ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki 4月。April。癌

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癌。悪性腫瘍の一種。他の細胞に浸潤あるいは転移し、身体の各所で増大することで生命を脅かす。
ガン細胞を身体から切り離しても、なお細胞は生き続けられるという魔物とも言うべき病。
実際にかかったら、それこそドエライ事であるが、そんな不治の病を悪用せんと立ち上がった女がここに・・・。

プルルル・・・プルルル・・・ガチャ
紅「もしもし?」
銀「うぅ・・・ひっく・・・し、真紅ー・・・」
演技とはバレナイように慎重に泣き真似でかかる水銀燈。
一体何をしたいのかというと冒頭でもあったので、もうお分かりだろう。
紅「水銀燈・・・?貴方、悪戯電話なら他でやってほしいのだわ。」
銀「ち、違うわよ・・・。ひっく・・・ど、どうしよう、真紅ー・・・」
真剣さを伝えるためか普段の猫なで声を潜ませている。
紅「どうしようって・・・どうせ、また男をたぶらかして痛い目にあったのでしょう?
  残念だけど、それは自業自得という奴なのだわ。」
銀「・・・癌。」
紅「は?」
銀「どうしよう・・・私、癌・・・乳癌を宣告されちゃったのよー!!」
来た、普通なら本人には余程のことが無い限り宣告などはしないのだ。
真紅もそれを承知で受け流す。
紅「はぁ・・・まったく・・・何を言うのかと思えば・・・くだらない。
  私は明日も朝から授業だから、もう寝るのだわ。お休みなさい、水銀燈。」
下らない悪戯ね・・・とため息を吐きながら電話を切ろうとする真紅。
しかし、水銀燈もここで切られてたまるかと粘る。

銀「ほ、本当なのよ!!・・・もうどうしようもない・・・ひっく・・・手の施しようが無いからって・・・
  私に直接言ってきたのよ・・・。残りの時間、精一杯楽しみなさいってまで・・・。うう・・・。」
紅「ちょ、ちょっと貴方、ついて良い冗談と悪い冗談があるのだわ!!」
銀「うう・・・本当よ・・・。ぐす・・・何ヶ月か前からね・・・ひっく・・・胸に違和感があって・・・
  最初の内は放っておいたんだけど・・・ぐす・・・時間が経つにつれて・・・だんだん・・・うう・・・。」
紅「・・・」
呆然とする真紅。いくら相手が水銀燈とはいえ、こんな性質の悪い冗談をしかけてくだろうか?
心の中で、天使と悪魔が「信じてあげるのだわ!!」と「相手は水銀燈なのだわ!!」と戦いあっている。
銀「胸にね・・・段々、大きなしこりが・・・うう・・・。・・・まだ、信用しない?
  そうよね・・・今まで散々・・・酷いことしてきたもの・・・それこそ自業自得だわ・・・」
紅「い、いや、そういうわけは・・・」
銀「でもね・・・ぐす・・・今度ばかりは本当なのよ・・・。ひっく・・・診断書だってあるの・・・
  せいせいするでしょ?厄介払いができて・・・ふふ・・・ぐす・・・。」

