ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

ハーネル蛾物故割れた

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匿名ユーザー

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空は晴れ渡り、太陽が地面を照らす。
時折吹き抜ける風が心地良い。
雪華「うーん・・・絶好の・・・発砲日和・・・」
今まで、雨が続いていた所為か、射撃部の練習も基礎中心のメニューばかり
だったので、こんな晴れた日にはドカンと一発派手なのをかましたいと思う雪華綺晶。
しかし、人間というものはチャンスが巡ると、望んでもないのに邪魔が入りやすくなるわけで。

蒼「♪♪♪~~~♪♪♪」
鼻歌を歌いながら、職員室で仕事中の蒼星石。
何かいいことでもあったのだろうか?
翠「蒼星石~?珍しいですね~、何かあったんですか~?」
蒼「えへへ~、これ見てよ~」
と言いつつ、差し出したのはカバン。
パッと見、しっかりした作りの物だが、どこにでもありそうな物である。
翠「は~?只のカバンじゃねえですか~・・・」
普通のカバンのどこに嬉しい要素があるのか、?顔の翠星石。
蒼「これね、生徒からプレゼントされたんだー♪」
でねでね、と続けて裏側を見せてくると、そこには・・・
蒼「じゃーん!!僕ソックリのマスコットまで付いてるんだ!!
  こんな心の篭った物をプレゼントされちゃうと、ホント、教師冥利に尽きるよー。」
翠「た、たしかに、そうですが・・・。蒼星石はそのぬいぐるみは付けたままで帰るですか~?
  自分ソックリのぬいぐるみを付けたカバンを持ってる奴はちょっといろんな意味で痛いですよ~・・・」
生徒から貰って嬉しいのは分かるが、せめてそのマスコットぐらいは外せと遠回し・・・いや直接言い放つ翠星石。
蒼「な、何言ってるんだい!!生徒からの大事な・・・はぁ、でもやっぱ嬉しいな~、エヘへ。」
激昇しかけた蒼星石に身構えた翠星石だったが、カバンを見るや否や、
にやけっぱなしになる蒼星石を見て呆れ果ててしまう。
翠「はぁ~・・・もう、付き合ってらんねぇです~・・・」

放課後になりグラウンドからは部活動の生徒達の威勢のいい声が木霊する。
蒼「はぁ~、何とか終わった~・・・」
うーんと背伸びをする蒼星石。キリの良い所で仕事を終えて、
自身も担当する部活の元へと急ごうとした。
蒼「あ、そうだ。今度は部活の子達にも見せてあげよーっと・・・」
と、言いつつ自身の机からカバンを取り出し、部室へと向かおうとする。
蒼「さてと、今日の練習はどうしようかなー・・・」
今日の練習メニューをどう組み立てようか、と思案しながら歩く。
だが、いきなりガチャンと何か金属製の物が落ちたような音が聞こえてきた。
驚いて、振り向く蒼星石。
蒼「な、何だ?!」
と、よく見なくても分かるが、雪華綺晶の机にあった銃が地面に激突している。
どこか修理中で、ネジ等を外していたのか、ものの見事にバラバラである。
蒼「あちゃー・・・カバンで引っ掛けちゃったのかなー・・・」
雪華綺晶には悪いことをした、後でキチンと謝らなければ・・・
礼儀作法にうるさい蒼星石らしい、いや普通の人間なら誰もがこう考える。
そして、そこに妹の薔薇水晶が、何かあったのかと飛んでくる。
薔薇「ど、どうしたの・・・?」
蒼「え?ああ、雪華綺晶先生の銃を落として壊しちゃったみたいで・・・」
薔薇「あ・・・」
たしかに銃はバラバラで目も当てられない状態である。
蒼「困ったけど、後でちゃんと謝ろうと思ってたところなんだ・・・」
薔薇「・・・姉さん・・・怒ると・・・恐いよ?」
蒼「いや、話せば分かってくれるよ。弁償だって高くてもちゃんとするし。」
薔薇「この銃・・・たしか姉さんが・・・物凄い・・・楽しみに・・・していた奴だから・・・」
何故か可哀想な子でも見るかのような目で蒼星石を見つめる薔薇水晶。
たしかにあの奇天烈な姉は、怒ると何をしでかすか、分からない。
蒼「うーん・・・でも、やってしまったものはしょうがないよ。僕なりにちゃんとお詫びはするつもりだ。」
そして、間の悪い・・・のかどうなのか、雪華綺晶のご帰還と相成ってしまった。


