8)金利計算・「逆日歩」
【質問】 火曜日に建玉して、水曜日に買い戻したら金利を4日分、品貸料(逆日歩)を3日分取られてました。なぜですか?
【回答】
信用買方金利、信用取引貸株料、品貸料(逆日歩)を計算するときの日数は、新規建取引の受渡日と返済取引の受渡日の差で計算します。
以下の例を参照ください。
例1
新規:11/10(月) → 受渡日:11/13(木)
返済:11/11(火) → 受渡日:11/14(金)
信用買方金利、信用取引貸株料の日数 = 11/14 - 11/13 + 1 = 2日
品貸料(逆日歩)の日数 = 11/14 - 11/13 = 1日
例2
新規:11/10(月) → 受渡日:11/13(木)
返済:11/10(月) → 受渡日:11/13(木)
信用買方金利、信用取引貸株料の日数 = 11/13 - 11/13 + 1 = 1日
品貸料(逆日歩)の日数 = 11/13 - 11/13 = 0日(逆日歩はかからない)
例3
新規:11/10(月) → 受渡日:11/13(木)
返済:11/12(水) → 受渡日:11/17(月)
信用買方金利、信用取引貸株料の日数 = 11/17 - 11/13 + 1 = 5日
品貸料(逆日歩)の日数 = 11/17 - 11/13 = 4日
また、こちらも参照してみてください。
ttp://www.cosmo-sec.co.jp/net_trade/faq/n_q_a/qa05.html#12
(↑中の「信用取引にかかる「金利」、「貸株料」、「品貸料(逆日歩)」の計算方法」を読んでみてください)
P.S.
金利は商習慣によって「両端入れ」で計算されます。「3泊4日」だと4日分です。
逆日歩は、「片端入れ」なのでデイトレ(=「0泊1日」)なら徴収されません。
【質問】 1日持ち越しただけで品貸料(逆日歩)が7日分も徴収されました。なぜですか?
【回答】
権利日に売建玉持ち越して、権利落ち日(権利日翌日)に決済した場合で逆日歩が発生すると、最低でも2日分の支払いが生じます。これは、月末がたとえ営業日であっても「休日扱い」されるためです。12/24, 25の建玉について例示すると、
1.12/24ホールド・12/25買い戻しの場合
1)12月決算or6月決算の場合
12/24・・・12/29受け渡し
12/25・・・12/30(月末)は休日扱いのため、1/5受け渡し
→「7泊8日」なので、逆日歩は7日分、貸株料は8日分
2)それ以外の会社
12/24・・・12/29受け渡し
12/25・・・12/30受け渡し
→「1泊2日」なので、逆日歩は1日分、貸株料は2日分
2.12/25ホールド・12/26買い戻しの場合
1)12月決算or6月決算の場合
12/25・・・1/5受け渡し
12/26・・・1/6受け渡し
→「1泊2日」なので、逆日歩は1日分、貸株料は2日分
2)それ以外の会社
12/25・・・12/30受け渡し
12/26・・・1/5受け渡し
→「6泊7日」なので、逆日歩は6日分、貸株料は7日分
【質問】 日証金のHPで「品貸料一覧表」(http://www.jsf.co.jp/jp/pdf/shina2004010801.xls)を見たところ、「当日品貸料率(円)」が「0.00円」になっていたり、「満額(****)」と表示されている銘柄があります。 どの銘柄も「QUICK情報」では「逆日歩(日証金)」逆日歩はついていないようなのですが、両者はどのようにちがうのでしょうか?
