ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 蒼星石の変装

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「うぅ~、だりぃですぅ…」
「大丈夫?翠星石」
「大丈夫なわけねぇですぅ、うぅ~、今日は大事な会合の日なのに、ですぅ…」

ここは翠星石の家。
事の発端は、前日にさかのぼる。





「なんかだりぃですぅ…」

夜の職員室。
ここに居るのは二人の教師。
そのうちの一人、翠星石のうめき声がする。

「どうしたの?翠星石」
「頭が痛ぇうえに、体もだりぃですぅ…」
「う~ん…風邪かな」

そう言って蒼星石は、翠星石のおでこに手を当てる。

「熱は無いみたいだけど…」
「そんなことねぇですぅ…、何かの間違いですぅ…」
「う~ん…、何が原因なのかな…」

そう思案している間にも、翠星石のうめき声は絶えない。

「とりあえず、今日はここまでにして、家でゆっくり休んだ方が良いよ」
「そうさせてもらうですぅ…」

そう言って翠星石は立ち上がる。
だが、その足取りはとても安全とは思えないものであった。

「翠星石」
「…なんですかぁ」
「今日は家まで送っていくよ、そのまま自転車に乗ったら危ないし」
「…お言葉に甘えさせてもらうですぅ」

そして、蒼星石のバイクは、翠星石の家に向けて走り出した。



「ふぅ…、これだけしておけば大丈夫かな」

翠星石の家に着いた蒼星石は、氷嚢などの用意を終え、翠星石をベッドに寝かせた。

「じゃあ、明日の朝にはまた様子を見に来るよ」
「かたじけねぇですぅ…」

そう言って蒼星石は帰宅した。



遠ざかるバイクの鼓動を確認した翠星石は、おもむろにベッドから出る。

そして…





「蒼星石」
「どうしたの?」
「今日の会合…、蒼星石が代わりに行くです」
「……はい?」
「だから、蒼星石が代わりに行くです」
「でも、あれは本人じゃなきゃ…」
「変装すればいいですぅ」
「……へ?」
「この前の文化祭みたいに、蒼星石が変装するですぅ」

―この前の文化祭
その中に、蒼星石が翠星石に変装するという企画があった。

「ちょっとそれは無理があるんじゃないかなあ…」
「問題ねぇですぅ」
「でも、目の色とか、声とかは違うし…」
「そんな細けぇこと覚えてる奴なんかいやしねぇですぅ。さぁ、とっとと着替えるですぅ」

翠星石に促されるがままに、蒼星石は翠星石の服に着替えてゆく。
そして、”何故か”翠星石の部屋にあったカツラを被り、準備は終わった。





「はぁ…」
「うゆ?どうしたの?そうs、翠星石先生」
「なんでもないy、ねぇですぅ…」

今日の会合は、家庭科教師のなんたらかんたらとやらで、同じ家庭科教師の雛苺も来ている。

(チビ苺には絶対に教えては駄目ですよ、何しでかすかわかんねぇですから)

そう言われたものの、会った途端にばれてしまった。
とりあえず、雛苺に事情を説明した蒼星石は、雛苺と共に会場に入った。

「あら、有栖学園の翠星石先生に雛苺先生じゃないですか」
「お久しぶりですなの~」
「お久しぶりですぅ…」
「…声変わりました?」
「いやいやいや…、気のせいですよ…、ハハハ…」
「…?」

こういうときに限ってやたらと話しかけられたりする。
ばれないように適当に受け答えていくが、何人もの人に話しかけられると、落ち着いてはいられないものである。

「そんなことな…ねぇですよ」
「…?どうしました?」
「いや…、なんでもな、ねぇですよ」
「そうs、翠星石先生は何も問題ないの~」

見ているほうがひやひやする様な場面が何度も起こる。
が、奇跡的にも、蒼星石と雛苺はそれを上手く?ごまかし、なんとかピンチを切り抜けた。

そして、会合も終わり、蒼星石と雛苺は帰宅の徒についた。

「うゆ~、今日は何だか疲れたの~」
「僕も疲れたよ…、とりあえず翠星石のところに行って様子を見てこなきゃ…」
「うぃ、ヒナも行くの~」





「翠星石、調子はどう?」
「大丈夫~?翠星石先生~」
「だいぶよくなったです…って、なんでチビ苺がいるんですか」
「会った早々にばれちゃって…」
「会合は大丈夫だったんですか?」
「なんとか切り抜けたよ…」
「会合では何か言われなかったですか?」
「特に何も無かったけど…、どうしたの?」
「いや、なんでもねぇですぅ…」

「うゆ?これって…」

「どうしたの?雛苺先生」

「うっ…、それは…」

雛苺が発見したのは、コンビニのレシート。
そして、蒼星石はそのレシートを手にとって見た。

「○月×日22時24分…」

そこに書かれた日付は昨日のもの。
その時間は、蒼星石が帰って少し経った後のもの。
そして、ゴミ箱には真新しいビールの空き缶とつまみの袋。

「…これはどういうこと? 翠 星 石 」

「いや…その…それは…」

「 ど う い う こ と ? 」

「……」

「……」



無言の圧力が、翠星石に襲い掛かる。



「……」

「……実は…」

「実は?」

「実は翠星石は、会合に行きたくなかったんですぅ…」

「そんな事は分かるよ、そうじゃなくて何で?」

「この前のテストの事で何か言われると思ったんですぅ…」

「この前のテスト?」

「ヒナの作ったテストのこと~?」

「それですぅ、その事で何か言われると思って…」

「はぁ…、まったく君は……」





うなだれる翠星石。
それを、ただじっと見つめる蒼星石。
重たい空気に押されて、何も言えない雛苺。

沈黙が続く。





「……いいよ」



「…へ?」



「もういいよ、君も反省しているみたいだし。でも、次からはやめてね、すごく緊張したんだから」

「うぅ…、すまねぇですぅ…」

「気にするな、なの~」

「おめぇに言われたかねぇですぅ」

「う~」

(いきなり調子に乗っちゃうんだから、もう…)



そんな、いつもの様子を眺める蒼星石。



「ねえ、お腹も空いたし、ご飯食べに行こうよ」
「賛成ですぅ」
「うぃ~、花丸ハンバーグ食べたいの~」
「またそれですか、まったくチビ苺は…」
「翠星石先生だっていつも食べてるの~」
「おめぇと一緒にするなですぅ」



いつもの様子。



(やれやれ、仕方ないなあ…)

「もう、食べに行かないのー?」
「「行く(ですぅ)(の~)」」
「じゃあ、早く行こうよ」



変わらない日常。



「で、注文はどうするの?」
「「花丸ハンバーグ(ですぅ)(なの~)」」



幸せな、日常。



後日談
翠星石の変装