ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

並行世界

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いつものように職員室に一人残り、仕事をしている蒼星石。
だが、相当疲れが溜まっていたのだろうか、仕事をしながら眠りについてしまう。
「あれ・・・僕は確か職員室で仕事を・・・」
次に蒼星石が見たのは見慣れた商店街。
「なんで商店街に・・・もしかして夢かな?」
蒼星石は自分の頬を思いっきり引っ張る。
「痛い・・・って事は・・・現実?」
先ほどまで職員室で仕事をしていたのに・・・。
夕方7時を越えていたのに、何故かお昼のように明るい。
蒼星石は自分の腕時計の時間を確かめる。
「え?9時って・・・朝の9時?ち、遅刻だ!」
蒼星石は大急ぎで有栖学園へと向かう。
職員室に入ると、そこには誰もいない。
おそらく授業中なのだろう。蒼星石は自分の机へと足を向ける。
「あれ・・・?僕の机は・・・?」
あるべき場所には蒼星石の机はなかった。
他の教師の机はちゃんとある。
しかし、異常な点が見つかった。
「真紅の机の上に・・・湯のみ?」
あの紅茶好きな真紅の机の上にあったのは風流な湯のみ。
蒼星石が頭を抱えて悩んでいると、チャイムが鳴る。

職員室の扉がガラガラと開き、真紅達が入ってくる。
「貴方、誰なの?」
真紅が蒼星石を見て、第一声がそれだ。
真紅に続き、水銀燈や雛苺までも誰?と聞いてくる。
「何を言ってるんだい・・・冗談は・・・やめようよ・・・僕だよ、蒼星石だよ?」
「蒼星石?聞いたことないのだわ」
「ヒナも全く知らないですのー」
「わたしもよぉ?」
真紅は悪質な悪戯をするような人間ではない、その真紅すら知らないと言っているのだ。
蒼星石は何が何だかわからなくなってしまった。
「それより、水銀燈、煎茶を淹れて頂戴」
「自分で淹れなさいよぉ」
そんな事を言いながら渋々煎茶を淹れる水銀燈。
だが、蒼星石にはそんな光景は全く目に入っていなかった。
(そうだ・・・翠星石なら・・・)
蒼星石が最後に頼ろうとしたのが幼馴染の翠星石である。
翠星石だけはどんな時でも蒼星石の味方だった、生徒を守るために不良を殴った時もそうだ。
そんな事を考えていると粋星石が職員室に入ってきた。
「翠星石!」
「な・・・おめぇ、誰ですぅ?」
「僕だよ!?蒼星石だよ!」
「え・・・?う、嘘つくなですぅ!!蒼星石は・・・蒼星石は・・・
 私と一緒に有栖学園に赴任する前日に事故で死んだですぅ!」
涙を流しながら言う翠星石、落胆の表情を隠せないでいる蒼星石。
(どういう事・・・?僕が死んだ・・・?だって僕は確かに教師としての仕事を・・・)
蒼星石は真相を確かめるために実家へと急いだ。
実家に入ると、一つの仏壇が置いてある、そこにある遺影は確かに蒼星石の写真だった。
蒼星石はあまりの出来事で、その場に座り込んでしまう。

(僕は確かに教師をやっていた・・・やっていた・・・のか・・・?
 あれ・・・?ボクハドウシテココニイルンダ・・・?)
(事故死の真偽をタシカメルタメ・・・?
 おかしいじゃないか・・・だって・・・ボクハモウシンデイルンダカラ・・・)
蒼星石は無意識のうちに実家を出て、そのまま商店街の近くの交差点にいく。
「僕はここで・・・」
「なんとか間に合いましたね」
蒼星石の後ろにはいつの間にかラプラスが立っていた。
「ラプラス・・・?」
「おや、知っていましたか、やはりそちらにも私はいるのですね」
「どういう事・・・?」
蒼星石がそう尋ねるとラプラスは静かに口を開いた。
「平行世界というものをご存知ですか?
 貴方は平行世界の別の空間からこちらの空間に呼ばれたのですよ」
「呼ばれた・・・?それに平行世界って・・・?」
「世界は平行していると言われています、例えば、大金持ちの人も平行世界では貧乏だったり、
 全く同じ世界ではないのです、何かが違っている、貴方はそれに気付いたはずですが」
確かに、平行世界なら全ての事に説明がつく、一つの事を除いて。
「仮に僕が平行世界から来たとして、僕が事故の時の記憶を持ってるのはおかしくないですか?」
「それがですね、どうやら同じ世界に同じ存在は2つ存在できないようなのです、
 幸いこちらの世界の貴方がすでにお亡くなりになられているので、記憶の共有だけで済んだのですが」
もしも蒼星石が生きていた場合、後から来た蒼星石は消えてしまうらしい。
「でも呼ばれたって一体誰に・・・?」
「平行世界を信じる、一人の科学者によってです、貴方がここにいることが平行世界があると言う事を証明できたので
 貴方をこれから元の世界へ帰すのです、そのために私は派遣されました」
そう言って、ラプラスは妙な機械のスイッチを入れる。

「ん・・・ここは・・・」
蒼星石が目を覚ますとそこは職員室の自分の席だった。
「戻ってこれたの・・・?それともただの夢?」
そう思い、立ち上がる、外はすでに明るくなっている。
職員室の扉が開き、暗い表情の翠星石が入ってくる。
「翠星石!!」
「え・・・?あ、蒼星石ですかぁ!?」
「そうだよ!僕だよ!」
突然抱きついてくる翠星石。
「一週間も何処行ってたですかぁ!!」
「え?一週間・・・?」
やはりあれは夢ではなく現実だったのだろうか。
「そうですぅ!翠星石は・・・翠星石は・・・グスッ・・・」
「ごめん・・・もう何処にも行ったりしないよ」
「次いきなり、いなくなったら・・・嫌いになるですぅ」
「大丈夫、もういなくならないよ」
そう言って翠星石を強く抱きしめる蒼星石。
(死んじゃった僕の分まで、僕が幸せにならないとね)

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