ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

蒼星石と数列

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匿名ユーザー

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蒼「明日から中間試験だから、今日の授業は自習!ただし数学に関してのみだよ。
他の科目はやっちゃ駄目だよ。ボクはここにいるから、質問のある生徒は聞きに来て」
蒼星石はそう言うと、教卓につき、パソコンを開いた。
生徒は一斉に教科書やノートを開くと、食い入るように見始めた。
一見すると、とても勉強熱心な光景であるが、生徒たちの本当の狙いは、勉強ではなかった。
「先生…、あのう、質問があるんですけどぉ」
蒼「ん?どれどれ」
一人の女子生徒が蒼星石に質問を始めた。蒼星石は作業を中断して、生徒の質問に答える。
しかし、質問した生徒本人は、全くノートなど見ず、ただ蒼星石の顔を見つめるばかりだった。
そう、今の生徒たちの狙いは、勉強することではなくいかに蒼星石に質問をするかであった。
質問をすれば、普段の授業とは違い一対一になれる。それに、ごく自然に蒼星石の至近距離に近付ける。
質問の列は、すぐさま長蛇の列となった。男女比は4:6といったところだろうか。
蒼「ここにXを代入してだね・・・」
蒼星石は生徒の質問に、一つ一つ丁寧に答える。しかし生徒は蒼星石しか見ていなかった。
もちろん真面目に質問をし、勉強をする生徒もいたが、それはごく少数だった。
結局蒼星石は、パソコンを開いたものの、自分の作業を進めることができなかった。

授業開始から数十分、既に生徒の列は2順目に突入していた。
それでも、蒼星石は嫌な顔一つせず、相変わらず丁寧に生徒たちの質問に答えてゆく。
とある女子生徒の質問に答えている時、蒼星石は髪をかき上げた。露になる耳。
女子生徒は生唾を飲み込んだ。そして、なにを思ったか蒼星石の耳に息をそっと息を吹きかけた。

蒼「ひゃあっ!!」

普段の冷静な蒼星石からは想像のできない素っ頓狂な声が、教室に響いた。
教室中の全生徒が蒼星石の方を見た。
「せ、先生どうしたんですか・・・?」
あまりの予想外な反応に、女子生徒自身も驚いた。
蒼「え・・・?い、いやなんでもないよ。ははは」
蒼星石は恥ずかしさを紛らわすかのように笑うと、再び生徒の質問に対する解説を始めた。
女子生徒が振り返る。すると後列の生徒たちが「いけ!」というジェスチャーを繰り返した。
女子生徒は静かに頷くと、再び蒼星石の耳に息を吹きかけた。

蒼「ひゃぅん!!」

蒼星石は咄嗟に耳を押さえ、縮こまった。
その姿は、蒼星石のイメージである「大人の女性」とはかけ離れた「女の子」だった。
「先生・・・耳に弱いんですか?」
蒼「わ、わざとやっているのかい!?や、止めてよ!ボクはこれが苦手なんだ!」
蒼星石の目は、心なしか涙目になっていた。


止めろと言われるとやりたくなるのが人の性。
いつの間にか反対側に回り込んでいた別の女子生徒が、もう片方の耳に息を吹きかける。

蒼「んもぅ!!」

蒼星石は両耳を押さえてうずくまった。
「そ、蒼星石先生可愛いーーー!!」
「せ、先生キュートっすよ!!」
教室は一時騒然となった。
授業残り十数分、男子生徒も女子生徒もいかにして蒼星石の耳に息を吹きかけるかで奮闘した。
それから暫くの間、蒼星石は人が近づくと両耳を塞ぐようになった。

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