ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 水銀燈と初等部

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梅岡「…というわけで、最近の小学生って何かこう、やる気がないって言うか…。何か言い手はありませんか?」
ある日真紅の元に、初等部担当の梅岡と言う教師が、仕事の悩みを相談に来た。
「あなたが、無駄に熱すぎるのでは?」という言葉を飲み込みつつ、真紅は相談に応じた。
真紅「そうね…こういうのは正攻法で行くよりも、別の方法を考えたほうがいいかもしれないわね…。例えば、毒をもって毒を制すとかそういう…」
そこまで言った時、真紅の頭にある人物の名前が浮かび上がる。
いるではないか…。この学校で、一番やる気の無い教師が…。
真紅「…薔薇水晶、水銀燈がどこにいるか知らない?」
薔薇水晶「それが…一応学校まで連れてはきたんだけど、『寒いからやだ』って保健室の布団に入ったっきり…」
真紅「…今すぐ呼んで頂戴。明日から1週間、水銀燈には初等部を担当してもらうわ。」
こうして、水銀燈は臨時で小学生を相手に授業をすることになった。


1日目(火)

男子A「おい、何か新しい先生来るみたいだぞ!罠の準備は出来たか!?」
男子B「完璧、完璧♪」
教室で、騒ぐ小学生たち。どうやら、新しく来る先生に対して『歓迎』の用意をしているらしい。
そんなことなど露知らず、一歩一歩その教室に近づく水銀燈。そして、教室のドアを開けると、いきなり上から棒状のものが、水銀燈の頭めがけて落ちてきた。
どうやらドアを開けると、それに連動して世界地図が落ちるという仕組みらしい。
しかし、水銀燈はそれを軽々と手で受け止めると、目の前の生徒の机を蹴り倒し、こう言った。
水銀燈「…朝から気分悪いんだから、変な事しないでくれるぅ?」
男子B「お、俺がやったんじゃ…」
水銀燈「でも止めなかったんでしょう?なら、同罪よぉ。」
全く悪びれずにそう言うと、水銀燈は教壇に立った。
水銀燈「…というわけで、今日から1週間あなたたちの面倒を見ることになった、水銀燈よぉ…。自己紹介は…まあ、あなたたちに覚えてもらっても、何のメリットもないから止めとくわぁ…。で、授業は…。」
男子C「先生…僕達、塾通ってるんで、別に授業なんてしなくても…」
その発言を聞いたとたん、水銀燈の表情がみるみるうちに明るくなった。
水銀燈「まぁあ…♪なんていい子なんでしょう…。じゃあ、今日はずっと自習しててねぇ♪」
そう言うと、水銀燈は教室を出てどこかへ行ってしまった。
…そしてその日、水銀燈は二度と教室へ戻ってくることはなかった…。


2日目(水)

水銀燈「おっはよぉ~♪」
高等部の時とは違い、上機嫌で教室へ入る水銀燈。その手には、大きな紙袋が握られていた。
生徒A「せ…先生、それは何ですか?」
水銀燈「ん~?プレステとパソコンよぉ。全部自習でいいなんて、まるで天国みたいだわぁ♪」
今までの環境を思い出しながら、水銀燈はしみじみとそう語る。そして、監視の目が無いのをいい事に、自由気ままに行動を開始した。
水銀燈「あ…ねぇ、ちょっとそこのあなた。」
男子C「へ?俺ですか?」
水銀燈「あなた以外に誰がいるのよぉ♪ちょっとこのゲームのレベル上げ、やっといてもらえるぅ?…ただし、先に進んだり、全滅したりしたら殺すわよ?」
有無を言わせず、レベル上げをやらせる水銀燈。そして、給食の献立を見ながら、こうも言った。
水銀燈「…あ、今日は給食にヤクルトが出るのねぇ…。全部私のものよ。いいわね、みんな…。」
…こうして水銀燈のクラスでは、『絶対王政』が復活した。


3日目(木)

