雪の願い

 

 カカシ君がダメージ回復を図っているうちに、私は分身の一つで再不斬の拠点の捜索をしていた。

 思ったより簡単に見つかり、今はガトーが来ていることもあって本体と交代し、様子見状態である。

 

『ガトー相当の馬鹿ですなぁ』(威守)

 

 ガードを二人だけ付けただけで乗り込んでいくとは。

 ただの命知らずだ。

 かくいう私は一人で行くんだがな。

 


 

「白、余計なことを」(桃地)

「分かっています。ですが、ガトーを今殺すのは時期尚早です。また奴らに追われることになる。ここは我慢です」(白)

 

 うーん、かわいい笑顔やなぁ。

 

『全く、君らといいガトーといいなめているのかな?』

 

 突然の声に、白がさっと振り返り再不斬はクナイを握りしめる。

 私はフツーに正面から堂々と姿を現した。

 

『やぁ、さっきぶり。私が刺した傷は大丈夫かい?』(威守)

「「……」」(桃地、白)

『あ、ちなみにとどめを刺しに来たわけじゃない。君らに一応知らせておこうかと思ってね』(威守)

「何をでしょうか。貴女は敵のはず」(白)

 

 臨戦態勢の白が問うてくる。

 

『実は、君らの今請け負っている依頼無駄になるよ~って言いに来たんだよ』(威守)

「?どういうことだ」(桃地)

『君たちくらいのクラスなら聞いたことあるだろう?”翠”っていう暗部名を』(威守)

「っ!」(白)

「確か、木の葉の最強暗部だな」(桃地)

『それ、目の前にいるから』(威守)

「「!?」」(桃地、白)

『まぁまぁ、そんなに身構えないでね。私はこれでも木の葉のナンバーⅡだよ?』(威守)

「俺らをどうするつもりだ?」(桃地)

「再不斬さん!」(白)

『んー、狩るのは一瞬で終わるしなぁ。君らはっきり言って弱いし。ガトーには抹殺命令でてるから、今仕掛けてきても無駄死にじゃない』(威守)

「ガトーの奴は往生際が悪いぞ?」(桃地)

『私にそれを言う?んな抵抗なんぞもろともしないわ』(威守)

「……だろうな。で、俺らにそれをご丁寧に言う為だけに来たのか?」(桃地)

「事としだいによっては返しません」(白)

『ん~。そうねぇ。それだけでもよかったんだけど、君らはどうする?ガトーが死んだあと行く当てはあるのかい?』(威守)

「「……」」(桃地、白)

 

 ある訳がないのだろう。

 抜け忍になったからのだから、まずそのような場所はない根無し草のはずだ。

 ガトーのこの提供した住処も一時しのぎにしかならぬ隠れ蓑なのだろう。

 

『直球で聞くが、君ら、私に命預けてみない?』(威守)

「「は?」」(桃地、白)

 

 いきなり切り出された話に二人とも吃驚する。

 

『木の葉になれとは言わない。どちらかといえば、私の私兵みたいなもんだ。衣食住は保障するし、何より追われなくて済む』(威守)

「……」(桃地)

「……」(白)

『まぁ、いきなり答え出せとは言わないわ。五日後くらいに返事をくれれば。ああ、そうそう。ガトーはそれくらいに叩きのめすからよろしく』(威守)

「お前は……」(桃地)

『ん?』(威守)

「里のナンバーⅡといったな。なぜ、こんなことをする」(桃地)

 

 もっともらしい意見をまさか桃地再不斬が言ってくるとは。

 

『とある願いがあってね。それを叶えるためにしているの。ま、世界征服とかじゃないから安心してね~』(威守)

 

 じゃね~とその場から去り、私は分身と入れ替わった。

 


 

 白side

 

 敵の女忍者が去った後、僕らは茫然とする。

 なんなんだ、あの嵐のような女性は。

 

「再不斬さん」(白)

「……お前はどうしたい?」(桃地)

 

 再不斬さんは、いつも僕優先だ。

 

「再不斬さんはどうなのです?」(白)

「……さっきの奴とガトー。比べるまでもねぇ。さっきの女の方が信じられる」(桃地)

「そうですか……。」(白)

「嘘は言っていない眼だった」(桃地)

「もし、彼女の言っていた事を鵜吞みして、騙されたらどうします?」(白)

 

 暗部名”翠”が里のナンバーⅡならば、どんな手を使ってきてもおかしくはない。

 

「いつも通りの日常に帰るだけだ」(桃地)

 

 そう、再不斬さんは言って寝てしまったが、そんなに甘くはないはずだ。

 だいたい、どうしてそんな地位と権力がある人が、こんな任務なんかにいるのだろう?

 僕ではわからない疑問に、再不斬さんは答えを見つけているのだろうか。

 ……わからない。

 だが、これだけは分かっている。

 僕は、再不斬さんに救われているんだ。

 だから、彼の盾になる。

 

 

 だから、――再不斬さんの邪魔をする奴は、消す。

 

 

 もしも、騙されたなら彼を守ろう。

 今は選択肢がない。

 ガトーが抹殺されるというならば、なおさら。

 

 …………

 

 

 再不斬さんの寝息が聞こえる静かな空間の中、僕は決意を固めていた。

 

 

 白side end

 

 

 

  次ページ:選択と契約書

 

 

 

 

 

 


|新しいページ|検索|ページ一覧|RSS|@ウィキご利用ガイド | 管理者にお問合せ
|ログイン|