しっかり、朝のマラソン(?)と軽い運動を済ませた私は、朝食後悩んでいた。
………………気まずい。
どーしよ、どーしよ。
頭を抱えて何処かにスライディングしたいが、そうもいかない。
え?なぜかって?
既に私はセブルスの部屋の前だからだ。
気まずいと言えば、ハーマイオニーもそうだったが、彼女は夕食が終わって寮の相部屋に戻るなり抱きついてきた。
「ごめんなさいごめんなさい」
涙を流して許しを請う彼女に、私が怒るはずもない。
『大丈夫ですよ。怒っていません。私の身から出た錆ですし』
「いいえ、いいえ。わ、私がいけないの。私がスネイプ教授の行動に耐えれずに、貴女を頼って」
『そうするよう、メモで指示したのは私です。ですから、ハーマイオニーが泣かなくてもいいんですよ』
しかし、彼女はしばらく泣き止まなくて、小一時間ほどあやしていた。
それからは朝食とかも私についてくる形で、ハリー、ロン、ネビルと取るようになった。
で、その朝食の時に皓がセブルスの手紙を運んできましてこうなったしだいです。
ひじょーに気まずいです。
ハリーたちも顔をしかめて心配そうに見てましたとも。
ついて来ようとしたけど、それを断ってなんとか一人で来たけどそれでも気まずいです。
なぁー
ん?
足元を見れば、庸がいた。
お前、忠実に私を一人にさせんというセブルスが言ったこと実行してんのね。
「そこでなにをしている、早く入りたまえ」
うわぅ!バレた!
『うう』
観念してセブルスの私室に入る。
「で、貴様はなぜあのように目立ったのだ?」
部屋に入ってソファに座るなり、彼は射抜かんばかりの鋭い目で追及してきた。
『貴方の為ですよ。あれ以上ハリーを責めたら、貴方もっと疑われるじゃないですか』
「……かといって、貴様があんなふうに目立つような、しかも」
『しかもハリーを庇い、なおかつ子供らしからぬ口調だったのかですか?』
「……そうだ」
彼の言わんとしていることを引き継いで言えば、彼は肯定した。
セブルスが用意してくれた紅茶を一口飲み、彼の言葉を待つ。
「はぁ、まったく貴様には呆れる。我輩が奴を牽制しているのはいったい何のためだと……」
『それについては、その方がハリーを護りやすいからと言っておきましょうか』
顔を片手で抑えながら言ったセブルスが、私のその一言で顔を上げた。
「どういうことかね?」
『御存じの通り、私は“知る”者。貴方が本当は何をしようとしているかは“知って”います』
「……それでか」
『いかにも。ですから貴方とは一応、学生生活の中で“対立しつつも協力している者”という形をとらせていただこうと思っているのですが……』
「……致し方ないな、そうしてくれたまえ」
セブルスは絶句した後、諦めたように言った。
「だが、口調は直した方が良いではないのかね?」
『今更ですよ。あんなふうに言ったので、印象に残ってしまっている。特に、スリザリンとグリフィンドールでは噂されていることでしょう』
そう言えば、セブルスが頭を抱えた。
すんません、監寮さま。
お手数おかけいたします。
・・
「さて、今日はあれの仕分けを手伝ってもらおうか」
立ち直ったセブルスが指差す。
その方向を見れば、なんかゴチャッとしたものが――魔法薬学教室へ続く扉が少し開いていて――見えた。
『なんです、あれ』
いつもならば、材料はビニールか紙袋に入っていてそれを分けているはずだ。
それが抜き身で、ぞんざいにあそこに積まれているとは、いったいどういう事だろう?
