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新入生誘致大作戦

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
お題『金糸雀・吹奏楽部・新入生』

女子A「料理研究会に入りませんかー!?どんな料理ベタな人でも、翠星石先生が一から教えてくれますよー!!」
男子B「今なら水泳部に入ると、銀様の秘蔵水着写真をつけ…痛っ!!ご、ごめんなさい!!お願いだから、没収しないで!!」
春、学校では新入部員獲得のため、各所で誘致合戦が本格化していた。
しかし、その中で1人、金糸雀だけは浮かない顔をしていた。
前の顧問の先生から吹奏楽部を引き継いだのはいいが、前の3年生が大量に卒業してしまったため、部員が足りないのだ。
金糸雀「困ったかしら…。このままじゃ、コンサートなんて出来ないかしら…」
蒼星石先生率いる書道部に、大半の女子が興味を示した事も原因の1つだったが、それ以上にこの騒音のせいで誰も金糸雀の話を聞いてくれない…。
どうにかして、話を聞いてもらわないと…。
金糸雀「そうだ!!何か大きな音でこの場を静まらせれば、みんなカナの話を聞いてくれるかしら!!」
そう言うと、金糸雀は急いで射撃部の部室へと向かった。


金糸雀「えーと、爆弾…爆弾…。ん?この、パラボナアンテナみたいなのは何かしら?」
普段目にすることの無い兵器を前に、興味津々の金糸雀。
すでに、ここに来た目的は頭の中から消え去ろうとしていた。
しかし、その説明書をみるやいなや本来の目的を思い出し、思わず叫んだ。
金糸雀「こ、これこそ私の求めていたものかしら!!これで楽してズルして、部員はいただきかしらー!!」
急いで、その兵器を抱えると、金糸雀はどこかへ走っていってしまった。


女子C「茶道部に入ったら、お菓子食べ放題ですよー!!」
男子B「ネガはこれだけです!盗撮なんかしてませんから、許して!!」
学校の入り口の前では、相変わらず招致合戦が繰り広げられていた。
そこへ、金糸雀が2階から拡声器を持って、声を張り上げた。
金糸雀「みんな聞くかしらー!!吹奏楽部から、大事なお願いがあるかしらー!!」
しかし、みんなは一向に話を聞こうとしない。
そこで、金糸雀は先ほど持ってきた兵器のスイッチを入れた。
その途端、周囲に甲高い音が響き渡り、その場にいた者全員が思わず耳を抑えた。
翠星石「う…うるさいですぅー!!金糸雀、一体どういうつもりです!?」
金糸雀「みんなが…みんなが、カナの話を聞かないから悪いのよ!!」


雛苺「いやー!!耳がガンガンするのー!!」
元々、戦争やテロの鎮圧等に扱われるだけあって、その兵器の力は実にすばらしいものだった。
持ち主である雪華綺晶も、たまらず耳を押さえている。
蒼星石「金糸雀!君の要求は何だ!?」
金糸雀「えっと…今、吹奏楽部は存続の危機に立たされているかしら!!このままでは、生徒たちに満足に演奏させてあげることはできないし…それに…」
蒼星石「でも、君のやり方は間違ってる!!早く止めるんだ!!」
金糸雀「う…うるさい!今更引くことなんて、絶対絶対出来ないのよ!!」
そんな中、その場にいる雪華綺晶に一本の電話が入る。どうやら、真紅からのようだ。
真紅「もしもし、雪華綺晶?あのうるさい音の正体は何?」
雪華綺晶「あ、あれは…LRAD(長距離音響装置)…。約270mの効果範囲にある対象に向け作動させる事で、音波により敵を無力化させる兵器…。いつも、校長が変な事企画するから、それを止めるために…」
真紅「言い訳は後で聞くわ。…それで、どうしたら止められるの?騒々しくて、お茶も飲む気になれないわ。」
そう言うと、真紅は対策に乗り出した。


真紅「金糸雀、いい加減にしなさい。これ以上やると、承知しないわよ。」
金糸雀「真紅…!どうしてここに…!!」
携帯電話を片手に、真紅は2階の廊下で金糸雀と対峙した。
落ち着いた様子で、真紅はこう言う。
真紅「あなたを捕まえに来たのよ。こんな馬鹿なこと、やめさせるためにね。」
金糸雀「馬鹿!?馬鹿は真紅のほうかしらー?これ以上近づくと、破壊のシンフォニーを至近距離からお見舞いするわよ!!」
真紅「やれるものなら、やって見なさい。…薔薇水晶、お願い。」
電話でそう告げる真紅。その途端、LRADは急に沈黙してしまった。
金糸雀「ええええええええ!?ど、どうしてぇ!?」
真紅「ブレーカーを落としたのよ。さあ、覚悟は出来てるでしょうね?」
そういうと、真紅は金糸雀を職員室へと連れて行った。


真紅「で、大体話は分かっているけど、何でこんなことをしたのか教えてくれる?」
真紅は金糸雀を床に正座させると、詰問を開始した。
金糸雀「だって…一生懸命話してるのに、誰もカナの話聞いてくれないから…」
真紅「だからって、あんな事して皆がついてくると思ってるの?余計、あなたのこと嫌いになるんじゃないの?」
金糸雀「あっ…」
真紅「全く…。あなたは、すぐ物事の本質を見失うんだから…。他にもビラまきとか、授業の前に提案するとか、色々手はあったでしょう?」
金糸雀「…ご、ごめんなさい…」
真紅「いい?暴力では、誰も人を縛り付けることは出来ないの。仮に成功したとしても、一瞬で崩壊するわ。それよりも、誠心誠意みんなにお願いしたほうが、上手くいくわよ。分かった?」
金糸雀「はい…ごめんなさい…」

その後、金糸雀は各教室を訪ねてお詫び行脚を続けた。そして、その上で今の吹奏楽部の現状を訴え、必死に入部してくれるようお願いした。
その甲斐あってか、吹奏楽部はようやくコンサートに十分な部員数を確保することが出来たそうな…。


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