安  

                      うつろな人間       (#2-
                      孤独            (#7-
                      不安と自己への脅威  (#12-
                      不安とは何か      (#14-

               第二章 現代の病根      

                      現代社会における中心的価値の喪失 (1
                      自我感の喪失               (#7-
                      コミュニケーション用語の喪失      (#11-
                      自然への共感の喪失           (#13-
                      悲劇に対する感受性の喪失       (#16

 第二部   主体的自我の回復

               第三章 人間形成       

                      自己意識-人間の独自性  (#2-last)    
                      自己蔑視-自己評価の代用-  (1-               
                      自我意識は内向ではない   (#4-
                      自己の身体経験と感情体験  (#6-

               第四章 存在への闘い     

                      心理的なへその緒の切断  (#2-
                      母親に対する闘い       (#4-
                      依存症への反抗       (#8
                      自己意識の諸段階      (#9-


 第三部 人格統合の目標

               第五章 自由と内なる生命力

             
                      自由否定の代償としての憎しみと恨み (1-
                      自由にあらざるもの (#3-
                      自由とは何か (#7-
                      自由と構造 (#10
              

                第六章 創造的良心 Ⅰ   

                      アダムとプロメチュース (#3,4 (*アダムとイブ)
                                    (#5   (*プロメテウス)
                                    (#6   (*抵抗)
                                    (#7   (*順応・服従)
                                    (#8   (*ドストエフスキー)
                                    (#9   (*倫理と宗教)    
                第六章 創造的良心 Ⅱ   

                      宗教-それは力の根源かそれとも柔弱のみなもとか-
                      過去の創造的活用  (#8-
                      人間の価値づけ能力 (#11-

                第七章 勇気・成熟の徳     
              
                      自己自身になりきる勇気 (#2-
                      愛への序章        (#9
                      真実を見る勇気 (第2章の最後に追加)

            第八章 人間・時間の超越者   

                  人間は物理的時間だけで生きるのではない (#2 (*心理的時間) 
                                           (#3 (*記憶、時間の質)
                                             (#4 (*時間と空虚) 
                                          (#5 (*過去・現在・未来)
                                       (#6 (*時間の超克,ファウスト)  
                      満たされた時   (#7(*「現在」と過去、未来)  
                                  (#8(*「現在」と不安)
                                  (#9 (*永遠)    
                      永遠の光のもとで (#10
                      いかなる時代にめぐり会おうとも (#11-
              
                         あとがき(小野泰博) (last
               
  
  
Post時間:2011-10-29 15:07:18
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不安の時代に生きていて幸いなことの一つは、
  自己自身についての認識を強いられることである。



依るべき基準や価値の混乱している社会は、
exlink.gifマーシュー・アーノルドの言えるごとく
一体われわれは何であるのか、われわれは如何にあるべきか
について明白な姿を提示してくれない。 
そこでわれわれは、やむなく自己自身への探求に追いやられる。


あらゆる面で苦しい不安の現代は、われわれに次のような問を問いかけてくる。
すなわち
われわれが見過ごしてきた
  なにか道標らしきものや、 力の根源になるようなものが 一体あるのだろうか 
という問いかけである。


もちろん、私がここでいう「幸い」とは、一般に幸いとよばれるものではないと思う。
人々はむしろ次のように問う。
  かかる混乱をしている世界にあって、
  何人が またいかにして 自己の内的統合(self-integration)を実現できようか 、と。
あるいは次のように問うことだろう。
  現在にも将来にもこれといって何も確かなもののないときに、
  自己実現(self-realization)といったような 長期の発展計画を だれが、どのようにして立てられようか 、と。


常に、多くの思慮ある人々は、深くこの問題に思いをひそめてきた。
確かに、現にわれわれが考え、感じ、行動するごとく、
かくわれわれを動かしている動機に対し、深層心理学者が投げかけた光は、
人間の自己探求に欠くことのできぬものである。
 
 題名:まえがき2
Post時間:2011-10-29 15:37:29
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天使達でさえもあえて踏み込むことをためらうような場所へ進んでとびこみ、
本書において展開される 著者の思索や体験を、ここにあえて著者が述べようとするのは、
著者のもつ、とぼしい技術的訓練や自己認識だけでなく、別のものがある。

これは、精神治療者が、
みずからの問題克服のためにたたかっている被治療者と 共にあって得るところの
知恵である。
治療家は、
新しい統合を得ようと、人知れず、内なる深みにおいて激しくたたかっている人の
友になる という、とんでもない特権をもっている。
 (たとえその場合料金を受け取るにしても)

