kaismasi @ ウィキ
http://w.atwiki.jp/kaismasi/
kaismasi @ ウィキ
ja
2008-03-30T03:10:00+09:00
1206814200
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人物紹介
https://w.atwiki.jp/kaismasi/pages/58.html
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*アキース
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年齢:24
性別:男
出身地:ドンドルマの西の街『オリオン』
メイン武器:大剣
防具:モノブロスシリーズ
二つ名:
猟団:『レイアの尻尾』副団長
本編主人公 ドンドルマの街で暮らす青年ハンター
母親はオリオンの街の開拓当時からの専属ハンターで町の英雄であった
モンスター学者の父親と今もオリオンの街で暮らしている
そんな母のもとを離れて師であるエーリナの元に13の頃から修行し16で一人前のハンターとなった
母の血を引いた生粋のサラブレットとしての実力は相当なものである
猟団『レイアの尻尾』の副団長
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*サクラ(チェリオストロス)
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年齢:20(256)
性別:女(メス)
出身地:オリオンの北『アクアラサン火山』
メイン武器:双剣
防具:リオハートシリーズ
二つ名:『月夜のサクラ』
猟団:『レイアの尻尾』
本編ヒロイン アキースと一緒に暮らしているハンター
若い女性の姿をしているが本当の姿は幻の龍『チェリオストロス』
リオレイアの真祖となった古龍で内に秘めた力以外見た目はリオレイアの亜種
アキースの母とは無二の親友で独り立ちしたアキースの保護者を買って出た
長く生きてはいるが人間で言うとまだ20歳ほど
人の姿をしていてもその身体能力の高さは目を見張る
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*オルヴェル
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年齢:30
性別:男
出身地:ドンドルマの北『ブルッケス』
メイン武器:ガンランス
防具:クシャナシリーズ
二つ名:『鋼の猟人』
猟団:『レイアの尻尾』団長
アキースが所属する猟団『レイアの尻尾』の団長
創設5年目で団員数は多くはないものの
実力派がそろっているためドンドルマの中でも有名である
アキースの師であるエリーナの弟
不精髭に右目の眼帯がトレードマーク
アキースの兄貴分であり友人
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*エリーナ
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年齢:35歳
性別:女
出身地:ドンドルマの北『ブルッケス』
メイン武器:大刀
防具:レウスシリーズ
二つ名:『烈火のエリーナ』
猟団:無所属
アキースにハンターとしてのすべてを教えた人物
アキースの母の弟子にしてオルヴェルの姉
アキースが尊敬する人物の一人
普段はあまり人とは群れないハンターとしての自分を鍛え続ける
2008-03-30T03:10:00+09:00
1206814200
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モンスターハンター
https://w.atwiki.jp/kaismasi/pages/57.html
ここにはモンハン系のことをいろいろと…つか当面勝手気ままにSSとかあげる程度でしょうけどね
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モンハンSS
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・[[人物紹介]]
2008-03-29T21:39:07+09:00
1206794347
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トップページ
https://w.atwiki.jp/kaismasi/pages/1.html
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*夜桜茶屋
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・ここは神姫の父が気ままに「武装神姫」やら「モンスターハンター」のSSやらを書き留めていくページです。
まぁ自分なりにはメモページみたいなもんなんで…
こんてんつ
・[[管理人の紹介]]
・[[駄文>>]]
・武装神姫
[[橘明人とかしまし神姫たちの日常日記]]
・[[モンスターハンター]]
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2008-03-29T21:37:48+09:00
1206794268
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>
https://w.atwiki.jp/kaismasi/pages/56.html
ここにはモンハン系のことをいろいろと…つか当面勝手気ままにSSとかあげる程度でしょうけどね
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モンハンSS
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・[[人物紹介]]
2008-03-29T21:37:33+09:00
1206794253
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管理人の紹介
https://w.atwiki.jp/kaismasi/pages/55.html
*管理人の紹介
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・ハンドルネーム
神姫の父
武装神姫は第二期、ハウリン、マオチャオが発売されたころから知っていましたのでかなりの古株
一年半ぐらい前から『武装神姫SSまとめ@wiki』にてSSなどの活動開始
モンハンは『ドス』『ポータブル2nd』『ポータブル2nd G』『フロンティア』をやっていまして
経験は長いです ちなみにフロンティアでのキャラ名は「ノアール」です。
その他ジャンルは問わずなんでも来い!!なんですがいくつか例を挙げますと
『Fate/stay night』『コードギアス』『ガンダム系ほとんど』『ハルヒシリーズ』『.hack//』
などなど…多すぎて書き出したらきりがありやせんぜ旦那
2008-03-29T21:34:14+09:00
1206794054
-
かつての死神
https://w.atwiki.jp/kaismasi/pages/54.html
私が初めてあいつの背中を見たとき
あいつから漂うオーラのようなものを感じた
圧倒的
そう感じさせる黒い力のようなものを颯爽と去っていく背中から感じた
しばらくして
実力の近かった私達は頻繁に会うようになるまでに親しくなった
私とあいつ、香憐に昴
あいつにくっついて妹の葉月もついてきたっけ
でもレスティクラムが私達ほどの腕ではない葉月はいつの間にかマネージャーみたいになってたな…
いつも五人でつるんでいた
楽しかった
私とあいつの関係も近くなった
しかし、笑っている所を見たことはなかった
あいつは背中に死神を背負っていた
あいつは強かった
誰よりも強かった
試合が始まると同時に相手を恐怖のどん底まで導く死神
通り名どおりの禍々しいほどの力で何人もの相手をねじ伏せた
ある時
いつもの様に相手を完膚なきまでに叩きのめし、ロウグアウトした後のあいつの背中に死神はいなかった
かわりに見たのは寂しそうな背中…
始めて見た
そしてその姿は印象深く私の瞼に焼きついた
それから私はあいつのことが知りたくなった
強さの陰に潜む別の顔をしたあいつを知りたかった
今になって考えてみればあいつに惚れたのはこの時からだったのかもな…
「……アル、指示を…」
ミュリエルの静かな声で我に返る
そうだった、今はバトルの途中……
って、なにを呆けているのだ私は!
