彷徨う者たち

 

『いい天気ですね~』


冬には珍しい快晴の空を見上げながら言う。


今のところ、校庭は雪に埋もれてしまっているから、もっぱら朝は必要の部屋で実習だ。


もちろん作っているのは、魔法薬。


科学的に、使えそうなものも作れるだろうが今のところ手元のある教科書で作るならこれくらいでちょうどいい。

と、いうより知っている科学的に有用なものを作ってみようとリストを作成してみたら、今年では使えないモノばかり。

 

いや、使えないというより、危険だ。

 

『さて、セブルスんとこ行きますか』

 

今日は月曜日だが、今私はわけあって寮ではなく元の私室で生活している。

つまり、特別措置だ。

 

この処遇に対し、グリフィンドールのみならず他の寮も驚くばかりである。

 

そりゃぁ、驚くわな。


大したことしていないだろう、と思っていた人物がそうなったのだから。


しかし、冬休み直前になって校長が

 

「禪はワシの孫じゃ!」

 

と、いう孫馬鹿丸出しのセリフを言ったことから、“ああ、大変だね”という視線にさらされることになった。

 

ああ、アルバスじいちゃんってマジで読めない……

 

“なにあれ?”から“君も大変だね”という総意見に周りが変化し、そのまま冬休みに突入した。

 

 

 

 

 

ちなみに、ドレスを持ち帰ってから、一回アルバスじいちゃんとミネルバ、ポンフリーの前でお披露目としてドレスを着た。

めちゃくちゃ自分事のように喜んでいましたよ。

ポンフリーは身体を労わりなさいという説教つきでしたが…………

 

で、問題はセブルス。

彼自身が燕尾服を着てのお披露目はしなかったが、彼は部屋に帰ってから訪ねてきた。

 


真実薬としびれ薬を片手に持って。

 


あの時ほど、内心動揺しまくっていたのに違いない。

 

 

マジで尋問コースじゃん!!

 

 


 
 尋問モードのセブルスは空恐ろしかった。




「禪、今のうち言いたいことはあるか?」




 魔王様のような笑みで、迫るセブルス。


 間違いない。

 
 漫画なら、とてもダーク的なトーンやら演出やらがしてあるに違いない!


 あ、別に確信しなくてもいいな、これ。



『言いたくとも言えないので、拒否という選択肢はないですか?』





「無しだ、言いたまえ」




 あ、拒否された。





『……セブルス。助けるために必要なんですけど…………』



「却下だ」



『相手の裏をかけますが?』



「却下」



『危険は無い様にしてますが……』



「関わる以上、危険は危険だ。言いたまえ」



 何とか笑みを保ったまま受け答えするが、セブルスはすべて却下した。



 え、マジで言わなきゃいけない系なの?

 それしか選択肢がないの?

 普通は“たたかう”とか“まほう”とか“アイテム”とか“にげる”があるじゃん。

 って、これ、ゲームの選択肢だし。





 「さぁ、言いたまえ」


 迫るセブルス。


 それに対し、私は後ずさった。

 彼が迫れば、私が後ずさる。

 
 これを幾度繰り返しただろう。


 迫る距離分、後ずさっているので、今のところセブルスとの距離は変わっていない。

 もちろん、この状況はなんとかしたい。



 
 だが、打開策がない。

 セブルスが提案をすべて拒否している為である。





 斜め後ろに下がりながら距離を何とか保ってはいたが、いつの間にか後ろが壁だった。

 何このベタな展開とか思いつつも、部屋の隅まで追いやられてしまったのは事実。




 
「さぁ、すべて吐いてもらおうか」



 って、お前は取り調べ中の刑事か!!



 ツッコミたくなるほどの刑事ドラマのセリフをセブルスが言う。

 いやぁ、心中で突っ込んでますけどね。




「さぁ!!」



 どうやら、私に拒否権はないようだった。
 
 




『そこまでして知りたいのですか?』 



 セブルスが、どこか焦ってきる気がした。



「どこまで知っている」



 目を細めて、問い続けるセブルス。


『……すべてとは言わないが、大体の事を知っています。ですが、セブルス。その焦りの理由を聞かせてもらわねば、こちらも話す理由はありません』


 いつもの冷静なセブルスはどこに行ったのだろう。




 物語では確かにそろそろ佳境に入る。
 
 が、焦る必要性はない。

 相手は手負いが一匹――いや、幽霊みたいなやつと余命いくばくもない人間一人だ。

 何を焦る?