「業者がいつもの奴らでなくてな。まったくと言っていいほどの素人の奴が運んできて、こうしていったのだ」
『つまり、新人で使えないということですね』
どうやら、こういうことはマグル界でも魔法界でも人である限り起こりうる事らしい。
前の世界でも、新人は戦力外なんですよね。
んで、邪険にされつつ成長してくというパターンに……
近寄って行けば、さらに悲惨であった。
『マジでなんですか、これ』
「ただ採取してきただけの代物だ。それ以外にこのような悲惨な姿かたちは、なかろう?」
二人して、げんなりした。
それは水辺によくある葦(あし)で、なぜか茅(ちがや)や蒲(がま)が混ざっていた。
しかもご丁寧に土付き。
『ここまでフレッシュじゃなくともいいのに……』
「言うな、我輩とて望んでおらんかったわ」
はぁ、とどちらもため息をついて、とにかく選別しようと手を動かし始めた。
*茅はススキ、蒲はあの“いなばの白ウサギ”で出てきたやつです。
手が切れそうになるものばかりで、大変困ったが、更に私は困ることに直面していた。
数種類虫がついていたのである。
『ゲンゴロウに、蛙。なんかの卵に、バッタ。なんですか、ほんと』
「だろうな。我輩もここまでひどいのは初めてだ」
はぁ
地下牢に、二人分のため息が響く。
『セブルス、その業者訴えたら?』
「既にそうした。が、先輩がもみ消した」
はい?
『そ、その先輩って……ま・さ・か・?』
「……ルシウス・マルフォイ先輩だ」
苦々しそうに、セブルスが言う。
おのれ、あのタラシのプラチナブロンド。
セブルスを困らせたまんまにするか。
「貴様を使えば、事なきを得る事が出来るだろうと手紙で言ってきおった」
え?
なにあのホストにでもいそうなナンパ野郎。
なんで“それくらいできるだろ?”的な発言をセブルスの手紙にしてんですか。
というかどこで私の事、知った?
接触しそうなとこ避けてきたし、自分に酔い始めてるクィレルから言うはずもないだろーし…………ということはよ、つまり……
『ドラコか……』
ダイアゴン横丁でもできるだけ会わない様にしてたのに、あの銀髪に伝わる方法などそれしか考えられない。
ドラコならば、ファザコンっぽいから毎日近状報告してそうだ。
「ああ、昨日の貴様の説明を息子がこと細かに手紙で伝えたらしい」
やはりか。
マジで、ドラコ毎日報告してそうだよ。
てかあの魔法薬学の事をこと細かに説明できるほど、いっぱい書いたんですか。
……十一歳の文章力だから、マジで再現されてはいないよな?
されてたら、私魔王っぽいよな……
目ぇ、マジでつけられそう。
「しかもこのようなものも同封されておったぞ?」
セブルスに渡されたそれは“クリスマス・パーティー”への招待状。
しかも蝋(ろう)で封をしてあるだけに、格調高いのが一目で丸わかりだ。
『これに来いと?』
「行かずとも良いが、そうすればもっと厄介なことになりかねんだろうな」
はぁ、と本日何度目か分からないセブルスのため息が聞こえてくる。
苦労が絶えないねェ、元死喰い人さん。
今回は私が原因なのですが……。
すみません。
『出席しなかったら、とばっちりが教授にも回って来そうですね、そういう回し文句が書いてありますよ』
封を破り、中身に目を通せばそんなことが書かれていた。
「なに!?」
セブルスが驚いて、選別作業をやめ、顔をこちらへと、ものすごい勢いで向けた。
それほどに、吃驚しているらしい。
さすがは、脅しを心得ているルシウス・マルフォイ氏だ。
私としては、嫌な予感が的中しすぎて、不安です。
でも、いく時には胆据わってるでしょうから、大丈夫だと思います。
あれ作文?