相手はハウリン、装備は標準…おそらくはビギナーだろう
吠菜壱式を右手に構えてミュリエルに照準を合わせている
今から回避行動に移る暇はなさそうだ
ならば…
「問題ない、こちらも発射用意。相殺する」
私の指示にこくんと頷くミュリエル
サブアーム右腕の手首をパージ
私発案、エリー改造によるオリジナル内蔵武装《ライトオリジン》を起動させる
初発にはあらかじめエネルギーチャージを終了させているので今すぐにでも発射可能だ
本来なら文字通りの奥の手であるが…マスターである私が呆けていたから負けたなど
とあいつに知られたら悔しくてならん
相手のマスターは危険を察知したのかすぐさまハウリンの吠莱が火を噴く
「……Lock」
言いながら集束したエネルギーを放出するミュリエル
発射した高エネルギー波が吠莱から放たれた実弾を捕らえ、相殺したことにより二人の間に大きな衝撃波が生まれる
それに耐え切れずに体制をぐらつかせるハウリン
「休むなミュリエル」
同じ事を考えていたのか、ミュリエルは私が指示している間にもサブアーム左腕の手首をパージして右腕同様のオリジナル内蔵武装《レフトアイアン》を構える
標準装備に例えるなら右腕がアーンヴァルのLC3のような高エネルギー兵器、対を成す左腕はヴァッフェバニーのSTR6のような高速発射に優れた実弾兵器だ
ミュリエルの左腕はハウリンを捕らえ鉛の雨をコレでもかと言うほど相手に浴びせる
しかしハウリンの前にはプチマシーンズが己の体を盾として主人を護りに入った
よって着弾はゼロ
しかし現状が不利と判断したのだろう、プチマシーンに護られている間にこの場からの離脱を試みるハウリン
「……逃がさない」
《レフトアイアン》の射撃を止めることなくバックパックを展開
ミコとのバトルでも用いた六連式自動装填型ミサイルポッド《アポカリプス》
相手を燻り出すにも追い詰めるにも使えるミュリエルお気に入りの武装だ
「……Lock!」
心なしか先ほどよりか気合の入った声とともにホーミングミサイル全弾発射
それに気がついたハウリンは振り返りざまに棘輪を投擲して二つを落としたものの残る武装は十手のみ
同じく投擲するが…やはり落とせて二つ
残りの二つは今だハウリン目掛けて襲い掛かっていく
打ち落とす手段をなくし、逃げることもかなわない
マスターに指示を仰ぐ事も間に合わずハウリンは爆炎の中に消えた
『ノックダウン! 勝者、ミュリエル!!』
「……よくやったなミュリエル」
私はバトルを終えたミュリエルの頭を撫でていた
ミュリエルは目を細めくすぐったそうにしている
彼女はこうされる事が大好きだと私は知っている
「アル、ミュリエル、お疲れサマ~」
近くで観戦していたエリーがこちらにやってくる
今日はエリーと共に博士の使いで秋葉原まで来た
用事を済ませ、そのついでと神姫センターに寄り道をして今にいたる
とりあえず私達は次のバトルも始まるので待合スペースに向かうことにした
「サブアームとバックパックの調子は良さそうだね」
「ああ、性能はなかなかのモノだ。流石、天才科学者の娘の作品だな」
「あ、やっぱり? そう言って貰えれば苦労した甲斐があるよw」
エリーはこういう武装パーツの作成にも興味があるらしい
しかし彼女の神姫はあまりバトルが好きではない様なので新作運用テストにはミュリエルが協力している
こちらとしても武装提供はありがたいのでギブアンドテイクだ
「あれ? なんだか人だかりが出来てない?」
待合スペースには有名人でも見つけたかのような人の山ができていた
エリーは「ちょっと見てくるよ」と言って人だかりにかけより、小さな体を活かして人込みをすり抜けていった
私とミュリエルはしばらくその人だかりを見ているたのだが、突然中心の方から「うがぁぁぁ!!」と吼えるエリーの声が聞こえてくる
エリーの威嚇(?)に人だかりは徐々に薄れていった
どうでもいいが他にも追い払う方法があっただろうに…
連れとして少し恥ずかしいぞ
完全になくなった人の山の中にいたのは肩を怒らせ興奮状態のエリーとそれをなだめている香憐だった
「香憐? こんなところで何を…」
「ああ、アル。あなたも来ていたんですね。それにミュリエルも」
「人だかりに囲まれてなにやって…」
私はそこまでたずねて香憐の肩にいるいつもと印象の違う孫市に気がついた
「……孫市?」
「アルティ殿…この衣装にはあまり触れて下さるな……」
たずねようとした事を先に釘を刺されてしまった
なにか疲れきった顔をしている孫市
可愛い衣装とどんよりとした表情のギャップがとてもシュールだ
「先ほど素晴らしいお店に連れて行って頂いたんですよ。この衣装はそこで」
孫市とは対照的にニコニコ笑顔で嬉しそうに話す香憐
なんとなく事情は飲み込めた
今の孫市と同じような顔をした葉月の表情を思い出す
そういえば私にも着せようとして必死に逃げたこともあったか…
過去の経験上他人事ではなくなった孫市を見ながらちょっとした疑問を口にした
「連れて行って頂いたって…あいつも来ているのか?」
「はい。今はバトル参加の申請に…」
「あ、明人~!」
「なんでお前らこんなところにいるんだよ」
「いるんだよとはご挨拶だね。こっちはせっかく香憐を助けてあげてたのにさ」
機嫌を直したエリーの声と怪訝そうな顔をしたあいつの声が聞こえる
「は? どういうこった?」
「僕らが通りかかったら人だかりが出来ててさ。何だろうと思ったら、香憐を囲む写メの嵐だよ。コスプレと思われたんじゃない?」
確かに孫市の衣装は凄い
しかしそれを目撃するなりすぐさま写メール撮影とは相変わらず秋葉原は凄い所だと実感…
「んで、僕とアルで追っ払ってやったってわけさ。ちなみに僕らは父さんに頼まれたお使いの帰りのちょっとした寄り道中。父さん、今仕事が溜まってるから監禁中なんだよ」
追い払ったのはエリーだけだと思うのだが…
「明人達はいつもここまで来てるの?」
「いや、俺たちもついでだ。いつもは違うショップ…そういえばお前らはまだ連れて行ってなかったな…」
顎に手をやり考える明人
「そんじゃエリーはアルのバトルの付き添いか?」
「まぁね。僕の神姫はあんまりバトルは好きじゃないから今日は父さんと一緒にお留守番」
明人はへぇ~と返事をしながら私の方に目を向ける
そして目を合わせるなり
「…勝ってるか?」
と聞いてきた
なんだそのにやついた顔は…
「…愚問、当然だ」
「それは何よりだ」
さして反応はしないし驚きもしない
こいつなりに私とミュリエルを実力を買っているのだろうか…
「よ、ミュリエル。元気か?」
明人は私の肩に座っているミュリエルに指を差し出す
ミュリエルは明人の指を両手で抱きしめ、微笑みながら頷く
この子は人懐っこい方だがここまでの笑みはなかなか見せない
見せたとしても私以外には明人に対してぐらいだろうか
…………なんとなくジェラシーを感じる
明人も明人でデレデレと…
案の定ノアに自慢の大鎌を突きつけられて脅されているがいい気味だな
そう思っていると周りが少し騒がしくなる
先ほどと同じく孫市かと思ったが…目線はノアの方を見ているようだ
「なるほどね…『緑色のケルベロス』か…」
ぼそっとエリーがつぶやいた
「ファーストリーグでも上位に君臨する地獄の番犬、そしてあの大鎌がその由来となったノアの『牙』…《クロノスベル》 僕もナマでは始めて見たよ…」
キラキラと目を輝かせながら言葉を続けるエリー
こいつ…意外とウエポンマニアなのかもしれない…
「かつての死神と地獄の番犬のコンビ…なんか凄い組み合わせだよね~」
ケラケラ笑うエリーの言葉に私はバトル中に考えていたこと思い出し、あいつの背中を見てみたくなった
「かつての死神…か…その通りだな」
以前の死神を背負い颯爽と歩く背中ではなかった
だけど寂しそうな印象など何処にも感じさせなくなっていた
変わりに胸ポケットと頭の上と左肩から騒がしい声がする
変わりに文句を言いながらも楽しそうなあいつがいる
すぐに追いついてみせると再び心に刻み、呼び出しのアナウンスを受けて「タイミングわるぅ……」と愚痴りながら人込みの中をバトルシステムに向かうあいつの背中を私はただ見送っていた
