ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

裏山攻防戦

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匿名ユーザー

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ロ「突然だけどさぁ、学校の裏山が無くなるって言ったらどうする?」
昼休み、昼食を終えて思い思いに過ごしていた教師達にローゼンが切り出した。
全員「・・・・・・・・・?」
頭の上に?マークを浮かべながら顔を見合わせる教師達。
翠「それってどういう意味ですぅ?」
ロ「文字通りだよ。市役所からさぁ、都市開発計画の一環であの山を均して住宅地にしたいって話が来てね」
蒼「でも、どうしてそんな話が学校に?」
ロ「あの山は、一応僕の山だからねぇ。要するに地主ってわけ・・・で、どうする?」

その時、ガタンと音を立てながらある者が立ち上がる。
雪「ふぁんふぉふぉあうひふる!!」
真「雪華綺晶先生、食べるか喋るかどちらかにしなさい」
雪「・・・・・・もぐもぐ」
座りなおして、再び弁当を食べ始める。どうやら食べる方を選んだようだ。
そしてそれから3分後。
雪「射撃部顧問として反対させてもらう。あの裏山は射撃部のレンジャー訓練に利用されている」
ロ「そう言えばそうだったねぇ・・・レンジャー訓練の割には時折爆発音が聞こえてくるけど」
雪「・・・とにかく反対させてもらう」
ロ「反対かぁ・・・参ったなぁ」

その時、職員室のドアが開いて金糸雀が入ってきた。
金「やっぱり強度の再計算が必要かしら・・・あら?皆々様、深刻な顔してどうしたのかしら~?」
雛「あ、金糸雀先生、実は・・・」
雛苺から説明を受けた金糸雀は顔が真っ青になった。
金「ダメかしらダメかしら、ダ・メ・か・し・ら~~~!!」
雛「うぅ・・・うるさいの~」
ロ「どうしたの急に?」
金「裏山が無くなるなんて、絶対に反対なのかしら~~!!」
雪「金糸雀先生も反対ですか」
金「雪華綺晶先生もかしら?それなら一緒に反対活動するかしら」
雪「喜んで」
真「それで?結局、反対するの?」
ロ「いやそれがさぁ・・・OKしちゃった」
金・雪「な、何だって~(かしら~)!!」
その後、「つい出来心で・・・悪気は・・・魔がさしたんだぁぁ!!」とか言いながら、ローゼンは二人に蹴られまくった。

金糸雀は沈痛な面持ちで教室へと入っていった。
金「・・・いきなりだけど、カナから大切なお話があるかしら~・・・」
A「まさか、球団を解散するんですか?!」
金「だから時事ネタは風化が早いかしら~・・・でも、似たような物かしら~」
金糸雀は生徒達に一連の話をした。生徒達の中には裏山で遊んだ者も居たのか、反対の声があがる。
金「うんうん・・・やっぱり皆の思いは同じかしら~」
D「先生~!何とかならないんですか~?」
金「カナもその点は考えてるかしら~。そこで基本中の基本、署名活動を行うかしら~」
おお~、とクラス中で歓声があがる。そして早速署名活動が行われ、他のクラスにも署名のお願いする事になった。

水「別にぃ、山なんてどうなってもいいけどぉ、付き合いで書いてあげるわぁ」
翠「山には花壇に植える花とか紅葉狩りとか色々お世話になったですぅ。喜んで署名するですぅ」
蒼「僕も署名させてもらうよ。大変だろうけど、頑張ってね」
雛「ヒナもお手伝いするの。もちろん署名もするの」
薔「・・・私も、何か手伝える事・・・ないかな?」
雪「血判状か・・・これで良いか?」
メ「署名ですか・・・はい、これで宜しいですか」
ピ「私も協力するかしら!」
ス「お天気が良い時はシートを敷いてお昼寝すると気持ちいいから、署名するねぇ~」
レ「お?署名か?たまにあの山に篭もってトレーニングする事有るからな、書かせてもらうよ」
ホ「私もですか?・・・はい、これで良いですか?お疲れ様です」
ベ「私も署名するよ!頑張ってね」
柴「署名活動かい?精がでるねぇ・・・よろんで書かせてもらうよ」
槐「・・・・・・これで良いか?」
白「はいはぁ~い、これで良いかなぁ?いやぁ、校長も馬鹿なことをしちゃったねぇ・・・」
ラ「署名活動とはまた、オーソドックスな手段ですね。ですが、雪華綺晶先生と違って力で訴えない分効果的かと・・・」
J「裏山・・・ああ、あの山か。これで良いのか?・・・でも、そんなので中止になるのか?」
巴「はい・・・署名頑張ってください」
め「こんなに暑いのに署名なんて大変ね。・・・水銀燈先生書いてるんだぁ、じゃあ私も書いてあげる」
コ「あの山は私達射撃部と一蓮托生、喜んで書かせていただきますわ」
オ「これでよろしいでしょうか?では、これからD装備で防衛任務に向かいます」
梅「やあ、聞いたよ。何でも署名運動をしているとか。喜んで僕も・・・・・・あれ?どこに行くんだい?・・・え?」