『行くしか選択肢はなさそうですね。致し方ありません。飛行訓練が終わりしだい、出席の返事を送りましょう』
昨日の皓の飛ぶ姿見て、ちょっと速度的に怖いから学校のモリフクロウ使おう。
ふくろう如きで、目を更につけられては困りますし。
「……すまん」
『セブルスが謝る必要ありませんよ。まずは、この選別を終わらせちゃいましょう』
そうセブルスを促して、手紙を懐にしまって手を動かした。
その三十分後、何とか選別は終わった。
泥は付いたままだったが。
『……この泥どうします?』
「このまま保存したのでは、質が落ちる。洗い流すしかなかろう」
二人してため息をついたのは言うまでもない。
たしか、豊葦原瑞穂の国というのが日本の古名だったな。
泥を落としていて、それを思い出した。
……なんか、引っかかる気がする。
でもわかんないな。
まぁいいかと、その場は考えずにおいた。
◇~~~~~~~~~~~~~~~~~◇
とにかく泥を落とし、材料保管室に運び、事なきを得た。
『やっと終わりましたね』
「ああ」
『ん?そのバケツの中身さっきのついていた虫?』
「幸か不幸か、これも薬の材料になるのだ」
『余すことなくか……そのかわり、いらぬ選別作業もする羽目になりましたけど』
セブルスが、バケツを保管室に、ふたをしておいてきた後(ふたしないと、蛙飛び出てくんだもん)。
彼が再度入れ直してくれた紅茶で一息ついていた時だった。
いやぁ、やっぱりセブルスの入れた紅茶は、ひと味もふた味も違うね。
「この後、貴様はどうする?」
『と言いますと、なにか予定でも?』
「貴様は馬鹿か。先程の手紙を思い出したまえ」
…………
『あれ、クリスマスの事ですよね?』
「ああそうだ。だが、その時の格好はどうする?」
『え、やっぱり制服じゃいけませんか?』
「だめだ。あのルシウス先輩の事だ。絶対内輪だけのパーティーではない。魔法省からも幾人か来るだろう」
格調高いのは招待状の外見だけでもわかったが、そこまでのレベルなのだろうとは思いもしなかった私である。
多分、セブルスは学生時代にスリザリン同士として一度でも行った事があるか、行った誰かの体験談でも聞いたのだろう。
……つまりドレスか。
え?まじで?この(クリスマスであれば)十二歳の身体で?
『…………どーしましょ。まだ一年なので、ドレスは無用だと思っていたのに……』
「我輩もそう思っていた。……そういえば、貴様あのネックレスはどうした?青い石がついたやつだ」
『ああ!あれなら、制服の下にいつもつけてますよ。パーティーとかで使えそうですね』
トリップしてきた時に身に付けられていたネックレス。
いつも身に着けているのは、身に着けていることに意味があるのだろうと思っての事だ。
が、まさかこのような時に使うとは思わなかった。
…………!、いいこと思付いた!
『あ、そだ。このネックレス、教授がくれたことにしてください』
「なんだと?」
私の提案に、セブルスが眉を顰めた。
『そのルシウス先輩って、確か女タラシで有名じゃないですか。その予防策ですよ』
あんなタラシ、お呼びじゃないです。
もっと純粋で、現在目の前にいるツンデレ君がいいです。
本音ダダ漏れの、察しが悪い人でも分かりそーないい訳ですが、付き合ってくだせぇ。
マジで銀髪はいらないです。
遠くで眺めているか、置物、ぬいぐるみにしちゃえばいいなぁとは思ってますが。
そんな余計な事をつらつら考えつつ、セブルスの返事を待った。
「……いいだろう。校長もそうおっしゃるであろうしな」
ありがとうセブルス!
これでタラシが寄ってこないぜ!
青天(せいてん)の霹靂(へきれき)な感じですが、この行為には感謝しなくては!
「で、ドレスの方はどうするかね?」
タラシ回避ですっかり忘れていた、衣装の件を再度突きつけられる。
この年で社交界デビューか……
『……今から用意するんですか?』
「ああ、衣装というのはクリスマスに近ければ近いほど、借りるのも作るのもギリギリになり、デザインやパターンも限られる。今作っておかねば、見苦しいものとなろう」
第一印象で人は決まるってやつですね。
やっすいダメデザインの服なら行かない方がマシという……
『どうするので?ホグワーツにいる状態では……』
どこにも行けないとなると、就活であれば一番最初の段を踏み落とすような気分がする。
あれも第一印象が大事で、スーツを買うだけで血の涙が出そうだった。
「明日、ダイアゴン横丁に行けばよかろう」
『それって、セブルスが連れてって行ってくれるってことですか!?』
まるで雲間から射す光のようなセブルスの言葉に、私は驚いた。
え!?このツンデレ根暗陰険贔屓引き籠り教授!!?
