*主人公二人目の物語始まります。
時がだいぶ経ち、またこの世界に別の者が降り立つ。
今度は凶将といわれるものを連れて。
『ああ、くそが。こんな場所に俺を連れてきても守りゃしねーぞ?』
【煩き小僧だな。だがお前はもう一人の己に消されたのだ。この空(クウ)との賭けを果たしてもらう。そう、この世界で生きる限り】
『ちっ!仕方ねぇ。俺も一度は高みに昇ったものだ。ま、いつもアイツにやられるというループ世界にいたのだがな』
【この世界は、貴様のような世界とは一味違う。一般人ばかりではない。忍びという名の使い手がいる】
『ほぅ。忍びか……懐かしい響きだな、あの女神の傍にいつも控えていた奴もそういう者だったな。俺には敵わなかったが……』
【一部の者は、それより上と考えていいぞ】
『面白そうだ。だが、この体は、よほど鈍(なま)っているのか?俺の動きについてこんぞ』
【チートだな、貴様も。仕方なかろう。ずっと次元の狭間に揺蕩(たゆた)っていた貴様を保護して、適当な体に放り込んだのだ。子供なのだからしっかり遊び、その身体に慣れろ】
『仕方ねーなぁ』
「ガロ~どこ~……」
「鬼ごっこはもういいから出てきて~」
【ほら、呼んでるぞ。ガロ】
『ちっ。名を伏せるためとはいえ、偽名で呼ばれるのはいい気がしないな』
【そう言うな。な、
ファントムガノン?】
『お前は真名で呼ぶのかよ?それも正式名じゃねーがな』
木の上から赤い髪の彼はスタッと地面に降りる。
その姿に遠目から気づいた他の子供達が駆け寄ってきた。
『面倒な奴らだ』
【がんばれ、魔王様】
『もう魔王じゃねぇ』
*はい。まさかの魔王様でした!やべぇ奴を引き込んだって?
いやいや、これ時オカの奴だから。
本体にも失望された一部分だから。
ま、ちゃんとことの後で別次元行くから大丈夫、何の心配もいらない。
と、いうことで、次行くぜ!
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