 何か怖いことでもあるのだろうか?





「禪!」




 私の言葉を聞いてもいないように焦るセブルス。


『セブルス』




「禪!」



 彼の暴走が納まらない。




 私は息を静かに吸い込み、カッと目を見開いて、





『セブルス。

 そろそろ本気で殴りますよ?』





 怖い顔をしてセブルスに大声で言った。




『私を怒らせんな。

 私はね、怒りとかストレスとかを

 あなたの様に常時出し続けないんだよ。

 私は奴と同じタイプでな。

 そういうのをため込んで、

 後で一気に爆発すんだ』



 そこまで言っておいて、一息つく。



 そして、今度はにっこりして言葉をつづけた。






『ねぇ、セブルス。ちゃんと言っておくね。

 私を怒らせないでね♡』





 

 ここではっきり言っておこう。


 
 怒れば、私はセブルスより怖い。



 いつもは控えているだけだ。

 あまりにも無様に、醜く、惨めになるから。

 “怒りに肩を震わせる君も可愛い”?

 ふざけんな。

 そんなの幻想だ。

 まやかしだ。



 強力な魔力などという武器を持ってしまった今。


 それはない。

 マジでない。

 凶そのもの。

 いや、厄災そのものだ



「ゆ、禪……?」

 セブルスにしては珍しく、青ざめた顔で呟いた。

 心なしか手が震えている。


『ああ、セブルス。もう大丈夫ですよ。怒りは納めましたから』


 “ごめんね”という表情をして、セブルスを見た。


「禪……我輩は……」


『ごめんね。セブルスだって必死なのに…………』


 アルバスじいちゃんだけじゃない。

 セブルスだっていろいろ抱え込んでいる。


「……」


 セブルスは複雑な顔をしていた。


『どこまで知りたい?一応、話せる範囲ならば、話してもいいわ』


 譲歩して目を細める。


「…………奴の寿命は?」


 セブルスが悩みながら、言葉を絞り出す。


 そうきたか。


『……まぁ、それくらいなら答えてもいいでしょう。奴の寿命は持って半年。ちょうど、テストが終わる頃』


 奴の命はなくなる。

 いや、確実に少なくなっていっている。

 終盤が近づいている。

 
「足掻きは?」


『してる』


「どう助けるつもりだ?」


『こちらは安全に。あちらはボコボコで』


「訳が分からんな」


『言える範囲が限られてるのよ。他には?』
 

「例の物の安全は?」



 やっと確信を言うセブルス。


『奴の寿命が尽きるまで安全よ』



「…………」

『…………』


 押し黙ってしまった。


『他にはないという事でよろしいですか?』


「ああ。これ以上は……あ」


『なんです?』


「聞きたいことがあった。禪、お前この頃薬を作っておるだろう?」


『へ?』


「とぼけるな。おまえに会うたび、薬草の匂いや、薬特有の匂いがおまえからするぞ!」

 と、セブルスが言う。

『鼻いいですね』

「我輩とて、伊達に魔法薬学を専攻しとらん」

『ですよね、教授ですし』

「で、返答は?」



すみません作ってます
 

「作る頻度と難易度は?」


毎朝です。難易度は今、中レベル位です


「どこで作っておる?」


練習だけですので、必要の部屋を使用しております



 という感じで、いつの間にか立場逆転しました。

 

 


そんなこんなでこってり絞られた。


「禪、二度と一人になるな。調合なら我輩のとこでやれ」


『はい』

セブルスは恐ろしい。

私は頷くことしかできなかった。

 

 


それが、ドレスをとりに行った後のことである。

 

 


