ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 蒼い子ギャンブル騒動

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~蒼い子ギャンブル騒動~


「あー、賭け事っておもしろいなぁ!」

さて、この言葉は誰のものだとお思いであろうか。
遊び好きの水銀燈?パチンコ好きのローゼン?
どちらも違う。驚いた事にこの言葉を発したのは蒼星石であった。
真面目で賭け事などまずしなさそうな蒼星石が何故このようになってしまったのか?
それにはこんな理由があった・・・


学校の業務が終わり、飲みに行く教師たち。
無論、いつもは何事もなく和やかなムードで終わるのだが、今回は違っていた。
事の起こりは先程も述べたとおり遊び好きの水銀燈が賭け事に勝ったと自慢をした事だった。
誇らしげな水銀燈を蒼星石は諌めた。

蒼「水銀燈、あんまりやりすぎると良くないよ。」

いつもならば「お堅いのねぇ・・・」くらいで済ませるのだったが、今回の水銀燈は少々虫の居所が悪かったらしくカチンときたようだ。
水(いつもうるさいわねぇ・・・はっ、じゃあ蒼星石にギャンブルの面白さを教えてあげればいいじゃない!あたしって天才ね)
蒼星石も酒にそう弱いほうではないが水銀燈には敵わない。かなり酔ったところを水銀燈によってパチンコ屋に連れて行かれた。
幸か不幸かその日の蒼星石は当たる当たる、稀に見る大当たりだった。
いつも冷静な蒼星石でも酔っていては判断力も鈍る。そこに大当たりではそりゃ嬉しくもなるだろう。
その日を境に蒼星石は飲み会が終わるたびに賭け事に行ってしまうようになった。

水「ふふふ、作戦大成功ねぇ。これで注意されることも無いわぁ。」

喜ぶ水銀燈。しかし彼女のこの策略が後に深刻な事態を招くとは・・・
無論、誰にも分からなかった・・・。

数日後。

基本的には有栖学園の教師たちは飲み会が好きなのだが、真面目な蒼星石がいるためにせいぜい月に一回程度であった。
しかし最近の彼女はがらりと変わってしまい、何と殆ど毎週のように宴会騒ぎであった。
さらにその後にパチンコなどに行ってしまう始末である。
むしろパチンコをするために飲み会に出席しているようである。
パチンコではストレス等は発散できるだろうが疲れは取れない。
そのことによって平日の蒼星石はとても疲れているようだった。
更に重大な問題が一つ。それはお金だ。
いくら運がいい人でもそう毎回毎回賭けに勝てるはずも無い。
真面目な蒼星石はかなりの額の貯金をしていたが何と既に約4分の1をつぎ込んでいたのだ。
今までの彼女からは全く考えられない行動である。これがギャンブルの魔力というものか。

翠星石は悩んでいた。原因は勿論蒼星石だ。

翠「最近の蒼星石は絶対おかしいですぅ・・・あんなものにはまってしまうなんて・・・」

再び飲み会の後。翠星石は家で蒼星石を待っていた。
親友の彼女たちはときどきこうして互いの家に泊まっているのだが、蒼星石はなかなか帰ってこない。
いつもは待たせるなどという事は無く、二人一緒に帰ってくるのだが・・・
時刻は既に真夜中の一時を過ぎている。
普通なら眠くなるところであるが、翠星石は蒼星石のことが心配で心配で眠れたものではない。
無論何度か注意はしたのだが・・・これは前回のやりとりである。


翠「もう止めるですぅ蒼星石!これ以上やると体もお金もヤバいですよぉ!」 しかし・・・

蒼「大丈夫だよぉ。心配しないで翠星石ぃ♪」

かなり酔っている蒼星石にその忠告は届かない。さらりとかわされてしまった。


翠「このままでは非常にまずいですぅ・・・仕方ないですねぇ・・・」

意を決したように誰かに電話を掛ける翠星石。

翠「悔しいけど今はおめぇに頼らせてもらうですぅ。学園一の策士の知恵を貸せですぅ。」

?「悔しいけどってどういうことかしら!でもこの前蒼星石には大きな借りがあるし
  喜んで協力するかしら。」

伏字は全く意味を成していないが。ともかく翠星石は誰か?の協力を取り付けた。

さらに一週間後。

教師たちはまた街で飲んでいた。
いつもの如く水銀燈に連れて行かれそうになる蒼星石。
しかし今日は翠星石が彼女を呼び止めた。

翠「もう我慢ならんですぅ!そんなに賭け事が好きなら翠星石と一勝負しやがれですぅ!
  おめぇが勝ったら翠星石はもう何も言わないですぅ。でも翠星石が勝ったらもうこんなこと止めるですぅ!」

いつになく真面目な翠星石。その目は本気だ。

蒼「いいよぉ。何で勝負するの?」

あっさりと了承する蒼星石。やはり相当酔っているようだ。

翠「トランプですぅ。」

ルールは以下の通りだ。
まず4つの種類全てのエースを用意する。
その四枚の中から蒼星石に「同時に」二枚めくって貰い、同色が揃ったら蒼星石の勝ち。
違う場合翠星石の勝ちというものである。
何故 同時に にカッコをつけたか。それが後で大きな意味を持つ。

