どうしてこうなったのだろう。
何度も言うが、私は少し困った事になっていた。
なぜに私の隣にカカシとナルトがいるんだ。
サスケもナルトの横にいるし。
いないのサクラだけじゃない?
というか、なぜ一楽にいるんだよ……。
「おい、ナルト。もやしくらい食べろよ」(サスケ)
「べ、別にいいじゃん!」(ナルト)
「サスケもなぜにトマトラーメンなの……」(カカシ)
「別にいいだろ、スケベ上忍」(サスケ)
「サスケ、容赦ないってばよ」(ナルト)
「……吹っ切れたのか、サスケ」(カカシ)
「まぁな」(サスケ)
『で、なんで私を挟んで何話してんのよ……。マジで疲れる』(威守)
「まー、威守上忍ここは俺がおごりますんで」(カカシ)
『そういう事じゃないって。まぁ、分身に既に色々やらせているから問題ないですけど……、そちらの班は全員署名をもらいました?』(威守)
「んー、全員もらいましたよ」(カカシ)
原作ならば乗り気でなかったサクラも、既に覚悟済みだからか。
スムーズに話が進むなぁ。
そのまま食事をとり、ナルトとサスケがなぜか仲良くサスケの家へと向かっていった。
おい、かなり仲良くなってないか?
サスケって原作だと闇落ちしてたけど、このまま上忍になるんじゃない?
てか、何気に肩を抱いてくるこの阿保をどうにかしないとな。
『いつまでべっとりとくっついてんですか。この変態忍者』(威守)
「えー、いいじゃん」(カカシ)
『……そういえば、貴方の鍛錬をしようという話がありましたね。今から始めましょうか』(威守)
「うーん、また今度ね。で、言いたいことがあるんだけど」(カカシ)
『何よ?』(威守)
「何十年も一人でいて悲しくない?」(カカシ)
『いきなり何?半分人間じゃないんだから別に』(威守)
「強がるなぁ。俺は直ぐにわかったんだが?瑠威の目、笑ってないって」(カカシ)
『元いた世界で笑えなくなったからね……。孤独はいつも通りだから、もう寂しくとも何ともないわ』(威守)
「……あのさ」(カカシ)
『ん?なに?』(威守)
「いや、なんでもない」(カカシ)
その後は何も彼は話さなかった。
ちゃんとナルトの横の部屋までエスコートしてくれたが、挨拶だけして去っていった。
私は少し疑問を持ったが、夜風の中を音もなく砂の里へと移動した。
カカシside
俺は何を言おうとしたんだ……。
あの瑠威を目の前にして、昔別人に言おうとした言葉を。
当の昔に押し殺した感情を、彼女は掻き立ててくる。
なぜなのだろうか。
自分が自分でわからなくなる。
……いや、たぶんあの目が似ているからだ。
俺の親父に。
直感が言ってくる、瑠威は死にたがりではないかと。
親父の時はぼんやりと不安があった。
あんな思いはもうこりごりだ。
リンとオビトのことに関してはとても感謝しているが……
自ら死を選ぶようならば、邪魔をしてやる。
いくらでもだ。
俺はそう決めた。
ま、ガイやアスマも協力してくれるだろう。
俺が弱ったあの時を覚えているハズだからな……。
カカシside end
「ルイおねぇちゃん、1次試験終わったよ!筆記だった」(レイスケ)
『筆記ねぇ……。かなり生ぬるーくしたわね。それでも大半が落ちた。少し教育を見直す必要がありそうね。で、次は2次試験か……』(威守)
分身のレイスケが報告してくる。
『ま、筆記なんて私の分身も楽勝で突破してたでしょ』(威守)
「うん!でも大半寝てたよ?」(レイスケ)
『そりゃぁ、楽勝過ぎて時間余っちゃったんだろうね……。で、ナルトたちは?』(威守)
「ナルトが棄権しそうだったけど、根性で不安をねじ伏せてた!」(レイスケ)
『……目に浮かぶわぁ。さて、じゃ次の試験はちょいとひと騒動きそうだから、覚悟しておいてね』(威守)
「りょーかい!」(レイスケ)
返事とともに分身が消えた。
「いよいよか」(長門)
「これで暴れることができるなぁ!」(???)
「貴方はやりすぎてはいけません。ここは私が行きましょう」(スイレン)
「なんだよ。相手はやっていいんだろぉ?!」(???)
『まぁまぁ、飛段。落ち着いて。確かに相手はやっていいが、それ以外は倒してはならない。そんなピンポイントな任務は適しているとは思えないのだけれど?』(威守)
同じ部屋にいた私兵たちが口々に話す。
「うー……そりゃなぁ。んじゃ、誰が行くってんだよ?ルイが分身でもう一班先行させてんのは知ってっけど……いくらなんでもチャクラの使い過ぎだぞ?!」(飛段)
「確かに。だからこうしてその役割を誰にするかを話している。でも、飛段。貴方は私達よりも顔が割れてしまっているわ。お勧めできない」(小南)
『……湯隠れの連続殺人鬼だったね。確かに一般人でも知る超大物ネーミングだ。中忍試験はどの身分に関係なく公開されて行うから、なおさら向かないわね』(威守)
「ちっ、せっかくルイの為に暴れれると思ったのに……」(飛段)
「「……」」(長門、小南)
『まぁ、もっといい機会がある時にお願いするわね』(威守)
飛段をいさめ、周りを見渡す。
『さて、あまり時間がない。長門、スイレン、ディダラの三名にその偽装した班を任せる』(威守)
「「「了解」」」(((長門、スイレン、ディダラ)))
『それに伴い、風影の移動を行う。こちらはサソリ、キサメ、飛段の三名だ。はっきり言おう。どちらの任務も大蛇丸自身が出てくると思われる。むろん、どちらが本体かわからぬが……』(威守)
「どちらにしろ、手厚く待遇してやるさ」(サソリ)
「さすが旦那!そうこなくっちゃな!」(ディダラ)
「あまりはしゃぐなよ。俺らは下忍として演技しながら任務にあたるんだぞ?」(長門)
『いえ、ディダラはいつも通りでいいわ。それでこそ、下忍に紛れることができるでしょうから』(威守)
「なるほど……。では、直ぐに任務に移ります」(スイレン)
部屋から六名が去る。
『小南。貴女はガロと共に火影様の近くに居てちょうだい』(威守)
「わかったわ」(小南)
小南もガロの元へと行った。
残るは、再不斬、白、私。
「俺らはどうする?」(再不斬)
『次の試験の合間に、敵がこの里へ軍を配置している可能性もある。それを二人で予測していってほしい。既に、里の外に配されている分は私の分身が見つけている。狼の方からも火影様近くの配分も把握したという報告が来ている。だから、里の中のみだ』(威守)
「ちなみに、どれくらいの人数に……」(白)
『分かっているだけの総数でおよそ五百人』(威守)
「なるほどそれだけの人数は、木の葉だけでは捌き切れんな。わかった、里の中を警戒してくる。行くぞ、白」(再不斬)
「はい」(白)
二人ともその場で変化し、街の中へと繰り出していった。
察しがいい。
流石は再不斬。
『さて、今度は岩の方へ行かなくては』(威守)
術を唱え、私は岩隠れ忍びチームへと移動していった。
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