雪「何だって・・・・?」
雪華綺晶は、これ以上ないくらい、驚いていた。
理由はただ一つ。妹、薔薇水晶が”ストーカー”されてるとの噂を聞いた。
噂をしていたのは、金糸雀と雛苺。
金「それでね、薔薇水晶が黒眼鏡の男に毎日見られてるらしいのかしら」
雛「つまり・・・ストーカーって奴なの?」
金「そーゆー事かしら」
この二人の会話を聞いた雪華綺晶は、黙ってはいられなかった。
早速、金糸雀と雛苺の所へ向かう。
金「かしらッ!?」雛「なのっ!?」
雪「今の話を・・・・詳しく教えて・・・・」
雪華綺晶は、金糸雀の右肩に左手を、
雛苺の左肩に右手を力一杯振り下ろした。
そして金糸雀と雛苺は、薔薇水晶が”ストーカー”にあってる事を、薔薇水晶に話し始める。
金「この前帰宅してるとき、薔薇水晶を見つけたのかしら。声をかけようと思ったんだけど、薔薇水晶のすぐ後ろに黒眼鏡の男が居たから・・・声はかけなかったかしら」
雪「その黒眼鏡の男とは、どんな男?」
金「たしか、170cmくらいの背で、真っ黒なトレーナーにジャージ。紺色の帽子を被ってたのかしら」
雪「・・・・成程」
雛「あ!!そーゆー人ヒナも見たのよ!!」
雪「なぬ!?」
雛「この前学校の近くに居たのよ・・・何か気味悪かったのよぉ」
雪「・・・・・・・成程。説明有難う」
雪華綺晶は二人に例をいって、この場を立ち去った。
雛「・・・・・雪華綺晶・・・何だか怖かったのよ(ガクガク)」
金「目が・・・目がマジだったかしら・・・(ブルブル)」
雪「決戦は、今日ハジマル・・・」
時刻は9時。場所は職員室。
薔薇水晶は学校から自宅へ帰宅しようとしてた。
薔「雪華結晶~・・先帰っていい~?」
雪「・・・ああ、じゃあ先帰ってて」
薔「了解。雪華綺晶も早く帰るんだよ」
薔薇水晶はそういい、職員室を出て行った。
雪「戦争は、始まった・・・」
この時雪華綺晶の瞳が輝いたのは、誰も知らない。
薔薇水晶は、いつもと同じルートをいつもと同じ足取りで、自宅に向かって歩いていた。
・・・・・・そして薔薇水晶の背後には黒眼鏡をかけた暗いファッションの男が居た。
・・・・・・金糸雀と雛苺がいってた”ストーカー”
薔薇水晶は気がついてないらしく、ごく普通の表情で歩いていた。
そしてその二人をばれないように注意しながら見ている雪華綺晶。
雪「私の妹に・・・・手は出させない」
雪華綺晶は、一か八かでその”ストーカー”に声をかける。
ス(ストーカ)「ぁん?何だよ」
ストーカーは雪華綺晶に、悪い態度を見せる。
その態度に雪華綺晶は切れたのか、ストーカーの頬をビンタした。
『バシィン』という音が、気持ちよく響く。
ス「痛っ!!お前、どうなるか分かってるか・・・・」
雪華綺晶は、首を横に振る。
その態度にストーカーはぶち切れ・・・
自分が肩にかけてるショルダーバックから、銀色に光るナイフをチラリと見せる。
ス「早く立ち去らないと・・・・・どうなるか分かってるのか?」
雪華綺晶は、辺りをキョロキョロと見回す。
辺りには人一人居ない。人が通る雰囲気も出ない。
ス「残念だがお前を助けてくれる人なんて居ないようだな」
雪「ソンナノ・・・・想定の範囲内」
雪華綺晶は、そういうと自分の上着に付いてる小さなポケットから裁縫で使うような針を取り出す。
ス「そんな小さな物でどうやって対抗するんだ?」
雪「こうやるの」
すると雪華綺晶は、ストーカーの右頬に針で傷を付けた。
この行為にストーカーは完全に切れ・・・・
ス「ッ・・・お前・・・生意気なんだよッ!!!!!!!」
自分の持ってるナイフを、雪華綺晶の胸に向かって突き刺す。
・・・・・しかし、その攻撃を雪華綺晶は風のようにサラリと交わす。
ス「ナッ!?」
この反応の良さに、ストーカーは少しあせる。
雪「甘い・・・・」
雪華綺晶は、そう呟くと、男の右腕をがっちりつかみ、そのまま
ス「ッ!!!痛い痛い痛い痛い!!!!!!!!!」
へし折ろうとした。
しかし、その位でストーカーは諦めるわけがなかった。
ス「くらえっ!!!」
ストーカーは雪華綺晶にナイフを突き刺す。
・・・・しかしまたかわされた。
ス「ナッ・・・いてぇっ!!!!」
雪「妹の・・・あの子のストーカーをしないと約束できる?」
ス「んなわけ・・・痛い!!いたたたただGすHぱきあHふふじこHっご」
雪華綺晶は、さらに力強くストーカーの腕を折ろうとする。
ス「すみません・・・・痛いッ!!もうしま。・・・痛ッ!!」
雪「よろしい」
雪華綺晶は、ストーカーの腕を持つ力を緩めた。
ス「・・・ぁ、、、ばッ!!化け物ぉぉぉ!!!」
ストーカーは体をぶるぶると震えさせ、走ってこの場を立ち去った。
雪「・・・ふぅっ・・・・さて、家に帰るとするか」
雪華綺晶は、ふぅっとため息を付き、自宅に帰った。
~薔薇水晶、雪華綺晶の家~
雪「ただいまー」
薔「ア、遅かったね・・・何かあったの??」
雪「特に・・・・ちょっとね」
薔「フーン・・・ご飯もう出来てるよ」
雪「本当?じゃあ・・・早速食べるカ」
こうして、雪華綺晶の少し大変な一日は幕を閉じた。
・・・・・・
後日雪華綺晶が、警察に囲まれたことなど知るよしもなかった。