金「学校の皆から沢山の署名を貰ったのかしら」
A「これで中止になるよな?」
B「どうかな?確かに結構貰ったけど、まだ学校の人間だけだし、町の人たちにも書いてもらったほうが・・・」
金「それは名案かしら。皆には悪いけど、また一頑張りして欲しいのかしら~」
生徒「はい!」
生徒達は署名用紙を片手に町へと散っていった。
金「・・・さてと、山の様子を見てくるかしら~」
と、振り返った矢先に銃声が聞こえてきた。その後に、拡声器によって大きくなった声が続く。
金「一体何かしら?」

男「えぇ~、君たちは完全に包囲されている・・・じゃ無かった、我々は市の依頼を受けてこの山の調査に来ました。
   それを妨害することは・・・」
チュンッ・・・!!
男「うわっ!!」
拡声器を持った男の足元に一発のBB弾が着弾する。ちなみにバイオBB弾なので、2~3年で土に還る。
男にとって、今回のケースは初めてだった。
今まで、座り込みによる工事反対運動というのは幾度か経験したこと有るが、
最初から徹底抗戦の構えでエアガンを突きつけてくる集団は居なかった。
男(なんだかとんでもない事になりそうだなぁ・・・生きて帰れるのか?)
とは言え、ここで弱気を見せるわけにはいかない。拡声器を持つ手に力を込める。
男「貴方達のやっている行為は犯罪です。直ちに中止してください。これ以上続けるというのであれば、警察に・・・」
ヒョイ・・・コロコロコロコロ・・・
男「ん?」
自分のほうに飛んできたものを目で追う。最初は石だと思ったが、すぐに考えを改める。
相手はいきなり発砲してくるような連中だ。そして形状を確認した途端、すぐさま駆け出した。

ドンッ!!

スタングレネードが破裂し、周囲に爆音と眩い光を撒き散らす。
男は思わず飛び伏せ、しばらく起き上がれなかった。
今度は森の中から声が聞こえてきた。
?「ここは我々射撃部の演習地である。どういういきさつが有ったか分からないが、我々の活動を妨害しようとする者は
   実力で排除させてもらう」
それは感情の起伏に乏しく、普段ならまず聞き取れないであろう音量であったが、男の耳には確かに聞こえていた。
金「一体何事かしら~!」
今度は反対方向から声が聞こえてくる。言葉の内容からして騒ぎを聞きつけてやってきたのだろう。
男は助けを求めようとするが、その前に金糸雀が男の存在に気付いた。
金「そんな所で一体何をしているかしら~?」
男「助けてください・・・あの奥に、武装集団が居て・・・さっき爆弾を」
金「・・・は?!貴方もしかして、役所の人かしら?」
男「正確には・・・市役所に頼まれて・・・」
金「・・・それなら助ける義理は無いかしら」
男「え・・・、ちょっと!そんな!待って!」
男の叫びも空しく、金糸雀は山の奥へと入っていった。

