ランクづけと警戒

 

 

 翌日、私はきっちりザンザス達に護衛されて沢田家に戻ることになった。

 

 

 ちなみに昨夜はザンザスに一緒に寝ることが義務付けられました。

 私はぬいぐるみか!と、言いたいところだが、睡魔に勝てずに寝てしまいましたよ、うん。

 なにもされてないだけ良かった……。

 まぁ、紳士じゃなかったら、ぶん殴ってやろうかと思っていたくらいだ。

 

「おい、櫻ぁ。今、日本にランキングが来てるから気ぃ付けとけよぉ」

 

 漆黒の車で移動している時に、スクアーロが言う。

 私の隣にはザンザスがいて、スクアーロとベルフェゴールは対岸に座っていた。

 運転手はロマーリオさんの部下で、当の本人は先に行っておりディーノさんのお手伝いをしているはずだ。

 現在、朝の七時五分前。

 

『?ランキング……ああ!フゥ太くんか』

「あいつの情報はすげぇが、その分狙われやすいからなぁ」(スクアーロ)

『また逃げてるってわけね。ま、関わることになるなら必然的になるでしょ。あれだ、なるようにしかならない』

「呑気だなぁ、おい」(スクアーロ)

『え、だってさ。まずそいつら弱いっしょ。でもって、名目上の上司になってるこの街の支配者は気にいらないとか言って参戦してるだろーし。このメンバーに鍛えられた私に勝てると思う?』

「杞憂だったな……」(スクアーロ)

「スクアーロ。心配しすぎじゃね?」(ベルフェゴール)

「仕方ねぇだろ!こいつは、俺たちヴァリアーの中で最弱なんだぞ?!」(スクアーロ)

昨日と話が微妙に……」(ベルフェゴール)

「なんか言ったか?」(ザンザス)

「「いやなんでもない」ねぇ」(スクアーロ&ベルフェゴール)

 

 

 そこから一分くらい沈黙が流れた。

 

 

「櫻」(ザンザス)

『なに?』

「負けは許さねぇからな」(ザンザス)

『わかった』

「じじいとも打合せして、あともう少しでてめぇが言ってたシナリオとやらが完成する」(ザンザス)

『うん』

「演技が必要だが、生憎俺達には関係ねぇほど。しっくりくる筋書きだ」(ザンザス)

『うん』

「俺を止めておいてくれて、ありがとな」(ザンザス)

『やっぱり、こっちの筋書きの方が嫌?』

「なわけねぇって言ってんだろ」(ザンザス)

 

 苦笑する彼は、楽しそうだ。

 つられて他の二人も笑うから、いい方向に逸れていっているのだとわかる。

 

『ならいいけどさ』

「だが、とりあえず他の指令がおまえや弟に下るだろう」

『遂に来るか。ま、出来るだけのフォローかな?それとも待機せざるを得ないか、か

 

 車が止まり、家についたと運転手が教えてくれる。

 私は車を降りた。

 

「俺たちが次に来るまで、息災でいろよ」

 

 ベルフェゴールがそう言って扉が閉まると、車は空港へと走り去った。

 

 

 

『そうだね。とりあえず、君らの希望通りでいくよ』

 

 

 

 


 

 

 その日は、ツナ達がやくざの事務所に殴り込みしてきて、雲雀さんの怒りが半端なかっただろうと予測した結果。

 翌日、私は朝から雲雀さんに攻撃されていた。

 それぞれ、表と裏の校門にいるべきなのだが、いきなり雲雀さんが襲いかかってきたため、他の風紀委員や草壁さんにそれらを任せて校内を縦横無尽に駆けた。

 

「どうして、君の弟はこうも風紀を乱す、の!」

『変な、星の運命の、元にでも生まれたのかも、ね』

「ちっ、大人しく噛み殺されなよ!」

『だ、れが、やられてやるかってんの!』

 

 雲雀さんから、とばっちりという名の攻撃を避けつつ、私は屋上へと移動する。

 

「なに逃げてんの?」

『あのね。こんな場所じゃ、いろい、ろ、動きにく、いでしょ』

「へぇ、思いっきりやっていいんだ」

『げ。なんか、知らないけど。難易度上がった?!』

 

 やばいと、スピードを少し上げて屋上へとたどり着く。

 なんとか雲雀さんより先についた私は、武器を構えた。

 