雪華「ふふふ・・・さあてと・・・射撃部で・・・ふふ、ふふふ・・・・」
笑っているのかいないのかハッキリしない口調で喋る雪華綺晶。
これから射撃部で何をするのか、想像するだけ恐ろしい。
蒼「あのー、雪華綺晶先生・・・」
雪華「・・・うん?・・・ごめんね・・・私これから・・・射撃部にいくの・・・」
蒼「それは分かってるんですけど・・・あのですね・・・」
今までの経緯を実物を交えて、雪華綺晶に説明する蒼星石。
話せば話すだけ、雪華綺晶の顔から、見た感じでは気づかないが、血の気が引いていった。
蒼「というわけなんだ・・・。本当に申し訳ないことをしたと思っている。
  弁償してもいい。・・・だから許してくれとは言わないが、どうだろう?」
誠実な態度でもって雪華綺晶に接する蒼星石。
だが、それでも雪華綺晶の様子がどこかおかしくなってきて・・・
雪華「わ、私の・・・ハーネル・・・ハ、ハーネルが・・・」
ぶつぶつと言い出した後、カクンと体が落ちた。そして恐怖がやってくる。
雪華「ドイツの科学力は世界一ィィィィィィィィ!!!!!」
いきなり、体を振り上げたかと思うと、そう叫び蒼星石に迫る雪華綺晶。
雪華「よ、よくも・・・私の・・・私の楽しみにしていた・・・ハーネルを・・・!!!」
ハーネル。ハーネル StG44突撃銃。ドイツのハーネル社が開発し、
第二次大戦後期のドイツ軍主力火器として使用された、世界初の本格的突撃銃。
雪華綺晶のことだ、モデルガンでない本物なのであろう。
こいつをぶっ放したい一身で今日を過ごしてきた雪華綺晶にとって、このアクシデントは青天の霹靂であるのだから
その怒りたるや、普段からは考えられないくらい凄まじいものがあった・・・らしい(By.蒼星石)。
蒼「お、落ち着いて・・・たしかに僕が悪かったよ。だから、弁償もするし」
雪華「な、何言ってるの?!・・・あなた・・・この銃の価値が・・・分からないの!?」
蒼「そ、そんなに高いのかい?」
いくらなんでも万単位程度で考えてたので、それ以上高額になるとちょっと・・・
と引け目を感じてしまう蒼星石。必死に自分の預金残高を思い出そうとするが。