【回答】
ttp://www2.netwave.or.jp/~uekun/kabu/m-gyakuhibu.html 「逆日歩の決定手順」をご覧下さい。以下に引用します("【】"は回答者が付したものです)。
証券金融会社で株券が不足した場合は、その銘柄について以下の手順で不足株券を調達し逆日歩の料率(品貸料率)を決定します。
1.まず、午前10時までに証券会社から貸株返済の追加申込みおよび買付資金の追加融資の申込みのを受付し株券不足の解消に努めます。この追加申込みにより株券不足が解消すれば【「満額」(融資と貸株が同数の状態)となり】逆日歩はつきません。
2. 1.の追加申込みを行っても、株券不足が解消されないときは午前10時まで他の証券会社から入札により貸株の申込み(品貸)を受け付けます。
この入札による品貸料率は1株につき【0銭から】50銭の範囲内で5銭単位になっています。
品貸申込みのうち、低い料率から充当していき不足株数に達した時点の料率が品貸申込みの全株数に適用されます。
3.2.の方法でも株券不足が解消されない場合は、品貸料率を引き上げるとともに品貸申込みの受付を午前10時30分まで延長します。
このときの品貸料率を特別品貸料率といいます。
【質問】 建玉にかかる金利は会社によって違うようですね。一覧にして下さい。
【回答】
以下の通りです。
証券会社名 |
最低委託保証金 |
委託保証金率 |
最低保証金維持率(追証ライン) |
信用買方金利 |
信用取引貸株料率 |
無期限信用取引の買方金利 |
保証金一元管理 |
ループ取引 |
電子交付 |
注意 |
E*トレード証券 |
30万円 |
33% |
30% |
1.90% |
1.15% |
3.10% |
○ |
○ |
○ |
|
松井証券 |
30万円 |
31% |
25% |
2.10% |
1.15% |
3.10% |
○ |
○ |
○ |
7月12日より一般信用の売りも一部銘柄で開始 |
楽天証券(旧DLJ) |
30万円 |
30% |
20% |
2.60% |
1.10% |
--- |
× |
○ |
○ |
|
カブドットコム証券 |
30万円 |
33% |
30% |
2.30% |
1.10% |
--- |
× |
× |
○ |
|
マネックス証券(旧ビーンズ) |
30万円 |
30% |
25% |
2.60% |
1.15% |
--- |
× |
○ |
○ |
|
コスモ証券 |
50万円 |
40% |
30% |
2.00% |
1.15% |
--- |
○ |
○ |
○ |
|
東洋証券 |
30万円 |
40% |
30% |
1.95% |
1.15% |
--- |
× |
○ |
○ |
|
SMBCフレンド証券 |
50万円 |
40% |
30% |
1.35% |
1.15% |
--- |
× |
○ |
× |
|
リテラ・クレア証券 |
30万円 |
40% |
30% |
2.05% |
1.15% |
--- |
○ |
○ |
○ |
|
丸三証券 |
30万円 |
40% |
30% |
2.10% |
1.15% |
--- |
○ |
○ |
× |
|
内藤証券 |
100万円 |
40% |
30% |
2.10% |
1.15% |
--- |
○ |
○ |
○ |
|
センチュリー証券 |
30万円 |
30% |
20% |
2.00% |
1.15% |
--- |
○ |
○ |
× |
|
岩井証券 |
50万円 |
33% |
30% |
2.00% |
1.15% |
2.60% |
○ |
○ |
○ |
|
日本協栄証券 |
100万円 |
30% |
25% |
2.175% |
1.15% |
--- |
○ |
○ |
○ |
|
立花証券e支店 |
50万円 |
50% |
30% |
2.50% |
1.10% |
--- |
○ |
× |
× |
|
Meネット証券 |
30万円 |
33% |
20% |
2.10% |
1.15% |
--- |
○ |
× |
× |
3月下旬から電子交付開始を予定 |
オリックス証券 |
30万円 |
33% |
30% |
2.00% |
1.15% |
4.80% |
○ |
○ |
○ |
|
エイチ・エス証券 |
30万円 |
30% |
25% |
2.05% |
1.15% |
--- |
× |
○ |
○ |
|
ジェット証券 |
30万円 |
40% |
30% |
2.00% |
1.15% |
--- |
× |
○ |
○ |
|
ゲット證券 |
--- |
-- |
-- |
--- |
--- |
--- |
- |
○ |
× |
|
大和証券 |
100万円 |
30% |
25% |
1.35% |
1.15% |
1.35% |
- |
- |
- |
無期限信用売金利1.50% |
ループ取引(サーフィントレード、乗換売買)については
などを参照してください。
【質問】 昔、信用取引で空売りしたとき逆日歩は取られましたけど、利息(信用取引貸株料)はなかったと思うのですが。
【回答】
それは、去年の春までの話です。 現在は多くの会社で 1.15%の利息が「信用取引貸株料率」として徴収されます。
【質問】 逆日歩の読み方と意味を教えて下さい。
【回答】
「ぎゃくひぶ」と読みます。品貸料ともいいます。
空売りが殺到し、証券金融会社が自己ポジションで足りなくなった場合、他の機関投資家から「入札」で調達します。その時、最低の貸株料を付けた会社が日証金等に融資するわけです。このときの品貸料が逆日歩です。
逆日歩が発生した場合、売方はその金額を払い、買方はその金額を受け取ります。
(注)現物ホルダーは、現物株を手許においているわけですから「品貸料」(逆日歩の別名)は受け取れません。
また、無期限信用取引(松井証券)での買方も、日証金を通さず(=貸借取引ではない)建玉していることから同じく逆日歩は受け取れません。
金額は通常1000株につき1日50円程度ですが、極端に不足する場合には高額になります。例えば10/27に田崎真珠空売りして、翌日に持ち越した人は1000株につき15000円(1日3000円×5日分)払わなければなりませんでした。
逆日歩に関しては細かい規定があるようですが、このレスでは割愛します。
また、松井証券の無期限信用で買い建てた場合は、証券金融会社を通さずポジションを持つことになりますので逆日歩は受け取れません。
【質問】 今日持ち越した空売りポジションの逆日歩をあらかじめ知ることは可能ですか? もし無理なら「逆日歩つきそう」というのは具体的にどのへんで判断すればいいですか?
