ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki プールサイドの決闘

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水「はぁい、皆集まってるぅ?今日は授業やらないでプール掃除をするわぁ」
集まった生徒達にいつもの猫撫で声で宣言する。
プール掃除・・・初夏の風物詩である。
6月中旬にプール開きをするので、その前にプールや更衣室などの掃除を行うのだ。
当然プールは体育の授業に使うので、その時間を割いて掃除をする事になる。

水「男子はプールを、女子は更衣室を頼むわぁ。私は寝てるから、何か有ったら起こし・・・」
スパァァァァン!!
水「痛ったぁ、誰よ!」
水銀燈が振り向いた先に居たのは真紅だった。
しかしいつもの格好とは違い、自慢のツインテールを輪にして両サイドに纏め、服装もTシャツと紅いジャージという
活動的な格好をしていた。そして何故か右手にハリセンを持っていた。
水「あら、真紅先生。何しに来たのぉ?もしかして私に喧嘩売りに来たのかしらぁ?」
真「貴女が真面目に掃除をすれば不必要な争いは生まれないのだわ」
真紅の言葉に眉をひそめる水銀燈。
水「はぁ?なんで私が掃除をしなくちゃならないのよぉ」
真「この間、勝手に学校をサボった罰なのだわ。たまたまこの時間授業が無いから、貴女の監視をする事になったのだわ」
水「嫌よ掃除なんて。服がビショビショになるじゃなぁい」
ビショビショという言葉に男子が軽く反応するが、思春期真っ盛りなので無理も無い。
真「貴女に拒否権は無いのだわ。それから、真面目にやらないとこのハリセンで百叩きをするのだわ」
水「そもそもそのハリセン誰のよ?」
真「翠星石先生から借りたのだわ」
翠星石の奴、後で泣かす・・・そう心に誓う水銀燈だった。

真「それでは、これからプールの掃除を始めるのだわ。先程水銀燈先生が言っていた通り、男子はプール、女子は更衣室と
   シャワー室、消毒槽を任せるのだわ」
真紅は水銀燈の方を向く。
真「水銀燈先生は男子と一緒にプールの方を頼むのだわ。それと今回は密告を奨励するのだわ。
   もし私が見ていない時にサボってたり、サボろうとしていたら私に言いなさい。
   それと、もし一緒にサボろう持ちかけてきた時に合意した人は同罪と言う事で処分するのだわ」
生徒達(共謀罪っすか・・・)
真「それじゃ、早速始めて頂戴。時間は限られているのだわ」
真紅の号令に生徒達は作業に取り掛かった。

水「はぁぁ、何で私こんな事やってるんだろう・・・」
左手に持ったデッキブラシにもたれ、額に浮かんだ汗を拭いつつ呟く。
水(今頃あのベンチで気持ちよく寝ているはずなのに・・・)
屋根のついたベンチの方を忌々しげな顔で見つめる。視線の先には涼しげな顔をした真紅が居る。
足元はプールの水で涼しいが、上半身は太陽に照らされて暑い。
視線に気付いたのか、真紅が水銀燈の方を向く。ベンチの横に置いてあるメガホンを取る。
真「水銀燈先生、何をぼーっと突っ立っているのかしら?掃除をしないといつまで経っても終わらないのだわ」
水「ちゃんとやってるわよ!」
真「休憩するのは構わないけど、サボっていると判断したらハリセンが飛ぶのだわ」
真紅は立ち上がり、女子の方に見回りに行った。

真紅の姿が見えなくなると、途端にサボりだす水銀燈。
男子の1人が堪りかねて忠告する。
生徒A「先生、真紅先生に見つかったらヤバイですよ」
水「あら、貴方もしかしてチクる気ぃ?」
生徒A「そんなの誰もしようなんて思っていませんよ。先生の恨みを買うような真似なんて」
水「良い心掛けだわぁ」
それにしても・・・水銀燈は思考を巡らす。あの真紅をギャフン(死語)と言わせたい。
でもどうすれば・・・、ふと先程のベンチが目に止まる。正確にはベンチの上の屋根にである。
この屋根はナイロン生地で出来ている。要するに傘と同じである。
雨が降れば当然そこに水が溜まる、それもかなりの量が。
水「フフフ・・・良いこと思いついちゃったぁ」

