ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 推薦入試

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ラ「さて、いよいよこの季節がやってきましたね」
教師一同「・・・・・・」
いつも通り淡々と告げるラプラスとは対照的に教師陣は今ひとつ浮かない顔をしていた。
ラ「今日一日大変だとは思いますが、よろしくお願いします」
教師一同「はい」
ラ「では本日の担当ですが、小論文を薔薇水晶先生と金糸雀先生、適性検査を翠星石先生と雛苺先生、
   面接を水銀燈先生と蒼星石先生、真紅先生と雪華綺晶先生にお願いします。それでは早速準備に取り掛かってください」
教師一同「はい」
ラプラスからの指示を受けた教師陣は各々担当の準備を開始した。
ロ「いやぁ、毎年この時期と年度末は気が重くなるねぇ」
ラ「まさか貴方の口からその様な言葉が出てくるとは思いませんでした」
ロ「僕だって一応教師の端くれだよ?これから受けに来る生徒達の人生を左右させるかもしれないと思ったら気が重いよ」
ラ「そうですね・・・ですが、まだ推薦の段階です。それに我が校は他校に比べて早い時期に行いますので、挽回はいくらでも・・・」
ロ「誰もが君みたいに割り切れたら、世の中少しは気楽に生きていけるのかねぇ」
ラ「・・・・・・」

唐突だが、有栖学園は小中高一貫型の学校である。
その為、大半の生徒はエスカレーター式に上がってくるのだが、それとは別の学校からの生徒も決して少なくはない。
そうした生徒達を受け入れるための入試も当然行われていた。
有栖学園高等部も他の高校と変わらず推薦入試と一般入試の2種類があり、受験者達はそのどちらかを選ぶ事になる。
そして今日はその推薦入試の試験日だった。
ローゼンはふと窓の外を見る。
ロ「どうやら来たみたいだよ。みんな緊張してるみたいだね」
ラ「是非とも皆合格させてあげたいのですが・・・」
ロ「ま、そればかりは彼ら次第だね。そう言えば、彼女達も昔はあんな顔してたかな?」
ラ「かつてこの学園を受験した者が、今度は受験者達を判定する・・・人生とは不思議なものです」

薔「・・・えと、皆さんおはようございます」
受験者達「・・・おはようございます」
薔「・・・皆緊張してる・・・?・・・もっと肩の力を抜いて、楽にしてていいよ・・・」
薔薇水晶の言葉に、受験生の何人かは緊張を解した。
薔「・・・それじゃあ、これから有栖学園高等部の・・・推薦入学試験を・・・始めます」
金「まず最初に皆には小論文を書いてもらうのかしら。今から配っていくから、後ろの人に回して欲しいかしら」
金糸雀は各列の一番前の受験生に400字詰め原稿用紙の束を配布していく。
受験生はその中から1枚とって後ろに回していく。やがて全員に用紙が回った事を確認すると、薔薇水晶は口を開いた。
薔「・・・それでは、これから小論文を書いてもらいます。・・・テーマは『有栖学園に入ってやりたい事、やってみたい事』」
金「時間は1時間かしら。焦らず落ち着いてちゃんと書いて欲しいかしら」
薔薇水晶は後ろに掛かっている時計を確認し、開始するタイミングを計る。
薔「・・・9時15分から開始するね。・・・3、2、1、はじめ」
薔薇水晶の合図と共に、受験生達は一斉に原稿用紙に書き出した。

薔(皆頑張ってね)
受験生を全員合格にしてあげたいと思いながら、薔薇水晶はそれぞれの席を見ていく。
受験生の様子は千差万別だった。小論文は練習量が物を言う。
練習すればスラスラと書けるようになるが、そうなるまでが難しかったりする。練習していなければ尚更だ。
薔薇水晶はそんな受験生達の様子を見ながら、かつての自分を重ねてみていた。
薔(私も昔はこんな感じだったなぁ。確かあの時は教頭先生になる前の教頭先生が担当してたっけ)
そんな事考えながら見てたら、気が付けば開始から40分が経過していた。
改めて教室全体を見渡すと、既に何人かは書き終わっていて机に突っ伏していた。
残りの受験生も20分あれば十分書き終えられそうで、薔薇水晶と金糸雀は内心胸を撫で下ろした。
金「・・・・・・・・・はい、終了かしら。お疲れ様かしら」
金糸雀の合図と共にシャーペンや鉛筆を置く音、続いて溜息などが聞こえてくる。テスト後特有の音だ。
金「それじゃ、後ろの人から順番に前の方へ用紙を回して行って欲しいかしら。自分の書いた奴を一番上にするかしら」
金糸雀は先頭まで回ってきた原稿用紙を順番に回収していく。
金「1、2、3・・・全部有るかしら」
薔「・・・そう、それでは最初の小論文はこれまで・・・15分後、適性検査があるから・・・皆、頑張ってね」
二人は原稿用紙を持って職員室へと向かった。