およそ治療者であって、
今日、悩める人々をして 自己認識から目をおおわせているもの、そして
その人たちがみずから確認しえる価値や
目標の発見をことさら阻止しているものの正体が何であるか について、
全然気づかないような治療者は、よほど鈍感な人だと思う。


 exlink.gifアルフレッド・アドラーは、かつて
児童たちの行く学校のことにふれて、
ウィーンでは 生徒たちが教師たちに教えている のを見いだした
と述べたことがある。
精神療法においても 全く同じことが言える
 患者とよばれている人々によって、
人生の諸問題や生命の尊厳について 日々教えられることの多い治療家 が
その人たちに十分謝意を表そうとしないのが、自分にはわからない。

この本は、精神療法の代理をするようなものではない。
また一夜明ければ治っているといった、
廉価でききめの早い治療を約束するといったふうの、自助的(self-help)な本でもない。
 
Post時間:2011-11-13 03:16:01
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 すべてよき書物は、価値や深みという別の意味で
 自助的な本である。


 この種の本が、読者に裨益するのは、
こういった書が、自己自身 および自己の体験 を省察するよすがとなり、
人格統合という自分自身の問題に 
新しい光をなげかけてくれるからである。

 
以下、各章において考察するものは
自己の隠されたレベルに関する心理学の新しい知見に目をそそぐだけでなく、

多年にわたって、文学・哲学・倫理の諸領域にあって
ひとは 自己の不安や人格の危機 に頻して、いかにこれに対処し、
それをより建設的な方途にふりわけ得るか と、この問題を問い続けてきた先人の
知恵 にも注目するつもりである。


  われわれの狙いは、 
現代の不安に対抗し得る方法を発見することであり、
自らのなかに 力の核心を見いだし、できるかぎり、
ほとんど確かなものの乏しい時代に、
依るべき価値や目標達成への道を切り開くことである。

             ニューヨーク市にて     ロロ・メイ  




 冒険には不安がつきまとう。 しかし冒険を回避する者は、
 自らの自己意識を喪失する運命にある。
 そしてそのもっとも高き意味において、冒険するとは、
 正確には  自己自身を意識することにほかならない。  

                                キルケゴール




  ある者は、自らを探し求めて隣人のもとに至り、
  在る者は、進んで自分を失うために、隣人のもとへ赴く。
  悪しき自己愛は、孤独をして自己の牢獄に化してしまう。
         
                         ニーチェ


 
 
 
 
Post時間:2011-11-28 22:59:39
      引用者 註

 

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※これを記している現在、(第5章、自由とは何か の鍵写中)
自我認識の言語が(self-awareness)とされていることを改めて見直し、
また、改訳では「自我を求めて」が「自己を求めて」に直されているらしいこと(未見)も鑑み、
以後、
「自我」は「自己」「自己意識」「自己自身」「自己認識」と
前後の文脈によって判断しながら使い分けて鍵写することとしました。

(以前の部分も、第5章から始めて遡っていく形ですこしづつ訂正していきます。
 すべての訂正がおわれば、数日後、まえがきに「注意」として移動します。)
タイトル自体は、その後の改訳版「失われた自己を求めて」と区別するため
そのままにします。

フロイドの「自我」(das Ich )(参照ウィキペディア「「exlink.gif自我」)は、心の無意識部分や、前意識部分に対応する
自己の中のある部分(外界と内界の刺激の両方に刺激反応する意識領域として
特別な用語であるのに対し、
ロロ・メイの本書では、自我(das Ich *dasは英語のthisに近いらしい、ichは「私」なので、
この、私」というニュアンスになるらしい)の英訳ego(エゴ*元々はラテン語で「我思う、故に我あり」( ego cogito, ergo sum)の「我」)
ではなく、[self]が使われていること(原題は「MAN'S SEARCH FORHIMSELF」)からも、
精神分析用語「自我」は硬すぎるし、それだとつじつまが合わない箇所もありました。

突然の訂正で申し訳ありませんが、ご了承下さい。

とりあえず、第5章だけは
すべて訂正してから続けます。  ←全章訂正終了しました
                         (予想したよりはるかに少量でした)[/quote]

 
 
Quote:
 
2011年11月10日(木) 05:51
 第5章、第4章  訂正完了
(フロイドに関係する「自我」(das Ich)に相当すると思われる箇所はそのまま
 自我 として残しました。)

2011年11月10日(木) 06:03
 第3章Ⅱ訂正完了

2011年11月10日(木) 06:30
第三章 Ⅰ 訂正完了
学術用語として「自我」を使っていると推測される箇所は
「自己意識(自我)」 として残しました。

2011年11月10日(木) 06:43
第一章 訂正終了
超自我 はそのまま残した。

2011年11月10日(木) 06:45
まえがき 訂正終了
 
 
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最終更新:2015年05月14日 07:41