雪「来てくれたのですか?」
金「あれだけ派手にやってれば、いくらなんでも気付くかしら」
山の中腹にある射撃部のベースキャンプにて、金糸雀は雪華綺晶を見つけた。
雪華綺晶はテーブルに裏山周辺の地図を広げ、各班と連絡を取って警戒場所の指示を送っていた。
金「さっき、市役所から来た人とすれ違ったかしら」
雪「A-14ポイントですね。我々に抵抗しようとした報いです」
金「でも、あの様子だとすぐに応援を呼んできそうなのかしら」
雪「人海戦術と重機を持ってこられると、抵抗は難しいのが現状です」
金「相手を倒す必要はないかしら。皆が署名を集めてきてくれるまで時間を稼ぐことが出来れば・・・」
雪「なるほど・・・しかし、いくら我が精鋭達を持ってしても3時間が限度かと」
金「それなら、昔作ったいい物がこの山に有るかしら・・・フォッセー姉妹を借りて良いかしら?」
雪「分かりました・・・ホワイトローズからクライネとベーレ、文鳥を鳥篭に戻せ。繰り返す・・・」
それから間も無くして、二人はベースキャンプへと戻ってきた。

男「何でもっとちゃんとした対応を取らないんですか?!僕は危うく殺されかけたんですよ!?」
二人の警官の前で男は一連の出来事を洗いざらい話した。
しかし警官達は互いに見合わせ、難色を示していた。
男「今まで、色んな所で座り込みなんかの抗議行動がありました。でも、こんなのは初めてです!」
警官A「いやね、仰ることはごもっともだと思いますが・・・相手があれでは」
警官B「あんた、もしかして・・・あの子達の事知らないの?」
男「知りませんよ。どこのテロリストですか、あんなの」
警官A「どこって・・・あの学校の生徒達ですよ。なんて言うの、元気が有り余っているというかなんと言うか」
警官B「この町に配属されて長くなるけど、あの学校で騒動が起こらない日は無いよ」
警官A「付近住民からは毎日の銃声がスーパーのタイムサービスを知らせる良いアラームだって好評なくらいですから」
男「はぁ・・・?」
『こりゃダメだ』そう判断した男は、上司に報告と重機の応援を要請した。

それから1時間半が経ち辺りがすっかり暗くなった頃、無線から敵の増援が来たとの連絡が入った。
数台の重機も確認されたとの事だ。
金「いよいよ来たのかしら・・・どう見るかしら?」
雪「現時点での重機の導入は威嚇目的かと・・・測量もせず、いきなり作業を行うとは思えません」
金「それなら、これでも十分効果は有るかしら」
雪「・・・これ・・・ですか」
雪華綺晶は先程、金糸雀達が取りに行った物を見上げる。
既に日が落ちて暗くなったキャンプ地の一角にそれは鎮座していた。
雪「・・・本当に大丈夫・・・なのでしょうか?」
金「カナも実はあまり自信が無いかしら。でも、普通に歩く分には問題無いと思うかしら」
コ「恐らく大丈夫だと思いますわ。動かした時も問題は有りませんでしたし」
オ「ただ・・・オートバランサーが有りませんから、この暗さと斜面では慎重を要しますわ」
金「気をつけて欲しいかしら~」
コ・オ「了解です・・・では、出撃します」
ガシン・・・ガシン・・・
鈍い音を響かせながら、それは歩いていった。
雪「何事も無ければ良いが・・・」
金「カナも漫画とアニメを見ただけで作ってみたから、碌に実験してないかしら~・・・」
雪「・・・聞かなかったことにします」

煌々と照らされた山の入り口で男は集まった作業員達に説明を行っていた。
男「良いか?今回はこれまでのようなちょっと重機で脅した程度で怯む様な連中じゃない。心してかかれ」
作業員「おお!」
男「但し、怪我はさせるなよ。後々面倒なことになるからな。よし、それじゃあ山に入るぞ」
男はトラックに乗り込み、他の作業員が重機に乗り込むのを待っていた。
その時、遠くから地響きのような物が聞こえてきた気がした。
男「ん?何事だ?」
よく見ると、何かが大きく揺れ動いているようだ。そして、それはこちらに向かっている。
男「何なんだあれは・・・?おい、ライトで照らせ!」
作業員「無理です!持ってきてる分じゃ、あそこまで照らせません」
男「くそ!一体何がどうなってるんだ」
男の言葉が聞こえたのか、謎の物体の目が突如開いた。
いや、それは目ではなかった。目のような位置に有った、一対のライトである。
ガシン・・・ガシン・・・
その姿はやがて大きくなる。そして男達のすぐ近くまで来たとき、ライトにそのシルエットが浮かび上がる。