真「水銀燈先生?そこで一体何をしているの?」
女子の方を見回っていた真紅がベンチの所に居る水銀燈を見つけ内心溜息をつく。
先程自分は密告を奨励すると言ったが、実際に来るとは思っていなかった。
男子からの人気が絶大なのも有るが、密告なんて事をこの学校の生徒がするとも思っていなかったからだ。
で、目を離したら案の定サボっている。お仕置きが必要ね・・・そう思って声を掛けようとする前に水銀燈から話しかけてきた。
水「あら真紅先生、ちょうど良いところに。悪いんだけどぉ、ちょっとこっちに来てもらえるかしらぁ」
真「一体何をするつもりなの?」
水銀燈の方へ近づく真紅。後2、3歩という所で水銀燈はデッキブラシの柄で屋根の底を思いっきり突いた。
バシャッ!!
真「きゃああ!」
頭から水を被りびしょ濡れになる真紅。その様を見て大笑いする水銀燈。
水「あはははは・・・、水も滴る良い女って奴ねぇ。もっとも、その大平原の小さな胸じゃあ、お子様と言った方が良いわねぇ」
真「・・・・・・・・・」
ツカツカツカ・・・
水「?」
スパンっ、スパァァァン!!
かすかに真紅の右腕が動いたと思った次の瞬間、衝撃と共に吹っ飛ぶ水銀燈。
倒れこんだ所に溜まっていた水でこちらもびしょ濡れになる。

生徒B「・・・なあ、今の見えたか?」
生徒C「いや、全然」
生徒D「そんな事より、二人とも下着見えてる・・・」
男子達は全員作業を止め、二人を遠巻きに眺める。なんとも刺激的な光景だった。

水「イタタ・・・。真紅ぅ、随分と舐めたマネしてくれるじゃなぁい」
真「反省が足りないようね。もう2、30発叩かれないと分からないかしら」
そう言ってどこからともなくハリセンを取り出し構える。
水「どこから出してるかは少し気になるけどぉ、そんな事よりも私の顔を叩いた罪は重いわよぉ・・・」
こちらもデッキブラシを持ち直して構える。
生徒A「あれ?さっきまで快晴だったのに、急に黒い雲が・・・」

先に動いたのは水銀燈だった。ハリセンとデッキブラシ、強度から見て受け止める事は出来ないと踏んだからだ。
事実、上段からの攻撃を真紅は受け止めようとせずに体を半歩横にずらして避け、左足を軸に回転してハリセンを繰り出す。
水「甘いわよ!」
デッキブラシから左手を離して、そのまま横に薙ぐ。
真「!」
咄嗟に前転してかわしたが、おかげでまた服が濡れた。
水「あらあら、良く今のを避けたわねぇ。転がり易い胸で羨ましいわぁ・・・」
真「胸は余計なのだわ」
とはいえ、真紅に先程の余裕はなかった。持ってる武器に差が有りすぎる。
向こうは受け止める事ができるが、こちらはそんな事をすれば壊れてしまう。
何か武器になる物を・・・真紅はハリセンをしまうとプールに飛び込んだ。
水「逃げる気?させないわよぉ!」
水銀燈もプールに飛び込んだ。真紅はすぐ近くに居た男子に近づく。
真「そのデッキブラシを寄越しなさい」
生徒E「え?あ、はい・・・」
引っ手繰る様にデッキブラシを手にすると追いかけてきた水銀燈と打ち合い、鍔迫り合いへと移る。
水「力で私に勝てると思っているのぉ?」
真「力はただ使えば良い物ではないのだわ」
真紅は力の流れを横に逃がして相手の体勢を崩し、足払いをかける。
水銀燈は後ろに跳び退るが、着地点に有ったヘドロに足をとられて盛大にこける。
真紅は容赦なく追撃を掛けるが、体を回転させて避け、間合いを取って立ち上がる。

