ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 発掘

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お題 『カナと翠の子が協力して、何かを成し遂げる。』


翠星石「さーて、いっちょやるかですぅ!!」
ある日の休日、翠星石は学校裏の切り立った崖を見て、1人張り切っていた。
最近、昼休みや放課後にこの崖で遊ぶ生徒が増えてきたので、それが崩れて大惨事になる前に草花を植えてそれを防ぐつもりのが狙いらしい。
ちなみに、園芸部に頼らずに1人でやるのも、危険防止を兼ねてのことだった。
翠星石「でも…蒼星石ぐらいは連れてくればよかったですかねぇー…。全く、チビ共はいくつになってもお子様なんだから…」
そんな愚痴をこぼしつつ、1人黙々と作業を始める翠星石。
そこへ、わいわいがやがやと何名かの生徒たちがその場に集まってきた。
そして、その先頭には同じ教師である金糸雀の姿もあった。


金糸雀「翠星石…?こんなところで何をしてるかしら?」
翠星石「見てのとおり、この崖が崩れないように草を植えてるですよ。おめーらは何をしにきたですか?」
金糸雀「化石探しかしらー!科学部のみんなで、恐竜を見つけ出してやるかしらー!!」
翠星石「恐竜…?」
確かに、この崖には地層らしきものがあるのが見てとれる。しかし…
翠星石「でも、恐竜なんてそう簡単に出てくるわけないですぅ。それに、日本での発見例なんて、ほんのわずかで…」
そこまで言って、翠星石の頭にある画期的なアイデアが浮かんだ。
翠星石「…そうです!!おめーらが穴あけたところに、この植物を植えるです!!そうすれば、一石二鳥ですぅ!!」
そう言うと、翠星石は科学部のみんなに細かい指示を出し始めた。


翠星石「危ないから、気ぃ抜くなですよ。崖が崩れそうになったら、急いで逃げるですぅ。」
その言葉に、科学部の面々は元気よく返事をすると、思い思いの場所に散っていった。
しかし、掘っても掘っても出てくるのは貝の化石ばかり。
肝心の恐竜の化石は、骨どころかその歯すら出てくる気配がなかった。
金糸雀「うー、全然出てこないかしら…。貝ばっかりってことは、昔ここは海だったかしらー…?」
開始1時間にして、早くも諦め気味の金糸雀。そんな彼女を見て、翠星石はこう励ました。
翠星石「リーダーのお前が、そんなことでどうするですぅ!それに、海にだって首長竜とか、プテラノドンがウヨウヨいたはずですぅ!!ほれ、みんなのおかげでこっちの作業は大体終わったから、今度は翠星石が手伝ってやるですよ。」
金糸雀「う…ありがとう…。翠星石…。」
翠星石「気にするなですぅ。ほれ、早くやり方を教えやがれですぅ。」
そう言うと、翠星石は金糸雀にやり方を教わりながら、丁寧に化石探しを手伝った。
それを見て、ある生徒たちはこんな会話を交わしていた。
男子A「何か…意外だよな…。あの先生なら『ショベルカーで一気にやるですぅ!』とか言い出すと思ってたのに…」
女子B「うん…。意外に繊細なところもあるんだね…。」
こういう、細かい心遣いが翠星石先生の人気の秘密なんだな…と実感した生徒たち。
そして、気がつけば時計の針は午後5時をまわっていた。


金糸雀「うー…結局、見つかったのは巻貝と二枚貝…それに、A君が発見したサンゴの化石だけかしらー…。みんな、期待に添えなくてごめんなさいかしらー…。」
女子B「謝ることないですよー、先生!それでも結構楽しかったですしー♪」
男子C「そうそう、また次があるじゃないですか!!今度は別の場所で頑張りましょうよ!!」
そういって、次々と生徒に慰められる金糸雀。それを見ながら、翠星石は崖の上からこう叫んだ。
翠星石「おーい、じゃあもう崖にネットを掛けちまうですよー?思い残すことはもう無いですかー?」
男子A「あ、先生!俺も手伝いま…」
そう言いながら顔を上げる生徒。しかし、その目はある一点で釘付けになった。


男子A「あー!!先生!足元!足元!!」
翠星石「ん?」
その声に、身を乗り出して下を覗く翠星石。そこには、何か棒状のものが規則正しく斜面に埋まっているのが見えた。
そう…それはまさしく、何かの生物のあばら骨…
男子C「そっか…地層ってのは、古い時代が下に来るんだよな…。俺たち…見当違いのトコ探してたわけか…」
女子B「すごーい!!ホントに見つけちゃった!!」
さっきの重苦しい雰囲気とは違い、歓喜に包まれる一同。
しかし、そこで金糸雀はあることが気になり、翠星石に向かって声をかけた。
金糸雀「翠星石ー!あの…この化石なんだけど…その、できればA君と折半という形で…。」
翠星石「ん?先に見つけたのはAですぅ。それに、翠星石はこんな石っころに興味は無いですぅ。ほれ、とっとと持って行きやがれですぅ。」
そう言うと、翠星石は崖を下り、みんなが持ってきたクーラーボックス内のジュースを勝手に飲み始めた。
『恐竜なんてそう簡単に出てくるわけない。それに、日本での発見例なんて、ほんのわずか…』
確かに翠星石はそう言っていた。とすると、その価値だって十二分に分かっているはず…。
しかし、それでもなお、翠星石はその権利を主張しようとはしなかった。


…後に、このことについて翠星石は、親友の蒼星石にだけこう本音を洩らした。
「…だって、こんな事でチビ共とケンカしても、何にも良い事無いですぅ。それよりも、翠星石はみんなで仲良くしてたほうが楽しいですぅ。」
と。
口では言えても、実際にそれを行動にうつせる人はめったにいない…。大抵は自己の欲に負けるはず…。なのに…
そんな親友と出会えた事を、蒼星石は心から感謝し、行動を共にした。
いつでも…いつまでも…。


…一方、同じ教師の中には、それと真逆の考えを持つ者もいた。
後日、青いシートを掛けられた発掘現場を見ながら、その教師はこんなことを考えていた。
…この化石は、まだ新聞等には姿を現してない…。ということは、今ここでこの化石に私の名前がつけば、お父様の耳にも私の名前が届くかも…!そうすれば、お父様に会う事だって…!!
水銀燈…彼女が持つ強大な力は、今まで自分1人のためだけに使われてきた。 それゆえ、一度心が揺らいでしまえばそれまでだった。
…しかし、その力が幼い頃姿を消した、『愛すべきお父様』1人のためだけに向けられたとしたら…?どれだけ時を重ねても、絶対に揺るがないものがあるとしたら…?

…時代は、更なる試練を彼女たちに与え、そして…その運命の輪は徐々に巡り始めた…。