ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 成績アップ大作戦

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金「ひどいのかしら~~~~~~~!!!!」
雪「横暴だ!断固抗議する!」
朝の職員室に悲鳴と底冷えのする怒号が響き渡る。
声の主たちに挟まれていた雛苺はあまりの大声に両耳を押さえてしゃがみこむ。
他の教師達も流石に五月蝿かったか、耳を押さえて二人を見つめる。
その後、この大声の原因となった人物の方を見るが、何事も無かったかのように鼻の頭を掻いていた。
ロ「まあ、君たちの言う事も分からなくは無いよ。でもさ、数字はやっぱ非情なのよ」
ローゼンはそう言って1枚のプリントを見せる。
そこには7本の棒グラフが描かれていた。
ロ「これ、なんだか分かる?」

雪「う・・・それは・・・」
金「・・・・・・この間の模試のクラス平均・・・かしら~」
ロ「そ。5教科の総得点のクラス平均。受けた人数は各クラス同じだから条件は一緒だね」
ニコニコしながら説明するローゼン。しかし、目は笑っていなかった。
その言葉どおり、プリントに描かれていたグラフは半月前に行われた模試の結果であった。
それぞれが担当する(水銀燈と薔薇水晶は同じだが)クラスの総得点の平均がそこには描かれていた。
そして、金糸雀と雪華綺晶のクラスの棒グラフは他のクラスの棒グラフと比べるとかなり低かった。
ロ「分かるよね、この意味が」
金・雪「・・・・・・」
ロ「正直に言うとさ、僕もこんな事したくないんだよ。生徒達には勉強よりも大切な事を学んで欲しいなぁなんて思ってるし」
ロ「でもさ、本音としてはそうだけど校長としての建前はそういう訳にも行かないのよ。ね、分かって?」
金「それでもあんまりなのかしら~・・・」
雪「我が家の死活問題に関わる。給料の30%カットなんて・・・」
ロ「あ、それなら1ヶ月間薔薇ちゃんのご飯は僕が・・・」
ズドンッ!
壁にかけられていたローゼンの写真に38口径の弾丸がめり込む。
雪「それとこれとは話が別だ。貴様にばらしーを任せるくらいなら、餓死した方がマシだ!!」
全員(餓死はしないと思うのは気のせい・・・?)
ロ「ま、とにかく・・・来週の期末試験、クラス平均が学年平均以下だったら給料カットね。これ、校長命令だから」
金・雪「・・・・・・」

ラ「宜しいのですか?あのような事を言って」
ホームルーム始まってから数分後、ラプラスは麦茶を飲んでいたローゼンに訊ねた。
ロ「え?何が?」
ラ「期末試験の事です」
ロ「ああ、あれね・・・嘘だよ」
ラ「でしょうね。貴方は彼女達を困らせたり怒らせたりはしましたが、悲しませるような事はしませんでしたから」
ロ「これで頑張ってくれれば良いんだよ。極端な話、受験で十分点取れれば良いからね。成績なんて二の次、三の次」
ラ「確かに、1週間ほどで成績が上がるなんて御伽噺の世界ですからね」
ロ「でも、これで1週間は退屈しないなぁ。どんなワクワクが僕を待ってるんだろう・・・」
そう言って椅子を回転させる。試験までの間に何かが起こると確信しているのか、くっくっくと含み笑いが聞こえてくる。
ラ(貴方がワクワクするような事は、私にとってはストレス以外の何物でもないのですがね・・・)
そう思うと、なんだか胃の辺りがキリキリするような気がした。

金「カナから皆に大切なお知らせが有るのかしら~」
A「旧式の湯沸かし器を回収するんですか~?」
金「今回はそんなCMは出ないと思うかしら・・・って、時事ネタは風化が早いし、色々と大変かしら~」
教室がどっと笑いに包まれる。金糸雀のクラスの特徴として笑いが絶えない事が挙げられる。
学園の中でも特にお調子者達が偶然集まったのか、金糸雀の持つ雰囲気がそうさせたのか、いつもにこやかなクラスだった。
金「・・・って、それも違うかしら~。来週の期末テストの事かしら~」
途端に静まり返る教室。
金「分かりやすいリアクションありがとうかしら~。でも、これが深刻な問題なのかしら~」
金糸雀は生徒達に今回の期末試験が如何に重要かを説いた。
校長から点数を上げろと脅されたこと。今のままだとお給料が減らされちゃうこと。
生徒達もこのままだと何らかの罰が与えられること(言っていない)などを身振り手振りを交えて説明した。
金糸雀にとっても減俸は死活問題である。その為なら多少の脚色などお構いなしだ。
金「・・・という訳で、皆しっかり勉強して成績を上げて欲しいのかしら~」