紅「ちょ、ちょっと水銀燈・・・。分かったのだわ・・・今度ばかりは・・・本当のようなのだわ・・・」
真紅の心の中で天使が勝利の雄たけびをあげた。
水銀燈もまんまと嵌った真紅に対して笑いが堪えきれないでいる。
銀「・・・ありがとう・・・くく・・・いや・・・最後ばかりは貴方にだけは・・・サヨナラを言いたくて・・・」
紅「そ、そんな・・・何を弱気なことを言うのだわ?!いつもの貴方はどこにいったの?!」
銀「・・・人間、死の前ではどうしようもないってことよ・・・ぷぷ・・・あ、ごほん!!・・・
  あ、あと・・・そのね、この事は皆には黙っていて欲しいのよ・・・心配させたくないから・・・」
紅「わ、分かったのだわ・・・。・・・貴方、学校はどうするの?」
銀「分かんない・・・何とか頑張るけど・・・」
紅「そう・・・無理はしないのだわ・・・。でも、皆はあなたのことを教師としてだけではなく愛してるのだわ・・・
 だから、その・・・仕事なしでも会いたくなったら何時でも、会いに来て欲しいのだわ・・・。」
思いがけない真紅の思いやりに溢れた台詞、水銀燈から見ればかなりクサイ台詞に
やっぱり笑いを堪えきれなくなってしまいそうになる水銀燈。
銀「く、くくく・・・」
紅「す、水銀燈?!ど、どうしたのだわ?!」
銀「な、何でもないわ、ただ貴方の台詞・・・いや、心遣いが嬉しくって・・・」
紅「そう・・・私でよければ何でも力になるのだわ・・・。だから、さっきは疑ったりして申し訳ないのだわ・・・。」
銀「い、いいのよ・・・その・・・真紅も明日早いんでしょ?・・・もう・・切るわ・・・」
紅「こんな時にまで貴方って人は・・・分かったのだわ・・・お休みなさい・・・。」
銀「お、お、お休みなさい・・・」
ガチャンと電話を切った後、爆笑に次ぐ爆笑を引き起こし隣人からお説教を受けた水銀燈。
翌日は学校を休み、その次の日学校へと赴き、真紅に対して診断書をチラつかせ搾取するだけ搾取してやろうと
悪どいことを考えながら眠りに入った。

翌々日の学校はそりゃ大変な騒ぎであった。前の日に真紅が水銀燈の癌を全生徒、職員に対して告白したのだ。
男子生徒の中には後を追って自殺しようする生徒がいたり、女子生徒もそりゃ好かない先生だったが
それでも熱意を持って接してくれていたことに感謝の念が芽生えたのか、号泣しだしたり。
銀・蒼を除く全員「・・・・・」
職員室ももはや喪中といった雰囲気で、授業の時間割もかなり滞る始末。
どうしたらいいのか、水銀燈の人生、残りの時間どうやって有意義に過ごさしてやろうか
などと思い思いに感慨に耽る。授業開始のベルが鳴っても誰も教室へは行こうとしない。
今は、そんなことより水銀燈の方が大事であるという感じである。
蒼星石は後追い自殺志願者を引き止めるのに忙しく、この場にはいない。
雛「そ、そうなのー!!皆で水銀燈をリーダーにして・・・怪盗団を結成するのー!!
  水銀燈の欲しいものを、ぜーんぶ、盗んできてあげるのよー!!」
何をいいだすのだろう、教師がそんなことしていいわけがない。
あからさまに全員から糾弾される雛苺。
翠「う~ん・・・たしかに水銀燈は猫なで声ですから、ぴったりだと思うのですが・・・」
紅「有栖キャッツ・アイってわけ・・・冗談じゃないのだわ・・・。」
薔薇「何言ってるの・・・。雛苺先生も・・・そんなことしても・・・銀ちゃんは・・・悲しむだけ・・・。」
雪華「ばらしーの言う通り・・・。」
何故か親指を上げ、GJと言いたげな雪華綺晶。
そこに、独特のエンジン音をあげて水銀燈のコルベットがやってくる。
雪華「このエンジン音は・・・水銀燈の・・・コルベット・・・」
そう雪華綺晶が呟くや否や、全員で水銀燈の元へとかけつける教師一同。