追記
翌日の事だ
私達は研究所の住居スペースでコタツに入りながらテレビを見ていた
見ているのはファーストリーグの中継番組
もう少しでノアの試合が始まろうとしていた
ふと、テレビに映る明人を熱心に見つめていた我がパートナーになんとなく質問
「ミュリエル、お前………明人にやたらと懐いているな…」
「…………アル…ヤキモチ?」
こちらに振り向き、首を傾けながらお約束の台詞を口にするミュリエル
「ヤキモチキターー!!」と五月蝿い親子は無視の方向で
ここは否定するのも面倒なので素直に認めておこう
「そのようなものだ。人懐っこいお前でもあれほどの笑顔は珍しいからな…」
「……………ミュリエル…明人…好き…」
「…………それは…どの位だ?」
腕を組み、少し考え込むミュリエル
しばらくしてからいつになく真剣な表情で
「……………Love?」
と呟いた
最後の「?」が少し気になるが
衝撃の新事実
ライバルはここにもいた…
「……………そ、そうか……」
ミュリエルは私の顔を見てクスクス笑っている
横でエリーが「ハーレムに一名追加だね♪」とか笑顔でほざいているが再度無視の方向で
私は試合を終え美人女子アナウンサーにインタビューされているテレビの中のあいつの顔をなんとなく睨みつけてやるのだった…
終わり
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#right{このページの訪問者:&counter()}
2008-03-29T21:18:02+09:00
1206793082
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出会いは雨の日
https://w.atwiki.jp/kaismasi/pages/53.html
「橘…明人様ですね?」
雨、雨、雨…
六月の梅雨に聞こえるのは雨の音だけ…
だから彼女の声は余計に俺の耳に響いたのかもしれない…
だから彼女の瞳は余計に澄みきったように見えたのかもしれない…
だから彼女の少し濡れた黒髪は美しいと俺に思わせたのかもしれない…
俺と彼女の出会いは
俺にとって…きっと…
「ですから、私はその試作機だと言ったんです」
「…………」
俺はこの子を家に上げたことを心底後悔していた
爺さんのとこから来たようなことを言っていたので知り合いなのかと安直に考えた結果がコレだよ…
まぁ、マンションの俺の部屋の前でうずくまっていた彼女をそのままほっとけるわけでもないんだがなぁ…
でもさ、爺さんの差し金だって言う時点で警戒するべきだったんだよ…
どこまで腑抜けの甘ちゃんになっちまったんだよ俺は…まったくもって自己嫌悪の他ないな…
「ちょっと待ってて、すぐ戻るから」
「…どこへ行かれるのですか?」
ソファーから立ち上がった俺に対面するかたちで座っている女の子が問いかけてきた
「とりあえずは爺さんに連絡とってみる。んで、ついでに予約入れてくる」
「予約…とは?」
「耳鼻科の予約…あ、ついでに君も精神科に予約入れとく?」
「明人様のお耳は正常かと…それに私もいたって正常です。まだお話すべき事は残っています。兼房様へのご連絡はその後にしていただきたいのですが…」
正常ですか…そうですか…
ま、もう少しそのオハナシとやらを聞いてみようじゃないの
幻聴が聞こえるなんて言ったら俺まで精神科行きかも知れないしなぁ…
「先ほども申しましたように、私は少々特殊なのですが…神姫として生活するときはこの15cmの素体、MSSを使います。この専用素体をベーシックな物に変えれば普通の神姫と何も変わりません。活動エネルギーは人間体のときは食事、MSSのクレイドルと同様のバッテリーチャージの二通りがあり…」
「………………」
彼女の説明を右から聞いて左に流しながら俺はふと思いに耽っていた
『どうして…俺のところなんだ?』そう思った
素朴な疑問だ
爺さんも趣味が悪い
俺が今どんな状態なのか解っててやってるんだ
絶対…
研究だかなんだか知らないけど、俺にこんな面倒押し付けて楽しんでるのか?
俺にはこの子のマスターになんてなれやしないのに…
「基本的には人間と大差はありません。アンドロイドやヒューマノイドの延長線上とお考えいただければ…」
「………………」
「……明人様、聞いておられるのですか?」
「…なぁ、一つだけ聞いていいか?」
「はい、ご質問なら何なりと…」
何でこの事を聞いたのかは憶えていない
ただこの子があまりのも真剣だったからかもしれないし、その時の俺には何もかもが煩わしかったからなのかもしれない…
「えっとさ、この研究ってめちゃ大事なことなんじゃないの?その、武装神姫…だっけ?それと人の関係のための理想なんだろ?」
「はい、これはメーカーにも正式な協力関係に組み込まれております。フェレンツェ博士、兼房助教授のご両人とメーカーの次のステップへの試みですから…10年…20年先を見据えた一大プロジェクトです」
「だったら俺は一番先にそのモニターとやらから除外されるべきだ」
だって…俺は…何もかもから逃げ出した…もっともな言い訳でっち上げて…アイツを見捨てて…
そんな俺がマスター?爺さんよ、無謀すぎるってもんさ…
「もっとちゃんとしたヤツがいるだろ?なんつーか、大事にしてくれそうなヤツは俺以外なら大勢いる…」
俺はきっと、いつかこの子を傷つける
俺はそういう人間だ…俺はそれが己の被害妄想なんかじゃないことを理解している
周りがどう思おうと、現実的に傷付いた人がいるんだ…だから俺なんかじゃなくて、もっと大切にしてくれる…
「いいえ、貴方でなければなりません」
彼女の声は全く揺らがなかった
「だから、なんで…」
「私が決めたからです」
しばしの沈黙。雨の音だけがリビングに響き渡る
「………はい?」
「兼房様は私に『明人がお主の眼鏡に適うのならばマスターにせよ』と言いました。だから私は明人様、貴方を私のマスターにします」
え?え?え?っちょ、ちょっと待てよオイ
「なんかそれって逆じゃないか?」
「私もそう言いましたが、なんでも『押しかけ女房』というものらしいです」
「押しかけ女房って……でもさ、聞いてるんだろ?爺さんから俺のこと…その…レスティクラムのこと…」
「はい、存じております」
「君はそれでもいいのか?こんな俺でもいいって言うのか?」
「はい。先ほども申しましたが、 私には貴方でなければなりません。なぜかと聞かれると困ってしまいますが…私はプロジェクト初号機ですので、サンプル採集に害を及ぼさないために最低限の知識以外は初期入力を行ってはいません。ですので今のこの感情は私には表現できないのですが…」
感情…ねぇ…
「ただ…」
「…ただ?」
「貴方はきっとお優しい方です。そんな貴方と私は…もっと側にいたいのです…」
そういいながら彼女は初めて微笑みを見せた。
「……………」
…なんだろうな…なんか知らないけど凄く暖かかった
俺にも理由なんてわからないけど…俺もこの子と一緒にいたいと思った
ただそれだけで十分なような気がした
もう一度歩もうと思った
今度は…この子と共に…
「……ノアール」
「え?」
「君の名前だ。ノアール…イタリア語の黒、「ノワール」からさ。でも「ワ」ってなんか言いにくいだろ?それなら呼びやすい「ノアール」の方がいい。これから…その…毎日呼ぶんだからな…」
「…何故黒なのですか?」
「それは…その…なんとなく…」
「…なんとなくですか」
「うん、なんとなく…」
言えるわけがなかった
『始めて見た時のお前の黒髪に魅せられた』なんて…そんなキザな台詞、流石の俺にも言えるわけがなかった…
「ノアール…それが私の名前…」
「気に入って…くれたかな?」
「はい」
再び彼女が微笑む
また俺は心が暖かくなるのを感じる
それをこれから毎日続けていけるのだろうか…
彼女はこれからも俺に暖かい気持ちをくれるのだろうか…
もし、もしもそうならば…
俺は誰よりもこの子のために立派なマスターになろうと思った…
「それじゃ…これからヨロシクな。ノア」
「はい、ご主人様」
…………ん?今なんてった?