翠「では、これからテストを始めるですぅ。てめーら覚悟しやがれですぅ」
雛「皆、頑張って欲しいのー」
15分の休憩後、教室に翠星石と雛苺の二人が現れた。
二人の教師らしからぬ言動に多少面食らうも、次に行われるテストの事で頭が一杯だったのでそれを気にする余裕は無かった。
翠「えー、ではこれから問題用紙と解答用紙を配るですぅ。勝手に解答始めやがった奴は即不合格ですから注意するですよ」
二人はそれぞれ問題用紙と解答用紙を配布していく。行渡った事を確認した後、翠星石が口を開く。
翠「えーっと、問題は全部で4部有るです。1部と2部が学力テストで3部と4部は性格判断みたいなもんですぅ」
雛「それで、皆にはまず1部から始めて欲しいの。制限時間は30分だから早めに書いた方が良いの」
翠「あの時計の秒針が12時を指したら始めるですぅ・・・・・・・・・始めやがれですぅ」
翠星石の合図と共に受験生達は問題冊子を開いて解答を始めていった。

真「SPI?・・・就職試験等に使われる?」
ラ「ええ・・・今回はそうさせてもらいました」
水「それって高校入試に使えるのぅ?」
ラ「はい、推薦の時点である程度の学力は見込めますので、わざわざ問題作成するよりは遥かに楽かと」
蒼「確かに・・・でも、そうなるとテストの成績は・・・」
ラ「そうですね、あまり参考にはしません。性格判断の方を重視して見ていくつもりです・・・それと面接を」
雪「我々の責任は重大・・・という事か」

翠「・・・・・・それじゃあ、第1部終わりですぅ。続いて第2部を始めるですぅ」
雛「全部解けて無くても、もう第1部の問題やったらめっなのよ」
翠「今度は40分ですぅ。計算間違えるんじゃねーですよ」
受験生達は各々問題に取り掛かっていく。問題自体はそれほど難しい物ではないが、少しでも躓くと
全ての問題を解答する時間が無くなってしまうだけの量が有る。ここで求められるのはいかに素早く正確に解く事ができるかである。翠(じっとしてるのもつまんねぇですぅ・・・)
手持ち無沙汰で時計と受験生を交互に見やる。雛苺の方を見てみるとこちらは何が楽しいのかニコニコと受験生達を見ている。
翠(チビチビは暇じゃなさそうですぅ・・・う~ん、こう静かだとわ~っとか言って見たくなるですぅ)
そんな甘い誘惑に耐えながら、その後の第3部・第4部と進んで行き、適正検査は終了した。
翠「全員の分あるですね。それじゃ、適性検査はこれでおしまいですぅ」
雛「この後は、お昼ご飯を食べてから1時から面接が有るの。皆頑張ってほしいの」
二人は職員室へと戻って行った。

翠「ふぅ~、ようやく終わったですぅ・・・」
蒼「お疲れ様、お茶淹れておいたよ」
翠「気が利くですぅ。ところであの5人は何やってるですか?」
翠星石の視線の先には黙々と何かを書いている水銀燈、金糸雀、真紅、薔薇水晶、雪華綺晶が居た。
蒼「ああ、彼女たちは性格判断をやっているんだよ」
翠「さっきのテストですか?」
蒼「面白そうだからってね・・・次は自分達の番なのに大丈夫なのかな?」
翠「言うだけ無駄ですぅ」
蒼「それもそうだね」
雛「面白そうなの~。ヒナもやってみるの~」
翠「チビ苺の結果はやらなくても分かるですぅ。どうせ『お子ちゃまみたいな性格』とか出るに決まってるです」
雛「ぶ~、それなら翠星石先生もやるの~。きっと『意地悪な性格』って出るのよ」
翠「おチビは生意気な事を言うですね。そこまで言うなら、いっちょやってやるです!蒼星石もやるですよ」
蒼「え?僕も?・・・あの、この後面接が・・・」
翠「そんなの関係ねーです。どうせなら全員やった方が比較ができて面白いです」
結局8人全員が性格判断をする事になった。

真「それでは、今から面接試験を始めるのだわ。黒板に書かれている受験番号ごとに各教室に分かれて行うので順に来て頂戴」
昼食も終わり、午後からの面接が始まった。
受験生達は番号順に4つに分かれてそれぞれの面接官が居る教室へと移動していく。

蒼「はじめまして」
受験生A「は、は、はじめまして・・・」
蒼「大丈夫、緊張しないで・・・リラックス、リラックス」
受験生A「は、はい・・・」
蒼「それじゃ、早速質問だけれど・・・」

受験生B「失礼します」
真「どうぞ・・・その椅子に座って頂戴」
受験生B「はい、では失礼します」
真「では、これから面接を始めていくのだわ。まずはこの学校に入学したいと思ったきっかけは・・・」