で、今現在冬休み真っ只中。


彼との約束通り、朝の魔法薬づくりはセブルスのところで行っている。

生徒もまばらのため、ありがたい。

何しろ一人でいれば、クィレルの奴に追い掛け回されることこの上ない。

双子が一度クィレルをいじめていたのを見ていたことから、彼らを少し当てにしていたのだが、どうもタイミングが合わない。

私が活動している時は、双子は寝ている。

で、大体一緒の行動をしているセブルスといることにしたのである。


まぁ、アルバスじいちゃんに夜の見回りも任せられたため、都合がよい。

 

という事で、冬休みの間は――


朝起きたら、とにかく着替えて、セブルスと共に朝食をとって、セブルスの私室で魔法薬の調合。
昼になったら、セブルスが屋敷僕に運ばせた昼食を取り、そのまま調合を続行。
んで、夜は見回り。

というサイクルである。


ハリーとロンには会わない生活状況になったが、まぁ、守る側なのだから致し方がない。

せいぜいセブルスと共に裏方に専念しよう。


『そういえば、セブルス』

「なんだ?」

調合の合間の材料仕分けの最中に、セブルスに聞く。

『クリスマスは何時ごろに見回りに行きます?』

ある意味で山場だ。

というより、ハリーが危ない。

 

あ、鏡は見たくないけど……

 

「いつも通りの時間に見回る気だが…………また何かあるのか……」

『アルバスじいちゃんに言った通りだよ。彷徨ってる人がいるのさ』

「ポッターか」

『……相変わらず、察しがいいね』

「いったい何が起きるというのだ」

『大したことじゃありませんよ』

山場であるが、精神面でハリーが危ないのである。


まぁ、外傷はないからまだいいが……


『それにいつも通りの時間に見回るというのなら、例のパーティ-をお暇(いとま)する時刻を、逆算しなければいけませんからね』

 


マルフォイ家のパーティーはややっこしく、有名人ばかり招かれているらしい。

引き際をわきまえねば、いや、良いタイミングでお暇しなくてはならない。

 

 

『えっと、十二時頃に見回りだから……』

「せめて十一時頃には戻らなくてはな」

『ですね。パーティーは何時からです?』

「……」


ごそごそと何かを探し始めるセブルス。

彼が取りだしたのは、一通の封筒。


「二十時からだな」


どうやら、そこに招待状を入れっぱなしだったらしい。


『……セブルス、それ見つからなかったらどうしたんですか』

「見つかったからよいではないか」

『…………』


開いた口がふさがらないとは、この事である。


『じゃ、とにかく十九時四十五分くらいに出た方がいいですね』

「……そうだな。と言っても煙突飛行するだけだがな」

『そうでしたね。あ、ということは…………二時間以上あちらにいなくてはいけない?』

「……長時間いるならばそうだな」

『セブルス、それ結構無理ありません?』


あの銀髪女タラシとずっといる勇気は今ない。


「だろうな。我輩も先輩とずっといる気はない」


はぁとため息をつくセブルス。

 


……後輩としていろいろ苦労したんだなぁ。

 


「……できるだけ早く切り上げるぞ」

『了解です』


私もセブルスの意見に賛同した。

 

あのタラシとはいたくない。

もう少し、マシになってからにしてもらおう。

 

 

 


◇~~~~~~~~~~~~~~~~~◇

 

 

 


『あ、いけない』

「なんだ?」


調合の最中に突然声を上げたものだから、セブルスが驚く。


『こっちのクリスマスって、必ずプレゼント送らなきゃいけないんですよね?』

「ああ。…………禪、まさか」

『日本のクリスマスはそうじゃないんですよ、必ずしもプレゼントがいるんじゃないんですよ…………』


タイミング良く材料を入れ、かき混ぜながら、ため息をつく。


「プレゼント買ってないのか……」

『ええ、まったく。どうしよう……』

「確か、カタログがあるぞ。頼めば、一日でつくのが」

『それ見せて!!』

「わかった。だが、その前に調合を済ませたまえ。その後で見せてやるから」

 

 

 

無事に調合を終えて、セブルスにカタログを見せてもらう。

 