「さっそくで悪いんだがノアールさん?」
「はい、ご主人様。何でしょうか?」
「そのご主人様っていうのは…何?」
「明人さんのことです」
「いや、そうじゃなくて…」
「これは私の数少ないデフォルト設定です。変更は認めません」
「おまえ、認めないってことは変更できるんだな……じゃあ変更…」
「認めません」
ぬ…
「…して下さい」
「いたしません」
ぬぬぬ…
「しなさい」
「しません」
…降参
「あ~もうわかったよ!頑固なヤツだな!!好きに呼べ…」
「はい、ご主人様w」
こんどは少しイタズラっぽく笑う彼女
立派なマスターになるの、やめよっかなぁ……
気が付けば雨は止むように
梅雨の後には暑い夏が来るように
俺と彼女の出会いは
俺にとっての梅雨明けだったのだろう…
これから蝉たちがかしましく騒ぎ出す暑い夏が来ることを
俺はひそやかに待ち望んでいた…
追記
「ご主人様、起きてたのですか…」
リビングのソファーの上で上半身だけ起こしている俺に部屋に入ってきたノアが声をかけた
そうか…俺は寝てたのか…
季節は…冬だな…暖房を効かせたリビングで寝ていたので、少し肌が乾燥しているのを感じる
今は夢の続き…夢から五年後…そして彼女は…今も俺の側にいてくれる
夢から抜けきれず、ボーっとノアの顔を見ていると
なんだか…それだけでも暖かく…
「どうしました?また寝ぼけてるんで…」
ノアの言葉をさえぎる様に俺は急に立ち上がり、ノアを抱きしめていた
「な、なぁっ!?ご、ご主人様!?」
ノアにしては珍しい慌てた声に俺は無意識にやっていたことに気が付く
「…わりぃ、ちょっとこのままでいさせてくれ…」
「……………っ」
ノアは何も言わずに俺の腕の中で顔を真っ赤にしたままだ
おいおい、俺からしといてなんなんだが…これはちょっと恥ずかしかったか?
いつも側に居てくれる、心強いパートナーでいてくれる
当然で当たり前のことだけど…
感謝してるぜ?ノア…
ちなみにこの後、冬なのにかしましい蝉たちに見つかり
ミコには勢いよく押し倒され、ユーナには蹴りを入れられ、昴たちには冷やかされた
あの梅雨の日から始まった俺の、俺たちの物語は…
まだまだ騒がしくなるんだろうなぁと
ため息混じりに思う俺なのであった…
終わり
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2008-03-29T21:17:34+09:00
1206793054
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第1回『初兄』会議
https://w.atwiki.jp/kaismasi/pages/52.html
「第1回! 『初デートって言っても兄さんと二人っきりなんて状況、いったいどうしたらいいの?』会議~」
“ドンドンドン”“パフパフパフ”
「え~やってまいりました『第1回 初デートって言っても兄さんと二人っきりなんて状況、いったいどうしたらいいの? 会議』、略して『初兄』会議のお時間です。司会進行は私、水無月 香憐が勤めさせていただきます~」
“パチパチパチパチ”
「この会議は…す~っ(息を吸っている)『ダメ元で言ってみたデートの約束が何だかんだあっても結局OKされてしまってその日が二週間後に迫っているにもかかわらず今更ながら言い出しっぺなのに予定外の事態に慌てふためくご様子までもが可愛らしい葉月様が私に今回の会議名そのままのご相談をなされたので緊急特別的に開催された会議』です!(この間呼吸なし)まずは会議のメンバー紹介です。一人目は今日の議題の主役であるお二人の祖父であられる議長の鳳条院 兼房様~」
“ワーワー”“パチパチパチパチ”
「…議長の鳳条院 兼房じゃ。…今日はヨロシク」
「…兼房様? その色メガネと指を交差させるように組んで両肘を机についた司令スタイルは何なんですか?」
「……お前には失望した」
「……続いてお二人目は葉月様のパートナーであるレイアさ~ん」
“パチパチパチパチ”“キャー!”“レイアちゃーん!!”
「ど、どうもです///」
「レイアさんは今日の議題であるお二人についてはご存知だったのですか?」
「え? ええ、存じていました……初めて明人さんにお会いしたときからお二人…と言っても御主人様の態度の変化は歴然でしたから……」
「ほほう? 葉月様の普段と違った態度のみで気が付いたとは中々の人間観察力ですね? 私と兼房様以外の方々は少々度の過ぎるブラコンくらいにしか見ていないんですよ?…そのせいもあって明人様に気づいてもらえない葉月様なのですが……」
「いえ、普通、ご本人ならわかるのでは………」
「そこが明人の厄介なところじゃよ」
「あっと、無視されたからなのでしょうか、普段通りの口調に戻りましたね兼房様」
“おおぉぉぉぉぉ!!”
「…ところで香憐よ、そのアンティークなCDラジカセはなんなんじゃ?」
「これですか? これは場を盛り上げるための音響装置ですよ。それ、ポチッと」
“ワハハハハハハハハ!!”
「…まぁよいわ、話を戻すがアヤツは相当露骨にやらんとちーとも気づきはせんぞい?」
「確かにそうですねぇ……あの鈍感さには全く困ったものです;」
「………香憐さん、前から気になってたんですが………」
「なんですか?」
「御主人様から聞いたんですけど……香憐さんも明人さんのこと…特別な感じで見てたんじゃ……」
「ええ、そうですね。確かに明人様は私にとって特別な人ですが…それがどうかしたのですか?」
「ではなぜ御主人様の恋路に協力を?」
「…わかっていませんね、レイアさん…」
「うむ、わかってないのう」
「???」
「確かに明人様は私にとっては大切な人です。仕えるべき人としても、レスティクラムの愛弟子としても、殿方としても………」
「では、なおのこと……」
「しかし葉月様も私にとってはとても大切なお方です。お二人の幸せこそ私の一番の望み!!」
“ババァァァァン!!”
「な、なんと………そこまでお考えになっていたのですね…」
「それに…」
「…それに?」
“ドドォォォォォォォン!!”
「「ズバリ!『明人×葉月』萌
なのですよ!!!」
なのじゃよ!!!」
「…………」
「…………」
「…オホン、さて、会場の意思統一も出来たところで……」
(……出来たのかな??)
