ローゼンメイデンが教師だったら@Wiki

苦労人蒼星石

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  薔「蒼星石先生!大丈夫ですか!?」
  蒼「…ゴホッ…何とか」
   壁に寄りかかる蒼星石と彼女を心配する薔薇水晶。
   どうしてこうなったのか、時間をさかのぼって説明しよう。
   30分前…
  蒼「はぁ…どうしようかな」
   教務室で1人ため息をつく蒼星石。
  蒼「何度やっても慣れないんだよね」
   そう彼女はこれから大の苦手の校舎の見回りに行かなくてはならないのだ。
   時刻は11時30分。あたりからは何の音もしない。静寂につつまれている。
  蒼「…よし、こうしていても始まらない。…行こう」
   意を決して懐中電灯を手に取る。すると、廊下の方から何か音がする。
  蒼「えっ!?何の音?」
   コツ コツ コツ コツ コツ
  蒼「これって…足音!?」
   そう、廊下の方でしているのは足音。それも教務室に近づいてくる。
  蒼「ど、ど、どうしよう…こんな時間に人なんている訳ないから、きっと…」
   お化けしかない、そう考えた彼女は慌てふためいた。
  蒼「隠れなきゃ…でもどこに?教務室の中なんてすぐに見つかっちゃうよ…」
   そんなことを考えているうちに足音が教務室の前で止まった。そして、
   ガラッ
   ドアが開き、そこには人影があった。
  蒼「うわぁぁぁぁぁ!!!でた~~~~~!!!!」
   悲鳴をあげる蒼星石。しかし、
  薔「…何がでたんですか?」
  蒼「…へっ?」
   そこにいたのは同僚の薔薇水晶だった。 

  蒼「薔薇水晶先生、こんな遅くまで何を?」
  薔「ええ、放送部の部室を整理していたらいろいろ懐かしいものがでてきて…
    それを見ながらやっていたらこんな時間に…
    …蒼星石先生は何を?」
  蒼「ボクは校舎内の見回りを…」
   ここで蒼星石にある考えが浮かぶ。
  蒼「そうだ!薔薇水晶先生も一緒に回ってください」
  薔「…でも、帰らないときらきーが…」
  蒼「いいから!早く行こう!」
   半ば強引に薔薇水晶を連れて行く蒼星石。
  蒼(1人じゃなきゃ余裕だもんね。助かったなぁ)
   蒼星石は安堵していた。心強い味方が増えたことに。
   しかし、蒼星石は気付いていなかった。
   隣にいる薔薇水晶が蒼星石に禍をもたらすということに・・・

   そのころ・・・
  雪「ばらしー遅いなぁ…お腹減った…」
   家で1人薔薇水晶を待つ雪華綺晶。その脳裏に1つの考えが浮かび上がる。
  雪「…まさか!?誘拐とか!?……待ってて、ばらしー」
   装備を固め家を飛び出す雪華綺晶。外は雨が降っていた。

  薔「…降ってきましたね…」
  蒼「そうだね」
   有栖学園の周りにも雨が降り始めた。雨音のする校舎内を回る2人。
  薔「…蒼星石先生は幽霊がダメなんですよね?」
  蒼「うん、そうなんだよ。ああいう類のものはどうもね…薔薇水晶先生は?」
  薔「…私…信じていませんから…」
   蒼星石には心底うらやましかった。そういう体質に戻れたらなぁと。
   そんなことを話しているうちに校舎を回り終った。
  蒼「いやー本当に助かったよ。ありがとう!」
  薔「…困っているときはお互い様です…」
   薔薇水晶にお礼を言う蒼星石。
  蒼「そうだ!今度お礼として…」
   食事に誘うよと言おうとした時、蒼星石達を閃光がつつんだ。雷だ。
   ピシャン  ドーン
  薔「きゃぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!」
  蒼「えっ!?うぼぁ!!!!」
   突然薔薇水晶のタックルをみぞおちにくらう蒼星石。壁まで吹き飛ばされた。
  蒼「あいたたた…」
  薔「…すみません!蒼星石先生!大丈夫ですか!」
  蒼「…ゴホッ…何とか」
   しかし、何故薔薇水晶は蒼星石にタックルしたのか?その訳はこうだ。
   薔薇水晶は雷が大の苦手で、さっきも怖くて蒼星石に抱きついたつもりだったが、
   勢いが強すぎて吹き飛ばしてしまった、という訳だ。
  薔「…本当にすみません…どうお詫びしてよいやら…」
  蒼「そんなに深刻な顔をしないでください。た、たいしたことありませんから」
   しかし実際は肋骨のあたりがひどく痛んだ。ひびくらい入っているかもしれない。
   それほどの勢いだったのだ。
  薔「…ですが…ひくっ、ひくっ…」
   申し訳なさからだろう、薔薇水晶は泣き出してしまった。するとそこへ・・・