水「それじゃ、まずは自己紹介してくれるぅ?」
受験生C「受験番号034、○○中学校のCと言います」
水「C君ねぇ、ところで君の家族や親戚にお金持ちいるぅ?」
受験生C「は?」
水「・・・察しが悪い子ねぇ、私が言いたいのは・・・」
ガラガラ・・・
薔「・・・ちゃんと真面目に面接してる?」
水「してるわよぅ・・・」
薔「・・・お金持ち、とか聞こえたけど」
水「気のせいよぅ、もしくは緊張を解すためのちょっとした冗談よ」
薔「そうなんだ、へー」
水「信じてないのね」
薔「信じてるよ」
水「・・・・・・嘘つく時は『・・・』を外すからすぐばれるわよ」
薔「・・・てへ」
受験生C「あの~・・・面接は?」
水「はいはい、それじゃちゃっちゃと終わらせるわよぅ・・・」

雪「ではまず、貴様の所属と階級を述べてもらおうか」
受験生D「・・・階級ですか?」
雪「そうだ、当然だろう?」
受験生D「えと、△中学校の3年、Dと言います」
雪「当校にやってきた目的を言え」
受験生D「えと、志望動機・・・ですか?」
雪「そうとも言う」
その後も質問が続くが、試験が終わった後にDが家族にどうだったかを説明した時には「まるで尋問みたいだった」と言ったとか。

蒼「ふぅ~、なんとか全員終わったね」
翠「お疲れ様ですぅ。お茶を淹れておいたですよ」
蒼「わぁ、ありがとう翠星石先生」

雪「結局、水銀燈先生に付きっ切りだったのか」
薔「・・・うん、目を離したら何を言い出すか分からないから」
水「・・・・・・よっぽど信用無いようねぇ」
真「こういう時は普段の行いが物を言うのよ」

雛「皆合格すると良いね」
金「見てた限りでは問題無さそうなのかしら。でも、結果を見ないと分からないかしら」

などと口々に今回の試験についての感想を言い合う教師達。
それぞれが受験生全員を合格させてあげたいと思っては居るが、なかなかそう上手くは行かない物である。
ラ「皆さんお疲れ様でした。今日は特に何事もなく過ぎて内心ほっとしています」
水「そうそう毎回騒動なんて起こしたくないわよぅ」
ラ「是非ともそう願っていますが・・・」
そこへ雛苺が質問する。
雛「合否判定はいつ出るの~?」
ラ「・・・基本的には10月頃になりますが、適性検査の段階まででは受験生の皆さんは問題無いと考えています」
真「そうなると、合否の結果は面接に左右されると?」
ラ「そういう事になりますね」

ラプラスの言葉に教師達はそれぞれの顔を見合わせる。
自分達の判断が、受験生達の人生を左右する・・・そのプレッシャーは重かった。
ラ「それでは、細かい判定は後ほどという事で、全体的な判断をお聞きしましょうか?」
真「まずは私から・・・・・・全員問題無いと思うのだわ。多少は難が有るけれど、それ位なら在校生にも沢山居るのだわ」
蒼「僕の方も問題無いと思います。皆、良い子達でしたよ」
水「そうねぇ・・・別段面白みのある子は居なかったけどぉ、問題のある子も居なかったわぁ」
雪「少々萎縮している感は見受けられたが、3年間を我が校で過ごせば立派な兵士に・・・」
全員「一体、何を見ているんだよ!」
雪「・・・・・・違ったのか?」
薔「・・・お姉ちゃん・・・」
流石の薔薇水晶も水銀燈に掛かりっきりで姉の勘違い暴走を止める事はできなかった様である。

ラ「・・・まあ、一部予想外の事態が起きましたが、それを差し引いても全員合格という事ですか・・・」
ロ「良いんじゃない?うちのモットーは『来る者は拒まず、去る者は笑顔で見送ろう』だし」
ラ「・・・・・・仕方ありませんね。但し、一応面接結果とも照らし合わせますので、こちらに渡してください」
面接担当はそれぞれの受験生の評価が書かれた名簿をラプラスに渡す。
ラ「・・・はい、確かに。そうそう、昼休みに貴女方が書いていた性格判断ですが、その結果を御覧になりますか?」
水「もう結果出てるの?」
ラ「ちゃんと分析されているかどうかのテストがてら入力しましたのでね」
雛「わぁ、早く見たいの~!」
翠「あんなにはしゃいじゃって・・・やっぱりお子ちゃまな性格ですぅ」
ラ「なかなか興味深い結果が出ましたので、楽しみにしていてください」

そう言ってラプラスは一度奥の部屋へと行き、名簿の代わりに数枚の紙を持って戻ってきた。
そして、その紙を各自に渡していく。そしてその結果にある者は納得し、ある者は驚愕し、またある者は落胆したのは
また別の話である。