「デートの行き先なんかはもう明人様にまかせてみては?」
「そうじゃの、どんなにわしらが考えたラブラブデートスポットも明人には全く効果がないと言うオチもありえるじゃろうし…」
「た、確かに……」
「それにあの明人がどんな所に連れて行くのか興味あるしのぅ」
「ではその方向で。問題は……」
「問題は?」
「ノアちゃん達じゃな」
「あ~、なるほど、御姉様達ですか……」
「あの方々のことです……邪魔する…とまではいかないにしても尾行などのなんらかのアクションに出るのは必然的ですね……」
「それでの、二人に提案なんじゃが……ちょいと耳をかしてくれんか?」
「…なんで三人しかいないのに内緒話をする体勢になるのですか?」
「ネタバレになっては面白くないじゃろ?」
「ネタバレって………」
「それより本題に入るぞい。いいか?ごにょごにょごにょ……………」
追記
「ヘックショイ!!」
「風邪ですか?」
「ん~、どうだろう?確かに最近の夜は冷えるけどな~」
「だったらいい方法があるよ?」
「ん? どんなんだ?」
「にゅふふ~私がご主人様のベットの中でピッッッタリ密着して暖めてあ・げ・る(はーと)」
「……ミコ…いくらネコ型だからっておまえ……」
「…なら犬型ならばよろしいのでしょうか」
「……ノア、お前までなにを冗談……」
「あ、アニキ、この場合、天使型って……どう……なんだ?」
「…………」
「「「じーーー」」」
「……………………」
「「「じーーーーーーーーーー」」」
「………ふ、風呂いってくる!!」
“ダダダダダダダ”“ガチャ”
「あ、こら!逃げるな~~~~!!」
「アニキ!どうなんだよぉ~~~~!!」
“ダダダダダダダダ…”
「……はぁ」
終わり
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2008-03-29T21:16:59+09:00
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『α』の鼓動
https://w.atwiki.jp/kaismasi/pages/51.html
「どちらにしてもよくかわしてくれましたミュリエル…。これで私も、久々に思いっきり戦える」
彼女の一言で場の空気は一瞬にして凍りつく
彼女の全力…久々という発言から予測できなかったものがさらに予測不可能になっていく
彼女はいつから本気ではなくなったのか…今は何部の力で戦っていたのか
どちらにせよこの状況でそのような思考は御荷物でしかない
考えることはただ一つ…
私とミュリエルはこの未知の力を持つ『地獄の番犬』にどう立ち向かうかという現実だけだ
「勝つんだ」
この試合の勝敗、私は結局のところ勝てばいいのか負ければいいのか迷っていた
この試合はエキシビジョンマッチ、つまるところ余興なのだ
まぁ大観衆の中、テレビ中継までしてるんだから互いの誇りやらプライドをかけてといえば十分重要な試合でもあるんだろうが…
私の気持ちとしては……勝ちたい
自分が負けること、他者より劣ることを良しとする者なんていない
それが『戦士』ならばなおさらである
さらに私たち神姫はマスターを持つ仕える者だ
存在意義が例え家族や、妹やパートナー……恋人に変わったとしても根本にあるのは主人に対する忠義の心
それぞれ戦う者、共に生活する者、仕事のパートナーとなる者…道は違えど主人の喜ぶ顔が見たくない神姫なんていないと私は思う
ご主人さまは私たちを家族だと言ってくれたが今この場にいる私は…『戦士』だ
この人が喜ぶのであればこの人のために私は勝ちたい…その気持ちは一度だってぶれたことはない
ランみたいな騎士なら忠義という言葉の似合うのだが如何せん私は犬型だ
思わず首輪をつけて尻尾を振っている自分が可笑しいというか情けないというか…
いや……案外いいかもしれない
いつもミコだけ…あの子ばかりご主人さまに甘えているんだから猫型に限らず犬型である私も…
……かっ…かなり魅力的なんだが私のイメージとかけ離れすぎていて無理があるな…
結局、ケルベロスなんて呼ばれているがご主人さまの前では私はただの忠犬なんだよ実際
はたまた相手がアルティさんとミュリエルということが事態をややこしくしている
私じゃなくてミコならば名勝負にもなっただろうが…
今の彼女なら私のほうが上にいる
これはうぬぼれや過信でないことは彼女と実際に対峙して確かめた事だ
早い話「α」を使えばすぐに終わらせることも可能だろう
何故それをしないのか
「そんなのバトルでもなんでもねぇだろ?」
ご主人さまのその一言で「α」は自動的に私の奥の手、切り札となったんだ
色々と話はそれたがつまり私が言いたいのは…
「私は勝ちたい。しかし、それでご主人さまが喜ぶのであれば」
ということだ
ミュリエルとの戦いの最中アルティさんの実力を大きく買っているご主人さまに私は正直なところ……嫉妬していた
アルティさんはご主人さまの恋人だった人…それだけでも胸がもやもやとするのに
この人は彼女たちが強くなっていることを喜んでいる
口には出さないが顔がいきいきしている
私はどうもそのことが気に入らなかった
だから私は聞いたんだ
「この試合、私は勝てばいいんですか?それとも負けましょうか?」
と…
そんな神姫らしくもない質問にため息交じりにもはっきりと「勝て」と命ぜられた
迷いなんてなくなった
ただ今は…私を見てください…ご主人さま!!
