ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

従者

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匿名ユーザー

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「ちょっと!あなた、だあれ!?ここは私だけの…ふーん…あなたも1人なの?じゃあ、ついてきなさい…。面白いもの見せてあげる。」
あの日…私は引っ越してきたばかりで友達もおらず、1人で家に帰ることが多かった。
学校で覚えた歌…それを口ずさみながら帰っていたとき、私は突然木の上から声をかけられた。
美しくも、どこか不気味なその姿…。木の枝に腰掛けるその少女は、私が1人だと分かるとその手を引き、彼女が言う『お気に入りの場所』へと連れて行ってくれた。
力強く、そして大空を羽ばたく鳥のように自由なその性格…そして行動力…
そんな彼女に、私の心はどんどんと惹かれていった。


…しかし、それらは全てまやかしに過ぎなかった。
中学…そして高校へと進学するたびに、彼女の強さ…全てを圧倒するその力がまるで嘘のように失われていく様が、私には手に取るように分かった。
…その時、私は始めて進むべき道を間違えた事を悟った。
全ては無駄だった…。そう、あの人に少しでも近づければと始めたお稽古や習い事も、全て…。
あの人にとって必要なもの…それは自分の分身などではなく、彼女を補佐するもの…
しかし、それでも彼女はいつも1人で行動し、そして1人で悩んでいた。
何かを手伝おうとしても、「余計な事をするな」と一喝される毎日…
そんな時…彼女は突然、意外なことを言い出した。
「…決めた。私、教師になる。」
と。


薔薇水晶「銀ちゃん…!最近、毎日財布が変わってる…。どうして…?」
ラウンジ横の階段を、どことなく怖い顔をしながら降りてくる女性…
発した言葉から察するに、また何か…お姉様に関する悪事を見抜いたらしい。
水銀燈「…メイメイ。」
お姉様はうんざりした様子でそう言うと、私に彼女の相手をするように命じた。
あの子のおかげでお姉様は救われ、人が言うところの『まともな』人生を歩むことが出来るようになった。
私が何年かけても出来なかった事…それを成し遂げてしまった事に関してはとても感謝しているし、同時に嫉妬さえ覚える…。
でも、そんな事はどうでもいい。今大切なことは、『命令』を実行すること…。
正直、薔薇水晶さんを相手にするのは私だって怖い…でも…。
震える足を抑えつけ、私はゆっくりと彼女の前に立つ。
一部では、「『主君』に負けず劣らず」とまで評される私の顔立ち…それは今、彼女の目にはどう映っているんだろう…。
もう、私の『演技』もお姉様のそれと同様に見抜いているのだろうか…?
そんなことを考えつつ、私はいつもどおり冷静に…昔、お姉さまが褒めてくれた自慢の黒髪をゆっくりと掻き揚げながら、こう問いただした。
「…話なら、私が聞きます…。何かご用ですか?」
と。


…時々、考えることがある。「もしかしたら、私は体よく彼女に利用されているだけなのかもしれない…」と。

薔薇水晶「メイメイさんは黙ってて…!どうなの…!?答えなさい…!」
メイメイ「…もう、昼休みも終わりますよ…?そういうことは、後になさっては…?」

でも、それでもいい…。少しでも貴女のお役に立てるなら、私は貴女の盾となり…

薔薇水晶「だめ…!その様子だと…また男の人に貢がせたのね…?そんな事ばっかりやってると、いつか大変なことになるって…」
メイメイ「…大変なこと?詐欺罪に当たる時は、例えば婚約などの条件の変わりにそれを求めた時、もしくは親の病気や共同事業を持ちかけた時に起こるもの…。ですから、法的にはなんら問題ないはずですよ…?」

どんなことがあっても…

薔薇水晶「違う…。そうじゃなくて…こういうの…」
メイメイ「むしろ、相手は喜んでこれらを渡しています。それを断るほうが失礼では…?」

…たとえ、それが間違った事だとしても…。たとえ、それが原因でその身が朽ち果てようとも…

メイメイ「…貴女は、よくこの点について『間違ったこと』と言っていますが、法的にも礼儀的な面からもこれは認められているんです…。むしろ、間違っているのは貴女の方なのでは?」
薔薇水晶「え…!?で、でも…えっと…。えっと…」


貴女を、最後まで守り通します…。


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