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キミ・ライコネンのトレーニング法


[2005-11-26]

F1は、コース、天候、シャーシー、エンジン、タイヤの選択、給油・タイヤ交換
等の作戦など、あらゆる条件が絡んでくる複雑なスポーツですが、ドライビング
テクニック(マシン開発を含む)や経歴・戦歴以外の面でドライバーについて
取り上げられることが、日本では少ないように思います。

モータースポーツのドライバーはアスリートであること、以前にもお話しましたが、
ドライバーのトレーナーがそのトレーニング法について話している記事がありました
のでご紹介します。


アスリートとしての基礎トレーニングを積んだ上に、そのスポーツに特化した
トレーニング方法を組み立てることの大切さがお分かりいただけるでしょうか・・・
っつーか、 うちのサイト の要約といっても良いくらい、凝縮されたインタビューだと
思います。

2つの記事を合わせて、意訳します。()内はJuria補足。

Mark Arnall インタビュー

 スポーツ・セラピスト、現:キミ・ライコネンのトレーナー
 サリー大学スポーツ学部でトレーニングに関する資格を取得、スポーツ傷害
 クリニックを経てマクラーレンのオファーによりライコネンのトレーナーとなる。

活動計画

  • 1年をシーズン中とオフシーズンの2期に分けて考える。
  • (全身の)フィットネスレベルを上げるための期間は、オフシーズンの
 11月~3月だが、ほぼ毎週(マシン開発のための)テストがあり、
 シーズン前には首の筋肉を強化することが重要になるので、(オフ
 シーズン中も)チームのプログラムに統合してトレーニングを計画する。
  • また、シーズン中トレーニングの為に使えるのはレースとレースの間の
 3~4日しかないので、多くのトレーニングをオフシーズンに行う。
 (レースはほぼ2週間おきに行われる。)
  • シーズン中はフィットネスレベルを維持することと、故障の予防を目標
 にする。
  • 2週間ごとに、最高のコンディションでレースに臨めるように調整しな
 ければならない。
  • シーズン中の時期によって、トレーニング内容や時間は変わってくる。
  • シーズンが進むにつれて、肉体的・精神的ストレスからの回復が重要に
 なる。(1シーズン約8ヶ月)

2週間のスケジュール

木曜日~日曜日・・・レース・・・・・(1)
月曜日・・・・・・・休養・・・・・・(2)
火曜日~金曜日・・・走行テスト
土曜日・・・・・・・休養・・・・・・(2)
日曜日~水曜日・・・トレーニング・・(3)

(1)レース中はジョギングや水泳などの軽い運動による、ドライビング
   (の疲労)からの回復に焦点を置く。
(2)レース後、テスト後は、簡単なエクササイズとマッサージで体を
   回復させることが重要。
(3)CV(cardiovascular 心臓血管系 works)トレーニングとウェイト・
   トレーニング。

CV(心肺機能)の改善

  • CVは体力作りの基礎であり、F1ドライバーはさらに維持・強化しなければ
 ならない。
  • サイクリング、ランニング、クロスカントリー・スキー、水泳、ボード等、
 一定のペースでのトレーニングとインターバル・トレーニングに分けて
 行う。
  • サイクリングの時間は、その内容によって1~4時間。

神経系の強化

  • 不安定な状態でトレーニングすることは、中枢神経系に作用し、普段は
 使われない脊椎・腰部・肩などの小さい筋肉が強化されることで安定化に
 不可欠な神経系が強化される。
  • (神経系・安定性の強化は)怪我を防止する秘訣となる。
  • 筋力トレーニングやサーキット・トレーニングと組み合わせたり、単独の
 トレーニングとして行うこともできる。
  • バランス・ボールやバランス・ボードなどの器具を利用し、目を閉じる等
 の要素を加えれば難易度が増す。

素早い回復

  • トレーニングの一環として、回復の手助けとして、水泳も多く行っている。
  • 単独のトレーニングとして、ほとんど休憩なしに100mを10回泳がせたり、
 50mを20回とか、もっと長くゆっくりと泳がせたりもする。(持久力系の
 トレーニング)
  • 水泳はリカバリーのためにも優れている。
 F1ドライバーは、ドライビング中は脊椎への強い圧迫と戦わねばならない。
 水泳は(体にかかる)重力が少ないので、脊椎の可動性(の回復)に役に
 立つ。(Mark Arnallは、良くトレーニングされている首に比べ、腰部や
 脊椎にかかるストレスを軽減することが必要と感じているよう。)
  • 最も忘れてはならない重要なことは、左右のバランスを維持するために、
 両側で息継ぎをすること。
  • トレーニングジムのさまざまな設備やフリーウェイトを使って行う筋力
 トレーニングは、そのまま、 そこに安定性要素を含ませることにもなる。
 (筋力強化と故障の予防ってこと。)

お遊びの時間

  • キミのようなアドレナリン中毒者にとっては特に、楽しくトレーニングを
 することも重要。(トレーニングに昂じてアドレナリンが強く分泌される
 ようになると、益々量的にも強度も高いものを要求するようになるが、
 返って効果は上がらない。)
  • トレーニングが楽しければ、より成果も上がる。キミは、ほとんどの
 ドライバーがそうだけど、素早く動くことが好き。
  • バランスや安定性を発達させ、肩や腕の筋肉も使うので、私たちはジェット
 スキーを楽しむ。
  • 登山も、楽しく挑戦し甲斐があり、上半身の強化と全身の柔軟性にも高い
 効果がある。
  • 集中を要することで、精神面の効果も大きい。

可能な場合は1日に2回、午前にCVトレーニングを、午後にはジムでの
トレーニングを行うのだが、プログラムはフレキシブルに組み、
プロモーション活動をしなければならない時や、もっと回復が必要で
あったりする場合は、別のプランを用意する。

最後に、筋肉を回復させ故障を予防するために、リカバリー・トレーニング
の一部として、また、トレーニングプログラム全体の一部分として、
マッサージとストレッチを行う。

Mark Arnallは、F1というスポーツの特徴についても述べていますが、それは
ここでは割愛、関連記事を参考にしてください。