  雪「はぁはぁ…ばらしー!?」
   そこに現れたのはずぶ濡れの雪華綺晶だった。街中を探したのだろう。
  薔「き、きらきー…蒼星石が…」
   涙目で雪華綺晶に告げる薔薇水晶。雪華綺晶はぐったりしている蒼星石に目をやる。
   普通の人なら蒼星石に異変があったと思うだろう。
   しかし、雪華綺晶は違っていた。
  雪「蒼星石…あなたばらしーに何をしたの?」
  蒼「えっ!?イヤ、ボクは何もしてないよ!!」
  雪「嘘をつきなさい…」
  薔「…本当なの…蒼星石は悪くないの…」
  雪「ばらしーは黙ってて…」
   普段は妹の方が強いのだが妹のことになると姉が強くなるようだ。
  雪「ばらしーを泣かせた罪は重い…覚悟はいい?」
   そういっておなじみのワルサーP38の銃口を蒼星石に向ける雪華綺晶。
  蒼「!!ちょ!?ホントにボクは何もしてないってば!!」
  雪「命乞いは見苦しい…」
  蒼「ホントに待っ…ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」
   校舎内に蒼星石の悲鳴がこだました。



   翌日…
ローゼン「えー突然だが蒼星石君が1ヵ月の間入院することになった」
  翠「何でですぅ!?詳しく話すですぅ!!」
  雛「蒼星石がいないと大変なのー」
  真「そうなのだわ。私1人ではこの問題教師共は手に負えないのだわ」
  銀「問題教師って私のこと?まな板真紅ぅ」
  雛「このカナの頭脳に任せるかしらー」
   教師陣から疑問と不満の声が上がる。それを聞いて自分の席で小さくなる薔薇水晶。
   雪華綺晶の方はというと…
   薔薇水晶に朝まで怒られたのだろう。目の下にくまができている。



   一方病院では…
  蒼「肋骨を2本骨折、+全身打撲か…まぁ命があっただけよかったのかな」
   雪華綺晶のゴム弾を全身に受けて病院に運ばれた蒼星石は呟く。
  蒼「せっかく球技大会のケガが治ったばかりなのになぁ…
    そういえばそのケガも雪華綺晶先生が原因だったなぁ…相性悪いのかなぁ」
   昨日の夜とはうって変わった青空を見ながら再び呟く。
  蒼「まぁ起きちゃったことはしょうがないよね。
    せっかく病院でゆっくりできるんだし」
   とんでもないプラス思考の蒼星石。しかし、ゆっくりはできなかった。
   ドタドタドタッ   ガチャ
  翠「蒼星石!大丈夫ですかぁ?」
  雛「ヒナのうにゅーあげるから早く元気になってなのー」
  真「あなたがいないとこの馬鹿共を抑えられないのだわ」
  銀「聞き捨てならないわね。誰が馬鹿ですってぇ?」
  金「カナが発明したこの薬を飲めばケガも一瞬で治るのかしらー」
  薔「…本当にごめんなさい…これお見舞い」
   つメロン
  薔「…ほら、きらきーもあやまって」
  雪「でも…」
  薔「…いいからあやまる!」
  雪「…ごめんなさい…」
   病室に入ってきてぎゃーぎゃーと騒ぐ同僚達。蒼星石はそれが嬉しかった。
   こんなに心配してくれる友がいるのだから。
  蒼「みんなありがとう…でも傷に響くからもう少し静かにしてね」
   蒼星石の入院生活はゆっくりとはできなかったが、
   それはもう充実したものだったそうだ。

   おしまい

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