ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 有栖学園に一つの恋愛が生まれようとしていた11話

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目が覚めた。気が付くと、そこは知らない部屋だった。
窓一つ無い白い壁と機械類だけの殺風景な部屋。自分が寝ている中央のベッドは床に固定されている。
部屋の隅には鉄扉があった。
「・・・・・・ここは・・・どこだ?」
起き上がってみる。何処なんだろう・・・ここは・・・
そして、あることに気が付いた。いや、気が付いたという表現で正しいのだろうか。
「俺は・・・・・・誰だ・・・?」
自分が誰なのか分からない。どんな出来事が今まであったのかすら忘れている。
記憶が、真っ白だ。
これが記憶喪失・・・?いや、それ以前に、自分が存在したのかすら分からない。
とりあえず、部屋から外に出ようと思いドアノブを掴み扉を開こうとした。
開かない。鍵が掛かっているのだろうか・・・窓も無い鉄扉は開きそうに無かった。



ガコンッ
1時間ほど経っただろうか・・・突然、天井にあった通風孔の蓋が開く。人が降りてきた。
「・・・もう目を覚ましていたか・・・」
誰だろう・・・
「・・・ここでゆっくり話してる暇は無い。一緒に来い!」
自分の手を掴む。
「君は・・・誰?ここは何処?俺は・・・」
「俺は龍。ここは有栖川大学病院。君は・・・悪いが俺も名前は知らない。詳しい事は後で話す。」
素直についていく事にした。自分が誰なのか、分かる気がしたから。
通風孔に上る。この病院の外へ・・・脱出した。




「さてと、ここかな。」
とある廃ビルの中。サイはジェラルミンケースを開けた。
ライフルを組み立て始める。スナイパーライフルDSR-1を組み立て始める。
ドイツの銃器メーカーAMPが軍・警察向けの精密射撃用に開発したスナイパーライフルだ。
「情報は正しかったかな・・・」



「龍、よくやったわぁ♪」
「これで、またこっちの陣営には強化人間が一人・・・戦力強化ですね。」
龍が綺麗な女の人と話している。龍がさっき話してた。自分達のリーダーの水銀燈先生だな。
「強化人間ね。これからよろしくねぇ♪」
水銀燈先生と握手した。綺麗な手をしているなぁ・・・
強化人間ってなんだろう・・・?
「君にはこれから、水銀燈先生を守る役目を任せますよ。」
女の子が横から話しかけてくる。めぐって言ってたっけな。



「まだかな・・・」
DSR-1の組み立ても終わった。彼もまた射撃部の一員だ。
そのときを、ただひたすら待つ。
数十分後、何人かの人影が遠くの道を通っていくのが見えた。
「・・・・・・・・来た。」
ボルトアクションでライフルに弾を込める。実弾だ。そして、スコープを覗き込む。



自分達は学校に向かった。どうやら自分はそこに転校するらしい。
「これであの射撃部にも対抗できるわねぇ・・・」
そう呟きながら水銀燈先生は歩いていた。銀色の髪を靡かせながら。
そのとき、パシュっという何か軽い音が聞こえた。
役目は、水銀燈を守る事。そう言われた。
守らなきゃ。守らなきゃな。
次の瞬間、水銀燈の側頭部に裏拳が直撃した。
「・・・痛あい!!何よぉ!」
「お、お前!!!」
後ろを歩いていためぐがナイフを構える。
「役目は・・・水銀燈を守る事・・・」
「・・・錯乱し始めたか?!」
錯乱なんかしていない。俺は、水銀燈を守っただけだ。
「銃弾が飛んできたから受け止めただけです。」
手には、金色に光る銃弾が握りこまれていた。



「・・・あれは・・・?!銃弾を掴み取った?!」
スコープを覗きこみながらそう呟いた。
「・・・もう一人強化人間が加わったか・・・こっちの強化人間にも頑張って欲しいもんだな・・・」



「・・・流石は強化人間ね・・・」
自分は今銃弾を掴み取った。自分でも驚いていた。なんでこんな芸当ができたんだろう、と。
「強化人間って、なんですか?」
「体に特殊な処置を施して身体を強化した人間よ。あなたの場合は、防御力を強化したタイプみたいね・・・」
そうなのか、自分はそんな人間だったのか。
「私も、強化人間なんですよ。」
めぐもそうなのか。話を聞くと、めぐは再生能力を高めた人間らしい。
「強化人間は非常に大きな戦力になります。射撃部に対しての戦力ですね。」
「残念ながら、敵陣営にも強化人間は居るわぁ・・・特にあいつ・・・冗談じゃないくらいに強いから気を付けてねぇ。」
なるほど、だからあの病院に自分は居たわけか。あそこで処置を受け、強化人間になったのか。
この人たちは何か教えてくれるかもしれない。
「あなた、名前は?」
「・・・分かりません。」
そう、答えた。記憶を失っていたのだ。
「そう、じゃあ呼ぶとき困るからあなたが決めて頂戴。」
・・・自分の名前。分かるまでは違う名前は付けたくない。自分の正体が分かるまでは・・・

「・・・・・・・・・名無しでいいですよ。」