マジで?
ああ、かわいいぞ!
今まさにツンデレがっ!
え?二つ名が長い?
いえいえ、愛ゆえです。
「致し方あるまい。例の件はマクゴナガル教授と校長がおれば何とでもなる」
『了解です!あ、今のうちに言っておくけど、例の件は学年末、つまり、テスト終わってから最終局面になりますので、大丈夫ですよ!』
嬉しさのあまり、彼に情報を渡した。
これくらいなら、セブルスは大丈夫さ。
「それはどういう……」
彼は片方の眉を上げて聞いてくる。
『物語でいけば、今は起承転結の承の部分って事さ。ハリーはそれまで無事だよん。まぁ、少しアクシデントは起こるかもしれないけど、五体満足で心身ともに無事なら、大丈夫でしょ』
要約すれば、怪我しても生きているならOKという、少し辛辣かもしれない事を言えば、彼は難しい顔をした。
「……貴様、グリフィンドールだったよな?」
グリフィンドール生がそういうことが信じられないのだろう、セブルスが疑うように聞いてくる。
『ですよ。でも帽子からはどの寮に属することもできると言われた組み分け困難者です。ですから、私がどの寮の特徴を持っていても不思議じゃないんですよ~』
その言葉に納得したセブルスは引き下がって、紅茶を飲んだ。
同時に人が悪い笑みを浮かべ、ふんと鼻で笑う。
「禪は我輩の寮に来るべきであったな」
『いえいえ、教授の手を煩わせるのはいただけませんよ。私は貴方と対立すべきとこに居てこそ、意味があります』
私は苦笑し、同じように紅茶を飲んだ。
その場はそれでお開きとなり、私は、ハリーたちがいるかもしれないところへと向かった。
もちろん、庸も連れて。
ハリーたちはどこに行ったのだろーか。
寮はもちろん、大広間や図書館も探し他が見当たらない。
もしや湖か、中庭、ハグリッドの小屋に行っているのではと思いそちらも探したが、見当たらなかった。
セブルスの手伝いに、十四時までかかってしまっているので早いとこ探し当てたいのだが見つからん。
『庸、ハリーたちどこ行ったんだろ?』
みゃう
庸に問いかければ、珍しい返事が返ってくる。
『ハーマイオニーもいないのですよ?ほんとどこに行くか分からないよぅ』
そう、ルームメイトで友達の彼女もいないのだ。
ハーマイオニーは勉強好きだから部屋か図書室にいると思ったのにいなかったので、おそらくハリーたちと一緒だろうという見当はつく。
『まったくどこ行ったのさ!』
青い空に私の声がこだました。
◇~~~~~~~~~~~~~~~~~◇
「あら、終わったの?」
探し回っていて少しぼろっちくなっている私に、女神が降臨(こうりん)いたしました。
『ああ、ハーマイオニー!こんなとこにいたんだね!』
思わず彼女に抱き着きました。
ハーマイオニーがいたのは、なんとクディッチ競技場。
既にハリーたちと行動してるからかな。
君が、ちとここに来るのは早いですよね?