水「やってくれるじゃなぁい・・・でも、それでこそ真紅よぉ」
真「ヘドロまみれで言う台詞じゃないのだわ」
水「誰の所為だと思っているのよ!」
今度は突きの構えで突進する。真紅の間合いの少し外から連続で突きを繰り出す。
水「ほら、当たりなさいよぉ!ブラシで擦ってそのブサイクな顔をもっとブサイクにしてあげるからぁ!」
真「お断り、する、のだわ」
間断なく突き出されるデッキブラシを巧みにかわしながら、一気に間合いを詰める。
真「これで終わりにするのだわ」
左腕が背後に行ったかと思うと、その手にはハリセンが握られていた。
斜め下からのハリセンは確実に水銀燈のアゴを捉える、そう真紅は確信していた。
水「だから、甘いって言ってるでしょぉ!!」
水銀燈は突きの姿勢を崩さず、体当たりを仕掛ける。体の小さい真紅はそれを正面から受け、こちらも盛大に吹っ飛ぶ。
真「つっ!!」
プールの底を滑って行く真紅。男子達は一連の流れに思わず息を呑む。

二人の戦いは一進一退でなかなか決着が着かなかった。
もう下着が透けてるとか、髪がヘドロまみれとか気にしてる様子は無かった。
相手の攻撃を受け、かわし、反撃を加える。香港映画さながらのアクションであった。
男子達は目の保養をしつつ、どちらが勝つかを賭け始めた。
女子の方も掃除が終わったので男子達と合流し、一緒に観戦する。
水「いい加減、倒れなさいよぉ!!」
真「貴女には負けられないのよ!」

すぅ・・・
?『二人ともいい加減にしなさい!!』
メガホンを通して大音量がプールに響き渡る。
全員が声のした方に振り返る。声の主は薔薇水晶だった。
薔「・・・二人とも、何をやっているの?」
先程とはうって変わって小さな声で詰問する。
先に我に返ったのは真紅だった。
真「はっ!?私ったら一体何を・・・」
そしてそれを見逃す水銀燈ではなかった。
水「隙あり!!」
スコォォン!!
これまた盛大に吹っ飛ぶ真紅。クリーンヒットしたのかなかなか立ち上がらなかった。
水「うふふ・・・あはは・・・あーはっはっは!!勝ったわ!私はついに勝ったのよ!!」
どうやらアドレナリンの所為でハイになっていて、周りの状況が分かっていないようだ。
水「あははは・・・・・・、あら?」
プールサイドを見るとここには居ないはずの薔薇水晶が居る。
おかしい、まだ授業中のはずだ。授業を抜け出してきたのだろうか?
水「薔薇水晶先生もサボり?」
薔「・・・今何時だと思う?」
水「何時って、まだ12時前でしょ?」
水銀燈の言葉に首を横に振る薔薇水晶。
水「あれ?いつの間にか授業終わっていたの?ちっとも気付かなかったわ」
また首を振る。
水「じゃあ、何時よ?」
薔「・・・もう午後1時20分・・・4時間目始まってる」
水「え・・・?」

その言葉が合図になったのか、ようやく立ち上がる真紅。
真「イタタ・・・少しは手加減とか・・・って、もう4時間目?!」
今度は首を縦に振る薔薇水晶。
薔「・・・水銀燈先生、真紅先生・・・そこに正座しなさい・・・皆は早く着替えて、授業に戻る事・・・今日の授業は自習にします」
水「ちょ、ちょっと!なんで私が正座しなくちゃならないのよぉ」
真「水銀燈先生はともかく、私まで正座する必要は無いのだわ」
薔「・・・いいから正座しなさい」
文句を言う二人に無言の圧力をかける薔薇水晶。
その日の二人に対するお説教は4時間目が終わるまで続いた。


それから数時間後
水「なんで私がこんなことしなくちゃならないのよぉ」
真「元はと言えば、貴女がくだらない事をするから」
水「あら、私の責任だって言いたいのぉ!?」
薔『・・・二人とも、口喧嘩している暇があったら手を動かす・・・早くしないと、日が暮れちゃうよ』
プールは水銀燈と真紅によって綺麗になり。無事プール開きを行う事ができた。