「『α』に移ります…転送お願いします」
「了解~、転・送…っと」
サイドボードにあらかじめスタンバイしていた武装一式をノアに転送する
転送は攻防の真っ最中などには隙が多くなり不可能なんだが今のミュリエルは動こうものなら転送キャンセルをしたノアのラッシュを受ける位置関係にいるので下手に手出しもできない
そんな中でノアへの武装転送が終わった
「転送終了、『α』問題なく受け取りました」
彼女の纏う『α』とは基本や見た目的には犬型武装
ただし、完全なる薄型軽量化と材質に凝った作りをしている職人芸な一品だ
『腕甲・万武』では《クロノスベル》も持てないのでそこいらも配慮した造りになっている
武装は今まで通りの《クロノスベル》に加え、お腰につけた双剣『干将・莫邪』と…
「お久しぶりでありますな大佐!!」
「けっ、やっとこさ出番かよ…あぁぁ!!?」
「ふっ、お久しぶりですね我が姫…」
「ホント、ノアったら全然呼んでくれないんだから…」
上より順にぷちマスィーンズ壱、参、肆、伍
それぞれ翠影(ひかげ)、黒曜(こくよう)、蒼騎(そうき)、白菊(しらぎく)という名前がある
ちなみに弐号の赤丸はユーナにレンタル中だ
ノアの背中で翠影が指令を出し、黒曜、蒼騎、白菊の三人がそれぞれのマスィーンで攻撃する
ノア自身はほとんど遠距離の射撃はしない…もとい、する必要もないのだ
こいつらを並のぷちマスィーンズと思ったらそれだけで大誤算
実力のほどは…まぁみてりゃわかるわな
「四人とも久しぶりね…今回も力を貸してくれる?」
「了解(ヤー)。 であります大佐!!」
「ちっ…しゃあねぇな…あんたの頼みとあちゃ断れねぇ…」
「無論です我が姫ノアール様。この身は常にあなたの刃」
「私とあなたの仲でしょ?もちろんよ、ノア」
「ありがとう、ではみんな…行きましょうか!」
「…転送…?」
「ああ、軽装型には変わりなさそうだが…ぷちマスィーンズときたか」
「アル…どうする?」
「出方を窺いたいところだが…」
そんな余裕はこちらにはない
受けに回ったが最後、反撃のチャンスが来る保証などないんだ
「打って出るぞ」
「…うん…その方が…いい」
「よし、準備はいいか?」
「…アルヴォPDW9×2…マガジンセット…《アポカリプス》次弾装填…《ライトオリジン》…砲身冷却度98,8%…《レフトアイアン》…内装マガジン交換完了済み…いつでも…OK」
「そうか…では、行くぞ!!」
「明人選手、ノアール選手に武装を転送したみたいです!ただいま送られてきました資料を見たところによりますと、今までの『頭甲・咆皇』、『脚甲・狗駆』『exOPT_KT36D1 ドッグテイル』に加え軽量型の『胸甲・心守』と改良型の『腕甲・万武』という装備!武装は『緑色のケルベロス』の由来となった《クロノスベル》はそのままに夫婦剣《干将莫邪》と四体のぷちマスィーンズ!さて、この装備となって事態はどう動くのでしょうか綾川さん!?」
「はい、今までのノアールさんは超軽量化による高速移動とそれによる絶対回避のスタイルでしたが…完全に防御を固めたわけでもないですし武装も増えています…接近戦のスタイルを変えてくるとは思えませんが…ぷちマスィーンズが気になりますね…」
「そうですか、ありがとうございました!」
「くっ、ノアール殿め…以前手前との戦いでは本気でないことは判ってはいたが…あの小娘が相手とはどういうことだ…」
「あら、冥夜ヤキモチ?」
「ぐぅ…なにをいうか主、私はただ…」
「ただ?」
「……えぇい、もうよい。何にしても次に手合せする機会には本気を出してもらおうか」
「あらあら…ホントにノアールさんにお熱の様ね」
「…誤解されそうな言い回しはやめてもらおうか」
「ああっと!ミュリエル選手動きました!!」
「ノア、来るぞ」
「了解しました」
地面すれすれを高速移動で右回りに旋回しながらアルヴォの銃口をこちらに向けるミュリエル
先ほどのように鉛玉の斉射がノアを襲う
しかしノアは動かない
というか動かなくていいんだ
「出番ですぞ蒼騎少尉!!」
「了解ですよ。《イージス》PS装甲展開!!」
翠影の指示でノアの前に出てきた蒼騎が叫ぶと、蒼騎の前の空間にバリアのようなものが張られる
鉛玉は全弾その膜に阻まれることとなった
「…!!…それなら…」
ミュリエルは地面に右手をつき、身を低くしたまま向きをこちらに正対させた
「…《アポカリプス》…ファイア…」
背中の六連ポッドから二機のミサイルが射出された
「…青いのは…釘づけ…」
アルヴォの射撃は止まないので蒼騎は動けない
「なんの!!黒曜少尉!!」
「おぅよ!!うらららららぁぁぁ!!」
二機のガトリング砲をぶっ放しながらミサイルに向かって突貫する黒曜
「ほれ!ひとーつ!!ふったあつっ!!」
見事に二機の撃墜に成功……したかに思われるが
爆炎の中からもう一基のミサイルが黒曜の真横を通り過ぎる
その先にはノアが
「うげぇ!!しくった!時間差かよ!」
ノアに接近するミサイル
しかしノアは動こうとしない
「ヒメさんあぶねぇ!!」
黒曜が叫ぶと同時にミサイルは爆発
煙の中のノアは……無傷だった
「やっぱり私がいないと駄目ね…黒曜?」
「流石であります白菊中尉!」
「がっ…て、てめぇ…しぃらぁぎぃくぅ」
「いつも詰めが甘いんだから…赤丸にも言われてたでしょ?」
「うるせぇ!!俺に説教じみたことすんじゃねぇ!!」
「二人とも、戦闘中でありますぞ!!」
「そうですよ、姫の前です…少しは静かに…」
お前ら全員うるせえっての…
「あんなのに…防がれた…」
「くっ…一気に行くぞミュリエル、全砲門一斉射撃。突貫する!!」
「…了解…出し惜しみなしの…パワー勝負!!」
サバーカの脚力を十分に使い地面を蹴るミュリエル加速により真正面から突撃するようだ…
蒼騎、蒼騎、白菊の三人がアルヴォ、《アポカリプス》《レフトアイアン》の攻撃をそれぞれ防ぐ間にも《ライトオリジン》の銃身からバチバチと放電現象が起こる
「狙いは…フルパワーの零距離発射の様だ。…いけるか?」
「はい。この子たちがいるから攻撃に全力を注げます……」
そう言いながら両目を閉じて《クロノスベル》を握りなおす
そしてそのまま腰元へ
刹那の勝負に抜刀術ってか…
10………9………8………7………
「ノアが構えた!しかし…退くことはない!」
「…もちの…ろん…」
6………5………4………3………
「大佐殿が打って出ます!三人とも退避を!」
「おぅよ!」
「了解」
「わかったわ!」
2………1…………
「奥義…狗咆斬!!」
「………展開!!」
0
ミュリエルの周囲にプラズマ現象を引き起こすほどのエネルギーとノアの半月を描く斬撃が衝突し拮抗した力は行き場をなくし…
爆破
煙が晴れ…立っていたのは…
ノア……とミュリエルの二人ともであった
「…驚きました。まだ立っているなんて…」
「ん……がんば…った…」
「ミュリエル…あなたは強い…断言しましょう…あなたならいずれ私や冥夜さんにも劣らない神姫となるでしょう」
「………ん」
「しかし今は」
そう言いながら愛用の大鎌を持ち上げその刃の切っ先をミュリエルの首元へと運ぶノア
「私の勝ちです」
「………ん……降参…」
両手をあげてアルヴォを放すミュリエル
二丁のアルヴォが地面に落ちると同時に大喝采が巻き起こった
『第五回鳳凰カップ最終試合、エキストラバトルの勝者は………『緑色のケルベロス』ノアール選手です!!』
追記
こうして鳳凰杯は幕を閉じたわけなんだが…いかんせん俺としてはものすっごく疲れた
結果的に優勝はミュリエルで変わりないのであるが…その他決勝リーグにまで勝ち進んだ神姫たちもそれぞれ各メディアに取り上げられ注目されていた中、最後のノアとの激戦が話題となったのか一躍ランカーとして名を売るという結果になった
その鳳凰杯と言えば会場入場者数、テレビの視聴率ともに過去最高を記録し、スポンサーである各社共々鳳条院グループ挙げての一大イベントは大成功と言えるものになった
裏で起こっていた事態もなんとかなったらしい
結果的にミラたちだけで事を成し遂げてしまったというんだから驚きだ
「アタシとアネキも協力したんだからな!!」
「そ~だぞ~!えっへん!」
あ~はいはい、偉い偉い…
身内が世話になったし結果として俺自身も助けられたことになるんだ
でかいカリができちまったし、また礼もいっておかねぇとな…
そのミラはというともろもろの事情で日本に一年近く滞在するらしい
なんでも大学の特別非常勤講師として招かれているらしい
……なんでなんだ?