 


『いろいろありますね。マイナーなお菓子の詰め合わせやら花やら…………あ、マントまである』


クリスマスのカタログなど、ケーキしか見たことないので、珍しい。


『セブルスは、誰かにあげるんですか?』

「いちおう、世話になっている人にはな。お前は誰にあげるつもりだ?」


セブルスに聞き返された。

 

もち、セブルスは入るでしょ。

あとアルバスじいちゃんと、ミネルバ。

ポンフリー、ピンス、ハグリッド。

あ、スプラウト先生にもあげなきゃ。

つまり、クィレル以外の先生方にはあげるという方向で…………

……問題は、ハリーやロン、ハーマイオニーにあげるかだ。

ネビルと双子にはあげるとしよう、仲良いし。

ほんと、私を敵と見ているハリーたちにあげるのは難しいなぁ。

そりゃぁ、この機会に仲直りとして贈るとかもあるけど……

そんなに単純に行くだろうか?

 

『同じような回答ですね。私もお世話になっている人たちにあげます。……セブルスちなみに、欲しいのとかあります?』

「……本人に聞いてどうする?」

『日本のクリスマスは、商品戦略のものでしかなかったんですよぅ。プレゼントの習慣なんか、少ししか根付いてませんて』

「だが、誕生日プレゼントとかはあっただろう?」

『……そういえばありましたね。友達少なかったんですっかりそういうこと忘れていましたが…………』

「お前は変なことに鋭くて、常識を知らんのだな」

『それは貶しているんですか、それとも褒めているんですか』

「両方だ。ともかく、本人に聞くより、自ら考えてプレゼントを選びたまえ」


セブルスに言われて本格的に悩み始める私。

 

うーん、セブルス以外の先生方にはお菓子の詰め合わせと何か一品でいいだろう。

双子は……いたずらに使えそうな品一式かな。

ネビルはやはりお菓子の詰め合わせと、植物でいいかな。

問題は、この目の前の人物セブルスへのプレゼント。

んでもって、ハリー達三人組へのプレゼントだ。


って、私結局贈りたいんじゃんか。

あれか、仲直りしたかったのか…………

まぁ、嫌われているよかはいいよな。

 

 

仲直りの品を考えながら、セブルスが入れてくれた紅茶を一口飲む。


やはりセブルスがいれる紅茶が一番おいしい。


ハーマイオニーは、可愛いものか勉強関係だよね。
となると、ぬいぐるみか筆記用具か………
……ぬいぐるみにしよ。
あ、ウサギとかでいいよね。


ロンは、箒?いやいやダメでしょ。
あのKYに通じそうな……
クディッチ関係か……
箒の掃除用品はハリーにもらうはず、……いや、記述はなかったな。
じゃ、無難にそれで。


ハリーは眼鏡ふきとかでどうかな?
ハリーっていつも眼鏡落としてそうだし……
……眼鏡ケース付きにしておこう。

 

「どうだ決まったか?」

セブルスが聞いてくる。

『大体は』

私はそのまま熟考する。

セブルスはその様子に片眉を上げていたが、嘘は言っていない。

残るプレゼントは目の前にいるセブルスだけである。

 

どうしようなぁ。
花にしておきたいくらいだけど、それじゃ告白同然じゃん。
無理無理、今は無理。


え、マジでセブルスがもらって喜ぶものって何よ?


本人教えてくれないし。
あれか、魔法薬関係……もう持ってそうだな。
んじゃ、その路線は無し。

じゃ、クディッチの時に燃えたマント……ダメだ、なんかとばっちりが来そう。
“当たり前だ”的な言い方して来そう。
……マントはもち用意して、三つ目のを本命として渡さなきゃいけないよな。

…………賭けで装飾品渡してみるか。
指輪はない。
ネックレス……
ペンダント?
うーん、ブレスレット?
足輪?
イヤリングやピアスはいやだ。


はい、セブルスにはお菓子とマントとペンダントに決定!


