選択と契約書

 

 抜け忍に接触した後、ささっと戻ってきた。

 入れ替わっていたことにカカシは気づいていない。

 

「イナリの義理の父親はガトーに殺されたんじゃ」(タズナ)

 

 ああ、ここか。

 最終的にナルトが修行に出かけ、サスケは静観、サクラは同情している。

 それぞれの経験、家族関係によるんだが私とレイスケならばどう対応するだろうか。

 

『ばかばかしい。いつもうつむいていたら、どこにも進めない』(上居)

「ルイ、辛辣」(レイスケ)

『レイスケも分かってるでしょ?諦めたらお終いだって』(上居)

「そうだね、僕らはある意味似た者同士だし」(レイスケ)

 

 意味深なやり取りをして、屋根の方に移動していった。

 

 うーむ、やっぱ私って他人視点から見るとサバサバしてんなぁ。

 レイスケもなんだろうけど、彼はまだ優しい。

 


 

 

 その後何事もなく5日経った。

 

 

 宣言通り、再不斬のとこにもう一度訪問する。

 答えを聞けば、私の私兵になる事を了承した。

 

「追われる事にうんざりしているからな」(桃地)

「……」(白)

 

 そういう再不斬に、白は何も言わなかった。

 彼にとってのキーマンのはずだが、まさか原作通り思いつめているのだろうか。

 それはいただけない。

 

『では、この書類にサインして』(威守)

「?これは?」(桃地)

『雇用契約書。私だけが一方的に貴方たちを縛るのもいけないでしょう。これはそれを防ぐための書類。どういう条件下でならこうします。こういうことは一切しません。情報管理や病気、医療の事までいろいろ書いてあるからちゃんと読むといいよ。ちなみに私のサインはしてある』(威守)

 

 この世界に来て、契約書を作る過程でこれもいいなぁと思って作成したのが、この雇用契約書。

 最初は互いに条件を縛る内容を書いて作成していたのだが、如何せんいい加減な者からふざけた事までやる輩がいたために、基本的な形を整えたうえで、ちゃんと公式的なものを作った。

 

『珍しいか?』(威守)

「僕等がいた処にはこんなものは無かったもので……」(白)

『でしょうね。こんな”同じ立場からものを言っていいよ~”みたいな書類、普通忍者の職業にはないでしょう。木の葉ではこれを正式採用しています』(威守)

「これは、アンタが考えたのか」(桃地)

『まぁ、ね。私とて忍びのお仕事はあまり好きではないのですよ。命をかけた仕事であるのでね、詳細部分をこう言う書類で縛ってやるわけです。確実に、正確に、出来るだけ安全に、ってね』(威守)

「木の葉のナンバーⅡが忍び嫌いとは……」(白)

「珍しい権力者がいたもんだ」(桃地)

『仕事は好きなものを選択してしまうと狂ってしまうモノなんですよ。仕事狂になんてただのマッドサイエンティストみたいなもんでしょ。仕事は大好きなものを選択しない方がいいんですよ』(威守)

 

 前世の知識だが、好きなことを仕事にして成功するのはほんの数人くらいだ。

 

「お前、面白いな」(桃地)

「再不斬さん?」(白)

「本来こんな書類なんぞ、上の奴らは作らない。簡単に裏切る奴らが多いからな」(桃地)

『そうでしょうね、そのシステムは私が導入したものです。信頼を確かなものにするために』(威守)

「本当にお前についていくとしよう」(桃地)

「!?」(白)

 

 サインを書き、書類を渡してくる再不斬。

 白はそれに驚いているようだ。

 

「どうやら嘘はつかないようだしな」(桃地)

『嘘か。つきたくはありませんよ。嘘なんてただの仮初でしょう?』(威守)

「一つだけお聞きします。なぜ、僕らを助けるのです?」(白)

『メリットは一つ。私は人をたくさん殺してるが、人殺しなど好きではない。救えるものならば、救いたいの』(威守)

「偽善という奴ですか?」(白)

『いいえ、ただ、今後の為に、未来を変えるために私は暗躍してこういうことをしている。私の、願いの為に』(威守)

「未来の為か。それが願いか」(桃地)

『詳細はこの件が終わってから話すわ』(威守)

 

 


 

 

 再不斬達の処からカカシ達の元に戻る。

 カカシの方も回復がだいぶできており、今も筋トレの最中だ。

 

「しかし、依頼内容を偽ったというのに、なぜ護衛を続ける気に?」(タズナ)

「忍びはお金だけで動くわけじゃありませんから」(カカシ)

「……(よしゃー!サスケ君との時間が長くなる!)」(サクラ)

『カカシ君。そうじゃないよ、今回は』(威守)

「威守上忍、どういう事です?」(カカシ)

 

 今まで目を閉じて柱に寄りかかっていた私は、目を開けて告げる。

 

『カカシ君、ずっと寝てたでしょ。その間に火影様に指示を仰いだのだけど、その時にちょっとわかったことがあってね』(威守)

「いつの間に……」(サクラ)

 

 サクラの言葉を聞いて、外から分身を使い赤い小鳥を飛ばして、手に乗せる。

 

『この子を飛ばして、連絡を取っていたのよ。返答はこう”ガトーには抹殺命令が出ている。護衛はそちらに任せた”と』(威守)

「抹殺命令じゃと?」(タズナ)

「上がその様に言ってくるとは、ガトーはやりすぎたか」(カカシ)

『そ、カカシ君の言う通り。ガトーは表どころか裏でもやりすぎたの。ガトーに困っているところが沢山あるので、依頼もそれなりに来ている。だからガトーに明日は無しと判断したみたい』(威守)

「こわ~」(サクラ)

「出る杭は打たれるからな」(カカシ)

『依頼の中には危険すぎるモノもあったし、現状で受注中のタズナさんの護衛を利用して敵をおびき出しておくみたい』(威守)

「おいおい、そんなに話していいんか?」(タズナ)

 

 確かにフラグみたいな話だ。

 

「まー、抹殺命令って事は木の葉の暗部も動くから大丈夫でしょ」(カカシ)

「……木の葉の暗部が、か。超強い奴がいるという話じゃが」(タズナ)

「ものすごく強いっ人てこと?」(サクラ)

 

 カカシがチラリとこちらを見る。

 

「暗部総隊長だな。歴代の暗部たちの中でも最強とうたわれている。まぁ、その正体は謎のベールに包まれ、わからないんだがな」(カカシ)

 

 いや、君は知ってるだろーが。

 意味ありげな視線を送るなよ。

 

『まぁ、そういうことよ。なんにせよ、私達は護衛に集中できるわ』(威守)

「再不斬は襲ってくるだろうがな。一度請け負った仕事は、よほどの事でもない限り投げ出さないやつのはずだ。情報によればな」(カカシ)

「うーん、なんか余計にややっこしくなっただけな気も」(サクラ)

 

 再不斬たちには、ちゃんと策を打っておいたからね。

 これでなんとかなるだろう。

 

 

 

 次ページ:ガトー討伐

 

 


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