烈風のことも聞いた
フェレンツェ博士やエリーの天才親子と超一流ハッカーの-ゴレ-こと千沙都もいることだし…
生意気な奴ではあるが…どうにかしてやりたいな
そんでもって俺が今どこにいるのかというと…
「若様?…何をぼんやりしているんですか?」
「ああ、いや…べつに…」
「しかし若、このたびは誠にお疲れ様でした」
「いや、桜さんこそお疲れ様でした。大変だったでしょ?全体警備責任者やらアレの御守りやらで…」
「いえ、警備責任者は大変ではありましたが有能な捜査官の補助ができて大変良い経験をさせて頂きましたし…今回社長はお一人で頑張ってらっしゃいましたよ?」
「ほんとですか?いつもみたいに『さくらぁ…ヘルプミーーーー!!』とか言ってたんじゃないですか?」
「そ、そんなこと言ってないもん!!」
いままで乗っていたエレベーターのドアが目的地について開いたと同時に御袋の不満そうな声が聞こえてきた
四十階の社長室、御袋のオフィスである
「ふくれっ面しながら言っても説得力ねぇぞ?」
「う、うぇぇ……はづちゃん~明人がいじめるの~~」
「ああ、よしよし。兄さん、お母さんをいじめちゃだめですよ?」
「へぇへぇ…」
どっちが親なんだか…
「明人様…お待ちしていました」
「香憐ねぇ、用事ってなんだ?」
そうなのだ、ここ2、3日前から香憐ねぇは桜さんの手伝いとかで本家に帰っていたのだ
そんでもって呼び出された俺、ノア、ミコ、ユーナと昴とランはこうしてここまでやってきたわけだが…………
この場にはなぜか千沙都と冥夜もいる
「後はアルティさんたちとミラさんたちですね」
「なぁ、何を始めるだ?」
「ふっふっふっ……お答えしましょうかユーナちゃん」
「お、おうよお袋さん…」
「実はね、ここ三日間で編集に編集を重ねて作り上げた……『第五回鳳凰カップ、激闘96時間!裏表、全部見せますアルカナの恐怖!!』っていう社内用の極秘ビデオファイルの上映会なのよ~!!」
……オイオイオイオイ!
いろいろ突っ込むところ多いけど…とりあえず今は…休ませてくれよな…
「お疲れ様です、ご主人さま」
鳳凰杯編 END
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『緑色のケルベロス』
https://w.atwiki.jp/kaismasi/pages/50.html
「…………なぁ、ノア?」
「…………なんですかご主人さま」
「何故にどうして今こんな状況になっちまったんだ?」
「………私に聞かないで下さいよ」
今俺とノアが置かれている状況……それは…
「さぁ、皆さん!それではただいまより真のファイナルバトル、特別マッチを行いたいと思います!!」
…大歓声に囲まれた超大型V.B.B.S.筺体の真ん前
んでもって超大型V.B.B.S.筺体を挟んだ向かい側、俺達と対峙する形で不敵に笑うのは
「よもやこのような状況になるとはな…何にせよ運がいい」
「……棚から…牡丹餅」
……いや、ほんとに訳がわからん
とりあえずさかのぼって話をまとめていくべきか……
俺とノアがミラ達と別れて実況席に戻ってみると試合はすでに終わっていた
試合の内容はほとんど互角、どっちが勝ってもおかしくない状況で勝ち残ったのがミュリエルだったそうだ
つまり、決勝はミュリエルVSルシフェルという形となった
ここまではまぁさしてややこしくもない予想範囲内なんだが…
話がややこしくなるのは決勝戦前のインターバルタイムからだった
「鶴畑 興紀…ルシフェルが棄権!?」
「ああ、理由は分かんないんだけど棄権するって本人から連絡があったんだってさ…」
「なんでまたここまで来て棄権なんか…」
とはいっても思い当たる節はひとつしかないんだが
なんにせよ決勝が行われないとなると現状での危険は免れるわけで結果オーライ…
「…ふむ、もうひと試合組むかのぅ」
にはさせてくれない爺さまだった
「このまま中途半端な結果で鳳凰杯を終わらせるわけにもいくまい…そうじゃな…新旧チャンピョン戦とでもいくかの。 幸いゲストとして千沙都ちゃんと冥夜の嬢ちゃんもおることじゃし」
「私たちですか?おじ様」
となると新チャンピョン「ミュリエル」VS旧チャンピョン「冥夜(白雷)」ということになるのか…
「ちいと困った状況なんじゃ、お願いできるかの千沙都ちゃん?」
「ほかでもないおじ様のお願いでしたら……と、言いたいところですが」
「ありゃりゃ、引き受けてはくれんか?」
「いえ、せっかくですから私たちが出るより面白くしなくては…」
「……ほう、何か案があるようじゃな。聞かせてもらえんかね?」
「ではおじ様…少しこちらへ…」
そのまま二人は放送席を降りてどこかへ行ってしまった
五分後
「鶴畑 興紀が棄権したとは本当なのか?」
ジジイたちが帰ってくる前に実況席にやってきたのはアル、昴、葉月の三人と各々の神姫たちだった
香憐ねぇは招集がかかったらしく、ミコとユーナを連れて本部へ向かったらしい
「私たちはこんな形で優勝しても嬉しくはない!それに明確な理由もなしに納得しろと言うつもりか?」
「んなこと言ったって俺だってわかんねぇんだからしょうがないだろ」
昴と葉月の手前、アルカナの名を出すわけにもいかんからな…
「なら私が直接聞いてきてやる…答えろ明人、鶴畑はどこに…」
『あ~、オホン、会場の皆様にお知らせします』
アルが俺に詰め寄ってきたところで会場アナウンスからジジイの声が聞こえてきた
『本日、この次に行われる予定じゃった決勝戦、『ミュリエルVSルシフェル』戦なのじゃが…鶴畑 興紀方の神姫、ルシフェルに問題が発生したため鶴畑 興紀選手本人より棄権との知らせがあった』
会場がアナウンスに対してどよめき始める
『よって今大会、鳳凰杯2037<春の陣>の優勝者はアルティ=フォレスト選手&ミュリエル…ということになるのじゃが……』
「おいおい、こんな形で終わってもいいのか?」
「盛り上がりに欠けた終わり方になってしまいますね…」
「おい、明人!私はこんな終わり方は認めないぞ!」
「だから俺に言うなってば! それに大丈夫だっての、ジジイたちはもう一戦組むって言ってたし」
「…本当だろうな?…相手は?」
「ああ、それは心配ない。相手はかなりの実力者だ。なんてったって前回の優しょ……」
『このまま終わるのも何じゃからの。特別バトルとして新チャンピョンと今回の解説者ゲスト』
『「橘 明人&ノアール」の一戦を行いたいと思う!!』
「…うしゃの綾川……………はあぁ!!??」
なんか今、俺の名前が出てなかったか?
