ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 魂の呪縛

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水銀燈「ここは…一体…?」
一面に広がる廃墟…その中を水銀燈は一人歩いていた。
水銀燈「誰か…誰かいないの!?」
人を探し歩いて、何分経ったであろうか…。物陰から誰かの話し声が聞こえてきた。
ようやく、この孤独な世界から解放される…と声のする方向へ水銀燈は駆け出した。
しかし、その話を聞いた瞬簡に、彼女の足はそこから動かなくなってしまった。
少女A「…しっかし、アイツもよくこの状況で学校に来るよねー。あ…そういえば、言った通りちゃんとやってきた?」
少女B「うん。あいつのノートとか、全部トイレの中に捨ててきちゃった♪」
水銀燈「まさか…!?やめて…!もう聞きたくない…!!」
思わず耳を押さえ、その場にうずくまる水銀燈。しかし、そんな行為をあざ笑うかのように、少女たちの言葉は水銀燈の耳を切り裂いた。
その少女のうちの1人…それは彼女のよく知る人物だった。
それは、彼女の高校時代の親友だった人…そして…
少女C「…でもさー、アンタもよくやるよねー。本当の事知ったら、アイツ自殺しちゃうんじゃない?」
少女A「いいのいいの。だって、面白いんだもん。アイツが…あの生意気な水銀燈が苦しんでるトコ、間近で見られるの…♪」
…そして、いじめの首謀者だった人…
その言葉を聞いた瞬間、水銀燈は悪夢より目覚めた。
肩で息をしながら時計を見ると、時間は午前5時を指している。
高校を卒業して数年、彼女は今もその幻影に苦しめらていた。


水銀燈「うっ…」
そう呻くと、よろよろとバスルームへ向かう水銀燈。
とてもじゃないが、これ以上は寝れそうに無かった…。
少女たちが話していたこと…それは、今から数年前に実際に経験した出来事…
そう…あの時も、水銀燈は壁一枚を隔てたところから、事の真相を全て聞いてしまった。
その後、水銀燈は逆に彼女たちを追い詰め、学校から永久に追放した。
悪夢は、それで終わるはずだった…なのに…。
水銀燈「…一体、私はいつまで苦しまなきゃいけないの…?」
シャワーに打たれながら、水銀燈はポツリとつぶやいた。
顔から滴り落ちる水滴は涙なのか、それともシャワーの水なのか、もはや自分では分からなくなってきた。
もういい加減、風呂から出なくては…と、蛇口を閉める水銀燈。その時、ドアのすりガラスに誰かの人影が映った。
水銀燈「誰!?」
その言葉に、侵入者は間抜けな声を上げた。
?「…ふぇ?」
それは、この場には絶対にいないはずの人物の声だった。


水銀燈「…で、何であなたがここにいるの?それも無断で…」
着替えを済ませると、水銀燈は雛苺に詰問を開始した。椅子に座らされた雛苺は、おっかなびっくり質問に答える。
雛苺「うー…だって、水銀燈…全然学校に来ないから…」
その言葉に驚き時計を見ると、時刻はすでに午前8時をまわっていた。
水銀燈「…時が過ぎるのは早いものね…。そういえば、あの小賢しい姉妹たちはどうしたの?」
雛苺「うーと、今日は薔薇水晶も雪華綺晶も1時間目は授業だから、ヒナが代わりに迎えに来たのよ。で、薔薇水晶から合鍵を受け取って…」
水銀燈「…何で本人に内緒で、そんなの作ってるのよ…。これからは、ちゃんとドアチェーンもしなきゃ駄目ね…。鍵も変えないと…それに…」
雛苺「…水銀燈、何か怖い夢でも見たの?」
水銀燈が、必死に悟られないようにしていた事…。それを、雛苺はすぐに見破ってしまった。


水銀燈「…別に。大したことじゃないわ…。」
この期に及んでも、未だに虚勢を張り続ける水銀燈。そんな水銀燈に、雛苺はこんな話をした。
雛苺「…ヒナもね、よく怖い夢見るのよ…。コリンヌ…この前、雪華綺晶が探してきてくれた子なんだけど、その子が戦争で死んじゃった夢とか、ヒナを捨ててどこかへ行っちゃった夢とか…」
水銀燈「…。」
雛苺「でもね、朝起きるたびにホッとするの。だって、コリンヌは今も友達だし、それにそれを一生懸命探してくれる人や励ましてくれる人も沢山いるんだもの…。」
水銀燈「そう…。で、結局何が言いたいのよ?」
雛苺「あ…でね…水銀燈だって、同じだと思うの。もし何かあったとしても、ヒナや薔薇水晶…それにみんなもいる…。だから、困った時は1人で抱え込んじゃ駄目よ?ヒナが助けてあげるからね…。」


その言葉を聞き、水銀燈はこう返答した。
水銀燈「…助けて『あげる』なんて、偉そうなこと言わないで欲しいわね…。一体何様のつもり?今まで1人で生きて来れたんだから、別に助けてくれなくても…」
そこまで言った段階で、思わず言葉がつまってしまう。
昔は、私に脅えてそばに近寄ろうともしなかった雛苺の口から、そんなことを言われるなんて…
何か、こみ上げるようなものを感じながら、水銀燈はぶっきらぼうにこう言った。
水銀燈「…まあいいわ…。そろそろ行くわよ…」
雛苺「うゆ?どこへ?」
水銀燈「学校…行くんでしょう?別に、行かなくていいなら行かないけどぉ…」
そう言うと、水銀燈は先陣を切って学校へと急いだ。
雛苺に、今の自分の顔を見られないようにすること…それが今、彼女にできる唯一の抵抗手段だった。