ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki そうだ、京都へ行こう!序章

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真「あぁ、今日もくんくんの推理は冴えていたのだわ」
真紅は恍惚とした表情で呟く。
彼女は週に一度の楽しみである「名探偵くんくん」を見ていた。(標準でビデオ録画もしている)
彼女にとってくんくんは学校で疲れた体や心を癒し、翌日の授業への活力の素であった。
真「さて、この間借りてきた『名探偵くんくん 鏡館の鎮魂歌』でも見ましょうか」
そう言って立ち上がろうとした時に、突如くんくんが画面に現れた。
いつもなら「来週もまた見てね。くんくん!」という画面が出るだけなのだが、それとは違うようだ。
「あら、一体何かしら?」
慌てて座りなおす真紅。その表情は真剣そのものだった。

くんくん「やあ、みんな。いつも名探偵くんくんを応援してくれてありがとう。僕、嬉しいよ」
真「そ、そんな・・・私の方こそ・・・」
くんくん「今日は僕からみんなに大事なお知らせが有るんだ。みんなメモの用意は良いかい?」
真「まあ、何かしら。メモの用意をしなくてはいけないのだわ」
慌てて紙とペンを用意する真紅。
番組特製プレゼントのお知らせだったらちゃんと書き留めなければならない。
くんくん「そのお知らせと言うのは・・・・・・」

その翌日の昼休み、真紅は薔薇水晶と会話をしていた。
薔「・・・京都へ・・・私が真紅先生と・・・一緒に行くんですか?」
真「ええ、そうよ。今度のゴールデンウィークに。もっとも、薔薇水晶先生の都合が良ければ・・・だけれど」
薔「・・・どうして・・・私なんですか?・・・他の皆さんも・・・」
真「・・・正直な事を言うと、私京都へ初めて行くのだわ。薔薇水晶先生なら、日本史担当だから詳しいと思って」
別に日本史担当=京都に詳しいとは限らないが、今の真紅にはそんな事すら気付かないほど真剣だった。
薔「・・・でも、お姉ちゃ・・・雪華綺晶先生のご飯を用意しないと・・・」
この時、真紅はしまったと思った。雪華綺晶の存在を忘れていたのである。
薔薇水晶の姉、雪華綺晶は超が付くほどの大食いだった。
以前、薔薇水晶が風邪を引いてしまい、料理ができない事があった。
その時、雪華綺晶は自分で料理し、薔薇水晶にお粥も作ってあげて喜んでいたのだが、
自分が食べる量に対しての歯止めが効かなくなり、一般家庭なら半年は食べていける量を3日で食い尽くしてしまった。
それ以来、食べる量の管理は薔薇水晶が行うようになった。(と言っても、3日が1週間ぐらいに伸びる程度だが)
その為、姉1人を置いて自分が遠出をする事はなるべく避けたかったのだ。

真「なるほど・・・確かに、それは由々しき問題ね」
薔「・・・ごめんなさい・・・真紅先生」
そう言って、深々と頭を下げる薔薇水晶。しかし、真紅は諦めるわけには行かなかった。
真「それなら、雪華綺晶先生も一緒にどうかしら?」
薔「・・・え?」
真「・・・流石に、交通費とかは出してもらわないといけないけれど」
薔「それなら・・・多分、大丈夫だと思います」
この言葉に、真紅は内心ほくそ笑んだ。雪華綺晶の食事代は痛いが、それでも目的の為なら仕方ない。
後は旅行の準備をするだけ・・・と、今後の予定について考えていた真紅に声が掛かる。

翠「一体何の話をしているですか?」
真「・・・きゃ!す、翠星石先生、いきなり驚かさないで頂戴」
真紅が振り返ると、そこには学食から戻ってきた翠星石、蒼星石、雛苺、金糸雀の姿があった。
翠「で、一体何の話をしていたですか?」
同じ質問を投げかける翠星石。真紅は内心の動揺を悟られないように適当に答える。
真「別に大した事じゃないのだわ。今日は良い天気ねって話していただけよ」
だが元々ウソなんか殆ど吐いた事がないというのと、悪巧みに関しては一枚も二枚も上手の翠星石には通用しなかった。
翠「どう見ても怪しいです。絶対、なんか隠してやがるです」
真「そ、そんな事無いのだわ」
雛苺もそれに加わる。
雛「ウソはいけないのよ。ウソ吐きは泥棒さんの始まりなのよ~」
真「べ、別にウソなんて吐いていないのだわ」
金「怪しいのかしら~」

と、4人が言い合っている時に、蒼星石は薔薇水晶に尋ねていた。
薔「・・・え~と・・・真紅先生と雪華綺晶先生と一緒に・・・今度のゴールデンウィークに、京都へ行こうと・・・」
翠・雛・金「な、何だって~(ですぅ)(なの~)(かしら~)!!」
あっさり白状する薔薇水晶。驚く3人を尻目に、この後の展開を思いため息を漏らす真紅。

雛「ヒナも京都行くの~!絶対、絶対行くの~!」
金「カナも行きたいのかしら~!」
真「・・・・・・はぁ」
駄々を捏ね始める二人。蒼星石は二人をなだめている。
一方、翠星石は目頭を押さえながら呟く。
翠「私は悲しいですぅ。そんな楽しそうな事を、私たちに内緒で行おうとしていたなんて・・・およよ」
両手で顔を覆い、肩を震わせる。薔薇水晶は慌てて翠星石をなだめ始めた。
真(はぁ・・・これだから、嫌だったのに)