【回答】
結論から言うと、事前には分かりません。
逆日歩は
- 前営業日の約定において、
- 信用売りが大量に発生した際、証券金融会社の持ち株では不足となった場合
- 翌朝、証券金融会社が機関投資家等から入札方式によって
- 最も低い貸株料を提示した機関から調達した品貸料
によって日々決定されるためです。
確報値は↓に翌日昼頃発表されます。
ttp://www.jsf.co.jp/jp/no_flash/main_taisyaku.html
逆日歩が発生しそうかどうかは、日証金残高を毎日チェックチェックして下さい。貸借倍率1倍切ったら危険ゾーンです。
EトレならPET2で毎日、日証金の速報が発表されます。
【質問】 逆日歩発生の可能性をチェックするために信用残高を以下のHPでチェックしたところ、同じ日付(11/21)であるにもかかわらず数値が異なります。なぜでしょうか?
1.東証「銘柄別信用取引週末残高」
2.日証金「貸借取引銘柄別融資・貸株残高」
【回答】
日証金残高には、証券会社の自己融資分(日証金を通さずに、証券会社が直接投資家におこなう融資や貸株)が含まれないためです。
1.東証「銘柄別信用取引週末残高」
・週末時点の残高を翌週の第2営業日に公表
・証券会社の自己融資分を含む
(注)ページ中「日々」で提供される残高は日々公表銘柄等一部に限られます
2.日証金「貸借取引銘柄別融資・貸株残高」
・毎日公表
・証券会社の自己融資分を含まない
【質問】 「逆日歩が発生した銘柄からは逃げろ(買い戻ししろ)」と言われました。なぜですか?
【回答】
・逆日歩の発生=売り方多数
・信用取引では半年以内に決済必要
↓一旦相場が上昇し出すと...
・損失の拡大を防ぐために多くの投資家がロスカット(買い戻し)する。
↓それがさらなる株価の押し上げ要因となる
・一気に株価が高騰し(「踏み上げ相場」)、多額の損失を被る可能性があります。
空売りは相場が高騰すると、建玉以上の損失を被る可能性があるため、セオリーとして「逆日歩が発生した銘柄からは逃げろ」と言われるわけです。
【質問】 前日の持ち越しポジションに逆日歩が発生しているにも関わらず、当日の日証金の速報ベースでは、信用売り残が増えていました。上記(>92)のセオリーと逆になっているのですが、どうしてでしょうか?
【回答】
日証金残高の貸株が増えた理由ですが、(あくまでの推測の域を超えないのですが)、次の2通りが考えられます。
- 逆日歩以上に値下がりすると考える投資家が増え、市場全体の空売り残高が増えた
- それまで自社のポジションで投資家の空売り注文に対応していた(貸株していた)証券会社で、当該株式の売却注文が大量に発生し、自社ポジションでまかなえなくなった結果、日証金へ貸株要請を迫られた。
前者はご理解頂けるかと思いますので、後者について説明致します。。
まず、日証金の「貸株残高」≠市場全体の空売り残高ということをご理解下さい(既述:>261)。ポイントは「各証券会社は通常、投資家の空売り注文に対して、自社の保有する株残高でまかなえない部分を、日証金に貸株要請する」ということです。
<事例>
・現物売却 ←→ 現物購入
(小規模会社) (大規模会社)
- 大規模な証券会社だと、自社保有残高で空売り注文をまかなえるでしょう。ですから日証金への貸株要請はないと考えられます。
- 一方で売却側の小さな証券会社では、この売却に伴い株券が「大規模会社」に移ることで(自社保有残高が減り)、自社のポジションでは顧客の空売り注文の貸株をまかなえなくなったとします。
この場合、「小規模会社」は日証金に貸株要請を行いますので、逆日歩がついている銘柄で、市場の空売り残高に変化がなくても、日証金の貸株残高は増加することになります。
【質問】 SBI(8473)に逆日歩が付いたと聞きました(12/1時点)。どうやれば受け取れますか? また逆日歩がついたということは今後「踏み上げ相場」で株価は上昇すると考えていいですか?
【回答】
<逆日歩を受け取れるホルダーについて>
↓
従って、受け取れるホルダーは"11/28の買い建てしていた人"となります。
このように、その日の持ち越しポジションに逆日歩がつくかどうかは翌営業日にしか分からず、「逆日歩発生」という情報を得てから購入しても、受け取れるかどうかは未知数です。
特に高額の逆日歩が発生した場合は売り方は、>92のセオリーに従って手仕舞うことがあります。そのため翌日以降に逆日歩が発生しないケースもままあります。
<今後の踏み上げ相場について>
通常、逆日歩は旧50円額面株で1000株50円のケースが多いのですが、今回のSBIは550円ついています。
今後もこの逆日歩が続くとすれば、1週間で3,850円の支払いが発生するので、売り方の中には今日、決済(買い戻し)した人もいるでしょう。
あくまでも考え方次第ですが、12/1の日証金速報で、融資残<貸株残となっているようであれば、「踏み上げ相場」の可能性も出てくると思います。
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元ページLast-modified: Sat, 31 Dec 2005
最終更新:2006年07月12日 19:23