男「な、な・・・巨大ロボット・・・だと?!」
照らし出されたのは、文字通り巨大ロボットであった。
先程目のように見えたのも、肩の部分に取り付けられたライトであった。
全高は6m、全幅は4mほどの大きさで、横にした卵状の胴体に手足が付いたような代物だった。
とは言え、大きさのインパクトも手伝って現場はパニックだった。
男「あ!おい、こら!逃げるな!」
慌てふためいて逃げ出す作業員達を怒鳴りつけるが、後の祭りだった。
そのロボットは辺りを適当に歩き回り、逃げ惑う男達を追い掛け回していた。

ロ「はぁ~い、そこまで~そこまで!」
不意にローゼンの声が現場に響き渡る。その声に反応して、ロボットの方も動きを止めた。
コックピットのキャノピーが開き、中からフォッセー姉妹が顔を出す。
コ「まぁ、今回の諸悪の根源である校長ではありませんか」
オ「今更、何をしに来たのですか?」
ロ「いやね~、ちょっと色々有ってさ~・・・ま、とにかく雪華綺晶先生とか金糸雀先生とか皆呼んでくれる?」
コ「・・・分かりましたわ」
それからしばらくして、雪華綺晶と金糸雀は山を降りてきた。

雪「それで?我々に話とは一体なんだ?」
顔を見るなり、雪華綺晶はローゼンに食って掛かる。
ロ「まあまあ、その前にある人を紹介するよ。すいませ~ん、出てきてもらえます?」
ローゼンの呼びかけに、後ろのほうに止めてあった車から1人の初老の男が出てきた。
雪「あれは・・・市長?!」
金「いきなり大物かしら」
意外な人物の出現に慌てる金糸雀達。ローゼンは説明を始めた。
ロ「いやねぇ、あれから市長のところに行って、事情を説明したんだよ。で、わざわざ来てもらったって訳」
雪「なるほど・・・では、言わせて貰うがこの山は・・・」
その時、麓の方から金糸雀のクラスの生徒と、雛苺と薔薇水晶、ピチカートが走ってきた。
A「先生!署名3千人分集めてきました!」
そう言って紙の束を手渡す。見るとそこにはびっしりと署名が書かれていた。
金「ありがとうなのかしら~!それじゃ、これを市長さんに渡すのかしら~!」
金糸雀は受け取った署名用紙をそのまま市長へと手渡した。
市「確かに署名を受け取りました。いやはや、たった1日でこれだけ集めるとは・・・今回は私が間違っていたようだ」
金「え?それじゃあ・・・」
市「えぇ・・・この山は残すことにします」
その瞬間、生徒達や教師達は互いに手を取り合って喜んだ。自分達の努力が実を結んだからだ。

ロ「という訳で、裏山は無事に残ってめでたしめでたし」
雪「元はと言えば、貴様がちゃんとしていればこんな事には・・・」
ロ「・・・え、や、やだなぁ・・・僕はこうして解決の糸口を・・・」
雪「問答無用!」
逃げるローゼンと追う雪華綺晶、いつもの構図が出来上がってた。
ただ、違うのはローゼンは乗り捨ててあったロボットに乗って逃げ出したこと位だった。
薔「・・・・・・あれ、もしかしてレイバー?」
金「アニメを見てたら作ってみたくなったかしら~」
それだけで作ったアンタは凄いよと、その場に居た全員が思った。

雛「ところで、金糸雀先生ってどうしてあんなに反対したの?」
金「え・・・?!」
薔「・・・そう言えば・・・」
雛苺の疑問に、思いっきり動揺する金糸雀であったが、そんな思いを知ってか知らずか生徒達が代弁する。
A「決まってるじゃないですか。裏山は僕らの思い出の遊び場ですよ?それを壊される事に反対だったんですよ」
D「それに裏山は自然がいっぱいだし、なんだか勿体無いですもんね」
雛「そうなの?」
金「そ、そ、そ、そうなのかしら~。大切な場所を失いたくないのは誰だって持っている感情なのかしら~。おほほほほほ・・・」
雛「金糸雀先生偉いの~」
薔「・・・見直しました、金糸雀先生」
金「おほほほほ・・・そんな、大した事してないかしら~・・・」
皆の尊敬する視線に、まさか
「開発に失敗した廃棄物をこっそり捨てていたのをバレるのが嫌だったから」とは口が裂けても言えない金糸雀であった。

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