ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

水銀燈と尾行とめぐ

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真紅「水銀燈!!何なの、これは!?」
水銀燈「うるさいわねぇ…一体何の話よ…」
面倒くさそうに水銀燈は振り返る。見ると真紅の手には、この前提出した新聞部のアンケートがあった。
真紅「何よ!この、好きな言葉『お金・自由』、嫌いな言葉『慈善・努力』ってのは!!こんなの載せられる訳無いじゃない!!」
水銀燈「自由に書けって言ったのは、顧問の金糸雀よぉ。文句があるのなら、金糸雀に言ってもらえるぅ?」
そう言うと、水銀燈は自分の仕事に戻ってしまった。


真紅「…というわけで、今日は水銀燈を尾行するわよ。探せば、あの子にも少しぐらい良い所があるはず…。いいわね?みんな。」
昼休み、薔薇水晶と雪華綺晶を前に、そう説明する真紅。しかし、1人だけこれに異議を唱えたものがいた。
金糸雀「何で、カナはついて行っちゃダメなのかしらー!?元々、カナの仕事かしらー!?」
真紅「そ…それは…。」
おそらく金糸雀について来られたら、一瞬のうちに尾行している事がバレてしまうだろう。
返答に困る真紅に、薔薇水晶が助け舟を出す。
薔薇水晶「だからこそ…金糸雀にはこの場に残って、色々指揮してくれないと…。細かい仕事は、私たちに任せて。ね?」
金糸雀「なるほど!分かったかしらー!!」
『大役』を与えられ、上機嫌の金糸雀。
一方、金糸雀と一緒に学校に残り、衛星や無人機で監視をする事になった雪華綺晶は、「うえー…」と心底嫌そうな声を上げた。


水銀燈「じゃあねぇ、みんなー♪」
放課後、水銀燈はそうみんなに挨拶をして、上機嫌で学校を出ていった。すかさず、真紅と薔薇水晶が尾行を開始する。
真紅「…なんで、あの下校の時の嬉しそうな顔が、朝に出来ないのかしら…。」
薔薇水晶「…いつも、人殺しみたいな顔してるもんね…。」
しみじみとそう語る2人。
尾行は困難を極めたが、雪華綺晶の指示を受け、2人は的確に仕事をこなしていった。
そして、尾行を始めてから1時間後、水銀燈は急に駅前で立ち止まった。
どうやら、誰かと待ち合わせをしているらしい。
その際、水銀燈がしきりにキョロキョロとあたりを見回すため、真紅たちは何度か危うく見つかりそうになった。
その変な気配に首をかしげながら、水銀燈はこうつぶやいた。
水銀燈「…何か、さっきから気になるのよね…。真紅臭いっていうか、ドブ臭いっていうか…」
真紅「だ、誰がドブ臭い…もごもごもご!!」
薔薇水晶は、慌てて真紅の口を押さえる。一応、水銀燈の方をうかがうが、どうやらばれずに済んだようだ。
それにしても、誰を待っているのだろうと考える2人。そこへ、1人の人物が、水銀燈の元へ走ってやってきた。
?「めぐさん!遅れてごめん!!」


薔薇・真「めぐ?」
顔を見合わせる2人。しかし、『めぐ』と呼ばれた水銀燈は何の否定もせず、話をし始めた。
水銀燈「遅いわよぉ…。山本君は、いつも時間にルーズなんだからぁ…。」
真紅の頭の中に、あるひとつの記憶が蘇る。
あの山本と言う男、確か知り合いの桜田のりと一緒にいたのを見たことがあるような…。
山本「それで、急な話って何かな?」
水銀燈「実はねぇ…。知り合いの真紅っていうお馬鹿な子が借金作っちゃってぇ、それで連帯保証人になってあげたんだけど…」
山本「えっ!?そ、それで!?」
水銀燈「でも、その子が私を置いて逃げちゃったから…私がその借金を返さなくてはいけなくなってしまったの…。でも、私にはお金なんて無いから、どうすればいいか山本君に相談しようと思って…」
目を潤ませながら、嘘の話を進める水銀燈。最初は相談したいと話を進めていたはずが、最終的にはお金の話になっていた。
水銀燈「それでぇ…出来れば、このメモの口座に少しでいいからお金を入れてくれると嬉しいの…。実は私、このままだと風俗の世界に身を…」
薔薇水晶「銀ちゃん!!いい加減にしなさい!!」


