目を覚ました蒼星石は辺りを見回す。暗くて何も見えない。
手を動かして辺りを探ろうとした。するとすぐに何かに当たる。とりあえず押してみることに。
すると光が差し込んできた。どうやらダンボール箱の中に入れられていたようだ。
蒼星石「なんでダンボール箱の中に…。ふかふかのベッドに寝かせておいて欲しいもんだよ。」
そう愚痴りながら箱の外へ出る。粗末に置かれた手術台などがある。どうやらここは物置のようだ。
蒼星石「僕は物扱い?僕は大事なお客さんのはずだろ?ここの人間の管理体制はどうかしてるよ。
服もなんか粗末な囚人服だし……。」
あまりの扱いの悪さに少し怒りを覚えた蒼星石。とりあえず物置を出ることに。
廊下は汚らしく薄暗い。人の気配がまったくない。とても不気味だ。
蒼星石はあまりの不気味さに怯えていた。
少し進むと上り階段がある。だが、鉄格子が降ろされていて通れない。
蒼星石「そんな…。鉄格子が降ろされているなんて……。」
がっかりした表情でそこをあとにし、来た道を引き返した。
そしてまだ調べてない場所へ向かった。廊下を進むと資料室についた。
中に入ると資料が散乱していた。適当に見ていくが彼女にはチンプンカンプンだった。
そこに一つだけ気になる資料を見つけた。
蒼星石「零度さんの実験経過か…。彼はプロジェクトミリオン以前の兵器みたいだけど…。」
資料によると彼は生まれつき体が強く、知能もかなり高いらしい。
それ故、幼少の頃から英才教育が行われており、年に2回、強化改造手術が行われていたらしい。
おかげで学者も顔負けの博識で、身長255cm、体重180kgの屈強な大男に成長した。
おまけに痛覚も持たないから、まさしく最強の兵器だと書かれている。
蒼星石「す、すごい。大きく強いだけじゃなく、高い知性も兼ね備えているなんて……。
ん?待てよ。だったらプロジェクトミリオンは必要ないはず?何故なんだ?」
その理由は次に書かれていた。どうやら零度は兵器として外国に送り出されるある日、暴走したらしい。
そして現場にいた研究員達を皆殺しにした。それ故、仕方なく零度を欠陥品として廃棄処分したようだ。
蒼星石「零度さんが廃棄だって?!でも、彼は生きてたけど?……ん、何だこれは?」
そこには驚くべきメッセージが記されていた。
“これを読んだ後には、君は殺意と狂気に満ちた地獄の釜の中で泣き叫び、踊り狂っていることだろう。
Sになりすまし、内部に侵入して『カズキ』の暴走を使って我々を葬り去ろうと思っていたんだろうが、
そんな浅はかな策に我々が引っかかるとでも思ったか?欠陥品の分際で調子に乗るな。もう君は暴走はしないし、
生きてここから帰ることはできん。ここで自分の愚行を悔いるがいい。有栖川大学病院教授 財前 ”
蒼星石「財前!?そ、それに僕が蒼星石だってこと、バレてしまったのか?!」
バレるのも無理はない。財前は医者にしてプロジェクトミリオンの中心人物。
自身の実験体であるS氏と蒼星石の区別ぐらいDNA鑑定などで容易にできるだろう。
しばらくすると足音とうめき声が聞こえてくる。
その音はだんだん大きくなる。その恐怖に蒼星石は今にも泣きそうだったが、なんとかそれを堪えていた。
隠れてやり過ごした方がいいと思った蒼星石は偶然あったロッカーに隠れることにした。
そして、閉めてあったドアが開く。入ってきた者を見て蒼星石は目を疑った。
蒼星石「(あ、あれはまさか。桜田君?何故、こんなところに……?)」
それは紛れもなく桜田JUMだった。しかし、まるで生気がない。
JUM「ウァァ……。」
蒼星石はJUMだったことに安心しきってしまったのか、ロッカーから出て彼に近づく。
蒼星石「さ、桜田君。どうしたんだい?なんか君、変だよ?」
JUM「オォォ……。」
うめき声を上げるとJUMは持っていたチェーンソーのスイッチを入れて上にかざし、蒼星石に近づいていく。
JUM「ヴゥ…!!」
蒼星石「桜田君。な、何の冗談だい?お願いだからそのチェーンソー降ろしてくれないか?」
とても冗談には見えなかった。JUMの殺意と狂気に蒼星石は目から涙を滝のように流していた。
蒼星石「お、お願いだからやめてくれ!」
JUM「ウオオオォ!!」
蒼星石「ひぃぃぃぃっ!!」
胸が張り裂けそうなぐらい悲鳴を上げ、間一髪チェーンソーを避ける蒼星石。
反応が遅ければ胸をずたずたに引き裂かれていたかもしれない。
逃げなければ殺される。蒼星石は資料室を出て廊下という廊下を走り続けた。
蒼星石「(ごめん、翠星石。当分君のところへ帰れそうにないよ……。)」
蒼星石は後悔していた。まさかこんな死の世界へ放り込まれることになるとは思ってもいなかったからだ。
普段は冷静沈着な武道家の蒼星石も、死神が巣くう地獄の中では取り乱す無力な少女も同然だった。
彼女は死神に追われながらも地獄からの脱出路を探すことになる。
