ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 蒼星石と定例会議

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蒼星石が職員室でテストの採点をしていると、ラプラスが話しかけてきた。
「蒼星石先生、頼みがあるのですが・・・よろしいですか?」
「教頭が頼みごとなんて珍しいですね、何です?」
「実は・・・一週間後の定例会議に私の代わりに出てもらいたいのです」
定例会議、それは一年に一度全国有数の私立の学校の代表が集まり
今後の教育方針や各学校の問題などを話し合う会議である。
ちなみに、この会議にはいつもラプラスが代表として出席している。
校長であるローゼンが出席したら、とんでもない事になりかねないからだ。
蒼星石は少し考えた後、わかりました、と返事をした。
一週間後、蒼星石は朝からソワソワしていた。
もちろん、他の教師達は定例会議の事を知ってたので、蒼星石を刺激しないように気を付けている。
だが、生徒達はそんな事とは露知らず、職員室に来ては蒼星石に勉強を教えてもらったりしていた。
そして、お昼休みになり、蒼星石は愛車にまたがり有栖会館へと急いだ。
途中、何度か生徒達に呼び止められたせいで予定より少し遅れて会館へと到着する。
蒼星石は慌てて愛車を停め、走って会館へと入っていく。
会議室に至る廊下はとても静かで、少し薄暗かった。
20メートルほど歩くと、扉の隙間から光がこぼれている部屋がある。
「ここが会議室のようだね」
蒼星石はゆっくりと扉を開いた。

会議室の中は冷房がかかっていて、走ったせいで汗をかいている蒼星石は寒さで少しだけ震えた。
「すみません、有栖学園代表、主任の蒼星石です」
丁寧にお辞儀をして、席につく蒼星石。
「全く・・・これだから有栖学園は・・・」
そんな小言が蒼星石の耳に入ってきたが、特に気にせずに澄ました顔をした。
皺だらけで白い髭を蓄えた老人が咳払いをして、会議を再開させる。
「えぇ~・・・教育方針についての議論は終わりましたので
 各学校の問題点について議論したいと思います」
老人がそう言った瞬間、皆が蒼星石をチラリと見た。
(視線が痛い・・・っていうか・・・僕がいない10分間の間に議論一つ終わったの・・・?)
各学校の色んな問題点があげられ、それに対しての対処法なども議論されていた。
だが、蒼星石が発言できるタイミングは一向に訪れる気配はなかった。
そして、ついに議論も終盤を迎え、有栖学園の問題点が挙げられ始めた。
教師、生徒が自由すぎる。校長がいい加減。一部の教師の教育態度が悪い。
(一部の教師って・・・はぁ・・・やっぱり水銀燈なのかなぁ・・・?)
あの白髭の老人が少し低めの声で発言する。
「蒼星石先生、でしたかな?少し・・・ご起立願えますかな?」
蒼星石ははい、と答え立ち上がる。
そして、周りの人間の視線が全て蒼星石に集中した。


「教師、生徒が自由すぎる気がするのですが?」
中年の眼鏡をかけた男が急に発言する。
周りの人間もそうだそうだ、と発言しはじめる、まるでYESマンのように。
蒼星石はそれに反論すべく、静かに口を開いた。
「僕達の有栖学園は自由な校風を目指しています、しかし・・・
 昨今の生徒は自由の意味を履き違える者が多いのです」
「そこで僕達教師陣が思いついたのが、教師も自由にすれば良いのではないのだろうか?
 という事なのです、確かに有栖学園の教師は自由し放題です。ですが・・・皆責任を持って行動しているのです」
そして生徒も責任を持って自由にしています、と蒼星石は最後に付け足した。
すると、あの中年教師が再び発言する。
「じ、自由は良いとしても・・・おたくの校長、少し問題がありすぎませんか?」
「校長は、仕事はしっかりしていますし、責任は全て自分で取っています
 その校長に問題があるかどうかは、手元の資料を見ていただけたらわかると思います」
そう言って、蒼星石は有栖学園の入退学生の資料を皆に配っていく。
その資料の退学者の欄は見事に0が並んでいた。
中年の教師は顔を真っ赤にしながら再び発言する。
「こ、校長も良しとしましょう・・・ですが!一部の教師は生徒の前で賭博の話などをしていると聞きます
 それについてはどう反論しますか!?」
蒼星石は表面上は冷静を装っていたが、実はかなり頭にきていた。
普段自分が一緒に学園生活を送ってる仲間達が侮辱されてるような気分になったからだ。
「皆さん、反面教師という言葉を知っていますか?人のふり見て我がふり直せとも言います。
 その教師は賭博などの話を確かに生徒達の前で話しています」
「ですが、賭博の良いところばかり伝わってはいません。
 賭博というのは成功すれば儲けられるけど成功する可能性は低いとそう生徒達には伝わっているのです」
中年教師は顔を真っ赤にしながら黙りこくってしまった。
すると、今まで黙っていたあの白髭の老人が口を開いた。



「蒼星石先生、確かに貴方は素晴らしい教師のようだ
 ですが・・・他の教師や校長が、同じ考えで行動していると思いますか?」
「そうは思いません、人それぞれですから同じ考えを持つ人はいないでしょう
 ですが・・・僕は彼女達を信頼しています、彼女達なら生徒達を正しい道へ導けると信じています」
蒼星石がそう言った瞬間、突如会議室内に笑い声が響いた。
一人や二人ではない、蒼星石以外全員の笑い声だ。
「信頼・・・ですかな?とんだ熱血教師ですな・・・今時信頼などと・・・
 貴方が信頼したところで、その教師達は貴方の思ってるほど良い教師ではない気がしますけどね?」
バンッ!!という音が会議室内に響き、笑い声が止まった。
蒼星石が机を思い切り殴ったのだ。
「学校というのは勉強を教える場所ではないと思います、たくさんの感情を育む場所なのです
 それなのに、教師が教師を信頼しないでどうします?」
そう言って荷物をまとめ廊下へ続く扉へと向かう。
そして、扉を開け、廊下に出る前に蒼星石は振り返り、口を開いた。
「言い忘れてましたけど・・・次から定例会議に有栖学園の席はいりませんよ」
そして、蒼星石は廊下に出て、そのまま扉を閉めた。



後日・・・
「いいかしらぁ?ここにこれをこうすると・・・ほら、簡単に勝てるわよぉ?」
「えっと・・・こうですか?あれ・・・負けちゃった・・・」
何故か職員室でポーカーをやっている水銀燈と一人の生徒。
水銀燈は生徒にイカサマを教えたようだが、相手が水銀燈なので生徒は勝てないでいた。
そして、チャイムが鳴り響く。
「先生、イカサマ教えてくれてありがとうございます
 でも・・・先生に負けるようじゃディーラーに勝てないと思うので・・・やっぱり賭け事はやめておきますね」
「あらそう?まぁ・・・人には得手不得手があるから仕方ないわねぇ」
その様子を少し離れた場所で見ていた蒼星石は少し微笑んだ。
「何笑ってやがるですぅ?」
「別に・・・なんでもないよ?今日は良い天気だね」
「快晴なのですぅ、全く・・・暑いのですぅ」
晴れ渡る空、雲ひとつなくて、吸い込まれそうになる。
蒼星石は少し屈伸をして、自分の机から教材を持ち、職員室を後にした。
「さて・・・今日も一日頑張ろうっと」