怒りと共に、その場に現れる薔薇水晶。あまりのことに、水銀燈は目をパチクリさせ、こう言った。
水銀燈「ば、薔薇水晶…何故ここに!?」
薔薇水晶「それはこっちの台詞よ!あれほど、人を騙してはいけないって言ったのに!!」
山本「ちょ、ちょっと待ってください!…ぎ、銀ちゃん!?」
混乱する山本に、遅れて登場した真紅が訳を説明する。
真紅「…ごめんなさいね。この子の本当の名前は『水銀燈』って言うの。あなた、危うく騙されるところだったわね。」
山本「…てことは、名前も、今言ったことも全部嘘だって事ですか…?」
真紅「そうね、残念だけど。…ちなみに私が、さっき名前が出てた『真紅』よ。」
全てを暴露され、水銀燈はまるで糸の切れたマリオネットのように、その場にへたり込んでしまった。


薔薇水晶「…で、何で約束を破って、こんなことしたの!?」
水銀燈「…お金がほしかったの。」
ふてくされた態度で、そう言う水銀燈。そして、それ以外は何も喋ろうとしなかった。
その時、真紅があることに気がつく。
真紅「ねぇ…さっきあなたが渡したメモにある『カキザキ メグ』って、もしかしてH組の柿崎めぐさんの事?」
薔薇水晶「…あの入院中の?」
水銀燈「ち、違うわよ!!ただの偽名よ!!」
真紅「…あなた、急に嘘が下手になったわね。さ、どういうことか説明してくれる?」
薔薇水晶「銀ちゃん…!」
山本「僕にも、知る権利は有ります!!」
水銀燈「…分かったわよぉ…」
観念したようにつぶやくと、水銀燈は事情を説明しだした。


それは、H組の柿崎めぐと言う生徒が、心臓に障害があるというのを聞いたので、『仕方なく』手術代を出してあげることを約束したというのが、原因らしい。
しかし、手術には莫大なお金が必要なので、このような方法でお金を集めてまわっていたそうだ。
水銀燈「…だから、こんな面倒くさい事してたって訳。あの時、めぐに泣きつかれでもしなきゃ、こんな事してないわよ…。」
時々目線をはずしながら、水銀燈はそう答えた。
真紅「ホントに、あなたって人は素直じゃないわね…。何でみんなに相談しなかったの?」
水銀燈「ふん…。あなたに助けを請うぐらいなら、死んだほうがマシよ。」
真紅「…とにかく、聞いた以上は私たちも協力するわ。あなたのためじゃなく、めぐさんのためにね。これなら文句無いでしょう?」
山本「そう言うことなら、僕も協力します!自分、新聞記者やってるんで、絶対反響あると思…いや、あるようにしますよ!!」
水銀燈「…勝手にすればぁ…。」
そう言う水銀燈の目じりには、うっすらと涙が溜まっていた。

その後、予想以上に寄付金が全国から寄せられ、柿崎めぐは心臓移植の手術に望むことになった。
みんなは、水銀燈に学校を休んで病院に行ったほうがいいと強く勧めたが、水銀燈は頑なにこれを拒否した。
水銀燈「…大丈夫。めぐはそんな弱い子じゃないわ…。」
そう言って…。




めぐ「いたたたた…」
水銀燈「大丈夫ぅ?急に、あんな激しい運動するからいけないのよぉ…?」
心配そうに、めぐに話しかける水銀燈。めぐの手術は無事成功し、今では自由に運動が出来るほどに回復していた。
ベッドに腰掛けながら、めぐはこう言った。
めぐ「だって、こうやって何も気にせず運動できるのが楽しくて…でも、ごめんなさい。100万円、私のせいでとり逃しちゃって…」
水銀燈「いいのよぉ…100万なんて、その気になれば1日で回収できるから…。それより、さっきのあの告白するって奴…一体誰にするのぉ?」
メグ「内緒ー…ふふふ」
銀「?まったく、変な娘ねぇ…」
皆が球技大会で盛り上がる中、2人はその喧騒から離れ、保健室で2人だけの時間を楽しんでいた。



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