応援席は、ガラガラだった。
それが練習と本番との違いなのだろう。
「実はね、貴女がスネイプ教授のとこ行ってから寮の談話室に来週の金曜日のお知らせが張ってあったの」
ハリーたちのとこまで一緒に行って座れば、ハーマイオニーが言った。
あれ、“金曜のお知らせ”って、なんか聞いたことのあるフレーズですね。
「飛行訓練があるんだ。それでここに来ようってロンが言いだして……」
「だ、だって、ハリー箒で空を飛ぶことも知らなかったんだよ?」
「説明するより、見た方がいいからここに来たんだ」
ハリー、ネビル、ロンの順に言っていく。
“百聞は一見にしかず”ってやつですね。
「私も箒で飛ぶのは初めてだから、ご一緒させてもらったわけ」
『そうだったのですか。私も初めてです』
本をかじって臨んでいた彼女とは思えないセリフだ。
しかし、原作を捻じ曲げたからには、こういう事も起こりえるのだろう。
五人はそのまま、選手が箒で飛び回るのを見ていた。
選手の練習というのは、本番とはまた違う興奮があるらしい。
今回練習していたのはグリフィンドールで、ビーターの双子が完璧な連携をしていた。
まさに双子ならではのシンクロ感である。
他の選手も、振り分けられた役割を調整しつつ、練習をしていた。
キーパーはチェイサーと一緒に練習していた。
受けるのも打つのも、相手がいなければ、ただの玉遊びにしかならないからだ。
ちなみにシーカーは、ただひたすら飛んでいて、何やら探しているぽかった。
ハリーはロンとネビルに、クディッチのルールや選手の説明をされている。
その説明する声は、興奮じみている。
いかにも、男の子だっていう証明だね。
スポーツとか、体を動かすのが好きって……。
◇~~~~~~~~~~~~~~~~~◇
「それで、スネイプはなんだって?」
練習観戦の帰り、ロンが聞いてきた。
もう既に十六時で、空は夕闇が迫ってきている。
て、呼び捨てダメですよ、ロン。
あの人どこで聞いてるか分かんない神出鬼没なんですよ。
引き籠りだけど。
『ああ、ただの選別作業でしたよ。一応、怒ってはいましたけど、幾分かそれで気が納まってくれたようで……』
「なら、明日は一緒に遊べるんだね!」
ネビルが目を輝かせて言った。
『あー、それがそうもいかなくてね。明日は教授と一緒にダイアゴン横丁に行くことに……』
「なんだって!」
ロンが叫んだ。
ハリーもハーマイオニーも、ネビルも可愛そうなものを見る目をしている。
セブルスマジで嫌われてますねェ。
恋敵とか考えなくて済みますが……あ、リリーがいるか。
死んだ人は美化されるって言いますし、そう考えれば厄介ですが、でも生身じゃないからいいっしょ。
寮に戻れば、ずっとつき従っていたロシアンブルーはベッドに走っていって、まるまり欠伸をひとつあげ眠りに落ちた。
……こういうときだけ素直な猫だね。
「ねぇ、禪」
『ん?』
明日の支度をしようかと、タンスやら鞄やらとにらめっこしていると、ハーマイオニーが――部屋に入った早々読みだした教科書から顔を上げて――言ってきた。
ほんとハーマイオニーって勉強好きだよね。
「明日ダイアゴン横丁行くんでしょう?」
『そうですよ』
「なら、何かお土産買ってきて!」
『……』
「……なに?不満なの?」
『いや、そうじゃなくてね。一緒に行くのはスネイプ教授ですから、お許しが出るかなぁっと……』
かの人なら許してくれなさそうだと、頭をかいた。
「ああ!そうだったわ!無茶言ってごめんなさい」
付添というより、その人の用事で行くのだと思いだしたらしい。
うん、無茶ぶりですね。
行くのはホグズミードではないんですから。
セブルスが主体だからね。
私はおまけだからね。
一応、それが君たちへの返答だから。
実は、“私のドレスつくりに行きます!今年社交界デビューです!”とは言えませんからね。
『まぁ、お土産は買ってくるつもりですが……期待はしないでください』
私は苦笑して、そう言った。
ハーマイオニーはシャワー浴びてくると、シャワー室に行ってしまった。
おそらく、気まずいとでも思ったのだろう。
ホントは言ってしまいたいですが、ハーマイオニーは心配事をこれから抱えるんです。
私事で、悩ませるわけにはいきません。
まぁ、後々これもエゴになるのでしょうが、その年でそんな悩みを抱えることもないでしょう。
もう少しだけ。
三年生くらいになったら、話してあげますので、今は気になさらなくて結構です。
(土曜日編
end)
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