ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki そうだ、京都へ行こう!旅立ちの朝

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京都旅行の計画をしてから1週間が過ぎた。
その間、各自はそれぞれ思いを馳せながら準備をしてきた。
ある者は映画村限定くんくんグッズを、ある者はくんくんとのツーショットを
またある者は駅弁や京都の美味しい料理を、そしてある者は皆との楽しい思いで作りを。
かなり不純な動機も混じっていたが、それでも誰もが楽しみにしていた。

集合時間は午前8時30分、集合場所は東京駅駅舎入り口。
この後、午前9時03分発の東海道新幹線に乗って京都に向かう予定だった。
集合時間が比較的早めなのは、遅刻者が予想されたからである。
しかし、自分が一番最初だろうと思ってやってきた真紅はそこで意外な人物と出会う。
真「おはよう、貴女が一番だとは思いもよらなかったわ水銀燈」
そう、30分近く早めに来ていた真紅よりも水銀燈は早く来ていたのである。
薔薇水晶のおかげで遅刻こそ無くなったものの、まさか自分よりも早く来ているとは・・・。
水「あら、おはよう・・・。ふわぁぁぁ・・・」
真「寝不足のようね。ちゃんと寝たの?」
水「寝て無いわぁ。だから、新幹線の中では起こさないでぇ。途中で起こしたら殺すわよぉ・・・」
どうやら徹夜していたようである。
真「分かったのだわ・・・って、ちょっとこんな所でいきなり眠りこけないで頂戴」
水「Zzz・・・はっ!いけないいけない、危うく寝るところだったわ」
流石に眠いのか、真紅が黙っているとついウトウトと寝てしまいそうになる。
その都度真紅に揺さぶられて目を覚ます、という事を繰り返していた。

そのやり取りが5回ぐらい繰り返された時に、真紅は自分達に向かってくる二人組を発見した。
翠星石と蒼星石である。二人でお揃いの鞄を持っているのが見て取れる。
以前その鞄について尋ねた時、二人が言っていた事を思い出す。

翠『蒼星石先生と一緒に有栖学園に赴任してきた時に買ったですぅ』
蒼『お互いにプレゼントと言う事で秘密にしていたんだけど、開けてみたら一緒の鞄だったんだよ』
その話を聞いたときは、珍しい事もあるものだ程度に思っていたが、
今見ればなるほど、確かに似合っている。

翠「おはようですぅ。随分早く来たですねぇ」
蒼「おはよう。水銀燈先生、大丈夫かい?大分眠そうだね」
真「おはよう二人とも。彼女なら大丈夫よ、ただ徹夜しただけみたいだから」
水「・・・・・・くー」
翠「どうせ、そんな事だろうと思ってたです。でも・・・、このお間抜けな顔はシャッターチャンスですぅ!」
そう言って、使い捨てカメラを構える翠星石。やめなよ、とは言うものの強引には止めない蒼星石。
そしてシャッターを切ろうとした瞬間、水銀燈の左手が翠星石の顔面を捉える。
水「おはよう翠星石・・・折角のフィルムが勿体無いわぁ」
翠「お、お、おはようです、水銀燈先生。こ、このカメラはちゃんと撮れるかどうか確認してただけですぅ」
水「そう・・・だったら、さっきの『シャッターチャンスですぅ』ってのは私の聞き間違いねぇ」
翠(ひぃぃ・・・!)

続いてやってきたのは、雪華綺晶・薔薇水晶姉妹だった。
こちらも色違いだが、同じデザインのリュックを背負っていた。
ただ、目を引くのはその大きさだった。
かつて、山登り(野外行事参照)の時に背負っていたのと同等か、或いはそれ以上の大きさだった。
とはいえ、二人の足取りも軽い事から中にはそれほど入っていないのだろう。
薔「・・・みなさん、おはようございます」
雪「おはよう」
深々と頭を下げる薔薇水晶と敬礼姿勢をとる雪華綺晶。
真「ええ、おはよう」
翠「おはようですぅ」
蒼「やあ、おはよう」
水「・・・・・・」

薔「・・・銀ちゃん、もう来ていたんだ」
真「ええ、私よりも先にね。ただ・・・徹夜してここに来ていたそうよ」
水「・・・スー・・スー」
薔「・・・言ってくれれば、起こしてあげたのに」
真「それだけ気合が入っていると言う事なのだわ。それじゃ後はよろしくなのだわ」
薔「・・・はい」
一方、翠星石達は雪華綺晶のリュックの話題に華を咲かせていた。
翠「それにしても、ずいぶんでけーリュックですねぇ。一体何入れる気ですか?」
雪「お土産とか」
蒼「そんなにも買うの?誰かにでも配るつもりなのかい?」
雪「このリュックに入れるの家で食べる分。ばらしーのリュックは帰りの電車の中で食べる分を入れる」
翠・蒼(そんな事だろうと思ってた・・・(ですぅ))

