実験計画書

心理学演習ⅡA 記憶A

2008,5,8()   提出用

実験計画書

 

★テーマ

  人物を記憶する際に、その人の服装は記憶に影響するのか。

 

 

★話し合いで決まった事項

 

●序論

 今回の実験計画を進めるにあたって、私たちの班で話題に上がったのは、

“ポケモンなどのキャラクターを覚える”ということだった。

キャラクターは視覚的印象が強く、あまり苦労することなく覚えることができるというのは、

日常の中で経験していることであると思う。

キャラクターはその色や格好に特徴があり、しかもそれは常に変化しないので、

それらは覚える際の手がかりとなる。

キャラクターにとって、色や格好や重要な個性とも言える。

 この話題から、私たちは、日常生活にかかせない“人物を覚える”

ということを対象にした実験を考えた。

私たちは人物を記憶する際に、様々なものを手がかりとする。

顔はもちろんのこと、その人の服装や髪型、出会った場所などである。

ここで、キャラクターと人物との違いを考えてみると、

人物の場合、格好は常に変化し、固定された色などを持っているわけではないので、

それらを覚える手がかりにするのは難しいように思える。

人物にとって常に変化しないのは、「顔」である。

  しかし、人物を記憶する際に、顔のみで覚えているとは言いがたい。

人物を記憶する際のことではないが、実際、友達がいつも見慣れた格好とは違う格好をしていると、

イメージが違ったりもする。

普段見ている先輩が就職活動のためにスーツを着ていたりすると、その人の印象がガラッと変わった、というのもよく聞く話である。

 そこで今回は、私たちが人物を記憶する際には、キャラクターなどを記憶する際のように、

顔の特徴以外のその人の背景と言える「服装」が影響しているのか、ということに着目した。

 人物の背景文脈の記憶率[*1] については、従来からも研究が行われている。

Daw&Parkin(1981)は、人格特性で顔を判断するように求められた被験者が、

形態特徴で判断した被験者よりも、個々の顔の背景(建物や着ている服など)

ずっとよく再生できることを示した。

  つまり逆に[*2] 再認時に背景が変わっていると、人格特性で顔を判断するように求められた被験者は再認成績[*3] 下がり[*4] 、形態的特徴で覚えた方[*5] が成績が良いという傾向も認められている。(Beales&Parkin 1984)

 今回の実験では、人物の背景のうち「服装」に注目する。方法としては、被験者を2群に分け、その人物の職業を手がかりに記憶して[*6] もらうグループと、性格を手がかりに記憶してもらうグループを作り[*7] 、再認時に服装を変えてみた結果どうなるのか?という方法を取る。

「職業」と「性格」という2つの尺度を用いた理由としては、職業は服装と密接に関わっているものであり、職業という観点で記憶した場合[*8] 、服装が影響していると考えられるが、

性格に関しては服装が密接に関わっているとは言えず[*9] 

服装の影響はあまり考えられないからである。

 

  つまり、職業を手がかりに記憶した場合よりも性格を手がかりに記憶した場合の方が再認成績が良ければ、私たちは人物を記憶する際に服装が影響しているということが言えるのではないだろうか。

 以上のようなことを検証するべく、今回の実験を進めていく。

 

 

●目的

 ・実験の目的

人物を記憶する際に、その人の服装は記憶に影響するのか?ということを調べるために、以下の仮説を検証する。

・仮説

   人物を覚える際に、職業を手がかりにして覚える場合と、性格を手がかりにして覚える場合とでは、前者のほうが再認において服装が影響する。

 

 

 

 

 

以下TAさんより。

 

*自分なりに整理してみました。こういうことで良いのでしょうか?

○テーマ:人物を記憶する際に、その人の服装は記憶に影響するのか。

○先行研究

Daw&Parkin(1981)の実験

→人の顔を見せられたときに意味処理(性格判断)を行うと、形態処理をしたときよりも背景文脈の

再生成績が良い

Beales&Parkin(1984)の実験

→ 再認時の服装を記銘時と変化させると、記銘時に意味処理を行ったときの、顔の再認成績が変化

させていないときと比べて下がる。

  しかし、記銘時に形態処理をしたときは、成績が下がらない(もしくは意味処理よりも減少幅が

小さい)。

・上の2つの研究から

→記銘時に意味処理を行った場合に、服装が顔の再認成績に影響を及ぼすことが考えられる。

  →記銘時に形態処理を行ったときは、服装が再認生起にあまり影響しないが、記銘時の意味処理の種類によって、服装が再認成績に及ぼす影響に差が出るという可能性もあるのでは?

○目的

  ・人の顔を見せられたときに、その人の職業を判断する時と、性格を判断するときでは、再認時の服装変化の影響がどう違うのかを調べる。

    理由:服装と関わりが弱い意味処理(性格判断)でも服装の影響が見られれば、服装が人の記憶に影響を及ぼすということがより強く主張できるから

 

最後の目的の辺りは、私の予想が多く入っているのでA班の意図していることとは違うかもしれませ

んが・・・

気になるところとしては、まず、性格と職業のグループ分けの話が唐突に出てきた印象があります。

先行研究からどう考えて、性格群と職業群を設定することにしたのかということを、書く必要があり

ます。また、「性格を手がかりにして覚える」という表現は曖昧です。先行研究から考えると、記銘時

に性格の判断を行わせるということをするのかなと思えますが、「手がかりにして覚える」だと、記銘

時に「この人は優しい人です」と記憶する、という解釈もできます。


 [*1]「記憶率」という表現はないので、「記憶」とする

 [*2]「また、」

 [*3]何の再認成績?

 [*4]何と比べて?

 [*5]「判断するように求められた」のではなく、「覚えた?」

 [*6]何を記憶するのかを明記する

 [*7]前とのつながりがわかりづらい

 [*8]職業を記憶させるのか、職業を判断させるという処理を行うのか?

 [*9]例えば、いつも黒っぽい服を着ている人と、パステルカラーの服を着ている人とで性格の判断に関わりはないといえるのか?

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最終更新:2008年05月08日 10:11
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