翠「勝負は二回ですぅ。二回以内で揃ったら蒼星石の勝ちですぅ。」

頷く蒼星石。そして一回目のカードをめくる。

結果はスペード・ハート。翠星石の勝ちだ。

蒼「あーあ・・・じゃあ二回目を引くよ。」

結果は・・・・・・・・・ハート・クローバー。やはり翠星石の勝ちだった。

蒼「負けちゃった・・・」

ため息をつく蒼星石。しかしまだ未練がありそうだった。

翠「・・・」

無言の翠星石。しかし彼女はいきなり蒼星石に頭を下げた。

翠「ごめんなさいです蒼星石!実はこのゲームは『バーベット』だったんですぅ!」

バーベットとは。
一見公平に見えるが実は仕掛けた側が有利になるように仕組まれたゲームのことである。
今回のゲームの場合・・・
四枚のエースの中から同時に二枚を引き同色のカードを選び出す確率は一見2分の1に思える。
しかしこの「同時に」に仕掛けがあるのだ。
仮にカードを一枚づつ引いたとしよう。そのカードが赤であろうと黒であろうと残されたカードの中に同色は一枚・・・
つまりこの時点で蒼星石が勝つ確率は2分の1ではなく3分の1となり、公平でなかったのだ。

翠「確かに翠星石のやったことは卑怯だったですぅ・・・でも蒼星石を、蒼星石を『アイツ』のように失うわけにはいかないんですぅ!」

「アイツ」とは誰か。それは彼女の過去の友人であった。その事を語る翠星石。

翠「『アイツ』は翠星石の学生時代の親友だったですぅ・・・勉強も運動もよくできる、丁度蒼星石みたいな奴だったんですぅ。
  でもアイツには一つ困った癖があったんですぅ・・・それは賭け事癖だったんですぅ。
  冷静で賭けというのは負けるほうが多いというのは絶対に分かっていたはずですぅ。
  でもアイツは賭け事を止められなかった。翠星石が何度注意してもですぅ。
  そしてアイツはやってはいけない事をしてしまった・・・家の金の殆どを持ち出してしまい、あまつさえ全部賭けに使っちまったんですぅ!
  自営業だったアイツの店は潰れてしまったですぅ・・・そして、そしてアイツとアイツの家族は心中してしまったんですぅ!」

つまり「アイツ」とは賭け事によって失った翠星石の親友ということなのだ。

翠「アイツは遺書を残していました・・・そこには、そこにはこう書いてあったんですぅ!
  『翠星石、ごめんね。私は結局あなたの忠告を聞かず、最後まで賭けを止められなかった。
もしわたしのような人が再び貴女の前に現れたら、絶対止めてあげてね。』
  アイツは賭けが良くないという事を分かっていたんですぅ・・・でも結局止められなかったのですぅ!
  だから、だからアイツのように蒼星石を失うのは絶対にいやだったんですぅ!
  ズルをしたことは謝るですぅ。だからお願い、もうこんなこと止めてほしいですぅ!」

そして机に突っ伏して泣き出してしまう翠星石。

金「翠星石の言うとおりかしら・・・もうこんなこと止めるかしら。」
真「その通りだわ。第一あなたは最近睡眠時間さえ削っているじゃない。」
雛「このままじゃ蒼星石が倒れちゃうのー!」
薔「無理しちゃ・・・ダメ。あなたは私たちの大切な仲間・・・だから・・・。」
雪「今お前がどうかなったら生徒たちをどうするんだ。これは一人の問題じゃないんだ。」

同僚たちが声をかける。
確かに翠星石の行為は正当ではなかった。しかし翠星石の蒼星石への思いは彼女の目を覚まさせるのに十分だった。
蒼星石は正気の顔に戻り翠星石に近づく。そしてこう述べた。

蒼「ごめんなさい、翠星石!君が止めてくれなければ僕は、僕の未来はめちゃくちゃになっていたかもしれない。
  間違っていたのは僕の心、賭け事の誘惑に負けた僕の心だったんだ・・・
  約束どおりもう賭け事は止めるよ。だからもう泣かないで、翠星石・・・」

蒼星石の言葉に翠星石は顔を上げ、こう言った。

翠「・・・おかしなことを言うですぅ・・・。泣くなって、そういうおめぇの頬も濡れているですよぅ?」

蒼「あれ・・・ホントだ。ふふ、おかしいこと言っちゃったね。」

そして二人は笑いあっていた。泣きながら笑っている二人の姿ははたから見ると奇妙なものでもあった。

その時、翠星石にしか聞こえない(ありがとう・・・・・・)という声があったとか・・・

数日後。
蒼星石はすっかり元の真面目な蒼星石に戻った。
もちろん賭け事は止め、いつものように翠星石と仲良く笑っていた。
確かに賭け事で失った金額は相当のものであったが、今の彼女なら元に戻すのにはそう時間は掛からないだろう。

ちなみに蒼星石が賭け事に夢中になった理由を聞いたラプラスに水銀燈が大目玉を食らったのは言うまでも無い。
あと呟いている人が一人。

金「まったく、翠星石ったら何であのゲームのタネをばらしちゃったのかしら!もうアレは使えないのかしら・・・」
どうやら金糸雀が翠星石にバーベットを教えたようだ。こういうことはやたら詳しいのね・・・

ともかく、今回のギャンブル騒動はこれにて終わりを告げたと言ってよいだろう。
今回の件で二人の絆はさらに深まったようだ。めでた・・・いのかなコレは?



~FIN~

○参考資料○ 
  • 「遊☆戯☆王」第16巻