却下

 

 上居side

 

 木々の中を飛んでいく。

 あまりいい雰囲気の森ではないが、いつもこの演習場は使用しているため威守班のホームグラウンドだ。

 他のどの班よりも、地の利が得られている。

 

「ルイ、そこらじゅうで悲鳴が聞こえ始めたね」(レイスケ)

『この森は、私達は慣れ親しんでいますが……実は危険度が高い演習場ですからねぇ』(上居)

「ふーん。確かに、覚えておかないと生態がわからない生物とかいるね」(レイスケ)

『今の悲鳴の方向から考えて、シカマル達の班がいるはずの方ですね……。彼らの声だと思いませんから、別の班のものでしょう』(上居)

「彼らの班なら、シンプルでも怖い罠ができていそう……」(レイスケ)

 

 レイスケ、勘がいいなぁ。

 確かに原作でも恐ろしい罠だったよ……。

 ヒルだよな、めちゃ大きい。

 吸血鬼かよ!って叫んだ記憶があるわぁ。

 

『さぁ、急ぎましょう』(上居)

「りょーかい!」(レイスケ)

 

 記憶を頼りに、先回りして所定の位置にて潜む。

 レイスケにアイコンタクトで待機指示を出した。

 

 


 

 

 潜んでいると、ものすごい風が吹いてきた。

 うーん、かなり待ったけど……この風だよな。

 アイコンタクトをとり、二人で飛び出す。

 目の前には、オカマ野郎。

 

『お待ちなさい!その少年には手出し不要です!』(上居)

「サスケ!」(レイスケ)

 

 サスケに迫りくる変態の前に踊りでる。

 

「あら……これは珍しい。そんな姿になって……お久しぶりね、斑鳩(イカルガ)」(大蛇丸)

『……くねくねとして、相変わらず気持ち悪い。さっさと滅菌してくれない?』(上居)

「ひどいわね……。そこの少年、私にちょうだい」(大蛇丸)

『素直に渡すとでも?』(上居)

「貴方事もらえば大丈夫でしょ!」(大蛇丸)

 

 大蛇丸が突進してくる。

 ……なるほどな。

 私は攻撃をチャクラの障壁ではじき、彼を下へと叩き落す。

 

『サスケの事は任せた』(上居)

「うん!」(レイスケ)

 

 瞬身し、大蛇丸に衝撃波をこぶしに乗せてお見舞いする。

 私自身に多少ダメージは残るが、変態相手にはこういうのが一番いいだろう。

 

「ふふふ、あんな子供だけで私の邪魔をできるとでも?」(大蛇丸)

『私自身をお忘れですか!』(上居)

 

 チャクラ刀を瞬時に作り、それで変態を切りつける。

 躱されたのを読んで、移動するっであろう位置にクナイを放つ。

 彼はそれを読んでいたようで、とっさに躱していた。

 ……そういえば、こいつも人やめてたな。

 

「ほんと、貴方ってひどいわねぇ……」(大蛇丸)

『笑っているのも今の内ですよ』(上居)

 

 例の力は使えない。

 いつも通りでいくしかない。

 攻撃をいなし、ほんの少し反撃してあまり深入りした突撃はしない。

 

「ふふ、逃げてばかりでは私に勝てはしないわよ?」(大蛇丸)

『誰がその手に乗るとでも?』(上居)

「乗せるまでよ!」(大蛇丸)

 

 オネェだなぁと突っ込んできた大蛇丸を思いながら、軽く避ける。

 その瞬間、警戒していた大蛇丸の首が伸びた。

 

『ちぃ!』(上居)

 

 何体かに瞬身し、緊急威回避に努める。

 

「小賢しい。そんなチャクラ消費をして」(大蛇丸)

 

 

「「どぉけえええええ!!!!」」((長門、ディダラ))

 

 

 大蛇丸が本気になりかけていく途中で、偽装した雨隠れの一班(長門、ディダラ、スイレンの班)が突っ込んでくる。

 スイレンはいないようだが、本気にしたら怖い二人が来たな。

 長門が大蛇丸と私の間に入り、ディダラと喧嘩しているように見せて引き離す。

 例の輪廻眼の能力だろう。

 ま、直ぐに分からないよう本人は変化しているし、彼には事前に特殊なコンタクトを渡している。

 引き離したタイミングで、ディダラが長門に反撃するように見せ形を整えたⅭ4を大蛇丸の近くへと放り投げていく。

 もちろん、私の方にも何個か来たが、チャクラ障壁をサスケたちの手前に移動して展開させた。

 

 轟音とともに、Ⅽ4が爆発する。

 

「くっ!」(大蛇丸)

 

 膝をつきそうになりながら、敵は耐えた。

 但し、大きな樹々もなぎ倒されたので、かなり離れた場所へと遠ざかるを得ないが。

 

『別の班ですって?!二人とも!この場を離れるわ!』(上居)

「ああ」(サスケ)

「うん!」(レイスケ)

 

 私達三人はその光景を脳裏に焼き付けながら、その場を去ったのだった。

 

 


 

 

 偽装雨班side

 

 

 ルイと大蛇丸の戦いに、班内での喧嘩を装って突っ込んだ後。

 雨の額当てを持つ三人は塔へと到達していた。

 既に手中に”天”と”地”の書がある。

 あの戦いの後、ここへ向かう最中にかすめ取ってきたものだ。

 

「さて、出居(デイ)。これからどうする?」(長門)

「今更だな、うん。もちやるさ。羽場(ハバ)」(ディダラ)

「二人とも。あちらが受け付けですよ。この葉菜(ハナ)はお先に行っていますから」(スイレン)

 

 三者三様、偽名を名乗り最後の予選へと足をふみだす。

 予選において、彼らがその実力をほんの少ししか見せないというのは、ここだけの話。

 

 

 偽装雨班side end

 

 

 

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最終更新:2018年02月19日 00:22
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