雪「諸君、私はご飯が好きだ」
教室に入ってきて開口一番そう告げた。生徒達は内心『何が有ったんだ?』と思いながらも微動だにせずに耳を傾ける。
雪「諸君、私はご飯が大好きだ」
雪「和食が好きだ 洋食が好きだ 中華が好きだ 白米が好きだ パンが好きだ お肉が好きだ お魚が好きだ
   野菜が好きだ 果実が好きだ」
雪「我が家で 学食で 職員室で 校庭で 中庭で 部室で 飲食店で 野山で 海岸で
   この地上で行われる ありとあらゆる食事行動が大好きだ」
雪「テーブルに所狭しと並べられた料理をいただきますの合図と共に食べるのが好きだ」
雪「空になった皿が次々と重ねられていく様子を見る時など 心がおどる」
雪「チャレンジメニューを自慢げに掲げる店の店主を 失意のどん底に叩き落した時など 胸がすくような気持ちだった」
雪「ナイフとフォークを構え 並べられたサイコロステーキを蹂躙するのが好きだ」
雪「ナイフの切れ味の悪さに舌打ちしつつも 何度も何度も切り刻む様など 感動すら覚える」
雪「試しに頼んだ新メニューにゆで卵が入っていたときは とてもとても悲しいものだ」
雪「まして給料が無くて 空腹に苛まれるのは 屈辱の極みだ」
雪「諸君 私は成績を 誰もが納得するような成績を望んでいる」
雪「諸君 私に付き従う生徒諸君 君達は一体 何を望んでいる?」
雪「更なる不成績を望むか? 情けない糞の様な成績を望むか?」
雪「ありとあらゆる手段を尽くし あの馬鹿をも唸らせる 嵐の様な好成績を望むか?」

生徒一同「好成績!!好成績!!好成績!!」
先程まで静まり返っていた生徒達は一糸乱れることなく叫ぶ。
ある意味、金糸雀のクラスに負けないくらいノリのいいクラスである。
雪「よろしい ならば期末試験だ」
雪「我々は満身の力を込めて 今まさに振り下ろさんとする拳だ」
雪「だが この学校で 一学期もの間 堪え続けてきた我々に ただの成績ではもはや足りない!!」
雪華綺晶はここで右腕を高らかに掲げる。
雪「好成績を!!一心不乱の好成績を!!」

雪「我らはわずか一個小隊 40人に満たぬ落ちこぼれに過ぎない」
雪「だが諸君は 一騎当千の強者達だと 私は信仰している」
雪「ならば我らは諸君と私で 4万と1人のクラスとなる」
雪「我々を落ちこぼれと侮り 眠りこけている連中を叩き起こそう」
雪「ペンと消しゴムを取り 順位を引きずり落とし 解答用紙を見せつけ 思い出させよう」
雪「連中に恐怖の味を 思い出させてやる」
雪「連中に我々の 解答用紙に書き込む音を思い出させてやる」
雪「学年平均のはざまに 奴らの偏差値では思いもよらぬ事が有る事を思い出させてやる」

雪「担任より このクラスの全生徒へ」
雪「第一次成績アップ作戦 状況を開始せよ 征くぞ 諸君!!」
雪華綺晶は言いたい事を全て言った後、少し高揚した顔をしながら教室を出て行った。
生徒達は付き合いも長くなった所為か、雪華綺晶が言おうとしていた事を理解していた。
『成績下がるとご飯食べられなくなるから期末テストの成績上げろ。さもなくば、罰を与える』と。
金糸雀のクラスと併せて、辛く厳しい1週間が始まった。


A「いくら何でも1週間で成績上げろなんて無理だろ」
B「とは言え、成績上げないと何されるかわかんねーぞ」
C「今回、校長が言い出したって話じゃん。こんな時だけ、教師らしい真似すんなよな」
D「そーよそーよ。いつもちゃらんぽらんな癖に」
休み時間、金糸雀のクラスではどこもかしこも校長に対する不満で持ちきりだった。
とはいえ、成績を上げない事には自分達にもペナルティが来るし、金糸雀と雪華綺晶もその責任を取らされる。
それはどちらも嫌だった。生徒達は不満もそこそこに対策を立てる。

C「校長の暗殺」
A「闇討ちかな」
D「ここは薔薇水晶先生の色仕掛けで・・・」
B「・・・対策じゃないだろうが、それは」
自分達のクラスがなぜ学年ビリ争いをしているか分かったような気がしたBであった。

