ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 離反

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金糸雀「なえええぇぇぇぇぇぇぇ!?何でこれは経費で落ちないかしらー!?それに、この部活の遠征費用だって…。」
メイメイ「…残念ですが、それを証明できるものがなければどうしようもありませんね…。さて、そろそろ私は…」
金糸雀「じゃ、じゃあこれならどうかしらー!!」
そう言って鞄から取り出されたのは、膨大な量のレシート…。
それを見て、いつもはあまり感情を表に出さないメイメイも、今回ばかりは嫌そうな顔をした。
ちなみに、一口に『用務員』と言っても、その業務は多岐にわたる。
書類の接受や発送、広報、施設内およびその周辺の清掃…そして今彼女が行っている、財務に関する仕事などがその一例だ。
と言っても、彼女は他の用務員達が何も言えないのを良い事に、必要最低限の仕事しかしないので、本来この時間は読書やネットサーフィンに当てられているのだが、今回ばかりはそうはいかないようだ。
…この時間は授業を受け持っていないのか…。早く諦めて帰ってくれればいいのに…と、不謹慎な事を考えていた時、ガチャリと前方のドアが静かに開いた。
?「大変そうね…。それだけ量が多いと…」
か細く、消え入りそうなその声…。
顔を上げると、そこには白い服を身に纏った1人の女性が、こちらを見て微笑んでいた。


メイメイ「…雪華綺晶…!」
彼女の登場に、メイメイは思わず息を呑んだ。
というのも、彼女にとってこの雪華綺晶が、現在最も警戒しなければならない相手だったからだ。
2人はあることがきっかけで、立場を違えるようになった。
無論それは彼女の意思ではなく、彼女が『お姉様』と慕う水銀燈が原因だったのだが、彼女にとってそれはどうでもいい事だった。
『お姉様が敵と称したものは、自分にとっても敵である』という考えだったから…
しかし、最近はその水銀燈が別のことで忙しかったので、彼女自身もすっかりその存在を忘れていたのだが…
雪華綺晶「…どうしたの?私がここに来てはいけない理由でも…?」
いつも、妹である薔薇水晶の前で見せるものとは全く違う、その悠然とした態度…。
その理由は明白だった。
メイメイ「…では何の用です?この通り、今は金糸雀の…」
雪華綺晶「…そういえば真紅さんが探してたよ…?パソコン部のソフトが、ゲームばかりなのがどうとかと…」
金糸雀「うえっ!?何でバレたのかしらー!?で、でも…えっと…えっと…」
雪華綺晶「…早く行ったほうが良いですよ…?化学準備室に隠してあったゲーム…全て捨てるとか言っていましたし…」
その言葉に、金糸雀は慌てて事務室を飛び出していく。
それを横目で見ながら、雪華綺晶はくくっと低く笑いながらこう声をかけた。
雪華綺晶「…やっと2人きりになれたね…」
1人より2人…例えそれが、あの金糸雀であろうとも、いないよりはマシ…
そんな儚い希望は、もろくも崩れ去った。
力の差は歴然…。言い知れぬ絶望感を胸に、メイメイは思わず身を強張らせる。
そんな彼女を見て、雪華綺晶はこんな事を言い出した。


雪華綺晶「…もう止めましょう…。憎しみの連鎖は、いつかは断ち切らなくてはいけない…。たった2週間だけだけど、私たちにはそれが出来た…。だから…」
その言葉に、メイメイは思わず耳を疑った。
何…?もしかして仲直りに来たとでもいうの…?
確かに、それは願っても無いことだが…
メイメイ「…嘘も、そこまで言えればたいしたものですね…。目的は何…!?」
その言葉に、雪華綺晶は顔色一つ変えずにこう答える。
雪華綺晶「目的…?それはさっき言ったとおり…。あなた達は何か誤解しているみたいだけど…私だって本当はあなたたちと仲良くしたい…。私は妹を守れればそれでいいの…。それは、あなたも一緒でしょう…?」
メイメイ「…で、でも…」
雪華綺晶「それに、最初は私たちも仲良くやってきたじゃない…。そろそろ、あの頃へ戻りましょう…。私たちには、もうそんな事をしている時間は無いはず…。」
…奇妙な間があった。
まるで時そのものが止まってしまったかのような、なんとも異様な空気が室内に流れる。
メイメイ「…私に何をしろって言うの…?」
それに耐え切れず、先に均衡を破ったのはメイメイだった。
それを見て、雪華綺晶はにやりと笑いながら、静かにこう言った。
「…ついてきて…。」
と。
窓辺からから差し込む日差しを背に、部屋を後にする2人…
その行動の本当の意味を知るものは、まだこの地上には存在しなかった。