翠「そもそも、なんで京都に行こうと思ったのですか?」
一通りウソ泣きしたあと、聞いてくる翠星石。
真「う・・・そ、それは・・・」
翠「それは?」
笑顔で顔を覗き込んでくる翠星石。しかし、その目は真紅の挙動を一瞬たりとも見逃さない様しっかり捉えられていた。
真「そ、そうそう!最近寺社仏閣に興味を持つようになって、どうせなら本物を見てこようと・・・」
翠「本当ですか~?」
真「な、何よ。貴女、まさかこの私がウソを吐いているとでも思っているの?!」
動揺を悟られない様、少々語気が強くなる。が、完全に見透かされているようだ。
翠「さっきもウソ吐いていたですぅ。今度も本当だとは思えねぇですぅ」
真「・・・・・・くっ」
翠「さあ、とっとと白状しやがれです。なんならカツ丼ぐらい作ってやるですよ」
気分はさながら刑事ドラマの刑事役だった。きっと彼女の周りの景色は既に職員室ではなく取調室なのだろう。

と、そこへ大きな音を立てて職員室のドアが開く。当然、皆の視線はそちらへ向く。
そこには水銀燈と雪華綺晶の二人が居た。そして、二人は大きな紙袋を持っていた。
水「全く、何騒いでいるのよぉ。廊下の方まで丸聞こえよぉ」
私たちには関係ないけどねぇ、と自分たちの席へ移動する。
そして雪華綺晶は椅子を持って水銀燈の机へと移動する。
薔「・・・二人とも、何を買ってきたの?」
雪「『京都の美味しいお店百選』と『京都食べ歩き観光マップ』、『京都のお土産二十五選』と『お土産の社・京都編』」
水「ちょっとねぇ、今度の連休にでも京都に行って来ようかなぁって思っただけよぉ」
真「!!」
二人の言葉に、驚愕する真紅。
いや、分かってはいた。水銀燈なら間違いなく、京都に行くだろうと。
ただし、ここで真紅にとって誤算だったのは雪華綺晶が水銀燈と一緒に行くという事だった。
そうなると、当然次の展開も予想がつく。

薔「・・・あのね、さっき真紅先生が・・・京都に行きませんかって、話をしていたの」
水「・・・・・・へぇ」
そう言って、真紅の方を向きにやつく水銀燈。
水「連休中は、ずっとくんくんのビデオでも見ていると思っていたのにぃ、どういう風の吹き回しかしらぁ?」
真「あ、貴女には関係ないのだわ」
水「あら、そぉう?それなら、別に構わないんだけれどぉ」
終始にやつきっ放しの水銀燈に対し、仏頂面の真紅。
真(・・・お願い薔薇水晶先生、絶対に言わないであの言葉を)
そう願う真紅だったが、その思いが届く事は無かった。

薔「・・・もし良かったら、一緒に行きませんか?」
真「・・・・・・!!」
祈りむなしく、水銀燈に提案する薔薇水晶。
真紅は内心深い挫折感を味わっていた。
水「そうねぇ、どうしようかなぁ?」
わざとらしく悩む水銀燈。
「ヒナもヒナも!」「カナもかしら!」と言ってくる二人を無視して雪華綺晶に尋ねる。
雪「・・・私に反対する理由は無い。・・・元々ばらしーにも言おうと思っていた所だ」
水「そう・・・それなら仕方ないわねぇ。分かったわ、一緒に行きましょう。真紅先生?」
神よ、何故貴方はこの世に水銀燈という人間をお産みになったのですか?と、そう心の中で尋ねた。
何故かローゼン校長に良く似た神が「そんなこと俺に言われてもなぁ」と返してきたのは気のせいだろう。

自問自答している真紅を放っておいて、水銀燈に質問する蒼星石。
蒼「それにしても、君や真紅先生が同時期に京都に行こうと言い出すなんて、一体何が有ったんだい?」
水「別に大した事じゃないわぁ。ただ単に、映画村に行ってみたいなぁって思っただけよぉ」
雪「・・・私はそれに付いて行く事にした。京都の美味しいご飯が食べたかったから」
蒼「映画村かぁ。確かに面白そうだね」
映画村と言う言葉に真紅と翠星石が反応した。
翠「そう言えば、この時期は良くイベントやってるですね。CMでよく見るです・・・あっ!!」
ついに謎に気付いた翠星石。

翠「思い出したですぅ。確か、ゴールデンウィークには映画村にくんくんがやってくるですぅ!」
蒼「ああ、そういう事だったのか」
これで全ての謎は解けた。

そう、昨晩のくんくんからのお知らせと言うのは、ゴールデンウィークに映画村にてくんくんショーを行うといった物だった。
映画村ということもあり、いつもの探偵姿ではなく時代劇の衣装に身を包むくんくんを見ることが出来るのである。
それが、真紅と水銀燈を京都行きへとかきたてたのである。
かくして、なし崩し的に教師たちは皆京都へと行く事になった。
ただ、雛苺だけはその後職員室にやってきた巴によって美術部が参加する写生大会の存在を知り、行けなくなってしまった。
雛「ヒナも京都行きたいの~!巴許してなの~!!」
巴「ダメです。普段部活に来ない雛苺先生が悪いんです。今日はみっちり皆にしごいてもらいます」
雛「嫌~なの~!!許して~なの~!!」