「逃がさないよ」

『逃げるつもりはないわ』

「そんな武器で僕に勝とう、って?」

『なめんじゃないわよ』

 

 独特の形の儀礼剣を一閃し、まずは距離を取る。

 力も少し乗せているから、波々になった刀身はかなり凶悪だ。

 この後登場する操られてたイケメンお兄さんよりかは、攻撃力が劣るがそれに通じるものがあった。

 

「君、ほんとしぶといよ、ね!」

『ほいっと。そんな荒立てなさんな、って』

「ああ、面白い」

『……一人だけの世界降臨か。はぁ……』

 

 攻撃を受け流しつつ、少しだけ反撃すれば雲雀さんは面白くないと言った顔をしてくる。

 

「真面目にやられる気があるの?」

『黙ってやられるバカはいませんよ』

「ふん」

『あ、あそこにリボーンいるじゃん!って、事は今頃ツナ来たのね!……たった二分だけ到着スピードが上がったのか』

「どこ?わぁお。ほんとだ」

 

 そう言うと、戦闘を切り上げて彼は去ってゆく。

 

『……とりあえずしまおうか。これ』

 

 儀礼剣をしまい、屋上に一人になった私は一つため息をついた。

 

 

 


 

 

 

 それから数日後。

 シャマルとか言う医者が保健室に居座った。

 

『へぇ。貴方がシャマルさんですか』

「そういう嬢ちゃんは?」

 

 早速会いに行った私に、彼はとぼけてみせる。

 

『薄っぺらい演技は要りませんよ。トライデント・モスキートさん?』

「ほう、見抜いていたか。さすがはボンゴレの隠された女神」

『……なにその二つ名。嫌なんですけど』

「ははは、照れるなって!」

 

 こめかみが引きつるのを感じ、儀礼剣を取り出しかまえた。

 

『照れてませんよ。それ以上言うなら、ぶっ飛ばしますよ?ああ、女生徒に手を出そうものなら、それもぶっ飛ばします』

「……いや、ごめん」

 

 私が向けた感情の中に殺気があったのを感じ取った彼は、素直に引いた。

 

『それならいいけれど。大体貴方には、さっさと弟子の不始末とかを何とかしてほしいです。弟の事もかかってくるんで』

「俺は、男は診ない主義だ」

『はぁ……いつかビアンキさんにぶっ飛ばされなさい』

 

 もう用はないなと、回れ右して保健室を出て行こうとする。

 

「おい、嬢ちゃん」

『なんでしょう?』

「なにこの子猫」

 

 シャマルの足元には小さな猫が身体をすり寄せていた。

 

『我が校のマスコット。ああ、今この学校には犬が三匹、猫が七匹いますから、あしからず』

「なぜにそんなに多く?」

『拾って保護してくる生徒が増えまして。で、ここの校長、動物愛護主義だし、話をつけて校内で飼うことにしたのですよ』

「いいのか?衛生面とか保護者とか……」

『ストレス緩和や、動物への愛情確認もできますから、けっこう内外共に受けはいいです。おかげでこの学校に愛着がある人も増えました』

 

 

 ついこの前の小さな子猫はこの子だが、それ以外にも音楽室や応接室、校長室など、様々な猫や犬がここにはいる。

 犬の場合、訓練しだいで番犬になるから、雲雀さんにも受けが良い。

 猫はその習性が似ているからか、彼は時たま一緒に日向ぼっこしていたりする。

 

 

『とりあえず、私の事は黙っていてくださればそれでいいですよ。時は来るものだから』

「時は過ごすものじゃないのか、嬢ちゃん?」

『ふふ、そうね。あと少ししたら、そういう風にできるでしょうけど、まだ早いの。じゃあね』

 

 今度こそ、私は部屋を出た。

 

 


 

 

「おおコワ。あれが九代目が言っていた娘か。なるほど」

「ちゃおっす、シャマル」

「!リボーンか」

「どうだ、お前の目から見て」

「さぁ、俺はつい昨日来たばかりなのでね。だが、かなりいい線を言っていると見た」

「どっちにだ?」

「どっちにもだな。あれは将来美人になるだろうし、腕もよさそうだ」

「ふむ」

 

 プロの彼らは、少しの間だけそこにいた子猫を可愛がる。

 

