ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 二人の深淵

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  ――そこは闇  どこまでも広がる深淵
    なぜ私はこんなところにいるのだろう

    あまりの孤独に耐えられず声を上げる
    だがその声はこの世界に吸い込まれたようにかき消された

    怖い…この世界は怖い

    そして歩き出す
    この世界から逃げるように
    どのくらい歩いただろう
    世界の終わりは見えない
    だが疲れたという感覚は無い
    さらに歩を進める

    すると目の前に1人の女性の姿が浮かびあがる
    見覚えのある銀色の髪
    私に背を向けているその人の名を呼ぶ
    その声が届いたのかはわからなかったが
    その人はゆっくりとこちらを振り向く
    その顔は自分が知っているいつもの彼女ではなかった
    悲しい眼をしている
    まるで世界中の悲しみを1人で背負ったような悲しい眼
    そしてその女性はゆっくりと口を開く
    その声はかき消されそうなほど弱々しかったが
    確かに聞こえた

    ど う し て

    そこで私の意識は途絶えた


 「!?・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・」
  意識が繋がる
  しかしそこはあの闇に包まれた世界では無く
  見慣れた自分の部屋だった
  あたりを見渡すが、当然誰もいない
  ふと、時計が目に入る
  自分がいつも起きる時間より1時間も早い
  しかし、再び眠りにつく気にはならなかった

 「あれは一体・・・」

  自分が見た夢は何だったのか
  いや、そもそもあれは『夢』だったのか
  夢と呼ぶにはあまりにもリアルで
  しかし現実と呼ぶにはあまりにも現実味が無い
  自分でも矛盾していると思ったが
  そんなイメージしか浮かんでこなかった

 「でもあれは確かに・・・」

  私は『夢』の中に現れた人物の事を思い出す
  あの姿は間違いなく私の知っているあの人だった

  あの人はいつも自分のことしか考えていないように見える
  だけど私は知っている
  その本心は誰よりも他人を気にかけていることを
  それを表に出さないだけ
  いや、出せないのかもしれない
  そういう人だ あの人は

 ――でも、何であんな顔を・・・

  『夢』で見たあの人の表情を私は見たことが無かった
   泣き顔より悲愴感漂う そんな顔

 ――何が起こるのだろう

   胸騒ぎがしてならなかった
   何か大切なものを失ってしまう感じ

   いてもたってもいられず準備をする
   朝食をとり、姉の弁当を作り、着替える
   準備を整え玄関に向かう

   ドアノブに手をかけ外に出る
   見上げた空は私の心とは違い
   青く澄み渡っていた

 ――そこは闇  どこまでも広がる深淵
    なぜ私はこんなところにいるのだろう

    誰もいないのと声を上げる
    周囲から返答は無い

    まったく…胸くそ悪い世界だわ

    そして歩き出す
    この世界を否定するように


    どのくらい歩いただろう
    世界の終わりは見えない
    だが疲れたという感覚は無い
    さらに歩を進める

    すると目の前に1人の女性の姿が浮かび上がる
    紫がかった美しい髪
    やっと知り合いがいたとその子の名前を呼ぶ
    声は届いたらしく
    その子はゆっくりとこちらを振り向く
    その顔に私は呆気にとられた
    今まで見たことのない笑顔をしている
    何かを成し遂げたようなそんな顔
    どうしたのと尋ねるとその子は言った

    よ か っ た

    そこで私の意識は途絶えた


 「・・・う~ん」
  目が覚める
  まだ頭は完全に働いていない
  その頭でさっき見たものが何だったか考える

 「夢だったのかしら…」

  しかし夢にしてはあまりにリアルだった
  まぁ寝ている時に見たって事は『夢』なのだろう
  深く考えても仕方がない

  頭が冴えてきたところで時計を見る
  自分がいつも起きる時間より
  1時間半も早い
  しかし再び眠る気にはならなかった


 「夢だったとしてもあの子のあんな笑顔が見れるなんてねぇ・・・」

 『夢』に出てきた人物
  あれは確かにあの子だった

  あの子は顔に『喜』の感情をあまり出さない
  出すとしても微笑む程度だ
  そのあの子が子供の様な無邪気な顔で笑っていた
  それがなぜか嬉しくて
  眠気はどこかへいってしまった

――現実でもあんな顔をしてくれたらなぁ
   そんなことを思いながら準備をする
   今日はなぜか早く学校に行きたくなった

――あの子の笑顔が見れるような気がしたから

   朝食はヤクルト1本のみ
   化粧をして着替えて準備万端

   ドアノブに手をかけ外に出る
   見上げた空は私の心を映すかのように
   青く澄み渡っていた