『あ、決まりました。セブルスこれって、ふくろう便で頼めばいいんですか?』

「ああ、そうだ」

『んじゃ、頼みに行って――』

「待て、どうせ一人で行くのだろう?我輩も行く、ちょうど我輩も出したいものがあるのでな」

『え、庸も連れてきますが』

「だから、そやつは一人と換算されない。それにとにかく、書かなくてはならんだろう?ほら、ここに用紙があるから、ここで書け」

セブルスに手渡されたそれを見れば、色々と必要事項やらなんやらが空白になった状態であった。

ああ、どのカタログにもそれ用の用紙があるのだなぁっと、しみじみ思った。

 

ただし、どうもこのカタログの場合贈る人数が多いからか、用紙が十五枚以上あった。

あ、一枚で最大二十個品物を頼めれるみたい。

 


という事で二枚に分けた用紙を持って、セブルスと一緒に部屋を出る。


人気の少ない校内を歩き、ふくろう小屋へと入る。


するとすぐさま皓が飛んできた。


『皓ごめんね、いつも一人にさせて。元気にしてたようで何よりだよ』


皓の羽根を撫でていると、横でモリフクロウを呼んでいたセブルスが顔をしかめる。


『どうかしましたか?』

「なんでもない」

首をかしげて問えば、セブルスはそう言って顔をそらす。

 


なんだろう?

 


『セブルス?』

「なんでもないと言っている。禪、ふくろうが来たなら、さっさと出したまえ」

『ああ、うん』


とにかく頷いて皓に手紙を持たせて飛びだたせた。

その間にセブルスも、モリフクロウに手紙を持たせ、私に続いて飛びだたせた。


「さて、戻るぞ。今日は確か、十八日だろう?」

『ええ、そうですよ。って、また感覚で、覚えてたんですか?』

「…………」


否定しないという事は、マジで体内感覚なんだな。


『それがどうしたんです?』

「お前、誕生日いつだ?」

『えっと、十二月三日です』

「なぜそれを言わん!」

『え、聞かれてませんでしたし、それに、この年じゃ祝われるつもりありませんし』

「……こちらでは盛大に祝うのがフツーだが?」

『どの歳になっても?』

「……毎年だな」


そうかそうなんか。


「ならば、戻るのではなく校長室に行くぞ」

『は、え、ちょと!』


強引にセブルスが手を引っ張て、私を校長室へと連れて行った。


この頃セブルスが強気だ……

 

 

校長室に半ば強制的につれてこられた。

 

 

セブルスに腕を掴まれたまま、彼があるバスじいちゃんに話す。


「なんじゃと!?」


私の誕生日がすでに過ぎているという事を知り、アルバスじいちゃんが驚いた眼をした。


「禪、なぜ言ってくれなかったのじゃ?」


セブルスと同じ質問をしてくるアルバスじいちゃん。


『日本じゃ、ある程度の歳になったら誕生日は祝わないんですよ。“子供じゃあるまいし”って言ってね』

 

「それでも言って欲しかったのじゃ……」

 

 その場でうずくまり“の”の字を書き始めるアルバスじいちゃん。

 

 

 うわぁ~

 

 

『えっと、アルバスじいちゃん?』

「どうせどうせ……」

 

 

 ややっこしくなったなぁ。

 

「そうじゃ!禪!クリスマスに禪の誕生日パーティーを!!」

 

『……マルフォイ家のパーティーには?』

 

「そこはそれ、早めに切り上げて戻ってこればよい」

 

 え、マジでタイムスケジュールのと作らなあかんの?

 そんな流れだよね。

 それくらいしないと着いて行けなさそうな気がする……

 

 

『ちょ、アルバスじい――』

「セブルス後は頼んだのじゃ!ワシはいろいろ準備を進めてくる!!」

 

 静止する前に、アルバスじいちゃんは校長室を飛び出していった。

 

『……セブルス、これって嵐が過ぎ去った感じがしてならないんですけど……』

「はぁ。お前の身から出た錆だ。我輩も巻き込まれているのだから、諦めろ」

 

 

 はぁ

 

 私とセブルスは二人して、ため息をついた。

 

 

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最終更新:2016年01月09日 00:16
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