そして、そんな学校では大変な事になってるとは夢にも思っていない水銀燈は。
銀「さぁてと・・・こいつを使って・・・真紅を・・・どうしようかしらぁ・・・」
その手に持つ紙封筒を揺らしながら、今後の展開を考える。
まずは高級フランス料理でも奢らせようかしらねぇ・・・などと呑気に構えてたが
流石に、この学園の異様な事態に気づき始める。大勢の人だかりが自分に向かってきてるのだ。
水銀燈は自分の周りに生徒や同僚たちがぞろぞろと集まり始めたことに驚きを隠せないでいる。
銀「・・・え?な、何なのかしらぁ?う、嬉しいわねぇ・・・こんなお迎えがあるなんてぇ・・・」
紅「水銀燈・・・もういいのだわ・・・。ここにいる全員が貴方のことを知っているの・・・」
銀「・・・え?」
紅「貴方は黙っていて何て言ったのだけれど・・・ごめんなさい・・・。
  やっぱり・・・こういうことは・・・皆にも知ってもらいたくて・・・。」
言ったのか、言ってしまったのかと真紅を見つめる水銀燈。
真紅だけで良かった、良かったのに・・・と冷や汗をかきながら
銀「そ、そう・・・もう、知られちゃってるのねぇ・・・」
男子生徒「先生ー、死なないでよー!!俺達、水銀燈先生の授業だけが楽しみでこの学校に通ってるんだよー!!」
その言葉を受けて、男泣きする男子たち。もう二度とあの水銀燈の色・・・いや勇姿は見られないのかと。
女子生徒「せ、先生っ!!ひっく・・・ごめんなさい・・・私達・・・もっと・・・水銀燈先生と・・・ぐす・・・一緒にいたかったです。
      今まで・・・うう・・・本当にごめんなさい。」
そしてこっちでもまた今まであまり好かれることの無かった女子たちからの声。
どうしよう、今更、嘘でしたぁ・・・などと言える雰囲気ではない。

蒼「水臭いよ・・・水銀燈先生・・・。僕も何か力になれることがあったら何でも言ってね・・・。」
翠「お、おめえの為に、毎日旨い飯を作ってやるですぅ・・・だから・・・だから・・・し、死ぬんじゃねえです!!」
雛「ヒナもうにゅーを毎日お家までお届けするのー!!だ、だから元気出すのよー!!」
金「お、お葬式では・・・カナが精一杯バイオリンで送り出してあげるのかしらー・・・」
紅「体に良い成分のある紅茶もあるの・・・それを飲んでれば・・・きっと貴方だって・・・うう・・・」
雪華「これ・・・私が・・・戦場で・・・命を救ってもらったことのある・・・お守り・・・。・・・あげるね?」
ローゼン「俺に出来ることといえば・・・資金面だけのことだ・・・。必要な時にでも声を掛けてくれ!!」
ラプラス「私も微力ながら何かお力添えすることがあれば・・・」
薔薇「銀ちゃん・・・」
全員「「水銀燈先生!!」」
もはや本当に癌で死んでしまいたい気分に駆られる水銀燈。
紅「その封筒・・・診断書ね・・・」
銀「え?あ、ああ、そ、そうよぉ・・・」
実際には医者である男に色仕掛けで作らせた偽の診断書だが。
一般人から見れば、到底区別はできない。
雪華「そんな・・・こんなに重いなんて・・・ひっく・・・」
男子生徒「うおー、銀様ー!!死なないでくれー!!」
紅「何でもっと早く・・・言ってくれれば・・・」
銀「・・・ちょ、ちょっと・・疲れちゃったわぁ・・・。や、やっぱり、家に・・・帰るわねぇ・・・」
逃げたい一身でどうにか学園を後にする水銀燈。
どうしよう、今更嘘だと言えばどうなるか・・・恐い・・・、一体どうしたらいいのか。
家に帰っても、落ち着けないでいるがふとある妙案を思いつく。
携帯電話を取り出して、真紅へとメールを出す。

今日は何月何日でしょう?・・・てへっ(ハートマーク)。

ガンガン!!ガンガン!!
紅「水銀燈ッ!!いるのは分かっているのだわ!!早く出てきなさい!!」
翠「翠星石の涙を返しやがれですぅ!!」
蒼「水銀燈・・・君がまさか、そんな事をするなんて思いもしなかったよ!!」
雛「ヒナ、絶対に許さないんだからー!!」
金「有栖学園一の策士を騙すなんて、いい度胸なのかしら!!」
薔薇「銀ちゃん・・・出てきなさい!!」
雪華「流石に・・・パンツァーファウストは・・・でも・・・自動小銃ぐらいなら・・・」

銀「や、やっぱり、無理があったわぁ・・・あわわわOTL」
布団に体を隠し、借金取りから隠れてる債務者のような水銀燈。
今度ばかりは流石にやりすぎだったようだ。人を呪わば穴二つ。
その後、1ヶ月は学校へは近づけなかった水銀燈であった。