T「同士諸君、今回の案件について何か意見のある者は?」
昼休み、雪華綺晶のクラスでは自主的に学級会を行った。勿論、議題は期末試験である。
R「物理的な元凶の排除は考慮すべきだろうか?」
S「先生はペンと消しゴムを取ってと言われた。その方法は最後の手段だろう」
Y「となると、真面目に勉強か・・・、間に合うのか?」
T「正攻法ではな・・・ただ、聞いた話だと金糸雀先生のクラスも同じような状況らしい。なんとか共闘出来れば良いのだが・・・」
R「なんでそれを早く言わない。向こうは科学部の連中が多く居るじゃないか」
S「なるほど・・・、それに国語担当だから化学と現国・古文・漢文は問題なさそうだな」
Y「うちからは世界史と政経があるし、交換条件としては問題無いな」
かくして二つのクラスは結託する事になり、情報提供が盛んに行われた。

しかし、問題が幾つかあった。
5教科のうち、国語と理科と社会(世界史)は押さえられたが、残る数学・英語は最大の強敵であった。
ただでさえ難解な上、どちらも一朝一夕に出来る物ではなかった。
A「どうするよ?後2日しかないぞ」
T「どちらを優先的にやるか・・・という事になるな」
B「それなら1日目の英語を重点的にやるべきじゃないか?」
R「いや、英語の範囲はそんなに広くない。それよりも範囲が広い数学をやるべきでは無いだろうか?」
C「でも、今までのテストからして計算問題だけやっとけば、そんなに心配要らないんじゃねえか?」
二クラス交えての勉強会ではこの数学と英語をどのように勉強していくか?が問題となっていた。
彼らの言うとおり、どちらを重点的にやっても一長一短であった。

D「こういう時に、楽してズルして点数取れればねー」
Y「カンニングか・・・方法としては外道だが、止む無しなのかも知れん」
A「馬鹿かお前ら。寄りによってあの二人が担当のテストでカンニングなんて出来るわけ無いだろ」
D「あ・・・そっか~、真紅先生と蒼星石先生に下手なカンニングはすぐ見破られちゃうか」
R「雪華綺晶先生も不正は決して許さない人だ。成績のためだと言っても、聞き入れてはくれないだろう」
全員「・・・・・・」
教室は重苦しい雰囲気に包まれる。もはや万事休すか・・・。

?「授業中もそれだけ真剣にやってくれていれば、そんなに苦しむことは無いのだわ」
?「でも、皆真剣になって勉強しているって事は良く伝わったよ」
?「・・・食費削減は大変だから、今回は特別にお手伝い」
生徒達は入り口の方を振り返った。
そこには真紅、蒼星石、薔薇水晶の3人と、金糸雀と雪華綺晶の2人が居た。
B「先生達、どうしたんですか?」
蒼「君達に補習をして欲しいって、この二人に頼まれてね」
真「担任の悪い癖がうつって、楽してズルしてカンニング・・・という訳にも行かないのだわ」
金「ちょっと酷い言われようかしら~」
薔「・・・そこで、僅かな時間だけど・・・補習授業を・・・ね」
話からして、金糸雀と雪華綺晶の二人が頼み込んで、今回の補習授業ということになったのだろう。
真「それじゃ、早速始めるのだわ。1秒たりとも無駄にはできないのだわ」
金「皆、カナのためにもよろしくなのかしら~」
雪「諸君 私は・・・」
生徒(雪華綺晶クラス)「それは前にやりました!」

教師陣の手助けもあって、この二クラスの成績は奇跡的に上がった。
尤も、いきなり学年トップになるわけも無く、やっぱり学年平均より下だったが、クラス平均が20点近く上がったため
二人ともお咎め無しという事になった。
ただ、カンニング合戦になるんじゃないかと思っていたローゼンにとっては退屈な結果に不満だった。
それでも、校長としてはこの結果を大いに喜んだという。

金「皆、助けてくれてありがとうなのかしら~」
雪「協力、感謝する」
真「礼には及ばないわ。それに私たちは手助けをしただけ。頑張ったのはあの子達よ」
蒼「後は、授業でもちゃんと聞いててくれると良いんだけどねぇ」
薔「・・・お姉ちゃん、部活動に熱心なのは良いけど・・・それで授業が受けられなかったら・・・本末転倒だよ」
雪「以後、気をつけよう」

などと、主要5教科担当が朗らかに談笑しているその裏では
翠「・・・きーっ、いくら家庭科はメインじゃないとは言え、ぶっつけ本番みたいな回答はむかつくですぅ!」
雛「ぶーっ、テストの種類に優劣は無いのよ!」
水「そりゃあ、保健体育は教科書ざっと見ればすぐ分かるわぁ・・・でも、殆ど勉強してないわねぇ・・・いい度胸してるわぁ」
と、それ以外の授業担当教師はこの2クラスの解答用紙を見ながら憤ってたとか。