「ほぅ……お前が相手をしてくれると?」
「え?ちょ、ちょっと待て!今のはジジイが勝手に…」
「ついに明人VSアルってか?面白そうじゃねぇかよ」
「いや、だから…」
「兄さん!あの…応援してるからね!!」
「葉月まで…だからお前らな…」
「まさか…ここで逃げたりは…しないよな?」
「…………」
ということで強制的に俺はこの場に立たされているのであった
「ジジイめ…今バトルを行えばどういう危険性があるか分かってやってるからたちが悪い…」
「ご主人さまなら何か起こったとしても対処できるから御爺様もこの試合を組まれたのでは?」
「それだったら別に千沙都と冥夜でも問題ないだろ」
「まぁ…それはそうですが…」
「しかたねぇ…ここまできたらやるしかねぇな…」
「それもそうですね。 武装はどうします? いつもどおりの『パターンγ』でいきますか?」
「そうだな………ノア」
「はい?」
「たまにはお前も暴れてみるか?」
「え……いいんですか?」
「こんかいは特別な」
「……では、お言葉に甘えて」
「ということでパターンは『α』だ」
『EXTRA BATTLE ノアールVSミュリエル、レディ…………』
「初撃に気をつけろ…」
「…ん、わかった…」
いつもと違って柄にもなく緊張しているようだ
まぁ無理もない相手が相手だ
なにせ直接対峙していない私でさえ目の前に広がるバトルフィールドの向こう側からひしひしと伝わってくるプレッシャーを感じるのだから
バトルフィールドは『王座の間』…おそらくこれが本来決勝戦に使われるはずだったのだろう
障害物が極めて少ない…まさに決闘に相応しいと言わんばかりの場所ではあったが…こちらとしては少々不利ではある
本来、接近戦やゲリラ戦を得意とする神姫の場合、障害物や地形などを利用して敵に接近するというのがセオリー上、どちらかといえば不利なのはガチガチな接近戦型のノアが不利なはずなんだが…
やっかいなことにあの子にはほとんどくハンデにもならないだろう
まぁなぜなのかということは後ほどわかるだろうが…
問題は『ノアに接近を許してしまった場合』
隠れるところも障害物もないんじゃ距離も取れない
主導権はずっと向うのままに一方的な展開になりかねない
「いかにノアを間合いに入れないか…だな」
対接近戦の基本だがそれに尽きるだろう
『ゴーーーーーーーーーーー!!!』
「ミュリエル!!」
「うん!」
私の一声でミュリエルは両手にアルヴォPDW9をそれぞれ一丁ずつ構える
「『レフトアイアン』!」
「……機動」
サブアーム“チーグル”左腕手首をパージ
内蔵武装《レフトアイアン》を構える
「ターゲット…」
「……Lock」
いうないなや三つの銃口から鉛の弾丸が一斉に打ち出される
まさに弾幕の雨…普通の神姫ならとてもじゃない近づけやしないだろう
……彼女が普通の神姫なら…な
案の定、彼女に銃弾がそうやすやすはあたりはしなかった
その姿は一瞬で移動し、私の視界の片隅にかすかな残像を残す
「左だ!」
体の向きはそのままに三つの銃口だけを彼女に向けるミュリエル
「遅いですよ」
「!!」
さらに彼女は加速
距離はあるが完全にミュリエルの後ろを獲った
「私が銃器を持っていたら危なかったですね」
「……はやい」
ミュリエルがこれほどまで簡単に後ろを獲られるとは思ってもみなかった
「シャレにならないな…」
「まぁこちらとしてもさっきのような一斉射撃をもらっちゃうとシャレになりませんので」
やはり直線攻撃は容易くかわされてしまうようだ
彼女は接近戦の専門家、対中距離、遠距離のバトルを幾度どなく経験している
「だか、こっちにも策がないわけではない…」
彼女に隙などないことなど百も承知
「ミュリエル…《レフトアイアン》モードチェンジだ」
「……捕縛型…?」
「ふ、言わずもがな」
ミュリエルは《レフトアイアン》のカートリッジを切り替える
「…どうします?ご主人さま」
「接近戦は…ないだろうな。明らかにこちらに分があるし、その裏をかいてきたとしてもお前なら十分対応できる。そんな愚策を取っては来ないだろうし」
「ではセオリー通りに遠距離戦で来ると?」
「《ライトオリジン》を活かそうと思えばその線が強いが…それでこそこっちの思うツボだろ?戦いの最中、最も恐れるべき最悪の事態は?」
「完全にこちらの思考が相手に把握されること……」
「そだな。でもまぁそれを打ち破ることもできるんだが…あいつらはそこに行きつくか…」
「…随分アルティさんの力を買っているんですね…」
「ん?」
「この試合、私は勝てばいいんですか?それとも負けましょうか?」
「はぁ?おいおい、なに言ってるんだよいきなり…」
「どちらにするのかで今後考えて動かなければなりませんから」
「いや、負けろなんて命令…せっかくのパターン『α』なのに…」
「ご主人さまがお望みとあらば」
「…………なんかおまえ怒ってないか?」
「怒ってません」
「だって目が…」
「怒ってません」
「………………」
「怒ってません」
「………はぁ、わかったよ。そんじゃ…」
「…カートリッジ交換完了」
「タイミングを見誤るなよ?」
「……もちの…ロン」
言いながら左回りに旋回、と同時に《レフトアイアン》が火を噴く
「!」
無論、彼女に直撃などは望めない
素早いステップで舞う様に右へ左へと体を動かす
足もとに着弾するたびタイルを敷き詰めた地面が跳ねる
狙いはそこなんだ
「!?」
彼女の動きがピタリと止まる
「…足が…これは…」
「!?ノア、どうした?」
「両の足の裏が地面から離れません…恐らく…特殊弾」
「そのとおりだ、対回避行動型用に用意していた特殊弾」
「…中身は…アロンアルファ…だけどね…」
「いや、アロンアルファって…」
「こ、効果があれば何でもいいんだ!ミュリエル!!」
「了解、《アポカリプス》展開…」
《アポカリプス》の六枚のハッチが開き上方へと六発のミサイル弾が発射される
そのまま動けないでいるノアの真上で全弾が炸裂、彼女の周りに大量の黒槍が降り注ぐ
「これは…ミュリエ戦で使った捕獲用の黒槍拡散弾頭か!」
「念には念を…というところか。休まず行くぞ!《ライトオリジン》フルパワー!!」
「……展開」
《ライトオリジン》の銃身からバチバチと放電現象が起こる
こと、この一撃に耐えうる神姫などそうはいないだろう
その上彼女の武装は超軽量型、当たれば…
周囲にプラズマ現象を引き起こすほどのエネルギーが発射される
間をおかずそのまま着弾
辺りに爆風とともに煙が巻き起こる
煙が晴れていき…次第に弾道上の黒槍が熱で溶けている光景が目に入るようになてくる
そうして肝心の着弾点に彼女の姿は…
「いない…」
クレーター状になっているその場には彼女はいなかった
「…!!ミュリエル警戒しろ!終了のコールもかかっていないんだ。そうなると…」
「遅いです」
「!!」
咄嗟にしゃがむミュリエルの上を平行に《クロノスベル》の刃が空を切る
その持ち主は傷一つ無くミュリエルの背後から現れた
「む、無傷だと!?」
「まだまだいきますよ?」
左へ振り切った刃を止めることなく今度は大きく振りかざす
「くっ!」
右へ転がるように第二撃も何とかかわしきる
そのまま3,4回転がり間合いを取ったところで片膝をつくような体制で止まるミュリエル
「流石にかわしますか…」
「…危なかったけどね……どうやって…あれを抜けた?」
「それは……そうですね…『禁則事項です♡』ということで…」
「…それ反則…」
「どちらにしてもよくかわしてくれましたミュリエル…。これで私も、久々に思いっきり戦える」
続く
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