「ちなみに、こいつの名前はクゥだそうだぞ」

「リボーン。こいつ、雌だよな?ならいいか」

「子猫でも雄なら追い出すつもりだったのか?」

「俺は、男は診ない主義なんでね」

「そう言ってると、櫻に襲われるぞ?」

「うーん、それはウェルカムだな。嬢ちゃんの腕前で俺がやれるわけねぇ」

「ふむ(ま、あいつの背後の方が怖いんだがな)」

 

 


 

 

 

 秋の空を眺めていると、街から爆発音が聞こえてくる。

 

『始まったか』

 

 休日にもかかわらず、学校に呼び出されて書類整理を一人で黙々こなしていた時だった。

 

『ん、ひと塊こっちに来るね。さて、呼び出した草壁さんは雲雀さんお家で介抱中か。高熱らしいから仕方ないよね』

 

 切りの良いところで書類を切り上げ、私は小雨が止んだ校庭を目指した。

 

 

 

「くそっ!どこいった!」

「探せ!探すんだ!」

 

 灰色のシャツの男たち。

 

『あら、お兄さん達。此処は学校です。他でやってくれません?』

「何だ!この小娘!」

 

 校庭に入り、無断で騒ぐおっかないお兄さん達にそう言うと、リーダーらしき男が声を荒げる。

 

『あら、学校にいるんだから生徒に決まってるでしょ?それとも教員に見えました?』

「ごちゃごちゃうるせぇ!俺らは今、虫の居所が悪いんだぁ!」

『そう。でもそれは私も同じこと』

「ああん!」

 

 メンチというか、声を荒げて切れるお兄さんに、私は殺気を向ける。

 

『私は、この学校の風紀委員。さぁて、誰が一番にここの校庭に足を踏み入れたのかな?』

 

 笑顔でいながら、私は武器を取り出す。

 バターナイフは別ごとに使いたいし、もろもろの都合で儀礼剣だ。

 

「はは!そんな飾り物の剣で何ができるって――」

「うわぁ!」

「うぐぁあぁ!」

「――なんだっ!?」

 

 数名が肩や足から血を流し、地面に倒れる。

 リーダーらしき男はついて行っていないようだが、私は今儀礼剣を一閃した。

 

『ああ、なぁんだ。これ如き躱せれないんですか。というか見えてないですねぇ』

「何をした!」

『ただ単に、この剣を一振りしただけですよ。ここ、この街の支配者のお気に入りなんで、消えてくれます?』

「するかぁ!」

 

 

 はぁ…………

 

 

『では、仕方ありません』

 

 

 

 

 

 五分後。

 

 

 

 

 私は折り重なった男たちの間に立っておりました、無傷で。

 いやぁ、結構手加減したつもりなんだけど、気絶しちゃったよ。

 記憶飛んでるくらいに頭撃っておいたから、ま、いいでしょ。

 

「おいおい、嬢ちゃん。やり過ぎじゃねぇか?」

『あら、シャマルさん。良いのですよ、頭がよろしくない方々にはこれくらいで』

「どうすんだこの十数人」

『とりあえず、どっかに捨ててきますよ。あ、リヤカーに乗せて』

「……そんなんでいいのか?」

『ん?ビアンキさん特製のドリンク飲ませてからの方がいいですか?』

「いや、なんでもない」

 

 


 

 

 

 男たちを片し、書類をしまって、家路につくと。

 

 居候が増えてました。

 かわいい男の子、フゥ太くんです。

 いやぁ、つぶらな瞳可愛い。

 まぁ他にも家に居ました。

 獄寺君に、武君、序盤からスルッと入った三浦ハル。

 どうやら、ツナ達もなんとかしてきたみたいだ。

 

「卵焼きはツナ兄ぃの好きなおかずランキング三百八位中八位」

 

 ですが、ご飯食べる時はランキング禁止してください。

 色々浮いて、食べづらいです。

 というか、ランボとイーピンが食べれてないから。

 

「すいません、おかわり!」

「いやぁ見せたかったですよ。俺のボムの威力!」

「あ!今日ツナさんに誰が一番お役にたてたかランキングしません?!」

 

 待て、ハルとやら。

 そんなキラキラの目で、変なランキングしないでほしい。

 あ、ツナが立ち上がった。

 

「食事中はランキング禁止!」

 

 よくぞ言ったツナ!

 

「ちなみに一位はハンバーグ!」

 

 ……おぅ、雰囲気台無し。

 

「じゃあ、明日はハンバーグね」

 

 ……奈々お母さん。

 ツナも呆れてるぞ?

 いや、諦めてるよね……。

 

 

 

 

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