手を動かして辺りを探ろうとした。するとすぐに何かに当たる。とりあえず押してみることに。
すると光が差し込んできた。どうやらダンボール箱の中に入れられていたようだ。
蒼星石「なんでダンボール箱の中に…。ふかふかのベッドに寝かせておいて欲しいもんだよ。」
そう愚痴りながら箱の外へ出る。粗末に置かれた手術台などがある。どうやらここは物置のようだ。
蒼星石「僕は物扱い?僕は大事なお客さんのはずだろ?ここの人間の管理体制はどうかしてるよ。
服もなんか粗末な囚人服だし……。」
あまりの扱いの悪さに少し怒りを覚えた蒼星石。とりあえず物置を出ることに。
廊下は汚らしく薄暗い。人の気配がまったくない。とても不気味だ。
蒼星石はあまりの不気味さに怯えていた。
少し進むと上り階段がある。だが、鉄格子が降ろされていて通れない。
蒼星石「そんな…。鉄格子が降ろされているなんて……。」
がっかりした表情でそこをあとにし、来た道を引き返した。
そしてまだ調べてない場所へ向かった。廊下を進むと資料室についた。
中に入ると資料が散乱していた。適当に見ていくが彼女にはチンプンカンプンだった。
そこに一つだけ気になる資料を見つけた。
蒼星石「零度さんの実験経過か…。彼はプロジェクトミリオン以前の兵器みたいだけど…。」
資料によると彼は生まれつき体が強く、知能もかなり高いらしい。
それ故、幼少の頃から英才教育が行われており、年に2回、強化改造手術が行われていたらしい。
おかげで学者も顔負けの博識で、身長255cm、体重180kgの屈強な大男に成長した。
おまけに痛覚も持たないから、まさしく最強の兵器だと書かれている。
蒼星石「す、すごい。大きく強いだけじゃなく、高い知性も兼ね備えているなんて……。
ん?待てよ。だったらプロジェクトミリオンは必要ないはず?何故なんだ?」
その理由は次に書かれていた。どうやら零度は兵器として外国に送り出されるある日、暴走したらしい。
そして現場にいた研究員達を皆殺しにした。それ故、仕方なく零度を欠陥品として廃棄処分したようだ。
蒼星石「零度さんが廃棄だって?!でも、彼は生きてたけど?……ん、何だこれは?」
そこには驚くべきメッセージが記されていた。
“これを読んだ後には、君は殺意と狂気に満ちた地獄の釜の中で泣き叫び、踊り狂っていることだろう。
Sになりすまし、内部に侵入して『カズキ』の暴走を使って我々を葬り去ろうと思っていたんだろうが、
そんな浅はかな策に我々が引っかかるとでも思ったか?欠陥品の分際で調子に乗るな。もう君は暴走はしないし、
生きてここから帰ることはできん。ここで自分の愚行を悔いるがいい。有栖川大学病院教授 財前 ”
蒼星石「財前!?そ、それに僕が蒼星石だってこと、バレてしまったのか?!」
バレるのも無理はない。財前は医者にしてプロジェクトミリオンの中心人物。
自身の実験体であるS氏と蒼星石の区別ぐらいDNA鑑定などで容易にできるだろう。
しばらくすると足音とうめき声が聞こえてくる。
その音はだんだん大きくなる。その恐怖に蒼星石は今にも泣きそうだったが、なんとかそれを堪えていた。
隠れてやり過ごした方がいいと思った蒼星石は偶然あったロッカーに隠れることにした。
そして、閉めてあったドアが開く。入ってきた者を見て蒼星石は目を疑った。
蒼星石「(あ、あれはまさか。桜田君?何故、こんなところに……?)」
それは紛れもなく桜田JUMだった。しかし、まるで生気がない。
JUM「ウァァ……。」
蒼星石はJUMだったことに安心しきってしまったのか、ロッカーから出て彼に近づく。
蒼星石「さ、桜田君。どうしたんだい?なんか君、変だよ?」
JUM「オォォ……。」
うめき声を上げるとJUMは持っていたチェーンソーのスイッチを入れて上にかざし、蒼星石に近づいていく。
JUM「ヴゥ…!!」
蒼星石「桜田君。な、何の冗談だい?お願いだからそのチェーンソー降ろしてくれないか?」
とても冗談には見えなかった。JUMの殺意と狂気に蒼星石は目から涙を滝のように流していた。
蒼星石「お、お願いだからやめてくれ!」
JUM「ウオオオォ!!」
蒼星石「ひぃぃぃぃっ!!」
胸が張り裂けそうなぐらい悲鳴を上げ、間一髪チェーンソーを避ける蒼星石。
反応が遅ければ胸をずたずたに引き裂かれていたかもしれない。
逃げなければ殺される。蒼星石は資料室を出て廊下という廊下を走り続けた。
蒼星石「(ごめん、翠星石。当分君のところへ帰れそうにないよ……。)」
蒼星石は後悔していた。まさかこんな死の世界へ放り込まれることになるとは思ってもいなかったからだ。
普段は冷静沈着な武道家の蒼星石も、死神が巣くう地獄の中では取り乱す無力な少女も同然だった。
彼女は死神に追われながらも地獄からの脱出路を探すことになる。