雪華「値段の・・・問題・・・なんかじゃない!!」
蒼「え?」
雪華「私は・・・雨が降り続く・・・一週間前から・・・これを・・・楽しみに・・・していたのにっ!!
   それを・・・あなたって人は・・・!!」
そう言い様、またも蒼星石に掴み掛かる雪華綺晶。
たしかに楽しみにしていた物をいきなり壊されては堪ったものではない。
しかも、訓練しているだけあって掴み掛かるその力も凄まじい。
薔薇「ね、姉さん・・・お、落ち着いて・・・」
おっとりと姉の暴行を止めに入る薔薇水晶。たしかにこの事件は蒼星石が悪いが
いくらなんでも、これはやりすぎだと言いたいのだろう。
蒼「うう・・・く、くるじい・・・」
薔薇水晶が止めに入ったお陰か、何とかその手を離す雪華綺晶。
雪華「うう、私の・・・ハーネル・・・ひっく・・・うう・・・うわーん!!」
感情を表に出さないことで有名な雪華綺晶が突然の号泣。
さっきまで苦しんでいた蒼星石も、そして薔薇水晶までもこれには驚く。
蒼「き、雪華綺晶先生?!」
薔薇「ね、姉さん・・・」
雪華「あァァァんまりだァァアァァ!!!うわーん!!」
どうしよう、たしかに悪いのは僕だが、こうまでなるとどうしてよいのか・・・
対応に困る蒼星石。普段物静かな奴がキレたりした場合もどうしていいか分からなくなるのと一緒の心境である。
蒼「あ、あの・・・」
と、やはり誠実に対処しようと大人の対応を見せようとしたが
雪華「・・・ふぅー・・・スッキリ・・・」
さっきまで号泣してたのが嘘かのように静かになった雪華綺晶。
そして、また対応に困り始める蒼星石達。
蒼「あ、あの・・・やっぱり・・・僕、弁償するよ。本当にごめんよ。」
やはり、大人の対応を見せるしかない蒼星石。だが

雪華「ふん・・・そんな・・・自分の・・・ぬいぐるみを・・・持ってるような・・・不思議ちゃんには
   この銃の価値なんて・・・一生分からないんだわ・・・。」
蒼「なっ!?き、雪華綺晶先生、言って良いことと悪いことがありますよ?!」
自分の心から愛した生徒の愛情の籠もった贈り物に対して何ということを・・・そう反撃した蒼星石だったが、
そんな蒼星石を一瞥しただけで雪華綺晶はプイッと向こうをむいてしまう。俗に言う拗ねるという行為である。
雪華「ふーん・・・いいもーんだ・・・蒼星石には・・・そんなのがあって・・・私には・・・」
蒼「だ、だから、謝っているじゃないですか?!弁償もしますって!!」
雪華「謝って・・・すむ・・・問題じゃない・・・」
蒼「くぅ・・・」
糠に釘、暖簾に腕押しとはまさにこういう状況を言うのだろう。どうしたものだろうか。
そして、今まで黙っていた薔薇水晶が突然動き出す。
薔薇「姉さん・・・この銃は・・・壊れちゃったけど・・・また買えるよね?
   でもね・・・失った信用は・・・いくら出しても・・・買えないの・・・」
妹の言葉には耳を貸すのか、素直に聞き入れる雪華綺晶。
薔薇「姉さんは・・・物じゃないでしょ?・・・人間だわ・・・心に愛を抱いてるもの・・・
   蒼星石だって愛を持って・・・接してくれているんだから・・・許してあげよう?」
蒼「ば、薔薇水晶先生・・・」
雪華「・・・分かった・・・じゃあ・・・許してあげる・・・」
ちょっと納得はいかないが、妹の必死の説得が効いて素直になった雪華綺晶。
薔薇「姉さんは・・・貪欲と・・・憎悪と・・・暴力を・・・克服したのよ・・・」
雪華「私は・・・ハンナ・・・じゃないんだけど・・・」
蒼「???」
2人が良い事を言っているのは分かるが、チンプンカンプンの蒼星石。
だが、許してもらえただけ幸いであろう。下手したら銃殺刑とかになりかねない。

蒼「良かった・・・それじゃ・・・許してもらえるのかい?」
雪華「うん・・・あ、待って?・・・1つだけ条件がある・・・」
薔薇水晶も蒼星石も条件とは何事かと見つめる。
雪華「これ・・・」
これ・・・膨らませてあるゴムボールらしき物体を取り出した雪華綺晶。
雪華「射撃部で・・・これを・・・頭に・・・付けて・・・動く的になってくれたら・・・許してあげる・・・」
薔薇「ね、姉さん!!」
その後、やはりそんな要求が通る筈もなく、職員室では妹に説教を受ける姉の姿があったそうな。
雪華綺晶曰く、あんな憤慨した妹は見たことがない・・・らしい。

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