男子C「せ、先生…そろそろ授業、やりませんか?」
午後の授業の開始時、たまりかねたように1人の生徒が、こう提案した。
どうやら前日に引き続き、今日もゲームのレベル上げをさせられたのが効いたらしい。
そんな生徒に対し、心底嫌そうな顔をする水銀燈。
水銀燈「えぇ~?元々、あなたがしたくないって言ったんじゃなぁい…。男なら、最後まで貫きなさいよぉ…」
男子C「で、でも…」
男子A「わかった!こいつ、頭悪くて俺たちに何も教えられないから…」
そこまで言った段階で、水銀燈はその生徒の首を締め上げ、こう言った。
水銀燈「私ねぇ、お馬鹿さんは嫌いなの。…まあ、そこまで言うのなら、何か問題出してみなさぁい。」
男子A「…じゃあ、894年…」
水銀燈「吐くよゲロゲロ、遣唐使ぃ。」
男子「!?じゃあ、1167年…」
水銀燈「いい胸毛の平清盛。」
男子「1919…!!」
水銀燈「いいわぁ、いくいくベルサイユぅ。」
唖然とする生徒たちの前に、水銀燈は事も無げにこう言った。
水銀燈「悪いけどぉ…私、これでも大学を主席で卒業してるのよねぇ…。だって、人に負けるの嫌いだしぃ…。」
その後、どんな問題にも完璧に答える水銀燈。それを見る生徒たちの目には、どこか憧れにも似たような気持ちが宿っていた。


4日目(金)

この日は、水銀燈にとって初等部最後の日…。
梅岡が担任だった時とは違い、生徒たちはみな真面目に授業に取り組むようになった。
男子A「でもよぉ…理科とか社会なんて、別になくても生きていけるよなぁ…。」
ぼそっとつぶやく1人の生徒。黒板に書く手を止めて、水銀燈はこう答えた。
水銀燈「そうねぇ…まぁ、あなたみたいなブサイクには必要ないかもしれないわねぇ…。でも、知識があるとこういうことも出来るのよぉ?」
そう言うと、水銀燈は電話を取り出し、どこかに電話し始めた。
水銀燈「もしもぉし、ちょっと大変なことが起こっちゃってぇ…。今大丈夫ぅ…。うん…実は、シークエンサーでタンパク質の…」
生徒たちには、何が起こっているのか訳が分からなかった。専門用語を適度に使いながら、水銀燈は電話の相手と話し続ける。
水銀燈「うん…本当にありがとぉ…。ホント、あなたは世界一だわぁ…♪ところで、来週…そう、誕生日覚えててくれたのぉ?ありがとう♪うん、期待してるからねぇ…♪ばいばぁい♪
…はい、おしまい。わかった?」
男子A「…え!?」
水銀燈「だからぁ…こういう風に知識があれば、自分をどうにでも偽れるのよぉ…。この時必要なのは、相手に『自分は偉いんだ。』『助けてあげてるんだ。』って思わせることねぇ…。そうすれば、貢がせ放題よぉ?」
それは、道徳的にも倫理的にも、小学生には絶対に教えてはならないことだった。
しかし、間近でそのテクニックを見た生徒たちは、瞬く間に水銀燈の虜となってしまった。
…そして、約束の1週間が終わりを告げた。


週明けの月曜日、梅岡は急ぎ水銀燈の元を訪れ、お礼を述べた。
梅岡「ありがとうございます!おかげで、みんな真面目に授業を受けるようになってくれましたよ!!」
水銀燈「いいってことよぉ…。みんないい子ちゃんたちばっかりで助かったわぁ…。」
貰ったばかりの菓子折りに手をつけながら、水銀燈はそう答える。
水銀燈「…でも、初等部もいいもんねぇ…。配置転換してもらおうかしら…?」
梅岡「あ、でもまた新しく問題が生まれちゃってですね…」
水銀燈「…?なぁに?」
梅岡「いや…どうもみんな急に大人びた態度をとるようになったって言うか…。化粧とか、『ナンバーワンホストになるには…』みたいな本が、急にクラスで流行りだしてですね…」
それを聞いて、真紅と薔薇水晶がすっ飛んできた。
真紅「水銀燈!あなた、小学生に一体何を教えたの!?」
水銀燈「…いや、別に普通の…」
梅岡「あ、あとですね…!『相手にどれだけ貢がせたかで、自分の価値が決まるんだ!』なんて言い出す生徒も表れたりで…」
薔薇水晶「銀ちゃん!!また、誰かに貢がせたでしょう!?ちょっと、携帯電話の通話履歴を見せなさい!!」
…こうして、水銀燈の初等部への移動は、永遠に見送られることになりましたとさ。


おしまい。