やがて、約束の時刻である8時30分を過ぎる。
現時点で着ていないのは、遅刻常習犯の金糸雀だけだった。
真「はぁ・・・、おそらくとは思っていたけど本当に遅刻するとは・・・困ったものだわ」
翠「全く、どこで油売ってやがるですか!」
憤る二人をよそに、携帯で連絡を取る蒼星石。
金『あ、蒼星石先生おはようかしら~・・・』
蒼「おはよう、それで今どこに居るんだい?」
金『東京駅のすぐ近くかしら~・・・』
蒼「だったら、早くおいでよ。真紅先生たちカンカンだよ」
金『そうしたいのはやまやまかしら~。でも、今大変なのかしら~』
金糸雀が焦っているのは、会話から聞いて取れた。どうやら、遅刻した言い訳という訳ではなさそうだ。
具体的な場所を聞き、真紅たちに断って迎えに行く蒼星石。

集合場所からそう離れていない交番に金糸雀は居た。
神妙な面持ちで椅子に座っていた。
蒼「金糸雀先生!」
金「あ、蒼星石先生!来てくれたのかしら~」
金糸雀は蒼星石の姿を見つけると、思わず抱きついてきた。
その後、事情を聞いた蒼星石は金糸雀を連れて真紅たちと合流した。

皆の前で遅れてきた事情を説明する金糸雀。するとたちまち翠星石が噴き出した。
金「そんなに笑わなくても良いのかしら~!」
翠「これが笑わずに居られるかってんですぅ。金糸雀先生はチビ苺に負けないくらいチビだから間違えられるんですぅ」
そう、金糸雀が交番に居たのは迷子と間違えられたからである。
ゴールデンウィークと言う事も有って、いつもより多めに警官が待機していたのだが
その前をキョロキョロしながら、子供然とした金糸雀が歩いていたのである。
どう見ても迷子です、本当に(略・・・という訳であった。
しかも身分証になるような物も持って来ていなかった為、幾ら自分は教師であると力説しても、誰も信じてくれなかったのである。
これは余談だが、蒼星石が迎えに行った時も「お嬢ちゃん、お兄ちゃんが見つかって良かったね」と警官に言われていた。

真「とにかく・・・これで全員揃ったわね。今更切符を忘れたなんて言っても遅いのだわ」
全員の切符を確認する真紅。幸い誰も忘れてこなかったようである。
真「それでは、これから京都へ行くのだわ」
全員「おー!」
そして、改札を抜けホームで新幹線が来るのを待つ。
程なくして、東海道新幹線がホームに止まり、それに乗り込む。
真「皆ちゃんと乗ったかしら?」
と、後ろを向いて確認するが、一人居ない・・・。
真「雪華綺晶先生は?」
そう言えば、と辺りを見回す一行。やがて、翠星石が雪華綺晶の後姿を見つける。
真「こんな時に一体何をしているのかしら?!」
水「どうせ、駅弁でも買おうとしてるんでしょぉ・・・もう、寝させてもらうわぁ」

その言葉どおり、雪華綺晶は9時開店の駅弁販売を待っていた。(発車まで残り4分)
店が開くと同時に、鳥めし弁当・チキン弁当・深川めし・あじさば寿司・幕ノ内弁当をそれぞれ2個ずつ注文した。
店のおばさんが慌ただしくビニール袋に弁当を詰めていく中、時間は刻一刻と迫っていた。
やがて全てが詰め終わったのと同時に、発車のベルが鳴り響く。
全員「!!」
翠「何してやがるですぅ!早く来るですぅ!!」
蒼「急ぐんだ、雪華綺晶先生!!」
金「もう出発してしまうのかしら~!!」
真「早く急いで!」
薔(・・・・・・お姉ちゃん、間に合って!)

雪華綺晶は「釣りはいらない」と1万円札を出し、ビニール袋を強引に受け取って駆け出す。
乗車口へは後15mといった所でベルが止む。
もはや、誰もが絶望的と思ったところで雪華綺晶は乗車口に弁当の入った袋を投げつけ、自らは飛び込んだ。
袋は新幹線の床に叩きつけられる前に薔薇水晶が受け取り、ドアは雪華綺晶が飛び込んだ直後に閉まった。
その直後「駆け込み乗車は大変危険です」というアナウンスが流れるが、雪華綺晶は間一髪で乗ることが出来た。
但し、その後10分ほど妹から「・・・もうこんなことしちゃダメだよ」とか「・・・修学旅行のときとか心配」などお説教を受ける羽目になったが。
真(・・・ふぅ、やれやれなのだわ。でも、待っていてくんくん。今、会いに行くのだわ)
そう・・・旅はまだ始まったばかりなのだ。

余談
雛「うぃ~・・・、ヒナも京都行きたかったの~」
巴「雛苺先生が普段まじめに部活に参加していないから、そういう事になるんです」
雛「京都のうにゅ~はすんごくおいしそ~だったの~」
巴「さ、早く描いてしまいましょう」